マチャメルートで登るキリマンジャロ
- GPS
- 144:24
- 距離
- 72.3km
- 登り
- 5,096m
- 下り
- 5,276m
コースタイム
26日 8:40 Machame Hut発 - 14:00 Shira Cave(3,800m)着
27日 8:30 Shira Cave発 - 12:00 Lava Tower Camp(4,600m) - 14:30 Great Barranco Valley(3,900m)着
28日 9:15 Great Barranco Valley発 - 12:50 Karanga(4,000m)着
29日 9:10 Karanga 発 - 12:00 Barafu(4,600)着
30日 0:10 Barafu発 - 6:10 Stella Point(5,735m) - 7:00 Uhuru Peak(5,895m) - 10:00 Barafu 11:00 - 13:20 High Camp(3,800m) - 15:30 Mweka(3,000m)着
31日 7:50 Mweka発 - 10:30 Mweka Gate着
天候 | 基本的に日中は曇り〜雨。4600m以上では雪や霙も降った。 山頂アタック時は、五千数百メートルで雲を超えたので、それ以上は晴天。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
飛行機
そこからツアー会社手配の現地バスで一日掛けてタンザニアのモシへ。 モシから登山口までもツアー会社手配の現地バスで約1時間。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
規定人数のガイド・ポーターを同行しないと入山できません。 全体として特に危険箇所はありません。 一部ぬかるんでいる場所や岩場の通過もあります。 個人的には危険と感じることはありませんでしたが、その辺は個人の感想なのでなんとも言えません。 (ポーターさんは15kgの荷を頭に載せて同じ場所を登っていきました) 山頂近くは登山道にも雪がありましたが、アイゼンが必要なことはありませんでした。 下山時には溶けていました。 この雪が溶けると登山道は砂利交じりの砂地でとても滑ります。 添乗員さんは富士山(河口湖口)の下山道のようだと表現していました。 ココが一番歩きにくかったです。 高所ですので、当然高山病の危険は常にあります。 寒さと高山病対策が肝要です。 行動中と夜間の装備を備忘録として。 25日 行動中:半袖+アームカバー 夜:靴下2枚+フリース 26日 行動中:半袖+長袖 夜:靴下2枚に足用カイロ貼り付け+ヒートテックタイツ+フリース+レイン上下。銀マット使用。 27日 行動中:半袖+長袖+ヒートテックタイツ+レイン上下。4,600mで雪が降ってきたのでダウン着用。 夜:靴下2枚に足用カイロ貼り付け+ヒートテックタイツとシャツ+フリース+レイン上下。シュラフカバーと銀マット使用。 28日 行動中:長袖+ヒートテックタイツとシャツ+レイン上下。 夜:靴下2枚とテントシューズ+ヒートテックタイツとシャツ+フリース+レイン上下。シュラフカバーと銀マット、エアーマット使用。 29日 行動中:長袖+ヒートテックタイツとシャツ+レイン上下。途中寒くてフリース着用。 夜:靴下2枚に足用カイロ貼り付けとテントシューズ+ブレスサーモタイツ+ユニクロの暖パン+ヒートテックシャツ+フリース+レイン上下。シュラフカバーと銀マット、エアーマット使用。 30日 行動中:ブレスサーモタイツ+長袖+ヒートテックシャツ+薄手セーター+フリースレイン上下。ネックウォーマーとニットの帽子。手袋2枚重ね。 夜:靴下2枚に足用カイロ貼り付け+ヒートテックタイツ+フリース+レイン上下。銀マット使用。 31日 行動中半袖+長袖+ヒートテックタイツ+レイン上下。 とにかく寒さ対策が重要です。 シュラフは-6℃までの3シーズンでしたが、その分他の装備で寒さ対策に気を使いました。 防寒関係で持っていって使わなかったもの、無くても良かったものはありませんでした。 テント内は結露したのでシュラフカバーも役に立ちました。 |
