剱岳 源次郎尾根「無い無い尽くしのバリエーション」の巻

2020年09月21日(月) ~ 2020年09月22日(火)

• GPS: 31:23
• 距離: 15.9km
• 登り: 2,183m
• 下り: 2,184m

コースタイム

1日目

• 山行: 2:47
• 休憩: 0:24
• 合計: 3:11

8:33 室堂
8:40 8:40 みくりが池
8:47 8:47 みくりが池温泉
8:59 8:59 雷鳥荘
9:09 9:09 雷鳥沢キャンプ場
9:18 9:18 浄土橋
10:45 11:09 剱御前小舎
11:44 剱沢キャンプ場

2日目

• 山行: 10:50
• 休憩: 2:40
• 合計: 13:30

2:25 剱沢キャンプ場
3:01 3:01 剱澤小屋
4:16 4:22 平蔵谷出合
7:28 7:34 源次郎尾根 I 峰
8:04 8:26 源次郎尾根 II 峰
9:35 10:05 剱岳
10:10 10:10 カニのハサミ
10:15 10:22 カニの横バイ
10:30 10:39 平蔵の頭
10:50 10:50 前劔の門
10:57 10:58 前剱
11:42 11:43 一服剱
11:56 12:13 剣山荘
12:27 12:28 剱澤小屋
12:32 13:29 剱沢キャンプ場
14:14 14:14 剱御前小舎
15:08 15:09 浄土橋
15:18 15:20 雷鳥沢ヒュッテ
15:26 15:26 雷鳥荘
15:39 15:39 みくりが池温泉
15:49 15:49 ホテル立山
15:55 室堂

天候

21日：晴れ
22日：晴れのち曇り

アクセス

利用交通機関：

バス 自家用車 ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）

大阪発→立山駅（約6時間）
・駐車場
　→https://www.alpen-route.com/access_new/access/parking.html

・立山駅→美女平 7:40（始発）　
・室堂→美女平 16:30（最終）
　→https://www.alpen-route.com/timetable/table.php?st=40159

※ケーブルカーは始発より前倒しで臨時便が出ていました。

コース状況／危険箇所等

■劔沢雪渓
　平蔵谷出合付近まで雪渓が解けたり崩落があり危険なので歩かないでください
　ということで真砂沢へのトラバース道を歩きました。道は明瞭でした。
　平蔵谷出合にも幅は狭いですが幾つもクレバスが走っていました。
　雪渓の状態は都度、警備隊の方に確認ください。

■源次郎尾根
　アルパイン寄りのバリエーションルートなので岩登りの経験が無い方だけの登攀は
　控えた方が良いと思います。
　・真っ暗な中ヘッデンの明かりを頼りに取り付きを探しましたが、
　　間違ってしまい草付きをトラバースするなどして復帰に時間がかかりました。
　・2つの岩壁の登攀は3級程度で最初の2〜3手が決まれば問題無しでした。
　　但し2つ目の岩壁の足元にはポッカリ穴が開いており落ちると助かりません。

