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Yamareco

記録ID: 2444683
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

カムイエクウチカウシ山・ピラミッド峰

2020年07月18日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
30.2km
登り
1,720m
下り
1,720m

コースタイム

日帰り
山行
11:18
休憩
1:32
合計
12:50
3:13
38
幌尻覆道ゲート
3:51
0:00
64
4:55
0:00
75
6:10
0:00
85
7:35
0:00
63
10:30
11:00
45
11:45
0:00
60
12:45
0:00
85
14:10
14:20
73
15:33
0:00
30
七ノ沢出合
16:03
幌尻覆道ゲート
※ルートの軌跡は手動入力のため実際に歩いた部分とずれている所があります。
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2020年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 自転車
札内川ヒュッテの1km先、幌尻覆道ゲートまで通行可
コース状況/
危険箇所等
2020年6月23日〜25日に八ノ沢カールで撤退した時の記録はこちら。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2414538.html


★熊対策について
あくまで個人的な考えなので参考までに・・・

〃Г僚性を把握する
熊は早朝や夕方、涼しい時間帯に活発に行動する。カムエクの場合、八ノ沢カールが熊の住処になっていて、ここでのテン泊や明け方に通過するのは熊の餌食になる可能性が非常に高い。(2019年7月に襲われた2名の登山者はどちらもカール泊だった)
日帰りの場合、ゲート〜七ノ沢出合まで薄暗い中を行くことになる。熊糞もよく落ちているので細心の注意を払った。

⊃祐屬梁減澆鬟▲圈璽襪垢
熊鈴だけでは音が小さく、沢の音で掻き消されるのであまり意味が無いと思う。短い間隔で笛をガンガン吹き、やかましいくらいにアピールした方がいい。
私は過去1年間で3回(1967峰、大平山、狩場山)、近い距離で熊と遭遇してしまっている。その時はいずれも疲れていたり、考え事をしていて、存在をアピールする努力を怠っていた時だった。何があろうと気を抜いてはいけない。
極論を言えば、10名以上でまとまって大騒ぎしながら登れば遭遇する(襲われる)リスクは相当低くなると思う。

