富士山 吉田口ルート噴火口まで往復
- GPS
- 32:18
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 2,289m
- 下り
- 2,281m
コースタイム
二日目:佐藤小屋5:45→Co3700お鉢浅間大社12:40-13:00→佐藤小屋15:40-16:00→馬返し18:00
天候 | 一日目 曇りのち晴れのちガス+小雪 二日目 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
4合目まで雪無し。その上も多少凍っているが小屋までは登りはアイゼン不要だった。 5合目以上はアイゼンピッケル。厳しく凍っている。 8合目太子館の登りが10mほど硬く凍っていてここで落ちると吉田大沢まで止まらない危険箇所。この冬死亡事故あり。 |
予約できる山小屋 |
里見平★星観荘
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写真
感想
富士山は91年と96年の夏にヒマラヤの高所慣れのために登り、この夏も山開きの日に8合目の太子館まで登った事があった。どれも、何かの都合で登った感がしていたけれども、今回はようやく初めて、他の山と同じように真面目に組み合ってみた初めての富士山。長年の念願。やはり富士山、自分のやり方で一直線にズル無し登山したい。
富士吉田の浅間神社はもう山麓樹林の始まりだ。ここから歩くのが0合目だろうけれど、馬返しまでは車で進む。この車道脇もいつか歩き回ってみたい樹林だ。
馬返しには明大炉端会の小屋があった。鳥居の脇の狛犬は何故か左右ともサル。誰かに似た目をしている。来年初夏の世界遺産に向けてか、道は整備されていて、各所に歴史的な由来を書いた札があるのが有り難い。先人の痕跡の意味を知ってこそ旅は深まる。
このルートは1964年のスバルライン開通以来廃れに廃れているので、それまでの茶屋や旅籠の廃屋や倒壊家屋がそのままになっている。これはこれで美しい。でも二合目の小室浅間神社は、結構素敵な社屋なのに間もなく倒壊の段階で、凄くもったいない。山中で最古の神社だという。慶長十七年築の桃山時代の様式とな。
5合目が樹林限界で、佐藤小屋は、スバルライン終点の小御嶽神社との分岐に当たる。今の常識では向こうから来る人が多いけど、本来は小御嶽神社はここから寄り道アタックする所。
大正4年から続く佐藤小屋は冬も頼むと開けてくれる唯一の小屋。佐藤さんがわざわざ上がって来てくれてストーブにご飯、布団があるから助かります。一泊2食7500圓です。昭和35年11月の吉田大沢の大雪崩事故(死者50数人)の新聞切り抜きなど見せてもらいました。先週の週末は20人も泊まったとか。ここの利用の多数派はやはり初冬期のセックンの人が多い模様。中には毎年何十年も冬富士に通う人達がやはりいらっしゃる。
暗いうち出発、6合目の本当の樹林限界で夜が明ける。吉田の町灯りが地上の星のようだ。無風快晴気温氷点下9度。雪面はアイゼンがキシキシ刺さるちょうど良いコンディション。いきなり恵まれ過ぎの条件になってしまった。
吉田大沢はこの辺りから沢らしくなる。今は雪崩の気配はないが、デブリもあり、今年も既に雪崩れたあとみたいだ。あるときはある。吉田大沢の右岸の崖上にある山小屋の列が吉田登山道。崖の段差が大きくない7合目あたりまでは、落石防護壁の際を登り大沢の中を直登して、8合目付近からは小屋を縫って行く夏道ルートを行く。小屋の周辺の、夏は石階段になっているような所が急な氷斜面になっていて結構タイヘン。8合目の太子館のところは落ちたら吉田大沢にそのまま行ってしまうところで、この冬も下りで死亡事故があったそうだ。その人は20年以上冬富士に通っていたとのこと。
途中、二人組が降りてくるのにすれ違った。速攻軽量で、朗らかな笑顔だった。日蓮上人八角堂のとこにテント張っていて早朝発したようだ。
8合目あたりからシカタさんがパワーダウンしてきた。気温が低くて、重荷20キロ近くの撮影機材持っていると、荷物降ろすのも億劫になるのでついメシを食い忘れ、シャリバテになる。昨年冬の始めもそれで失敗したのに、気がつけばまたやってしまった。結局山頂まで5時間の読みが、お鉢まで7時間かかってしまったので、ここを帰点とする。氷点下16度、そよ風。山頂噴火口を見下ろし、下降点はあるかなと目で探したりする。対岸の最高点、剣ケ峰へは又来よう。甲府に住んでいるんだから。浅間神社本宮にお参りして下山。ここの急斜面がいちばんの危険ヶ所だろう。夏は道が出来ているけど、冬は凍った斜度30度以上の一枚斜面が長距離続く。慣れが無ければ怖いだろうし一つ引っ掛けて滑り出したら絶対止まらない。初心者とは来られないところだ。視界が無いとまた、ここは難しい所だろう。太子館の氷斜面は後ろ向きバックステップで降りる。
自衛隊の演習場の枯れ草原に影富士が映り、だんだん東へずれて行く。雲が湧き、また飛んで行った。恵まれた一日、下山もヘトヘトで佐藤小屋に着くと4時。遅くなる旨を上から佐藤さんには電話しておいた。半分凍り付いたトマジューパックのサシイレあり。あとは暗くなって行く樹林帯を世間話などしながら下山。道の雪は昨夜の間に増えていた。今年の冬は富士山に通う事になりそう。
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