写真

9/21 6:03

臨時便が出ている！と早朝偵察に行ったりょうパイセンの電話で叩き起こされ慌てて立山駅に。チケット売場は既に長蛇の列。
r：寝過ぎ。

9/24 23:11

朝から慌ただしいのは苦手です…
r：行動が遅いだけかと。

9/21 8:31

その甲斐あって8時30分に室堂着。昨日立山入りした会のメンバーの話では大混雑で室堂に着いたのはお昼を回っていたそうです。恐るべしSW

9/21 8:37

今日は劔沢まで。時間はたっぷりあるのでノンビリいきましょう
r：サイコーの天気ですわ。

9/21 8:44

少し波打っていてリフレクションとはなりませんでした。

9/21 8:49

りょうパイセンがいないと思っていたら、いつの間にか盗撮されていた
r：ポーズ決めながら歩いていたのは誰や。

9/21 8:52

何がおかしいのか分かりませんが晴れているだけで笑みがこぼれますね

9/21 9:00

何張りあるのか野鳥の会の人に調べてもらいたいほど満員御礼の雷鳥沢のテント場。
r：515張り

9/21 9:39

ここから剱御前小屋まで一気に500m。いやーピーカンですっちゃ！
r：よっ！晴れ男！

9/21 10:00

眼下には雲が広がっていましたよ

9/24 23:11

急ぐ必要も無いのでゆっくりと。

9/21 10:24

たむ：アンタ、休憩ごとに何か食ってないか？
r：そやし、ポチャっとるねん。

9/21 10:26

立山は少し紅葉し出しているようですね

9/21 10:28

秋晴れ！

9/21 10:31

ゆっくりでええでと何度も言っているのに先先行くりょうパイセン
たむ：そんなにオレと登るのが嫌なんかい！
r：Tシャツがお揃いやから恥ずかしいやん。

9/21 10:42

ガスに飲まれそうな大日。これはこれで良い感じ

9/21 10:50

御前小屋前で手を振るりょうパイセン。リーダーの言う事を聞かないので知らんふりしてやりました。次は強めに叩いておきますww
r：上から石投げるぞ。

9/21 10:57

御前小屋から久しぶりの剱岳。少し雲が邪魔

9/21 11:13

劔沢のテント場に向けて

9/21 11:24

草紅葉。知らない間にアルプスは秋を迎えていたんですね

9/21 11:30

感慨深く劔を眺めているようですが、この人2週間前にも来ているんですよ。どんだけ好きやねん。
r：今回はガイドや！いや、介護や！
たむ：この言葉が明日本当になろうとは2人とも知る由もありませんでした 笑）

9/21 11:35

劔沢のテント場の様子。こちらもまぁまぁ混んでいますね

9/21 12:40

とりあえずテントを張ったら宴会。
r：カンペーイ！！

9/21 14:28

りょうパイセンが焼肉を焼いてくれました！
飛び上がって喜んだのですが…くれたのは一切れだけでした 涙）
r：働かざる者食うべからず。食のソーシャルディスタンス。

9/21 14:47

このパスタはかなり不味かったそうです。当然鼻で笑ってやりました。
r：山で食うと何でも美味い！

9/21 15:34

私からはマシュマロを炙ったお菓子を。
r：真っ黒に焦げて炭になったやつ食わされた。

9/21 15:55

湧き立つ雲の中から剱岳。

9/22 3:17

翌朝3時、劔沢小屋の横から出発です

9/24 23:05

劔沢雪渓を降りたい所ですが雪渓は解けたり崩落で平蔵谷出合付近まで危険だということで真砂沢へのトラバース道を歩きます。

9/22 4:19

平蔵谷出合から取り付きまで雪渓を渡ります。暗くて良くわかりませんがあっちこっちにあるクレバスを跨ぎます。落ちるとヤバイ所も

9/24 23:05

取り付きを探しますが真っ暗過ぎて良く分からず…

9/24 23:05

ウロウロしているとケルンがあったのでそこから登って行きますが…どうも外れていってます
r：ガイド失格です。すいません。

9/24 23:05

ヘッデンだけを頼りにキレッキレの草付きを恐々トラバースしたりしてようやくコースに復帰。のっけから疲れます 汗）
r：途中で呼んでも返事がなかったから落ちたかとおもた。

9/24 23:05

最初の岩壁を登ります。が、ナイトクライミングなんて初めてなんで暗くてホールドが分かりにくい 汗）
r：意外とすんなり登って拍子抜け。

9/22 4:57

りょうパイセンも続いてやってきました。

9/22 5:05

岩の次はしばらくジャングルクルージング。

9/24 23:05

クルージングと言っても快適なものでは無く、狭い松のトンネルをくぐるように登りますがバシバシ枝が引っかかってきます。

9/22 5:19

空がようやく白み出しました

9/22 5:23

2つ目の岩壁。3級位？の岩登りで大したことは無いのですが、実は足元にポッカリ穴が空いていて落ちると100m位墜落してしまいます。コワッ…汗

9/22 5:33

死にたくないので、りょうパイセンを先に登らせセカンドで登らせてもらいます。
r：最初の介護はビレイ。

9/24 23:05

ロープがあるだけで安心感が違いますね。出だしはレイバック気味に登り後はあっさり通過。
r：やればできる子ですね。
たむ：ん？何か言った？？

9/22 5:51

また少し藪の中を登っていると

9/22 5:52

稜線に飛び出し展望が開けました

9/22 5:52

そして、図ったようにご来光！

9/22 5:54

何ともナイスなタイミングで素敵すぎます！
r：このあたりからさっそく装備（共装&個装）を担がされました。このあたりからジワリと介護感が増していきます。
たむ：実は既に息が上がっています…汗