襲われそうな時の対策
熊スプレーを携帯するのが有効と思われる。もちろん一瞬で取り出せる位置に付けないと意味が無い。
反撃するためにナタとかピッケル等、武器を持っておくのも有効らしいが、そんな切迫した状況で使えるかどうかは微妙だ・・・。
沢登り主体なのでヘルメットを被って行ったが、頭部に致命傷を負うリスクを軽減できるかもしれない。(熊に襲われたがバイク用のメットを被っていて頭部は守られた、という話を昔テレビで見た)
その他周辺情報 上士幌町ふれあいプラザ 日帰り入浴300円
(翌日に備え北大雪に移動する道中にて)
幌尻覆道ゲート前で車中泊し、3時前に起床。真っ暗な中、チャリで出発する。
今回は日帰りのため、できるだけ行程を前倒ししたい。でも暗闇で熊とばったり遭遇するのは何としても避けたい。
相反するところだが・・・とりあえず笛を口にくわえて吹きまくりながら走る。
幌尻覆道ゲート前で車中泊し、3時前に起床。真っ暗な中、チャリで出発する。
今回は日帰りのため、できるだけ行程を前倒ししたい。でも暗闇で熊とばったり遭遇するのは何としても避けたい。
相反するところだが・・・とりあえず笛を口にくわえて吹きまくりながら走る。
七ノ沢出合に着く頃にはヘッデンも要らない明るさになった。
ここでチャリを置いて沢歩きへ。
軽量化した日帰り装備なのでとても軽快に進める。
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七ノ沢出合に着く頃にはヘッデンも要らない明るさになった。
ここでチャリを置いて沢歩きへ。
軽量化した日帰り装備なのでとても軽快に進める。
この日の札内川ダムの全流入量は2㎥/sと、ほぼ下限に近い。
札内川本流の渡渉も水深20cmくらいで、前回に増して余裕だ。
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この日の札内川ダムの全流入量は2㎥/sと、ほぼ下限に近い。
札内川本流の渡渉も水深20cmくらいで、前回に増して余裕だ。
巻き道をフル活用してスピーディーに進んでいく。
先月の下見のおかげで渡渉点や巻き道の位置などは完全に把握できている。
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巻き道をフル活用してスピーディーに進んでいく。
先月の下見のおかげで渡渉点や巻き道の位置などは完全に把握できている。
ゲートから1時間40分で八ノ沢出合到着。
この所要時間で来れるなら出合でテン泊する必要は無い気がしてきた。
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ゲートから1時間40分で八ノ沢出合到着。
この所要時間で来れるなら出合でテン泊する必要は無い気がしてきた。
八ノ沢を進むと青空のもとにカムエク様が姿を現した!
残雪もほとんど無くなっているように見える。
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八ノ沢を進むと青空のもとにカムエク様が姿を現した!
残雪もほとんど無くなっているように見える。
どうか、このまま山頂まで無事に登らせてください・・・よろしくお願いします。。
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どうか、このまま山頂まで無事に登らせてください・・・よろしくお願いします。。
三股が近づくと雪渓が出てきたが、通過困難な所は無かった。
まだ厚みの残っている部分が多いので、潜ることは無く、すべて上を通過できた。
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三股が近づくと雪渓が出てきたが、通過困難な所は無かった。
まだ厚みの残っている部分が多いので、潜ることは無く、すべて上を通過できた。
溶けかけの雪渓が芸術的。
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溶けかけの雪渓が芸術的。
雪渓の下からは涼しい風が吹いてきて気持ち良い〜。
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雪渓の下からは涼しい風が吹いてきて気持ち良い〜。
三股付近は先月と同じく大雪渓が残っていたが、少し薄くなった気がする。
三股で前方に見える4名パーティを抜き、この日一番目の登山者となってしまった。(熊追い払い役??)
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三股付近は先月と同じく大雪渓が残っていたが、少し薄くなった気がする。
三股で前方に見える4名パーティを抜き、この日一番目の登山者となってしまった。(熊追い払い役??)
先月、何度も迷って鬼のような藪漕ぎをして消耗してしまった三股〜カール間の登り。
もちろん今回は一度も迷うことは無かった。

見える、見えるぞ・・・!!(正規ルートが)
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先月、何度も迷って鬼のような藪漕ぎをして消耗してしまった三股〜カール間の登り。
もちろん今回は一度も迷うことは無かった。

