眺望抜群のゼロ密峰・唐沢岳&餓鬼岳
- GPS
- 19:29
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 2,650m
- 下り
- 2,634m
コースタイム
- 山行
- 6:36
- 休憩
- 5:15
- 合計
- 11:51
天候 | 1日目: 晴のち曇 2日目: 晴のち曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
今週は別の予定があったのだが中止になったので、以前から行ってみたかった餓鬼岳と唐沢岳にチャレンジ。
午前5時前に白沢登山口を出発。林道を歩いているうちに少しずつ明るくなる。白沢沿いのルートは道が狭く、きわどいへつり・高巻きを繰り返す。中洲を歩くこともあり沢登りを疑似体験している気分になれる。大岩にはステップが切られ、要所には梯子や木橋が設置されているが、朽ちかかっていて信用できない。
2時間かけて最終水場へ到達するがここまででも結構苦労した。水を2L補給する。
最終水場から先はきわどい道は少なくなるが急登になる。ザレて歩きにくいしテント泊で荷物は重い。しかも風が吹かないので暑い。2時間かけて大凪山まで行くと稜線に上がるので少しだけ風が出て涼しくなった。
大凪山からはしばらく普通の登山道っぽい道が続くが、最後の百回りでまた急登になる。ちょうどガスが出てきて太陽が隠れたのは助かった。これをこなしてようやく餓鬼岳小屋。わかってはいたけど隣の合戦尾根とはえらい違いだろう。東沢ルートかそれ以上の面倒くささだ。狭〜いテント場にテントを設営したらしばらく眠してしまった。夕方目を覚ましたらまた晴れてきたので写真を撮りに山頂をピストンした。
翌朝はメインイベントの唐沢岳を目指す。muo_jpはDNSを選択したのでka_oriiと2人で4時過ぎにテン場を出発。うんざりするくらい下っているうちに夜が明ける。少し登り返して5時過ぎに餓鬼のコブ。登山道は山頂を巻いているが、登頂するにはハイマツの藪こぎが必要そうだ。コブからまた少し下って唐沢岳へ登り返すが、これが大変だった。きわどい所に倒木があったり、倒木のようにしか見えない横向きの木が登山道を通せんぼしたりしている。さらに山頂直下まで来ると岩場を巻くのだがこれがザレ場の急登でずるずるとスリップしながら登った。7:13にようやく唐沢岳に登頂。小屋を出発してからほぼ3時間経っていた。
苦労はしたが山頂からの眺めはすばらしかった。七倉ダムと裏銀座縦走路全体を一望することができ、さらにその背景に白馬・剱・水晶・槍・穂高と北アの主峰群が広がっている。この景色を見ることができるのはこの唐沢岳だけだ。
写真を撮って少し休憩してから餓鬼岳小屋へ戻る。行きと同じくらいの労力が必要だった。餓鬼岳小屋ではmuo_jpが待っていた。ここまで先行者はおらず、唐沢岳を目指した後続は4人だった。昨日唐沢岳に登頂した人は2人のみだったそうだ。すぐ近くに見える燕岳とはえらい違いで、平日とはいえピークシーズンでこれでは3密になどなりそうもない。
餓鬼岳小屋からの下りも決して楽ではなかった。ガレ場・ザレ場の急斜面は慎重に降りる必要があり登りより時間がかかった。最終水場で水を浴びまくり足を洗ってリフレッシュしてから、また沢沿いのきわどいルートを降りてギリギリ4時前にようやく駐車場。餓鬼岳も唐沢岳も登り応えのあるいい山で、行ってよかったと思った。
0日目
餓鬼岳小屋のテント場は事前予約制で、予約担当になったので朝から電話。山小屋だと朝早めが良いかなと思ったけれど9時より前にはつながらなさそうだった。電話で予約対応してくださった方がとても印象よかった。パーティー構成と行動予定の確認をテキパキとこなし「それでは頑張って登っていらして。」と締める鮮やかな対応。後で話を聞いたところによると、今は餓鬼岳にいらっしゃるわけではないけれど名物女将のような存在らしい。
