真夏の小辺路・中辺路トレイルジャーニー
- GPS
- 32:00
- 距離
- 86.9km
- 登り
- 6,210m
- 下り
- 6,685m
コースタイム
- 山行
- 19:50
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 20:40
天候 | 晴れのち曇り、時々小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:熊野那智大社〜(バス)〜紀伊勝浦〜(特急くろしお)〜天王寺 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所は特に無いものの、熊野古道特有の石畳は、濡れていると滑るので注意が必要。 |
写真
感想
熊野古道 小辺路・中辺路 高野山〜熊野本宮大社〜熊野那智大社をトレランしてきた。
8月第4週、3年ぶりに関東の実家に帰省するため5連休を取得。
しかし、7月末からコロナ陽性者がにわかに増えだし、帰省が怪しくなってきた。8月に入っても、収束する兆しが見えないため、実家の両親に万が一、感染させたら大変なので、帰省は諦めることに。
予定がなくなった連休をどう過ごそうか、大いに迷った。
せっかくの連休なのでロングトレイルに行こうと早くから決めていた。
しかし、その行先が、出発当日の1日前まで決まらなかった。
候補になっていたのは次の3つ。
‖臺奥駈道(吉野〜熊野本宮大社)
▲Ε襯肇薀瀬ぅ筌皀鵐疋肇譽ぅ襦米鷯綮魁遡┯園)
小辺路・中辺路(高野山〜熊野本宮〜熊野那智大社)
,狼酣も挑戦した修験の道。候補としては1番だった。しかし、ネットで大峯登山のレコを読むと、多くの水場が枯れているとの情報あり。確認できただけでも、深仙の宿、深仙のテン場、行者還が補給不可能となっていた。
昨年の夏、飢えと渇きに苦しみながらも何とか完歩できたのは、楊枝の宿の水場以外で、水をしっかり補給できたからだ。
それを考えると、今年の夏は状況が悪そうなため、あきらめた。
△發い困譴歪戦してみたいと思っているルート。ダイトレは近場なので、5連休でなくても、週末の連休で挑戦可能と判断した。それに8月1日に、既に二上山から滝畑まで走っていたので、今回はスキップすることに。
で、残ったのが。小辺路は6月に完歩していた。ただ、伯母子岳から本宮までは夜パートだったこともあり、景色は見ることができなかった。それに、熊野那智大社はいつかは行ってみたいと思っていたが、なかなか行く機会に恵まれなかった。
と、言うわけで今回は小辺路・中辺路(高野山〜熊野本宮〜熊野那智大社)に決定!
前回は高野山〜熊野本宮大社約60kmを12時間強で走った。
熊野本宮〜那智大社までは約40kmなのでプラス8時間。トータル20時間ほどでゴールできるだろうと見積もった。しかし、この見積もりは甘かったと、後で思い知らされる・・・
8月25日(火)始発で生駒の自宅を出発しようと考えていたが、なんと寝坊して起きられず。早朝から家に居ないと思っていた奥さんから「あら、まだいたの」と言われる始末。
慌てても仕方ないので、朝のラッシュ時間をさけるため、9時過ぎに自宅を発ち、近鉄、南海と乗り継いで、昼過ぎに高野山に到着した。
標高がすでに800mある高野山は、麓の街に比べて気温が低く過ごしやすかった。それでも、夏の日差しはきつかった。
交差点角のベンチで準備を整え、12時12分出発。小辺路の旅がスタートした。
6月に小辺路を走っているため、しばらくは迷うことなく順調に進む。
野迫川村に入ると、クマ注意の看板がいたるところに貼り出してあった。
前回は、クマ対策を何もしておらず、看板を見てビビッてしまった。
7月・8月に入って、日本各地でクマによる獣害事件も発生している。
今回はamazonでクマよけスプレーを購入していた。
しかし、出発日当日までに商品を受け取れていなかったのだ。何のためにクリックしたのやら。
仕方なく、1年前に使用期限が切れていた重たいスプレーを持参していた。
念のため、出発前に屋外で噴射していたら、勢いよく噴射したのを確認した上で、持参していた。
前回は暗闇と霧に覆われ、通過に時間がかかった伯母子岳も順調に通過。
三浦の集落に下りて、自販機でジュースを補給し、次なるピーク、三浦峠を目指す。
この辺りにきて、靴擦れが発生。
今回、使用したのはスポルティバのAKYRA。
5月のASO ROUND TRAIL用に購入したのだが、レースが中止になって、使わずにしまってあったものを、引っ張り出したのだ。
前日に慣らしランをして問題なかったので、今回、使用した。
しかし、履いていた靴下の足首の高さが低かったせいか、ベロの端が足首にあたって擦り剥けてしまったのだ。持ってきた絆創膏を貼るが、その後、何度も剥がれては取り換えるを繰り返す羽目になってしまった。
麓から1時間30分ほどで三浦峠到着。
峠の東屋で野宿をしているハイカーに遭遇。
話をすると、大阪和泉市在住のアメリカ人との事。あまりに日本語が流暢だったので、気づかなかった。
聞けば、熊野古道に魅了され、これまで、大峯奥駈道も含め6回も歩きに来ているとの事。2週間前にも小辺路を歩いたと聞いてビックリ!