見える、見えるぞ・・・!!(正規ルートが)
滝には崩れて落下した雪渓が転がっている。
右側のロープが垂れている岩場を慎重に登っていく。
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滝には崩れて落下した雪渓が転がっている。
右側のロープが垂れている岩場を慎重に登っていく。
崩れかけの雪渓が沢を埋めていたこの地点も、きれいさっぱりと雪は消えている。
ここを登ればカールはもう近い。笛を吹く頻度を上げる。
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崩れかけの雪渓が沢を埋めていたこの地点も、きれいさっぱりと雪は消えている。
ここを登ればカールはもう近い。笛を吹く頻度を上げる。
軽量化のために今回から導入した浄水器(ソーヤーミニ)。
これを使ってカール手前の沢水を補給しておく。
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軽量化のために今回から導入した浄水器(ソーヤーミニ)。
これを使ってカール手前の沢水を補給しておく。
八ノ沢カール到着!
青空と目前に聳え立つカムエク、雪解け水の流れる音、鳥のさえずり・・・ここは日高山脈の中でも天国のような場所に感じる。(地獄でもあるが)
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八ノ沢カール到着!
青空と目前に聳え立つカムエク、雪解け水の流れる音、鳥のさえずり・・・ここは日高山脈の中でも天国のような場所に感じる。(地獄でもあるが)
時刻は7時台、気温は上がってきたがまだ熊の活動時間内と思われる。
熊はいねぇが〜〜!と言わんばかりに、静寂なカール内に笛の音を響き渡らせる。
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時刻は7時台、気温は上がってきたがまだ熊の活動時間内と思われる。
熊はいねぇが〜〜!と言わんばかりに、静寂なカール内に笛の音を響き渡らせる。
福岡大ワンゲル部の事件から50年。
同じ悲劇が繰り返されないことを祈りながらプレートの前を通過した。
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福岡大ワンゲル部の事件から50年。
同じ悲劇が繰り返されないことを祈りながらプレートの前を通過した。
登ってきた八ノ沢を見下ろす。
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登ってきた八ノ沢を見下ろす。
カールから主稜線までは明瞭な踏み跡が続いている。
思ったより傾斜はきつくなく、フェルトソールの沢足袋でも問題ない。
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カールから主稜線までは明瞭な踏み跡が続いている。
思ったより傾斜はきつくなく、フェルトソールの沢足袋でも問題ない。
ミヤマキンバイの咲き乱れる斜面を登っていく。
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ミヤマキンバイの咲き乱れる斜面を登っていく。
もうすぐ主稜線。
4
もうすぐ主稜線。
主稜線に出たところのテン場。1.5張り分。
カール間を行き来する?熊の通り道になってそうな気がする。
カールと同じく、ここでのテン泊は危ないかもしれない。
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主稜線に出たところのテン場。1.5張り分。
カール間を行き来する?熊の通り道になってそうな気がする。
カールと同じく、ここでのテン泊は危ないかもしれない。
頂上部分が近づいてきた。
それにしてもすごい急斜面だ。山名の由来である「熊が転げ落ちる山」というのも納得がいく。
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頂上部分が近づいてきた。
それにしてもすごい急斜面だ。山名の由来である「熊が転げ落ちる山」というのも納得がいく。
ニセピーク(?)手前。
稜線上も道は明瞭だが多少ハイマツが被っていて、除けると緑色のハイマツパウダーが舞い上がる。新調した青いザックが緑色に染まってきた。
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ニセピーク(?)手前。
稜線上も道は明瞭だが多少ハイマツが被っていて、除けると緑色のハイマツパウダーが舞い上がる。新調した青いザックが緑色に染まってきた。
日高側のコイボクカールに目をやると、残雪の上に黒い点が見えた。
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日高側のコイボクカールに目をやると、残雪の上に黒い点が見えた。
やっぱりいた熊。
こちらの存在に気が付いたのか、雪の急斜面を駆け上がっていく。
鋭い5本爪アイゼン+4足駆動の威力はすごい。彼らの前では人間なんで紙っぺらみたいなものなんだろう。
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やっぱりいた熊。
こちらの存在に気が付いたのか、雪の急斜面を駆け上がっていく。
鋭い5本爪アイゼン+4足駆動の威力はすごい。彼らの前では人間なんで紙っぺらみたいなものなんだろう。
ようやくカムエクのピークが見えた。
岩場をいくつか越え、
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ようやくカムエクのピークが見えた。
岩場をいくつか越え、
最後は登山道のような道を登ると・・・
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最後は登山道のような道を登ると・・・
念願のカムイエクウチカウシ山、登頂!

ゲートから5時間25分。
最高の快晴の中、この日一番乗りで登頂出来て嬉しかった。
昨年に設置されたと思われる山頂標識が置いてあったが、せっかくなので自作して持ってきた標識を置いて撮影。
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念願のカムイエクウチカウシ山、登頂!

ゲートから5時間25分。
最高の快晴の中、この日一番乗りで登頂出来て嬉しかった。
昨年に設置されたと思われる山頂標識が置いてあったが、せっかくなので自作して持ってきた標識を置いて撮影。
左奥の幌尻岳をはじめ、北日高の山々。
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左奥の幌尻岳をはじめ、北日高の山々。
北側の主稜線と1903m峰。
ちなみにカムエクは北側から眺めた方が急峻さが際立って見えるそうだ。
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北側の主稜線と1903m峰。
ちなみにカムエクは北側から眺めた方が急峻さが際立って見えるそうだ。
右の1839峰と中日高〜南日高の山々。
昨年秋に歩いたヤオロ〜1839の稜線、近いようで遠かったな〜
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右の1839峰と中日高〜南日高の山々。
昨年秋に歩いたヤオロ〜1839の稜線、近いようで遠かったな〜
南西に伸びる鋭い稜線。
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南西に伸びる鋭い稜線。
あのなだらかな稜線は新冠富士〜イドンナップ岳だろうか?
あちらも近いうちに挑戦せねば。
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あのなだらかな稜線は新冠富士〜イドンナップ岳だろうか?
あちらも近いうちに挑戦せねば。
休憩していると同じく日帰り単独の方が2名到着。
しばし山談議で盛り上がる。

