十勝岳 OP尾根〜Gコース
- GPS
- 18:45
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,316m
- 下り
- 1,304m
コースタイム
10日
白銀荘5:40―8:50OP尾根取付9:00―10:00Gap1から始まるポイント帯前半11:30−12:10第2リッジとか含むポイント帯後半14:50―15:00大砲岩手前追悼15:15―16:20カミホロ小屋
11日
カミホロ小屋7:10―色々練習11:00―12:00十勝岳12:30―14:00十勝岳避難小屋―15:10下山
天候 | 10日 朝から雲海気味。尾根の上部は晴れのほうが主体だったが、下部の方はガスの中だったのではないか? 雲海の上は綺麗に晴れており、非常に綺麗。暑い。 11日 スカッパレ。昼過ぎから少し雲も出てくるが、無問題。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
望岳台ー白銀荘間は冬期通行止に入っているので通過不可らしい。路上に雪は全くないけど。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
入山口あたりは雪は皆無。 三段山の1段目先から雪が出始め、 OP尾根に乗るあたりからは結構この時期としては普通の量? 上部は多いと思う。 ポイントはほとんど上を行ける。そして、今回は全く埋まらず、全部アイゼンがキシキシ効いて歩きやすかったが、その分高度感もあった。 また、好天のため雪が腐り、その影響もあってか知らずか、某氏が第2リッジ前くらいのところで2−30mほど滑落。 白銀荘は、11/10からヒバの湯が新しくなって、露天も手摺とかが完備されて、リニューアルオープン!それを記念して1ヶ月ほど入力料が半額の1人300円!行くっきゃ無いね! ちなみに、半額!?マジ!?みたいなことを玄関先で言ってると、店員さんから本日の半額時間は終わりました。今の時間は倍額1人1200円です。とふっかけられるイベント発生。 |
写真
感想
さぁて、ここからがツクチェ・ピーク遠征隊プレ1。OP尾根。
函館から来た二人を載せて白銀荘までドライブ。道に雪は全くない。白銀荘につくと、白銀荘にはただ今閉館中という文字。下山後の温泉は吹上温泉かな?みたいな話をしながらパッキング。あまりの雪の少なさに、スキーを持っていくべきか否かを悩むが、やむなく置いていくという方向で話がまとまる。無念。準備して、三段山への夏道へ。夏道は最初はっきり。1段目あたりから夏道に雪が出だし、2段目の途中あたりでスノーシューに履き替える。そのあたりから夏道はわかるもののだんだんハイマツが覆いかぶさってきたりするが、雪も硬く、スノーシューでうまいことハイマツさんと懇ろにしておけば道は見つかる。なまこ尾根もbushが大変そうだったので、ある程度尾根上を行き、タラ地から三段目へと斜度が出始めるあたりで沢に降りてなまこ尾根の南側の沢型を詰めていく。沢中は雪で埋まっているが雪崩は全く怖くなく、快適な道。
沢を詰め上がっていき、地図上でたらーっとしてきたあたりで、OP尾根へと登ることに。沢に降りるところはよくよく考えないと所々岩壁。登るところも結構急。真冬はここは真っ白になっているらしいが、今回は雪崩に関しては無問題。ここで、留一氏のロルマ落としが発覚するが、戻るのもあれなので先へと進む。この判断がこの先あんな結末になろうとは誰がこの時点で想像していただろうか。
OP尾根に登るところからアイゼンを履いて登る。OP尾根上もハイマツはあるが、朝ということもあって雪が固く、スイスイ行ける。しかし、雪が腐ってる時にここまで来ることなんて考えたくもないルートだ。ちょっと登ったらG1。この辺りから尾根は細くなってくる。
G1は、4mくらい?の岩場。全然雪ついてない。何とか頑張って降りる。3人目以降は、下の方の岩にシュリンゲ巻いてホールドを足して降りる感じにする。最後の部分が掴むものがなかった。あと数10cm雪が積もれば無問題。残置ロープもあったのでそれを使うのもありだったかも。
で、次がたしか逆Z。適当に登れそうな沢型から登る。OP尾根は全体的に細くて急な尾根なので、トラバル時は結構急なので気をつける。
登った先ちょっと細かったりした気もするけど特に何もなく、これにてポイント前半戦終了。あとは雪も積もってきて快適にサクサク登れる尾根をギュイーっと上げてポイント後半戦へと挑む。ちなみに、逆ZとG1の間のコルあたりの下は、まぁテンパれるっちゃテンパれる気もするカンバは生えていた。そして、ここでサモア隊長がザックを北側斜面に落とす。ついでに副隊長店長の水も奈落の底へと消えていった。ザックの置き場所には気をつけましょう。
そして登り切ると見えてくるギバギバとした尾根。そして大砲岩。さぁて後半戦だ。まずはG2と思われる岩場。上を行こうとするも、雪もついていないこともあってちょっと降りられなさそう。ということで、ルンゼから降りて基部を巻くルートどりをしようという話になる。ちなみに基部以下はNの北西側?からナマコの北側の沢へと続く沢型で結構な誰が怖い時は怖そう。TOPはロルマをなくして凹んでいた留一氏。少しトラバル様にルンゼに入っていったところで、揃えた足の上側が団子かステップが崩れたかでスリップ。そのまま下の足も巻き込んでルンゼを滑りだす。とっさに滑落停止姿勢を取るものの速度を増してルンゼを滑りきり沢型へと。ここで僕からは見えなくなったが、岩場の上にいたサモア隊長からは見えていたらしく、「まだ滑ってる!K村さん!滑停ですっ!!」という悲痛な叫び。時間にして何秒だろうか?結構滑ったところで、「止まった!大丈夫ですかー!?」。。。しばらく間が空き「大丈夫。とりあえず怪我はしていない。」との声が。雪崩のテンションを確認してとりあえず落ち着いて登り返してもらうことに。隊長はルンゼをバックステップで降り、木村さんの元へととレース付に向かった。