考えてみると1日で標高差1,650mを登るの初めてでは?(ログ掘り起こしたところ過去最大が赤岳の1,420mで次点が燕岳の1,250m)と心配になりつつ、足負担軽減のために苦手のストックへ取り組む時が来たか〜〜と近場のモンベルでスタンダードなI型ストックを2本入手。念のためヘルメットも入手しておいたほうが良いのではというアドバイスも受けていたので試着して購入。
事前に荷物を極力軽く仕上げるようにと指示があり、普段なら予備の予備ぐらいまで入れているザックを2kgほど軽量化し、山遊びグッズも全部取り払ってのぞむ。
ガス缶は相乗り前提で外し、食料をアルファ米系へ絞ることでクッカーも除外していった結果、食料/テント(ステラリッジ2型)/ストック/ヘルメット/水1L込みトータル10.4kg。
1日目
本日のお題、ストックの効果的な使い方をレクチャーしてもらいつつ進む。
以前ストックにチャレンジした時は、歩きづらくなって速度が落ちる上にうっかり折りそうで嫌と感じてすぐにやめてしまったので、実質初のストック利用。
平地・登りでの体重分散はもちろん、沢渡りで地味にバランス崩しがちなところでの補助や、下り坂で重心がブレて姿勢が崩れかけた際のリカバリーや大きめの段差での膝ショック吸収に使えるところが、これは確かにデメリットを差し引いてもなお良いものだと感じる。
序盤のゆるやかな登りは沢と滝を眺めつつ、沢沿いの鎖場などほどよい緊張感を持ちつつ楽しく歩いていく。
「魚止めの滝」あたりから、木を乗り越えて進む場面や登山道に倒れ掛かる木をくぐる箇所が増えてきて段々と疲弊していく。
「最終水場」で水を補給後、けっこう険しい登りを進んでいく。これしんどいなーという記憶がほとんどであまり詳しく覚えてない。
妙に暑くて水をしきりに飲んでいたけれど、あとでよく考えるとインナーの選択を完全にミスっていて保温性のものを着ていたのがまずかった。長袖シャツ1枚で全然平気だったはず。
ハイドレーション用のボトルに汲んだ水(約800ml)は大凪山を超えてしばらく経ったころには枯渇し、oecさんから400mlほど分けてもらう。
最後の登りの「百曲り」では「明日はこれを下るのか〜しんどいな〜〜」と思いながら登っていた。
下山時に足がもつれて怪我などすると結構まずい道だなと考えたり、翌朝の唐沢岳往復は止めておいたほうがいいかなと思い始める。
小屋では冷えたコーラが売られていて、つい買ってしまった。雨水+消毒の水が1L200円、値頃感。
トイレもきれいに管理されていてありがたい限り。
2日目
唐沢岳往復への参加は出発直前まで迷ったけれど、やはり無理するより余裕をもって降りたいので取り止めてテント場で待つことにした。
4時を回って2人が発っていくのを見送り、ついでに写真を撮るときれいに晴れて燕山荘とそのテント場の光までよく見えた。
唐沢岳はCTでざっくり往復6時間あるのでPythonのコードを書いたりしてゆっくり過ごした。テント場ではRakuten Miniのauローミング回線がつながらず、Google検索はおろかマニュアルも読めない状態だったのでテント内コーディングにはあまり向かない(要事前DL)。
7時を過ぎると日差しでテント内が暑くなってきたので撤収準備を始める。
じきに唐沢岳へ往復してきた2人が下山してきて合流、撤収。往路で持ってもらったテントを復路ではしっかり持って安全に降りるのを目標にする。
下山。
普段、下りでは躓いて転んでたりすることが多いけれど、1日目で慣れたストックのおかげでかなり歩きやすかった。
わりとエリアごとに単調にしんどいというイメージが脳内で構築されていたためか、水補給地点となる「最終水場」以外は終始あまりテンションが上がらなかった。登山道に掛かった木にザックやマットが引っかかるのを回避する行動ひとつ取っても登りより圧倒的に楽ではあったけれど、3-4回繰り返した後は単に飽きてくるのでひたすらこなしていった感じ。
