扇沢〜鹿島槍ヶ岳(日帰り)


- GPS
- 07:47
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 2,589m
- 下り
- 2,587m
コースタイム
- 山行
- 6:42
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 7:47
天候 | 曇りのち雨。一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ヘルメット推奨エリアと聞いたので稜線からかぶっていましたが不要でした。鹿島槍ヶ岳の南峰から先に行くときは必須のようです。 柏原新道は歩きやすいことこの上なし。稜線も歩きやすくて、ガレ場はあっても手を使うようなところも鎖場もなし。距離と標高差以外は優しいルートだと思います。 岩畳が下りで気になるかもしれませんが、そんなに滑るような岩ではありません。 水場は種池山荘で500mlを350円で販売していましたが、冷池山荘ではコロナ禍の影響で販売はなし。よっぽどのことがあれば相談すれば分けてもらえるそうです。 |
その他周辺情報 | 帰りの温泉は上原の湯が500円と安くてオススメです。私は薬師の湯で750円でした。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
長袖
靴下
雨具
日よけ帽子
ザック
非常食
ハイドレーション
予備電池
ファーストエイドキット
ツェルト1
エマージェンシーシート
常備薬
日焼け止め
携帯
サングラス
ヘルメット
|
---|
感想
少し前のお盆休みにテント泊で表銀座とか裏銀座とか槍ヶ岳とか、普段は行くことのない北アルプスを縦走しようと思い計画を立てみたのですが、予報はあいにくの荒れ模様。
稜線で雷雲に遭遇したら恐ろしいことこの上ないし、時間とお金を使ってわざわざ悪天候のタイミングで危険度の高い標高の高い山へ行くのは得策とは言えません。それにコロナ禍の影響も気になるところです。
コロナ対策として、なるべく公共機関を使わないアクセスでと考えると人気の北アの駐車場へ行くのはどこも手詰まり状態。
テント泊も予約制で既に一杯だったりして、なかなか計画が決まりませんでした。
そもそも、バス、タクシー、ロープウェイを避けると、ハイシーズンの満車状態ではそもそも選択肢がありません。
というわけで、日にちは刻々と残酷に過ぎ、結局、お盆はどこにも行けず仕舞いでした。(と言いながら飯豊とか地元の山には登っていましたけど)
もう自分が何をしたいのか、どこに行きたいのかも分からなくなってしまったところに、柏原新道はマイカーでアクセスできて、人も少ない上に、駐車場も比較的空いていて、コロナ的にもバス、タクシー、ロープウェイを使わないので、密にならずオススメだとある人から聞きました。
柏原新道と言えば爺ヶ岳。冬山として爺ヶ岳を登る人も多く、一度は登ってみたかったので、今回は鹿島槍ヶ岳まで足を伸ばしみようと計画を立ててみました。
朝5時スタートで13時下山とざっくり計画。8時間切れれば御の字です。
駐車場は有料、無料含めていくつかあるのですが、私は最初に空いていた無料駐車場をゲット。
時刻は5時ちょうど。シューズを履きかえて登山口まで舗装路を歩きます。
ちょうど両サイドの車の人も準備をしていてほぼ同時刻でスタートです。
5分ほどで柏原新道の登山口に到着。
登山口周辺にも駐車場はありましたが案の定満車でした。
登山届ポストがありましたが、事前に電子届を出しているのでスルー。
ココヘリの端末を忘れてしまったのが気掛かりでしたが、今回は大事には至らず。今後も忘れ物には気を付けようと思います。
余談ついでに書き留めておくと、自宅を出発する時に手袋を忘れたことに気付き、取りに帰ろうか迷いましたが、念のためと思いUターン。
この時、戻っていなかったら、途中で引き返すことになっていたので、手袋は本当に大事だと思いました。雨は何時降るか分からないので、テムレスも持って行けば良かったです。
登山口から稜線までの上りは約1100mアップ。勾配が緩く、水平なところも多いのでかなり歩きやすいです。柏原さんに感謝です。(先代の小屋のご主人だそうです)
歩きやすいので、淡々と休むことなく歩みを進めますが、たまたまた駐車場が隣だった人がピッタリと同じペースで上がってきてプレッシャーを感じました。
水平道や緩やかな登りで駆け足で進んで差を付けたりしたのですが、登りでどうも詰められるようです。
競争じゃないにしても、抜かせておいて、抜き返すのも気まずいですし、意識はせずマイペースを心掛けますが、後ろからの鈴の音に私の心拍数は高まります。
水平道のちょっと手前で小雨が降ってきたので、歩きながらエアシェッドプルオーバーを羽織りました。これはパタゴニアの新作アイテムなのですが、フード付きで通気性が抜群なのでお気に入りのちょうどよい防寒着です。
鈴の音の主には種池手前でほぼ真後ろに付けられてました。
種池山荘でピザでも食べたかったのですが(これは冗談)、後ろからの重圧でそのままスルー。稜線を急ぎます。
しかし、ものの200mでこの稜線を短パンのまま突っ込むのは危険と判断。横殴りの防風雨で低体温症を意識させました。
風のないところで着替えるためにサッとUターンをして、種池山荘にピットイン。
鈴の音の主とはスライドしましたが、挨拶を一言交わしたのみ。相手も意識をしていたのでしょうか。