写真
感想
特別休暇を取得して休みをつくりキリマンジャロへ。
キリマンジャロへの登山ルートはいくつかあるが、その中から景色の楽しめそうなマチャメルートを選択。
個人手配での登山も考えたが、不安が大きかったため、某社が国内で募集しているツアーに参加。
下山後のサファリも含め全14日間の行程(うち登山は7日間)。
25日(登山1日目)
ゲートでの手続きを終え、林道歩きからスタート。最初のトイレを過ぎると道幅も狭くなり登山道らしくなる。
途中、先行していたポーターが運んでくれているテーブル・椅子を使って、コックが準備した昼食を摂る。
キリマンジャロ登山はルールとしてガイド・コック、ポーターの同行が義務付けられている。
各自の荷物は15kgまでポーターさんが担いでくれ、テントやマット、1日3回の食料はこれに含めない。
なので、15kgには個人の行動中の水、シュラフ、防寒着、レイン、行動食などとなる。
食後から雨が降るが、登山自体は荷物も軽く楽々であった。
この先山頂以外は、毎日の行動時は曇り〜雨。4,600mの高所では霙〜雪も降る。
夕方以降〜朝までは雨が上がり、晴れ〜曇りという嫌な天気。
26日(登山2日目)
スタートから登り続ける1日。
他の登山隊もほぼ同時に出発となり、各隊のポーターさんが一斉に登り始める。
大きな荷物を頭の上に載せ、急な登りを身軽な我々を追い越して登っていく。
日ごろから慣れているとはいえ、とんでもない人たちである。
この日は昼食のタイミングで雨となり、急いでレインを着込み雨の中で昼食。
樹林帯を抜け天気が良ければ眺望が得られそうなルートだが残念な天気。
登り一辺倒の一日だが特に問題なく楽々。
27日(登山3日目)
遂に未知の高度へ。
一旦4,600mまで登り4,000mまで下るこの日は高度順応にピッタリ。
登り始めてすぐにサボテンが目に付きだす。
サボテンは砂漠などの水の少ない地域に生息すると思っていたので驚き。
標高は高いが、高山病が出ることも無く、順調に高度を上げる。
昼食休憩のLava Tower Campに着くと同時ぐらいに霙、雪が降り始め、前日に続いて寒い中での食事。
大して身を隠せない岩陰で、出発時に渡されている昼食を詰め込みすぐに出発。
ココで一緒になった別組の日本人夫妻も無事登頂できたようで、下山後に挨拶が出来た。
ここからの大下りは足場がガレている。
降った雨や雪が登山道に集まり流れており、スリップ注意である。
景色の良さそうな谷になり、南国を彷彿とさせる植物が出てくると、目的地のキャンプに到着。
到着間際に雨が止むというこのお決まりのパターンが定着。
一旦4,200mぐらいで軽い頭痛。
ついに高山病の症状が来たかと思うが大したことなく、一日の行程を終えた。
夕食頃徐々に悪化して少し気持ち悪さも出るが、食後に紅茶を飲んでいたら気分がすっきりして頭痛も消えた。
そのためこの日は服薬せず。
28日(登山4日目)
この日も高度順応のために標高はそれほど上げない。
スタート後から岩場を登るが、特に難しいところは無い。
岩場を登ったところが本日の最高点。
そこからはゆるやかな登山道を進み、宿泊地のカランガまで。
カランガ直前に谷があり、これを越えなくてはならない。
すぐそこに今日の宿泊地があるのに、一旦大きく下り、そして同じだけ登り返す。精神的になかなかきつい。
またここの下りも岩が露出しており、相変わらずの雨で滑って歩きにくい。
この日は行程が短いので、キャンプ地に到着してから昼食。
高山病と思われる軽い頭痛があったので、ここで初めて持参した薬を服用。
徐々に頭痛が取れるが、念のため夕食後も服用する。
この日は後遺症は出ず。
29日(登山5日目)
朝シュラフをしまっていたら、手の指に軽い痺れ感が出た。
昨日の薬の後遺症が来たかと思うが、効いている証拠として気にしないこととする。
この日は4,600mまで再び高度を上げ、翌日は山頂アタックとなる。
標高が高いこともあって、ペースはいつものゆっくりペース。
深い呼吸を意識して高山病に備える。
ペースがゆっくりなので、この時点の標高と相変わらずの天候ではとても寒く、途中でフリースを着込む。