9/24 23:04

少し松を書き分け進むと

9/24 23:04

高度感が楽しめそうなエリアに

9/22 6:09

下の雪渓の様子。クレバスが幾つか走っているのが分かります

9/22 6:09

こちらは崩落してしまっていますね

9/22 6:10

源次郎尾根でよく見る構図を私も抜かりなく写真に納めてもらいました

9/22 6:11

快適に登れます。もちろん落ちるとハイさよならですが 笑

9/22 6:14

左手には降りてきた劔沢雪渓が良く見えます

9/22 6:24

まずは�喫�目指して

9/22 6:34

風も心地よく良い日に登れました

9/22 6:38

白玉の木がありました

9/22 6:49

簡単な岩登りが続きます

9/24 23:04

ホールドもたくさんで面白い

9/24 23:04

お好きなように
r：ここは綺麗に登ってましたよ！
たむ：ここだけかい！
r：ここだけや！

9/22 6:47

りょうパイセンも続きます

9/22 7:17

右手は八峰。5・6のコルでしょうか

9/22 7:26

そして剱岳本峰も見えました。どんどん変わる景色に目移りします

9/24 23:04

もうすぐ�喫�です

9/22 7:29

白くて平らな岩が�喫�。そのスグ後ろに�曲�。その奥に本峰

9/24 23:04

�喫�とうちゃく！

9/22 7:32

本峰を見つめるりょうパイセン

9/22 7:34

目前に�曲�が迫ります。ホンマ、登れるんやろか

9/24 23:04

一旦コルまで降ります。特に問題点は無し。
r：強いて上げればリーダー歩くの遅過ぎ！
たむ：す、すいません体力が…

9/22 7:37

右手には熊の岩。長次郎谷の雪渓もほとんど無い

9/22 7:38

こんな所にも秋を感じさせる植物が

9/22 7:42

コルから�曲�を見上げる

9/22 7:51

振り返ると後続のソロの方が手を振ってくれていたのでお返しにパシャッと1枚

9/24 23:04

�曲�へは手足を使って一直線に登って行く感じす。でも手がかり足がかりあるのでスイスイ登れます。

9/24 23:00

へばるにはまだまだ早いよ！�曲�ピークまであと少し！

9/22 8:04

�曲�も到着！とりあえずお疲れさま！いよいよメインイベント。

9/22 8:26

�曲�の下降点に着きさっそく懸垂の準備。
r：最初ガルダー風になってました。逆に器用だと思いました。

9/24 23:00

リーダーが素早くロープをセット…
r：のハズがロープが絡まっていたりで待ちぼうけ。

9/22 8:26

高さは約30m。下を覗き込むもハングしていて様子が今イチ分からない

9/22 8:29

まずは斬り込み隊長が先陣を切って突撃

9/24 22:59

安全が確保されたのでリーダーが華麗に降りてきます。
r：懸垂下降も綺麗でした。

9/22 8:45

後続の単独の方もサササッと機敏な動きで

9/22 8:50

さぁ、後はこれを登れば剱岳の頂上です。
r：時間が押しているので早く進みましょう。
たむ：頂上が遥か彼方に見えました…

9/22 8:54

懸垂下降してきた�曲�を振り返り見納め。下のテラスに降りればロープは50mでOKです。テラスからは簡単に降りれました

9/22 8:54

少しガレた感じです

9/22 9:02

なんか格好良かったのでパシャッと1枚

9/24 22:59

下に石を落とさないように。足をどう置けば楽に登れるか。後ろから激なのか野次なのか飛びまくります
たむ：私は褒めて伸びる子なんですけど…涙
r：褒めるとこ頑張って見つけるので1週間時間ください。

9/22 9:35

あ、頂上が見えてきましたよ

9/22 9:37

最後に凹角の岩に寄り道すると

9/24 22:59

この看板のまん前に出てくるという寸法です。

9/22 9:42

その看板。

9/24 22:59

なにはともあれ、頂上に着いたので記念に
r：おめでとうございます！！よく頑張りましたよ！
いやマジで無事に到着できて嬉しいっす！

9/22 10:04

りょうパイセンも。
r：看板全部持ち！とイキったけど、もう一枚あったそうだ。。。

9/22 9:45

しばし山頂からの展望を楽しみました。

9/22 9:46

これが登ってきた源次郎尾根

9/22 9:47

その左は、今年は悪天で行けなかった八峰。来年こそは！

9/22 9:45

曇り空でしたが空気が澄んでいたのか遠くまで良く見えました

9/22 10:09

日本海も見えてます

9/22 9:48

さて、頑張ってあそこまで帰りましょう

9/22 10:24

降りの渋滞は無かったので一安心。

9/22 10:26

でも先を急ぎます。なんせ4時までに室堂に戻らないと最終バスに間に合いませんので。

9/24 22:59

オッサン！ 時間が無いってゆーてるやろが！

9/22 11:47

ようやく劔山荘が見えてきました

9/22 12:22

見納めに剱岳と右に続く源次郎尾根

9/22 12:17

秋はもうすぐそこに。

9/22 12:33

剱沢キャンプ場に戻ってきました。
4連休最終日でこの時間なのでほとんどみんな帰っちゃった。

9/22 12:43

とにかくチキンラーメンが食べたい！
山頂からその一心で降りてきました。

9/22 13:05

チキンラーメンinカマンベールを満喫して帰り支度。

9/22 13:50

この後テントを撤収し、地獄のような登り返しを休憩無しで歩き続けました。
r：こっそり休憩してましたやん。

9/22 15:50

最終バスに間に合わなさそうだったので最後は雷鳥沢から愛のダブルザックでダッシュ。何とか室堂に戻ることができました。。肩と首がもげるかと思ったわ！
マジで介護でした
。
いゃーしかし、珍道中でめっちゃ楽しかった！