種池山荘では防風できる場所がトイレの換気口のところしかなかったのですが、臭いよりも低体温症が心配だったので、ここで丁寧に上下雨具に着替えました。上はエアシェッドプルオーバーの上にノースフェイスのフューチャーライト。下はストライクトレイルパンツです。フューチャーライトは通気性があって蒸れずに快適です。
さすがに上は長袖を2枚着ているので、かなりの安心感。フードも二枚かぶってさらに安心。ついでにヘルメットもかぶり無敵の気分で稜線へ戻ります。着替えに10分以上かかったと思います。
いつの間にか爺ヶ岳南峰は霧にまかれてトラバースしてしまったようで、中峰に着いた頃にいつの間にか追い抜いていたようでした。鈴の音の主は上だけは雨具を羽織っていたようですが、下は依然としてタイツに短パンなのでちょっと辛そう。
ここで、一筋の光が分厚い雲の合間から覗いて来ました。青空の予感です。
しばらく歩くと徐々にベールを脱いで行く立山連峰。目の前の鹿島槍はまだぼんやりとしか見えません。
そして、その瞬間は急に訪れました。
快晴の青空。我を誇るように岩稜を見せつける剱岳。俺もいるぜと存在感を示す鹿島槍ヶ岳。
感動で言葉が出ません。
このチャンスを逃すまいとスマホを取り出して写真を何枚か撮りました。
五竜からやってきたという3人組パーティーと晴れやかな顔で談笑。
ここまで来て本当に良かったと思いました。
記念にと動画も撮影したのですが、なぜかメモリーがいっぱいで撮影できず。
データをスマホに移したり、再起動したり、色々試して30分ほど停滞。
後で分かったことですが、データ削除だけではなく、フォーマットしないと容量は元に戻らないようでした。次回に活かします。
爺ヶ岳から見る鹿島槍ヶ岳はそんなに遠く見えなかったのですが、実際はとても遠かった(笑)
しかも、晴れ間が見えたのはこの瞬間だけで、すぐにガスにまかれて小雨が降り続いていました。
修行僧のようになりながら冷乗越まで辿り着き、標識を見ると鹿島槍ヶ岳まであと4km・・・って、まだまだじゃん。心が折れかけます。
この辺りから何組かのパーティーとスライドしましたが、ほとんどの人がガスで悪天候なのであきらめて引き返してきたそうでした。中には暴風雨で飛ばされないようにとの注意喚起をされるほど。
鈴の音の主ともこの付近でスライドしましたが、体調不良と視界が悪いので今回はあきらめて下山すると言っていました。
これで鹿島槍ヶ岳までのレースは単独首位に躍り出たようです。レースじゃないけど。
私は上下雨具で完全防備だったので、さほど怖さも苦しみこともなく、耐え忍び、歩みを進め、満を持してようやく鹿島槍ヶ岳の山頂へ登頂。
この悪天候の中、晴れ待ちを決め込む若い女性がいましたが、かなりのつわものだと思いました。
その彼女と互いの勇姿を讃えつつ、少し言葉を交わし、長居は無用と即下山。
爺ヶ岳まで登り返しがあったりするので疲労感は募りましたが、まずは冷池山荘まで50分で下山。
ここでトイレ休憩とヘルメットをを外しました。協力金の100円をザックから探し出すのに手間取りました。
行きにトラバースして取りこぼした爺ヶ岳の南峰を登り、ここで小休止。雨具の上下を脱いでい半袖短パンになり、いよいよ下山モード。
あとは登山道を慎重に駆け下りて、無事に13時前に下山。
目まぐるしく変わる天候でしたが、充実の登山となりました。
私は稜線からヘルメットを装着しましたが、ガレ場ではあるものの手を使うようなところは皆無だったので、不要かと思います。
但し、鹿島槍ヶ岳の北峰まで行く場合はヘルメット必須のようです。今回は南峰まででした。
水はちょうど2Lのハイドレーションが少し残るくらいで下山できました。
途中の水場は種池山荘で350円で500mlの水を販売していたものの、冷池山荘はコロナ禍で水の販売は無し。どうしてもの場合は個別にお願いすれば分けなくもないとのことでした。長丁場ですので水対策もお忘れなく。
補給に関して、お盆の時にテント泊に行こうと作っておいた粉飴を常温保管しておいたものを持参したのですが、これが変な味がして、舌がピリピリしてヤバイとは思ったのですが、これしか持ってこなかったので、天に祈りながら飲み込みました。
フラスコ4本分消化したのですが、下山中にお腹が張って大変でした。何とか下山まで持ちましたが、案の定お腹を下しました。下しただけで良かったのですが粉飴の保管には十分気を付けなければなりません。これも良い教訓になりました。でも冷蔵庫保管なら大丈夫だと思います。(懲りてない)
夏の午後の天候は積乱雲が発生して雷が起きやすいので、日帰りだとこのくらいの距離が限度かなと思います。14時頃までには下山しておきたいですしね。
余談ですが、ストラバに記録をアップしたら上田瑠偉選手(世界チャンプ)を始め、猛者が登山口から3時間切で鹿島槍ヶ岳まで登っており、種池山荘までのセグメントも近江竜之介選手(世界ユースチャンプ)が50分くらいで登っていてとても驚きました。足元にも及びません。
ちなみに種池山荘からの下りは私が57分。上田瑠偉選手は33分、近江竜之介選手が37分でした。すごいの一言。
言うまでもありませんが、登山はレースではありませんので競争したり、無理したりしないことはもちろん。マナーを守って木道は走らず、スライドする時は止まって声掛けするなどお互いが気持ちよく登山を楽しめるよう努めましょう。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する