相変わらずの雨が雪に変わりキャンプ地到着時は超寒い。
ポーターさんが上げてくれた大きな食事用テントで暖と昼食を摂り、その後軽く昼ね。
夕食後は山頂アタックに備え早めに仮眠。
30日(登山6日目)
29日22時に起床し、出発準備。
23時30分頃に食事用テントでビスケットを頂く。
同時に日本から持ち込んだミニカップラーメンを2個食べ、0時過ぎ山頂へ向けて出発。
相変わらず夜の天気はまずまずで、出発時は山頂が見え隠れする。
高度を上げると徐々に寒くなっていき、登山道には雪がつく。
前日がゆっくりペースで寒かったこともあり、しっかり着込んで、グローブを2枚重ねとするが、非常に寒い。
この寒さは5,000m付近でガスの中にいるときが最もひどかった。
途中、隊を2つに分け先行隊を歩く。
先行隊といっても、高度が高度なだけにとにかくゆっくり。
ここではコレが全員のペース。
頭痛は徐々に強くなっている気がするが、登れないほどではない。
途中で頭痛が吐き気に変わらなければ、十分登りきれると感じられた。
ガイドに肩を預けて登る人、自分の荷をガイドに預けて空荷で登る人、それでも登れずガイドとともに下山する人がいた。
頭痛を気にしながら、一歩一歩大きな呼吸を意識してゆっくり登る。
ガスった高度は抜け、山頂は見えており、登れば景色は抜群のはずである。
それを励みに登り、ついにStella Point着。
その後雲海の中から最高の日の出。
1時間あまりで最高峰のUhuru peakへ到着。
最高の天気で最高の眺めだが紫外線は強く、Stella Point以降アドレナリンのおかげであまり気になっていない高山病を考えてもすぐにでも下山すべき高度。
そのため記念写真を撮って逃げるようにすぐに下山。
下山開始後すぐに後ろの組も登ってきて、励ましあいながらすれ違い。
下山路は雪が既に溶けており、砂利交じりの砂地が出ており、これが滑って本当に歩きにくい。
かなり疲れて出発地点のBarafu Campまで戻るもこの日は更に1,600m高度を下げなければいけない。
とはいえ、到着後強くなった頭痛と疲れで、テントでぐったり。
ガイドからこんな場所にいても悪くなる一方だと急かされ、半ば無理やり昼食を摂る。
昼食を摂ったら、疲れは一気に取れて、下る力が出てきた。
考えてみたら、少ない行動食で既に10時間の行動。
ということで、多分シャリバテ。
頭痛は下れば良くなるので、サッサと下山。
この先の下山路は緩やかな下りだがとにかく長い。
まわりの下山者と登頂を祝福しながら頑張って下山。
31日(登山7日目)
この日はゲートまでの短い下り。
標高も低いので、頭痛や寒さに問題は無い。
ゲートが見えたときは登頂と無事の下山で本当に嬉しかった。
山に7日間いたのも初めてなので、町に戻るのもやはり嬉しかった。
今回のツアーはアフリカに詳しい旅行会社であり、添乗員さんも非常にいい方で、登山は勿論それ以外の場面でも非常に心強かったです。
先にも書いたとおり、キリマンジャロ登山はガイドやポーターの同行が義務付けられており、1個人のみでの入山は出来ません。
このマチャメルートは4,000m付近での上り下りがあり、高度順応がしやすいです。
もう一方のマラングルートはドンドン登って5日間で下山します。
マラングルートのほうが登頂率は低いようです。
少々山登りをしている人ならば体力的には問題ないと思います。
(山登りはほとんど始めてという人も登頂できていました)
恐いのは寒さと高山病です。
こちらはしっかりとした対策が必要です。
シュラフマットも準備されますが、これは割りと薄いので、エアーマットか薄くていいので銀マットは必須だと思いました。
私達は折りたためる2mm厚の銀マットとエアーマットを持参。
銀マットが効果絶大でした、
荷をポーターに預け登るのはやや後ろめたさもありますが、あの高度ではルールが無かったとしても個人でテントや食料を担ぐ自信はありません。
ガイド・ポーター・添乗員さん・他の参加者の方々に支えられ登頂することが出来たことを心から感謝します。
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