ガレ場のくだりで安易にストックを突くと浮石をふっ飛ばして下に危険を及ぼす恐れがあるのは気をつけねばと感じた。
大凪山を超えて最終水場までそろそろ勾配が落ちてくる、という気持ちがかなり切れてきた瞬間に膝を4-5cm切るタイプのイヤな膝のつき方をしてしまったので「安全に降りる」は達成できたとはいえない。やはり体力の限界であったかも。
3日目(下山翌日)
ストックの効果的な利用を意識した分、膝にガタも来てないし筋肉痛を順次解していけばまたすぐ活動できそうなので効果大であった。餓鬼岳小屋のトータル印象がかなり良いけれど、大きめの荷物を背負って登るのが結構しんどいので心に来るという印象でした。他の二人の感想を読む限り、唐沢岳まで回るとまた印象違うかも。
3日前に行った歩荷練習の筋肉痛と疲労がやや残っていてかなり迷いましたが、久しぶりの北アルプス遠征&初めてのお山&テント泊という魅力に負けて決行。
全体的に注意を強いられる箇所が多く、かつ体力を要するコースだったため、鈍った身体でテントを背負って行く場所ではなかったなとあとから思いました。
荷物は余計なものは持たず、スタートの段階で分散させて1人11圓らい。
最終水場までは良かったのですが、そこから大凪山までの2時間、気温が上がる中ひたすら続く急登で脚が重ーーーーっくなってかなりしんどい状況に。
1時間半ほど進んだところでこれ以上頑張ると動けなくなるなと判断し、oecさんとmuoさんに荷物を追加で持っていただきました。そのあとまもなくして急登を終わり、気温もやや下がって徐々に体調が回復していくのを感じながらなんとか餓鬼岳小屋に到着!!脚はカクカク、胴回りの筋肉もかなり疲労していましたが、小屋にはってある「よくきた」と花を差し出している餓鬼の絵に癒されました笑
この日は唐沢岳に行くのは断念し、夕飯までのんびりすることに。
外のベンチで休憩しているわずかな登山者の方々とお話して過ごしました。
その中にアンナプルナ街道、エベレスト街道、キリマンジャロと登った海外の山がかなり被っている方がいらっしゃり(というかその方は私よりかなりの回数海外登山に行かれているようでした)、大いに盛り上がってしまいました。
私が登った今年の1月と比べ、昔はキリマンジャロ山頂の氷河がかなり広範囲まであったという話を聞いてとても羨ましかったです。
2日目にアタックした唐沢岳もすいすい進めるようなコースではありませんでした。しかし登頂したときは晴天で、360度北アルプスの山々を見渡せて最高でした。
大好きな剱岳もばっちりです。
景色を眺めながら、北アルプスで人気のある山々に囲まれているのに自分がいるこの山だけとてもマイナーな山のような気持ちになり、不思議な気分になりました。
今回の教訓で、バテると固形の行動食を食べるのはかなりしんどいことがよくわかったため、今後ハードな登山の時はゼリー飲料をかならず持っていこうと思います。
また、家で食べ慣れているオートミール粥を朝ごはんとして持っていったのですが、疲れていたせいか粉っぽくねっとりした感じが受け付けられず食があまり進みませんでした…。今後は朝ごはん選びも見直そうと思います。
久々のテント泊でなかなか大変でしたが、とても面白みのあるコース、かつなかなかレアな北アルプス一望を見ることができて大満足の山行でした!
皆さまおつかれさまでした。
最終水場とテント場で隣になった者です。話はしませんでしたが、お互い天気にも恵まれて良い山行になり良かったですね(^^)またどこかでお会いしましたらよろしくお願いします!
暑くてへばりそうになるくらいいい天気でしたね。
燕への縦走はいかがでしたでしょうか?
またどこかでお会いしましたらよろしくお願いします。
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