そのうちの1人(Mさん)と意気投合し、時間に余裕があったのでピラミッド峰にも登っていくことに。
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休憩していると同じく日帰り単独の方が2名到着。
しばし山談議で盛り上がる。

そのうちの1人(Mさん)と意気投合し、時間に余裕があったのでピラミッド峰にも登っていくことに。
主稜線のコルまで戻ってきた。
ここからピラミッド峰までは標高差150mほど。
大したことないように見えるが、単純に距離とか標高とかでは計れないのが日高の山だ。
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主稜線のコルまで戻ってきた。
ここからピラミッド峰までは標高差150mほど。
大したことないように見えるが、単純に距離とか標高とかでは計れないのが日高の山だ。
足元にはよく見ればはっきりと踏み跡が付いているが、カムエク方面よりも多少藪は濃くて1時間ほどかかった。
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足元にはよく見ればはっきりと踏み跡が付いているが、カムエク方面よりも多少藪は濃くて1時間ほどかかった。
ピラミッド峰(1853m)到着。
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ピラミッド峰(1853m)到着。
ここからの眺望は藪漕ぎの苦労が報われるほど素晴らしかった。

右に八ノ沢カール、左にコイボクカール、そして中央にどっしりと聳えるカムエク・・・。
これだよ、この景色が見たかったんだ!
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ここからの眺望は藪漕ぎの苦労が報われるほど素晴らしかった。

右に八ノ沢カール、左にコイボクカール、そして中央にどっしりと聳えるカムエク・・・。
これだよ、この景色が見たかったんだ!
南に続く主稜線。

カムエク頂上に負けず劣らずの眺望。ほとんどの人はスルーしているけど、これから登る人は是非ともセットで登って頂きたい。
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南に続く主稜線。

カムエク頂上に負けず劣らずの眺望。ほとんどの人はスルーしているけど、これから登る人は是非ともセットで登って頂きたい。
1823峰(実際の標高は1826m)。いちはち兄さん・・・良い響きだ。
カムエク〜コイカクの縦走をしてこの稜線を繋いでみるのも面白そう。
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1823峰(実際の標高は1826m)。いちはち兄さん・・・良い響きだ。
カムエク〜コイカクの縦走をしてこの稜線を繋いでみるのも面白そう。
日高側のコイボクシュシビチャリ川がはるか下に見える。
「北海道の山と谷」にはあちら側の沢からのルートも紹介されているが、素人が近づけるところではなさそうだ。
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日高側のコイボクシュシビチャリ川がはるか下に見える。
「北海道の山と谷」にはあちら側の沢からのルートも紹介されているが、素人が近づけるところではなさそうだ。
山名もその姿も、なんてかっこいい山なんだろう・・・。
この雄姿を目に焼き付けながら下りていく。

ピラミッド峰からの下りは途中からMさんに先行してもらったが、流石1839峰を日帰りしただけあってとても付いて行けない速さ。。自分なんてまだまだだなと思った。
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山名もその姿も、なんてかっこいい山なんだろう・・・。
この雄姿を目に焼き付けながら下りていく。

ピラミッド峰からの下りは途中からMさんに先行してもらったが、流石1839峰を日帰りしただけあってとても付いて行けない速さ。。自分なんてまだまだだなと思った。
八ノ沢カールに降り、水場で再度水を補給しておく。
冷たくておいしい。生き返る・・・

八ノ沢を慎重かつ迅速に下る。
「下りはワンミスが命取りだからな」と某漫画で誰かが言っていた。それを肝に銘じながら。
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八ノ沢カールに降り、水場で再度水を補給しておく。
冷たくておいしい。生き返る・・・

