厳しく楽しい、梅雨の合間の鶏冠山
- GPS
- 07:57
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 1,283m
- 下り
- 1,282m
コースタイム
- 山行
- 5:49
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 7:56
天候 | 曇一時小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【西沢渓谷入口—二俣吊橋】 遊歩道上に倒木あり。ここ数日の雨の影響で倒れたと推測 【二俣吊橋—鶏冠谷出合】 今日の山場はココ。河原沿いのルートは水没。山側の巻き道は通行可。渡渉が核心。平常時より30cmくらい? 増水していて水深は腰下。単独者や十分な装備・技術がないパーティは撤退を考えた方がよい 【鶏冠谷出合—チンネのコル】 泥と落葉がスリップしやすく要注意 【チンネのコル—第三岩峰】 岩場は乾いていた。第三岩峰は直登せず迂回 【第三岩峰—鶏冠山山頂】 シャクナゲの藪と倒木が連続するが難関は大量の蜘蛛の巣 |
写真
装備
共同装備 |
8mm×20m補助ロープ
120cmスリング+環付カラビナ数セット
|
---|
感想
今日はyanzmとアイスクライマー女子のcaixinの3人で鶏冠山へ。
caixinはかつて同行者のトラブルで一度敗退したことがあるという。私とyanzmは初挑戦である。
わずかな小雨の降る中を西沢渓谷の駐車場を午前4時に出発し、1か月前に通ったばかりの遊歩道をまた歩く。山は濃いガスに包まれている。この天気では甲武信へ行く登山者などいないだろうと思ったが、徳ちゃん新道の入口に先行者が1名いた。遊歩道を歩いているうちに雨はやんだ。
二俣吊橋で遊歩道と分かれ、東沢の河原へ降りる。ここは昨年、沢登りで釜ノ沢を溯行したときに通った。しかしここ数日の雨で東沢は増水しており、河原沿いのルートは水没していた。増水は想定していた。山側をトラバースする迂回路を歩く。
見覚えのある鶏冠谷出合まで来るがかなりの水量だ。3人の中で唯一沢登りの経験がないyanzmはビビって帰りたいと言い出す。私が試しに沢へ入ってみるが水深は腰近くまである。前回は膝下だったが、、30cm以上は増水していそうだ。水流も早く、足を取られそうになる。続いてcaixinが渡渉を試みるがやはりヒヤリとする所があった。これではyanzmは独力の渡渉が難しそうだ。ロープを出してcaixinに確保してもらいながら私が一旦戻り、ロープを張る。ロープにカラビナとスリングを通し、そのスリングを持ってyanzmが渡渉した。何度か倒れそうになっていたので、ロープを出さなかったらヤバかっただろう。間違いなく今日の核心部は渡渉だ。yanzmが対岸へ着いたのを確認してから私がもう一度渡渉してロープを回収する。
全員の渡渉が終われば一安心。尾根歩きの装備にチェンジする。鶏冠谷の右岸を少しへつり気味に進むと尾根へ上がる登山道が現れる。雨でぬかるんでいるので慎重に歩く。周囲の木々も雨に濡れて、沢登りの高巻きをしているような気分で尾根道を登っていく。
やがて道は急になり狭くなりきわどいトラバースも出てくる。yanzmが「果たして帰りにここを降りられるんだろうか」などとつぶやいている。最近は週1でボルダリングをみっちり練習していてるから、この程度のルートなら問題ないよ。
チンネのコルを無事に過ぎ岩場に入る。それまで無口に登っていたcaixinが急に元気になり、「いいねー」と言い出す。クライマーの血が騒ぐのであろう。
第二岩峰周辺は急峻な鎖場が連続するが、ホールドは多数ある。岩は乾いていて、雨の影響はなかった。長いのと高度感が問題なのだろう。幸か不幸か厚いガスのせいで下はあまり見えない。3人とも順調に登って第二岩峰に立った。遠くを見るとガスが切れかかって稜線が見えている所もあり、視界は思っていたよりはあった。
続いて第三岩峰へ。取り付きまで来たらアイスクライマーのcaixinがこれ登れるの? と聞いてくる。私の事前調査では上部が少しオーバーハングしていてフリーではリスクがありそう。説明すると、大人しく右手の迂回路へ向かった。ただし迂回路も楽ではない。雨に濡れた狭い急斜面を一度下って登り返す。そして第三岩峰へ到着。山梨百名山の標柱がある。少し休憩して山頂へ向かう。倒木が多く、またシャクナゲが濃いが通行が困難という程ではない。ただ蜘蛛の巣が多くて払うのがやっかいだった。何日も誰も登っていなかったのだろう。山頂は意外にも開けていて一応山頂標もあった。
山頂で記念撮影したらいよいよ下山。岩場の下りは気をつかった。その先も雨で滑りやすくなっているので慎重に降りていく。チンネのコル付近まで戻れば歩きやすくなりペースが上がる。行きにyanzmが「降りれるだろうか」と心配していたあたりはもう問題なかった。
鶏冠谷出合まで戻ってきたら渡渉という最後の大仕事が残っている。またロープを出してcaixinまず先頭で渡渉。これは成功。両岸にロープを渡してyanzmが渡渉。流れの早い中央部で少しよろめいたが自力で立て直して渡れた。最後に私が渡った。既に3回渡っているので問題なかった。全員渡渉してようやく安心できた。こんな天候の日に後続などおらず、ここまで三密とは完全に無縁だった。
あとは少し歩けば二俣吊橋、遊歩道を20分ほど歩いて駐車場へ。鶏冠山はやはり厳しかったが、これで山梨百名山の四天王は全てクリアできた。鋸岳や笊ヶ岳の時もやり切った感があったが、今日も十分に満足できた。また来たいと思える山だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する