撮影機器：

iPhone 6s Apple

感想

tamu-chan

秋の訪れにして、昨年から延び延びになっていた源次郎尾根にやっと行けました。
行程としてはもう1日欲しかったのですが仕方ありません。
心配なのは夏より短くなっている日照時間でした。
真っ暗なうちに雪渓を降りて前半に出てくる岩壁を2つ登らなくてはいけません。
そこでガイド役として先日源次郎尾根に行ったばかりの
同じ会のメンバーryowallさんにお願いすることにしました。

3時に劔沢テント場を出発。
前日に聞いていた通り雪渓の融解は想像以上に進んでおり、
平蔵谷出合まで真砂沢へのトラバース道を進み
平蔵谷へ降りるとヘッデンに照らされたクレバスが幾つか確認できます。
幸い幅は狭いので跨いでやり過ごしました。
次に困ったことに取り付きが分かりません。
真っ暗闇にヘッデンの灯りも吸い込まれるので並行してGPSでも確認。
ケルンがあったので登って行くもGPSの軌跡から離れ出します。
ryowallさんが偵察に行くと見覚えがある岩を発見。
真っ暗な中、草付きを慎重にトラバースし私も後を追いかけました。
ホッとしたのも束の間、今度は岩壁をナイトクライミングです。
ホールドを探すもヘッデンに照らされた所以外は当然真っ暗。
それでも手がかりを探しクリア。
2つ目の岩壁も難しいことは無いのですが、足元の左側にポッカリ大きな穴が
開いており落ちると確実に助かりません。
躊躇していた自分を見かねて、私よりも上手なryowallさんが先に登り
ロープを出してもらました。ロープを出してもらうとすんなりクリア。
「勇気も必要ですよ」と言われ申し訳ない思いでした。
2つの岩壁を登り終え、展望が開く尾根に上がると
丁度、朝日が登りご来光を見る事ができました。
それ以降は特に問題になるような箇所は無く高度感を楽しめる快適な登攀でした。
しかし、徐々に自分の体力が落ちていくのか歩くスピードが遅くなっているようで
時間が押しているのでもっと早く歩いて欲しいと催促されるのですが
息が切れてペースが上がりません。荷物も持ってもらったりしましたが
それでも改善できず、最終バスに間に合うかヒヤヒヤさせてしまいました。

アルパインは1に体力2に体力と言いますが、全くもって体力も無ければ技術も無い
無い無い尽くしで迷惑だけをかけてしまい分不相応な自分が恥ずかしくなりました。
2日間付き合っていただいたryowallさんに感謝しかありません。

ryowall

月に2回も剱岳に行くとは思わなかった。しかも同じ源次郎尾根ルートで。
タム氏からこのルートに行くと聞き、迷わず、いや、ちょっと迷って同行することにしました。
結果的には行って大正解。少しばかり季節が違うだけでひつ月前とは景色は全く違い、すっかり秋の様相でした。山の四季は刹那、一瞬一瞬が貴重です。登って本当に良かった。

前回は2泊3日、今回は1泊2日なので山頂を踏んでそのまま室堂まで帰還する必要があります。
ですので、その分体力が必要なことは言うまでもありませんが、出発前の準備（トレーニング、パッキング）から始まり、登攀力、ルートファインディング、安全確保の技術なども必要で、自分の力量を試すことができます。

確かに体力的にはしんどい2日間でしたが、タム氏のキャラクターのおかげで掛け合い漫才よろしくとても楽しく充実した山行になりました。感謝いたします。

【個人的な山行記録】
https://yamap.com/users/18163

コメント

にし

お久しぶりです^^
素晴らしい♪

tamu-chan

Re: お久しぶりです^^
にしさん、ご無沙汰です。
コメントありがとうございます。

コロナ禍でお仕事が大変とお見受けしていましたが、その後どうですか。
素晴らしい…のは僕の事じゃありませんよね
西さん、その内ご案内しますので
100年位待っててくださいね。