八ノ沢を慎重かつ迅速に下る。
「下りはワンミスが命取りだからな」と某漫画で誰かが言っていた。それを肝に銘じながら。
三股まで降りてきた。
雪渓の上は尻セード、沢足袋でグリセードを交えながら滑り降りていく。
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三股まで降りてきた。
雪渓の上は尻セード、沢足袋でグリセードを交えながら滑り降りていく。
気温も上がって暑くなってきたので、沢水に浸かりながらジャブジャブ歩いていく。
フェルトソールは沢に戻れば水を得た魚のようにグリップしてくれる。
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気温も上がって暑くなってきたので、沢水に浸かりながらジャブジャブ歩いていく。
フェルトソールは沢に戻れば水を得た魚のようにグリップしてくれる。
七ノ沢出合駐輪場。
七ノ沢出合駐輪場。
下り基調のダートをチャリで駆け下りて、予定よりも大幅に早く下山できた。
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下り基調のダートをチャリで駆け下りて、予定よりも大幅に早く下山できた。
軽量化のため、今回は沢足袋(モンベルのサワーシューズ)で全行程通した。サバイバル登山の服部文祥さんも愛用している品。
13時間弱歩いても意外と足が痛くはならず。
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軽量化のため、今回は沢足袋(モンベルのサワーシューズ)で全行程通した。サバイバル登山の服部文祥さんも愛用している品。
13時間弱歩いても意外と足が痛くはならず。

感想

6月24日に惜しくも八ノ沢カールで撤退したカムイエクウチカウシ山。
あれからずっとリベンジのことを考えていて、カムエクのことを思うと夜も眠れない・・・訳ではないが、とにかく、いつどうしたら登れるか妄想を巡らせていた。

前回の敗因は、
〇宛圈船ール間でルートミスを連発し時間と体力を消耗した
∋宛圓ら上の残雪に手こずり時間がかかってしまった
B足袋+登山靴持参、ザックもテン泊用の60Lで、装備が重かった
主にこれらだ。

,砲弔い討蓮一度カールまで登って正規ルートの状況をしっかりと目に焼き付けたので、次回は迷うことは無いと思った。八ノ沢出合までの巻き道の位置や渡渉点も把握できており、地図やGPSを見なくても最短経路で突き進める自信があった。

△砲弔い討蓮∋宛圓ら上の崩れかけ雪渓は2週間もあれば消失するだろうと予測していた。カールから主稜線までの雪も、傾斜がある部分はすぐに溶けてくれると思った。三股付近までの大雪渓はしばらく残ってそうだが、こちらは傾斜も緩く通過困難にはならないだろうと楽観視。

については、´△鮃酩できれば大幅な時間短縮が可能とシミュレーションし、テン泊ではなく軽装備日帰りで計画した。
前回、沢足袋でも意外と雪の上や土の上も問題なく歩けることが分かったので、沢足袋で全行程通すことにした。履き替えの手間と時間を短縮する意味もある。
さらに、今回新たに浄水器を導入。下界から持参した水は1.5Lで、あとは沢水を有効活用することにした。

しかし、あれこれと考えても避けられないのが熊の脅威だった。
「中札内村で登山者の男性が熊に襲われ死亡」・・・なんてニュースになってしまうんじゃないかと気が気でなかった。
またこんなことが起これば入山規制などの処置が下されるかもしれず、他の登山者にも迷惑をかけかねない。
とにかく一瞬たりとも気を抜かず、全力で自分の存在をアピールするほかない。



そして当日。
最高の天気に恵まれ、日高山脈一帯はリベンジを歓迎するかのような青空が広がっていた。
前回の下見の効果はばっちりで、すべてが順調。ルートファインディングにかける時間は最小限だった。軽量化によって想定よりも大幅に早い時間で登頂できたため、余裕があったら行こうと思っていたピラミッド峰も合わせて登ることができた。
また、土曜日ということもあり、この日会った登山者は計10名ほど。予想外の賑わいで、熊の脅威を感じる場面は少なかった。
今までの日帰り登山ではトップレベルの達成感と充実感に包まれながら、13時間弱で無事に下山。


2019年の熊騒動で登山自粛の要請が出ていた(現在は解除)にも関わらず登山者が絶えなかったこの山だが、実際に登ってみてその理由がよく分かった。
様々なリスクがあったとしても、それを上回るくらい素晴らしい山だからだろう。