木村さんの無事が確認されたところで、慎重にBSでルンゼをおろし、岩の基部をトラバってその先の雪稜の手前で溜まれる場所があったので休んでもらって落ち着いてもらって、弱層テストをしながら軽く反省会。結論として、落ちたロルマが命を救ってくれたんだという美談に落ち着く(一部省略)。落ちているときはほんとに死ぬかもと覚悟していたらしい。
これから先、ステップ等の確認はしっかりすること、木村さんは自己評価を再確認してゆっくりで良いので確実に進めることを確認して再デッパ。雪稜は最初の方は何も。何段かになっていて登って行くほど硬く、鋭く、急になってくる。一番上まで登ったところで、目の前にはあからさまに足の幅1本もないようなリッジ。あーいわゆるこれがリッジというやつか。と思い、自分には通過は不可能だと確信して、一回馬乗りになってみて怖さを体感したあとトップを隊長に譲る。隊長狂喜乱舞。三角木馬に乗ってるみたい!みたいな雰囲気でキャッキャウフフと騒ぎながら通過。それ以外のメンツは下部を巻くことにする。巻きも結構急で、沢型チックなところをトラバってOP尾根からの微尾根を使って尾根上に復帰するのだが、そのビオネに上がるところが10歩ほどの直登。雪は硬くて前爪しか刺さらないし、斜度は結構急で、ピッケルを挿せば安定するがそのピッケルの位置を移す際に普通に引き剥がされる感じがする程度の斜度。トップを行った副隊長を尊敬しつつ上へと上がる。乗った先も馬乗りになるほどではないがそこそこ急な雪稜が続いてP先の岩のあたりに。この雪稜帯がPの岩の上だったんじゃないだろうか。まぁ写真を参考にしてもらいたい。
続いて先はP先の岩を超えてからの第3リッジ。この岩の何処に基部があるんだと訝しみながら普通に上をいき、第三リッジへ。トップをやろうとしたが、今さっきの雪稜のことが頭をよぎり、下から見るとたいそう急に見えたこともあり、ここは辞退。副隊長に譲る。が、まぁ行ってみると先ほどほどではなかった。途中適当に歩いていたらピッケルが思った以上にさくっと刺さりバランスを崩しそうになるがセーフ。靴幅ほどの一歩でも踏み外したら真っ逆さまなルート上では最大限の緊張感を保ちながら行かなければならないことを再確認して突破。怖いけど風もないし晴れてるのでなんも。あとは何もなくて、大砲岩前まで登っていく。
大砲岩前で、OP尾根の通過を祝い、このOP尾根で雪崩に遭い亡くなったHUWVの高田さん、そして、カミホロの方で雪崩にあって無くなった方々、その他大勢の山で無くなった方たちへの追悼の意を込めて都ぞ弥生とエール。高田さんが好きだったと聞くチョコを大沢に投げ込んで、これから先の僕達の安全を誓う。
大砲岩は何もで、カミホロ小屋まで。カミホロ小屋が見えるところで、夕焼けまでの写真撮影タイム。そして、ビールタイム。山の上で飲むビールの旨いこと旨いこと。そして、雲海により、下部の雪がないような範囲は見えず、上部の雪に覆われた山だけが浮かんでいるというまるで冬真っ盛りのような景色を堪能し、日も落ちたところで小屋入り。夜は天気もよく、星空も綺麗で気持ちが良かった。そして、カミホロ小屋周辺のクマは日本語が読めるらしい。クマに向けたメッセージが日本語で書いてあった。
翌日。体調不良の副隊長の様子も見つつ、スカッパレの中、上ホロカまでの斜面でザイルワーク、などの色々な確認、練習をみっちり。その後、上幌加メットク山へと登って景色を堪能。P直下の岩は只の岩場。そしてPのボッコには上ホロカメ、ツトク山というように書いてあってちょっと残念。1文字ずらすとか出来なかったんですか?このボッコ作るとき。
サクッとカミホロ小屋まで戻って荷物を背負って十勝岳へと向かう。天気の良いせいか登山客と何人かすれ違ったり、沢型を早速スキーで滑り降りてるスキーヤーなども見たりしながら十勝岳。ピークビール。
あとは、コンテの練習チョットしながらさくっとGコースを降ろして、スリバチ火口下の下りでは二重尾根を夏道じゃない方の左側の方を降ろして小屋までショートカット。望岳台周辺はあからさまに雪一つないのが見えていたし、だんだん雪が少なくなるのもわかっていたので、だるい道を行かずにショートカットしようと九条武子の碑のあたりまでコンパス切って下っていく。やはり火山地形だけあって微地形がいっぱいでしかも地味に深くて面倒。途中からハイマツ帯に突っ込むがすぐに夏道を見つけ出し、あとは白銀荘下山。
休館中となっていたはずの白銀荘の駐車場は大満員。何事かと思って入ってみると、土曜日にリニューアルオープンしており、今月いっぱいくらい値段は半額の300円だと言う。喜び勇んで入って行き、温泉の人との冗談の言い合いというイベントもこなして、ヒバ?のいい香りのする温泉入って、富良野で鉄板焼きの正屋だったかな?かなんかって店でオムカレーとか食って、反省会とか色々話しながら帰札。お疲れ様でした。
来週は上ホロ北西稜!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する