白駒池より東天狗岳-乳〜恨みの昼雨
- GPS
- 09:43
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 823m
- 下り
- 804m
コースタイム
- 山行
- 7:14
- 休憩
- 2:27
- 合計
- 9:41
メーカー名は確認していないが、T字部分は小さく、Iグリップ式に握ることもできる2段伸縮・衝撃吸収バネ付きのモデルだった。Dr.は力任せに物を壊すタイプではなく、その品質に疑問を抱かざるを得なかった。
AKU
天候 | 晴れのち驟雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
管理人がいない時に駐車するとワイパーに車のナンバーを記入した紙が挟まれます。紙と一緒にお金を投函して帰る仕組みです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・中山峠付近を除き、50僉1m程度の岩が転がる道で歩きにくい。雨でもあり、下りは慎重過ぎるくらい慎重にゆっくり下った。 ・上記の類の岩が広がる天狗の奥庭はペンキの〇印が少なく、ルートを見つけるのに苦労した。 ・乳からの下りは樹林帯で踏み跡が分かりにくく、目印のピンクテープを探して道を外れないようにする。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
二人とも還暦超過の基礎疾患保持者ゆえ、夏恒例の山小屋泊縦走を泣く泣く見送り、北八ヶ岳の日帰り登山に切り替えたのだが、晴れの予報にもかかわらず昼からしっかり2回の驟雨に襲われた。
今回の目標は東西天狗岳。白駒池まで車で上がってしまうので、標高差だけ見れば高原歩きに毛の生えたくらいのコースだ。まず、朝日輝く白駒池を表敬。以前、高見石から白駒荘の方へ下る道が険しくて大変だったというalps165ことDr.エモンの証言に従い、少し戻ってDr.いわく「女坂」の方を辿る。
林床を覆うコケ類が美しい緩めの坂だが、大石がゴロゴロしていて歩きやすくはない。池から40分足らずで高見石小屋に着いた。「高見石はどこだ?」とアサッテの方角へ行くDr.を呼び戻してリュックをデポし、岩の堆積をよじ登る。上からは白駒池が一望でき、遠く蓼科山も見ることができた。
眺めを堪能して再び森の中の道を歩き、1時間余りで中山展望台。登山道から100mほど離れたケルンが一番の展望地だ。この先、傾斜がなだらかになり、道には土と木道が現れて大幅に歩きやすくなった。見晴らしのない中山を過ぎ、ニュウへの道を分けてしばらくで左が急斜面で切れ落ちた区間に至る。若干下り気味に行って中山峠。いよいよここから東天狗岳への登り返しとなる。大石というか小岩というかが再び目立ち始めた。
周囲の木々が低くなり、やがて森林限界の上に出た。天狗の奥庭からの道を合わせて急登する。空には雲が増えて日は陰りがちだが、汗の噴き出る体にはありがたい。偽ピークを越え、天狗の鼻を頂上と思って少々ビビりながら登っていくと、一つ向こうに標柱の立つ頂上が見えてほっとした。
7、8人の先客に交じって腰を下ろし、お握りの昼食とする。カップ麺はやめて今日は二人分の紅茶を用意した。指呼のもとの西天狗は別として、残念ながら南北の八ヶ岳連峰は雲に隠れている。
そうやって食事を終え、紅茶を飲み終えたころにポツリと額に冷たい雨粒が当たった。見渡せば灰色の雲がどんどん視界を閉ざしていく。レインの上を羽織ってごみを片付けるや否や雨が本降りになった。まだ昼になったばかりなのに夕立は早すぎると文句を言いながら、慌ててレインのズボンも取り出して完全防備した。Dr.はと見ると、レインウェアは着たものの「ザックカバーがない」とぼやいている。
ともあれこれでは西天狗を目指すどころではなく、そそくさと頂上を撤収した。幸い風はなく、しばらくは足場も良いので傘を差しながら下る。こうすればレインの背中側を伝ってリュックの内側に雨水が浸み込むのを防ぐことができる。
西天狗の代わりにDr.の提案で天狗の奥庭経由で下ることにした。ただ、ここは延々と続く岩の堆積で、歩きにくいことこの上ない。ルートを示す白ペンキのマークも少なく、モタモタ歩くうちに雨が上がって日が差しだした。干上がったスリバチ池が見えた辺りでレインを脱ぐ。
先ごろ岩で転んで懲りたというDr.は、慎重にそろりそろりと脚を運ぶ。思った以上に時間をかけて黒百合ヒュッテに到着、トイレ休憩とした。すでに2時を回り、コースタイム通り歩いてもあと2時間以上かかる計算なので、あまりゆっくりしてはいられない。
しばらく楽な木道と土の道を辿り、中山峠を経てニュウ分岐を右折。樹林帯の緩い下り道だが、その分、水もたまりやすく、雨水が滞留している。あまつさえ、一度上がった雨がニュウが近づくにつれて再び降り出した。ニュウの手前の長尾根ではまだ木々が雨を防いでいてくれたが、ニュウの岩場が見えたころには降りも激しさを増して支えきれなくなった。
またレインを着直すのかと思うとうんざりだが、岩場に出てみるととても無しではいられない降り。仕方なく再装着してニュウの上に立つ。下山路はその先に続いているのかと思ったが、地図を見直すとレインを着た所で見た赤テープの木の下の急坂を下るようだ。
木々の根っこと大石の急斜面は濡れて滑りやすいうえに踏み跡が判然とせず、赤やピンクのテープを目で探しながら慎重に下る。Dr.はというと、それ以上のゆっくりとした歩みで、どうかすると置いて行きそうになる。振り返って到着を待ちながら延々と森の中を歩くうちに傾斜が緩み、ホッとしたのもつかの間、今度は道が水たまりと化した。
滑りやすい木を避け、浅い所を選びながら歩いていく。ようやく古びた木道の白駒湿原に至って「あと少しだ!」と喜んだが、白駒池はまだしばらく先だった。その池を周遊する木道に至り、時計回りに白駒荘へ向かう。逆回りに青苔荘前を通った方が景色がいいし時間も変わらないと言うDr.の希望は、この天気では景色も何もないと却下した。
東屋で最後の休憩とする。いつしか雨は完全に上がったようだ。最後は散策路の広々した板敷のような坂を少し登り、5時を大きく回って駐車場に帰着した。うっすら夕日の差す駐車場はすでにガランとしていた。ここはまだ標高2100m。運転手役のDr.には、下界までもうひと頑張りしてもらわねばならない。
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