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コメント

8月に一泊でチャレンジします!
8月前半に好天日を選び、カムエク&ピラミッド峰を一泊でソロチャレンジしようと計画している者です。残雪状況やコロナで入山者が減る中、トレイルの状況など、直近レポを待望してました、詳報ありがとうございます!
se11482さんの山に臨む真摯な姿勢、読んでいて感銘を受けます。私も無事に登頂、帰還を果たし、ヤマレコに記録をupできるよう、まだまだ下調べを続けます!
2020/7/25 20:20
Re: 8月に一泊でチャレンジします!
今シーズンの山行記録はまだ少なかったので、参考になったようであれば幸いです。
今年は例年よりも雪解けが遅かったようで、8月でも三股付近の雪渓はそれなりに残っていそうです。
私は下見のおかげでなんとか日帰りできましたが、やはり1〜2泊で行くのが余裕があって安全かと思います。無事に登頂できるよう願っています!
2020/7/26 7:55
★熊対策について
se11482さん、こんにちは。
無事の登頂と下山、なによりです。
〃Г僚性を把握する⊃祐屬梁減澆鬟▲圈璽襪垢襦、 まったく同感です。

私は「笛」でなく電池のパワーでとても大きな音がする「電子ホイッスル」(Amazon購入、¥2,000)を活用しています。
一昨年夏、ペテガリ岳単独登山で使用した際、林道上のエゾシカとキタキツネに試した時は「効果大」でした。皆、驚いて、全速力で逃げていきました。

また、尾根上で強い獣臭を嗅いだ時、連続して大音響を鳴らして通過しました。ヒグマに対しても一定の効果(少なくとも「人間の存在告知」)はあると私は確信しています。

ヒグマと遭遇する可能性の高い場所や時間帯の登山中は、特に頻繁に連続して大音響を鳴らすようにしています。ボタンを押すだけなので、笛より体の負担が少なく、お勧めです。ただ、電子ホイッスルに「防水性」は無いので雨天時は雨がかからないよう工夫する必要があると思います。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B079LX2VC9/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o07_s00?ie=UTF8&psc=1
2020/7/26 21:37
Re: ★熊対策について
hana0001さん、コメントありがとうございます。
頻繁に笛を吹くのは確かに体力を使うので、笛以外に大きな音が出せるものはないかと以前から探していました。
爆竹なども考えましたが、回数に限りがあり荷物にもなるので見送りました。
電子ホイッスル、実際にシカやキツネにも効果があるとのことで、なかなか良さそうですね。早速購入して試してみたいと思います。
2020/7/27 12:13
カムエク山頂での出会い、一生忘れませんよ!(^^)!
se11482さん、ご無沙汰しております。連絡遅れてしまい( ^ω^)・・・
7/18 AM8:40山頂でご一緒出来、更にピラミッド峰迄ありがとうございました。
出合に感謝!そして同じ目標の登山・仲間に会えて感謝です(*^^)v
天気も最高、360°ぐるり全ての絶景にも恵まれましたね!
カムエクはやはり熊の恐怖が心配でした。でも八ノ沢カールでse11482さんの姿を見て、更に笛をガンガン吹いていた姿をみてから、気持ちが楽になりましたよ。
そしてまさかのピラミッド峰登頂、ピラミッド峰から見るカムエク最高でしたね!
カムエク+ピラミッド=3倍の登頂の達成感あります。
自分は下山後、剣山へ、避難小屋に泊まろうとしましたが、結局中札内の道の駅に
車中泊、翌日剣山登頂〜。se11482さんは平山無事登頂おめでとうございます。  北海道百名山あと少し頑張ってくださいね!どこかの山で会える事期待してますよ。次は知床硫黄山、羅臼岳日帰ソロで検討してます。se11482さんのヤマレコ記録と同じルートでチャレンジしてきます。登頂したら連絡入れますので、宜しくお願いします。本当にありがとう御座いました(^^♪
2020/7/26 23:00
Re: カムエク山頂での出会い、一生忘れませんよ!(^^)!
sweetyouさん、先日はありがとうございました!
普段は単独で歩いているので、同じ目標の仲間と出会えてとても心強かったです。登山前は熊の恐怖が先行していましたが、ピラミッド峰からの眺望も合わせて結果的に最高の思い出になりました。
翌日はやはり剣山だったのですね。sweetyouさんのスピードなら硫黄山〜羅臼岳は日帰りで余裕だと思います(笑)。こちらも熊の多い所ですが健闘を祈っております。
北海道百名山は残り11座となりましたが、一山ずつじっくりと楽しんでいこうと思います。また、どこかでお会いしましょう。
2020/7/27 13:07
★靴擦れ対策
se11482さん、返信ありがとうございます。

