【紅作戦】道満山・乾徳山・笠盛山・黒金山・西沢渓谷
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- GPS
- 06:18
- 距離
- 16.8km
- 登り
- 1,849m
- 下り
- 1,579m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復:西沢渓谷入口バス停〜塩山駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 〜乾徳山 所々急な上りはあるが、特に危険な箇所は無い。 乾徳山〜黒金山 落葉の堆積と、通う人の少なさにより道がわかりにくい。なんとなく道かな〜?というところが道。ピンクリボンを見落とさないように。暗くなったら進退窮まるかも。 黒金山〜西沢渓谷 渓谷から登る人が多いのか、道ははっきりしている。落葉の堆積には気をつけないといけないが、特に難ありというわけではない。 |
写真
感想
Q.徳和から西沢渓谷まで6時間半で行けるかなあ?
A.やってみないとわからん。
また、ある時…
Q.紅葉見頃の時期の週末に西沢渓谷に行っても激混み必至だぜ?
A.こむとても 時今なれば いざ訪はん 松間に望む 相見たき淵
混むのはわかっている。西沢渓谷みたいな有名どころは朝早く行かないと駄目だ。しかし、今回そちらはメインではないので、まあいいやと出かけることにした。土曜より日曜の方が人出は少ないだろうと土曜は群馬(「白砂渓谷ライン散歩」参照)、日曜は山梨とする。
目的は「紅葉」。しかし、それだけなら西沢渓谷がメインだ。もう一つの主要目的は「晴れの乾徳山」。以前来た時は雲に覆われていたからなあ。晴れたらどんな感じだろう?ワクワク
気になるのが所要時間だ。車2台で行く余裕があれば徳和と三富にそれぞれ止めればよいが、独り身ではそういうわけにもいかない。バスが頼りだ。しかし、甲州市の塩山駅との間のバスだと早くても徳和着が9時過ぎ。西沢渓谷入口バス停発最終は15時40分だ。思いついて行程を見積もった時は「何とかなる」という予想だったが、結果としては「何とかなったがギリギリ」だ。もう少し時間が欲しかった。
…などと思いつつ、後で調べてみると、山梨市駅行きの山梨市営バスの最終は16時25分だった。プラス45分あれば紅葉の西沢渓谷遊歩道を早足で歩くこともなかったなと口惜しく思う。
※同じ行程でさらに時間に余裕を持たせる場合
道の駅みとみまで車で行き、0720時西沢渓谷入口発の山梨市営バスに乗る。乾徳山登山口には0746時着なので本山行よりも70〜80分早く歩き始められる。また、バスの時刻を気にすることもない。或いは徳和の駐車場に止めて乾徳山から歩き始めるか、または三富の駐車場に止めて西沢渓谷から歩き始めるようにすれば、ゴール地点のバス時刻に間に合うように歩き始めればよいので幾らでも余裕は作れる。
前日に群馬の白砂渓谷を歩いたことによる疲れからか、予定より30分ほど寝過ごす。塩山駅南口バス停は長蛇の列が予想されたので、一本前の電車に乗る予定だったが、それが駄目になる。
立川で甲府行きの電車に乗り換えると、山か渓谷に行くと一目でわかる乗客ばかりだ。甲府行きの電車に乗るからには高尾で降りる人などおらず、ほとんど皆が山梨へ。「これはほとんど塩山で大菩薩か西沢渓谷・乾徳山だな」と思ったら案の定そのとおり。幸いバスは2本立てで皆乗れたと思う。以前乗った時は西沢渓谷のマップとティッシュを乗客に配っていたが、今は運行会社が変わったのか、いろいろと厳しいためか、やっていない。
徳和の乾徳山登山口バス停では他にも結構な数の人が降りた。バス停近くの駐車場にもたくさん車が停まっており乾徳山の人気がうかがえる。しかし、道満尾根からは私だけで、他の人達は銀晶水−錦晶水ラインで行ったようだ。
【道満尾根】
最初は樹林帯の中を緩やかに登っていく。大平牧場へ至る道と接する所で左旋回、その後もう一つ大平牧場へ下る道と交差する所で岩はいよいよ増し、上りも急になるが、ある程度上ると富士山や南アルプスへの展望が一気に広がる。展望を楽しみながら岩を乗り越えていけば間もなく月見岩のある草原だ。この尾根は歩きやすいように思うが、歩いている人は多くない。大平牧場へ下る道路と交差する地点で1パーティが降りてきて、あとは数名とすれ違ったのみ。
【月見岩から乾徳山】