「どうして熊野古道をそんなに沢山歩きにくるの?」
との問いかけに、
「熊野古道は落ち着くから」とのこと。
彼も那智大社を目指しているとの事。
自分も一晩かけて那智大社を目指していることを伝えると、物凄く感心されてしまった。
お互い通じるものがあって、会話は尽きなかったが、周囲は暗くなりはじめ、互いの旅の無事を願って別れた。
三浦峠の走りやすい下り道を快調に飛ばし、1時間程で麓に下りる。
ここからは8kmのロード区間。硬いアスファルトは足が痛くなるし、トレイルを走っているときより長く感じて、少々、退屈だった。
長いロードパートを走り切り、昴の郷に到着。水分補給に栄養補給をする。
前回、ジェルばかり飲んでいたので、果無峠の登りではハンガーノックに苦しんだ。
今回は固形物を多く持ってきていたが、長時間のランを行うと、固形物を食べるのがだんだんとしんどくなる。
この辺りはどうにかならんものか。
20分ほど休憩を取って果無峠に取り付く。
前回のような空腹感に苛まれることなく、何とか登り切った。しかし、夜でも下がらない気温のためか、暑くて少々バテてしまった。
更に、この辺りから股擦れも発生。
持ってきたワセリンを何度も塗るが、一向に楽にならず、徐々に酷くなっていった。
山を下りてロードとトレイルを通過し、深夜に熊野本宮に到着。
空腹感は無いのに力が入らない。疲労か、それとも暑さのせいか。
順調だったペースが幾分、遅くなりだしてきた。
本宮で20分、休憩を取った後、3劼離蹇璽匹鯀って、次の山越えである小雲取越に取り付く。
三浦峠であったアメリカ人から「あなたの足なら、楽勝だよ」と、言われていた。
一番高いところでも500m程なので、今まで超えてきた山に比べれば簡単そうに見えた。しかし、どうもおかしい?
胸が苦しくなり、身体に力が入らない。こんなこと初めてだった。
走る力が湧かず、いつもなら走り抜けるフラットなトレイルも、だらだらと歩いていた。
「那智大社までいかず、小口の集落でドロップしようかな・・・」そんな考えが何度も頭をよぎった。
山を下り、何とか小和瀬の渡し場跡集落に到着。
自販機でジュースを買い、近くの東屋に腰を下ろして、ここから先、どうするか悩んだ・・・
あとは最後の大雲取越を越えれば、那智大社にたどり着ける。
しかし、三浦峠で出会ったアメリカ人によれば、大雲取越には「壁のような登り坂がある」らしい。
20分程、逡巡したが、「ここまで来て、那智大社に行かないのはもったいない!」と、自分を奮い立たせて、最後の山越えに取り掛かることに。
周囲はすっかり明るくなり、YAMAPで大雲取越登山口の場所を確認しながら、最後の山越えに挑んだ。
SUNNTOで現在地の標高を見たら、登山口は86mとなっていた。もっと標高の高い場所に登山口があるのかと思ったら、意外と低い。それでも標高差は800ⅿ。果無峠越えよりは幾分楽だろうと高を括っていた。
しかし、トレイルは出だしから不揃いで段差の大きい石の階段が立ちはだかる。しかも、胴切坂に至ると、斜度は厳しさを増し、登っても登っても道が平にならない。
三浦峠で出会ったアメリカ人が「壁のような登り坂」と、形用したのも、さも有りなん。
ここで、SUNNTOのバッテリーが切れそうになったので、ログを一旦停止して、ロングライフモードに切り替えた。
ログが途切れてしまうのは残念だった。
もっと早くゴールできるつもりだったが、自分の見通しの甘さが悔やまれた。
登山口から1時間30分ほどでようやく越前峠に到着。
疲労がピークに達し、下り坂も走る気力がわかず、だらだらと歩いて下った。
石倉峠に至る道は土砂崩れのため、なんと通行止め。通常のルートより3厖省に歩く迂回路を通る羽目になり、_| ̄|○と凹んだ。
原因不明の疲労感と靴連れ、股擦れ、擦り傷多数を追いながら出発から22時間。ようやく熊野那智大社に到着。
トイレで着替えて小奇麗な格好になった後、那智の滝を参拝した。
その後はバスで紀伊勝浦駅へ。駅前の丼ぶり屋でマグロ丼を賞味。あの、出川哲郎の「充電させてください」にも登場したマグロ丼を頬張る。
1500円もする高級丼だったが、あっという間に平らげた。
昼食後はJR特急くろしおで大阪天王寺へ。乗車時間3時間半もかかり、改めて、遠くまで来たことを実感した。
天王寺から近鉄に乗換え、夕方にようやく自宅に戻ったのだった。
色々なトラブルに見舞われた今回。
行動食の再考、ウェアーの選び方など、今後に向けた改善点も鮮明になった。
今回の経験を踏まえ、次回はより良い山行を目指したいと思う。
走行距離:95.8
累積標高:5,571ⅿ
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