お節介ついでですが、渡渉による長時間の足濡れや、雨天時の足ムレにより靴擦れが起こり易くなりますよねぇ。

私はいろいろ対策を繰り返した後、今はEarth Blue(アースブルー)の「プロテクトジェイワンProtect J1 」(Amazon ¥1,520)という「長時間持続型皮膚保護クリーム」に辿り着きました。

塗って少し乾かし気味にしてから靴下を履くと更に良いようです。

蝋成分のセタノール、ステアリン酸、グリセリンの効果で、濡れてもムレて足がふやけることがなくなり、登山開始時には必ず予防的に塗布するようにしています。数年前、幌尻岳糠平川コースの日帰り登山に使用して、渡渉を繰り返すような登山では特に効果があることを確かめました。

雨天で靴の中が汗で蒸れると、靴擦れし易くなるので、今は、一般の登山靴使用時も愛用しています。
その後、靴擦れの心配から解放されました。
一度、こちらも試されることをお勧めします。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01628WJ34/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o07_s01?ie=UTF8&psc=1
2020/7/28 13:37
Re: ★靴擦れ対策
hana0001さん、横から失礼します。
8/1に北海道入りした後、好天日を狙ってカムエクへアタック予定ですが、斜里や神威など沢靴をふんだんに使う山もいくつか計画しており、早速お勧めのクリームの購入を手配しました。
折しも最近、トレランシューズでドロドロの焼石岳へ登り、靴の中までぐっしょり濡れたので、この手の皮膚ケアを予めしておくことの重要性を痛感してました。貴重な情報を横から賜り、感謝いたします!
2020/7/28 21:56
Re: ★靴擦れ対策
hana0001さん、happygoyeahさん
靴擦れ対策も検討項目の一つですね。足が濡れた状態で長時間歩くと足がふやけて皮が剥けてたりします。痛みで歩行に支障が出るとまずいことになるので、こちらのクリームも合わせて参考にさせていただきます。
2020/7/29 0:38
私も登頂できました!
se11482さん、hana0001さん、色々とアドバイス頂き、この場を借りて改めてお礼申し上げます。私も、8/2〜3にかけて、両日晴天下、無事にカムエクへ登頂できました!よろしかったら、私のレポも覗いていってください♪。

hana0001さんに情報をもらった足用の保護クリーム、サイトみて即買いし、北海道入りする前日に届き、持参しました。カムエクはもちろん、北海道で登ったすべての山行で使いましたが、足指周りのトラブルが全く起きませんでした。特にカムエクや斜里では、長時間沢靴に突っ込んだ足は濡れたままでしたが、この保護クリームがテキメンに効果あったと推定します。私も、今後のすべての山行でマストアイテムとして使い続けようと思います。なお、7月末に買った時は1つ1500円位でしたが、今は500円値上がりしてますねー。人気が出ているのか!?

いずれにせよ、カムエク、素晴らしい山でした。私自身の4年の登山歴で、最も総合力を駆使した、思い出に残る登山となりました。特に今年の先陣を切って情報公開してくださったse11482さんの詳報に感謝いたします。
2020/8/17 23:57
Re: 私も登頂できました!
happygoyeahさん
登頂おめでとうございます!レポ拝見させていただきました。私が登った時と同じような快晴、とても充実した内容で、また日高の山に行きたいと思わせてくれるレポでした。三股の岩の上テン泊は驚きです。あと、やはりコイボクカールには熊がいたようですね(笑)
ヤマレコで情報発信するのは最近始めたばかりなのですが、無事に登頂できた報告を頂けるのは嬉しい限りです。今後も参考になるようなレポを上げていきたいところです。
2020/8/18 18:10
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