視界が開けて草原に乾徳山が孤島のように浮かんでいる様が目に飛び込んでくる。普段住宅密集地域で暮らしていると、このように開けている空間がたまらない。草原の中に月見石がぽっこり頭を出し、そこから富士山もよく見えてこれだけでも十分満足し得る。だが、乾徳山を目指す人の多くはやはり山頂直下の岩場を目当てに行くのだろう。草原から一旦樹林帯に入るが、次第に岩の上りとなり、それと共に空が広くなってくる。この辺りから他のハイカーに追いつき、各岩場で撮影休憩をとりながらの歩きとなる。この時はまだ十分時間があると思い、岩に腰を下ろして休んだりする余裕があった。山頂直下は5,6名ほど登攀中の3,4名ほど順番待ち。道満尾根が静かな山行だっただけに「どこから湧いてきたんだ?」と思うほどの人出だが、よく晴れた紅葉の週末とくれば人が多いのも頷ける。
【乾徳山から黒金山】
乾徳山は多くのハイカーでいっぱいな感があったので、昼食休憩は笠盛山か黒金山でとることとし、軽い休憩の後、先に進むこととする。が、岩の山頂、下りも慎重さを要する。前の男女ペアの女性が若干士気阻喪気味だった。恐らく男性の方が誘ったのだろうが、こういう所へ行く際は連れが耐え得るかよく考えないといけないなと思う。少なくとも、いきなり乾徳山ではなく段階を踏むとか。自分も妙義山の稜線を歩いてみたいと思った時には行者ヶ岳、乾徳山、両神山を前哨として歩いたものだ。といっても今思い返せばどれも本番クラス。よくやったもんだと思うが、落ち着いてやれば何とかできるということでもある。
ネット上で「初心者は来るな。」という書き込みが時折あるが、その山に行ってみたいと思っている人からすれば何の参考にもならない。誰でも初めては経験するんだから。「●●までで難儀するようなら以降は困難」等と書くのが有意義。「○○山→△△岳→□□峰」とステップ例を示すと世話焼きすぎか。だが、どの山も様相は異なるので、最終的には実際に面と向かった時に適切な状況判断ができるかどうかだろう。そうすると「初心者」とは状況判断が甘いか未熟な者ということになるが、自分にも判断ミスの例は幾らでもあるので、私も初心者の域は出ていないのだ。
岩場を降りて黒金山分岐を過ぎると、どうも道がわかりにくい。道というものは無いのではないかというほど薄いトレースだ。点々とある赤テープが行く先を示してくれるが、そうそう目立つわけでもないので歩みは慎重になる。道が草葉で覆われつつもあり、乾徳山から黒金山方面へ足を踏み入れるのは躊躇する人もあるだろう。しかし、道中の岩場からの展望は良く、最後に行き着く黒金山も見晴らしが良い上に落ち着いて休めるスペースが十分にあるので、労苦は十分に報われることだろう。
【黒金山から西沢渓谷】
黒金山で軽食休憩をとった後、下山にかかる。牛首の道標では西沢渓谷まで3時間40分とあり、あまり余裕は無さそうだ。黒金山の山頂から標高2000mあたりまでは一気にガツンと下るので、「案外早く降りられそうだ」と思ったが、その後この標高2000mを挟んでいくつかのピークをアップダウン。「下るだけじゃないのか?」ともどかしく思う。「いつまで2000mピークが続くんだ?」と思い始めたところで、再度ガツンと下る。ここで幸運だったのは道がしっかりしていて滑らなかったこと。傾斜そのものは急で上りも下りも大変なのだろうと思うが、最近はザレていて足を置いたら毎度数十センチずれるような山ばかり下りていたので、置いた足が滑走しないことに新鮮な驚き。滑らないことの喜びと下りで勢いがついていることもあり、下山はスタスタとスムーズに進行した。太陽が傾き、山の影の部分は大きくなりつつあったが、次第に沢音が聞こえ、もう少しだと自分を励ます。人の声が聞こえるようになったら西沢渓谷からの黒金山登山口は近い。
西沢渓谷は周回ルートとなっており、滝を間近に通るルートが半分、かつて軌道が走っていた山側のルートが半分、その中間が黒金山登山口の辺りとなる。できれば滝側の道を歩きたいところだが、黒金山登山口付近で休んでいた人の多さから安全を期して山側の旧軌道跡を歩くこととした。早歩きとはいえ一時間、最盛期は過ぎ、日も傾いて影が濃くなった時間帯ではあったが、西沢渓谷の紅葉を十分楽しめた。最後まで陽の当たる甲武信・鶏冠の稜線は雄雄しく、いつか鶏冠山に行ってみたいと思わしめる。
最終的に無事バスには間に合ったわけだが、滝や紅葉を立ち止まって眺めたり、撮影したりする余裕はあったものの、早歩きだと若干歩くことに注意が行って、興趣が削がれる気がする。西沢渓谷には何回も来ているしまあいいやと思った部分もあるが、趣味というものは趣を感じられてこそ趣味なのだということを忘れてはなるまい。
〜おしまい〜
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