【南ア深南部】シャウヅ山〜黒沢山〜六呂場山〜不動岳〜鎌崩の頭
- GPS
- 32:00
- 距離
- 32.9km
- 登り
- 2,808m
- 下り
- 2,824m
コースタイム
11/25 1810標高点北6:10〜7:40六呂場峠(水取り&朝食)9:10〜六呂場山9:40〜鹿の平11:20〜不動岳12:00〜鎌崩の頭13:30〜不動岳登山口15:15〜中小屋ゲート先17:05[車に拾われる]
天候 | 11/24 曇りのち晴れ 11/25 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
藪が一番ひどいのはシャウヅ山〜黒沢山の間。倒木がひどい。黒沢山の南側は道迷いに注意。六呂場の水場までは往復40分、わかりやすい。全体を通して危険な箇所は特にない。 |
写真
感想
11/24(土) 中小屋ゲート4キロ手前6:30〜中小屋ゲート7:30〜奈良代山10:00〜シャウヅ山11:00〜黒沢山14:30〜1995ピーク16:00〜1810標高点北16:15(行動時間:9時間45分)
戸中川林道ががけ崩れのため、ゲート手前4キロから歩いた。ゲートから川の方に降り、橋を2回渡って奈良代山の尾根に取り付いた。取り付きはわかりやすかったが、造林用の踏み跡を登るのでとても崩れやすい。おまけに手がかりのない杉林植林のバカみたいに急な尾根だ。あまりに虚しい急登なので途中でやめようかと何度も思った。
登りきった奈良代山はすぐそばまで林道が来ており、シャウヅ山の登山口になっている。これだけ登ったのに自家用車が入ってこれる場所だとはまた意気消沈。シャウヅ山までは標高差もほとんど無く、道もわかりやすく快適。シャウヅ山から先も鹿道をつないで行くがしばらくは快適に進める。黒沢山取り付き手前で4人パーティさんに会う。黒沢山ピストンで山頂にテントを張るそうだ。
黒沢山の登りに取り付くとスピードがガクンと落ちる。すさまじい倒木帯である。うまい巻き道も発見できなかった。黒沢山へは黒沢ガレの手前に荷物をデポして往復したが、戻ったときデポ地点に一発でたどり着けず、GPSを頼った(万一を考えてデポ地点をロギングしておいて正解)。黒沢山の南一帯は笹の海で道もほとんど無いので、迷わないよう注意が要る。
黒沢山の南東にある1995ピークは意外と鋭角な峰だ。黒沢山との間は倒木が多いのがうざいが、広々とした原で気持ちよかった。1995山頂でテントを張ろうと思ったがなんと先客が居た。自分と同じ中小屋からのぼり、明日は矢筈尾根を降りるそうだ。仕方ないのでもう少し進み、標高1850mのところにかろうじて平らなところを見つけ笹薮を押しつぶして幕営した(ほとんどビヴァーク)。なんとか日没前にテントを張れたのでほっとした。
この日うかつにも水筒に水を入れ忘れたため、この時点で水は700ccほどしかなかった。夕飯を作ったらほとんど無くなり、翌日に六呂場の水場に寄ることが必須となった。晩秋の夜長、無風の月夜になった。幸い鹿道からも遠いところだったようで、鳴き声も聞こえず周りは深南部の静寂そのもの。とても充実した夜をすごすことが出来た(たっぷり10時間睡眠!)。
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11/25(日) 1810標高点北6:10〜7:40六呂場峠(水取り&朝食)9:10〜六呂場山9:40〜鹿の平11:20〜不動岳12:00〜鎌崩の頭13:30〜不動岳登山口15:15〜中小屋ゲート先17:05[車に拾われる](行動時間:10時間55分)
パンとチャイで簡単に食事を済ませ、急いで出発する。東の大無間山のどっしりした姿が後押ししてくれる。ここから1740ピーク(矢筈の頭)まではかなりのヤブ漕ぎを覚悟していたが、それほどでもなく快適に進んだ(先日の中央アルプスよりもだいぶマシ)。今朝はマイナス5度くらいまで下がったので笹には霜がびっしり。全身真っ白になりながら笹を漕いだ。六呂場峠の下りになると笹が全く無くなった。無笹区間は1799ピークまで続く。全般に細い稜線なので滑落には十分注意。悪場もあるが、ここは残置スリングがありがたかった。六呂場峠の水場は往復40分で、場所もわかりやすかった。空腹&喉カラカラの絶頂だったため、ここで水もたっぷり使って朝食にした。
1799峰からは不動岳、鹿の平、鎌崩の頭が屏風のように立ちはだかっている。今日最後の登りになるがここはきつかった。ようやくたどり着いた鹿の平は気持ちいい原っぱで、風がさわやかに吹き渡っていた。そして更にすばらしいのが不動岳。南からの稜線プロムナードの様子はよく写真で見かけるが、やはり美しいところで、ここは深南部でも屈指の場所ではないかと思った。山頂の雰囲気もよく、なんとなく去りがたくて後ろ髪引かれる思いだった。機会があれば鹿の平に1泊してみたいものだ。
不動岳を往復後、鎌崩の頭に向かったが、この区間は意外とヤブが濃く、踏み跡もロストしやすい。最後の最後だがいやらしい区間だった。鎌崩を見学したかったが時間があまりに無いので、そのまま林道まで下ることにした。しかし、ここで危なく下り口を間違うところだった。鎌崩尾根は一般ルートに近いのでマーキングもしっかりしているはずだと思っていたが、山頂には下り口を示すテープ類は何も無かった。少しヤブを下ってみたが右下に尾根筋らしきものを発見したので山頂まで戻り、いったん北側のピーク端に出てようやく赤テープを発見した。ほんのちょっとしたことだが、こういうときに一歩立ち止まる心構えは大事だ(シビレを切らして特攻していたら間違いなく重大遭難)。
更にピンチは続く。鎌崩尾根の中腹、300mほど先に登山道にツキノワグマを発見したのである。幸いにもかなり距離があるうちにまず自分が気づいたため、指笛で追っ払うことができた。ラッキーだったとしか言いようがない。熊に遭うのも3度目なので今回は落ち着いていた。
その後は林道まで無事降り中小屋まで戻ってきた。途中で追い抜いた3人パーティの方が車で拾ってくれ、最後の30分ほど歩きを省略できた(ありがとうございました、大変助かりました)。車に戻るともう真っ暗で、林道を出た最後の車になってしまった。
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晩秋の深南部を満喫できました。やはり日本では貴重な山域だと思います。こういう楽しみ方が出来る場所を大切にしたいです。
コメント
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いやぁ、深南部は素晴らしい! 頑張って登ったんですね。byJunjapa
junjapaさま
深南部らしい景色を満喫できました。
ですがこの時期の難点は日が短いことですね。時間におわれながらの山行になってしまいました。時間があれば二泊にしてのんびりしたかったです。
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