晩秋の穂高岳;北穂〜奥穂(涸沢テント泊)(1985)
- GPS
- 53:50
- 距離
- 33.6km
- 登り
- 2,299m
- 下り
- 2,293m
コースタイム
10/19;6:10涸沢発−9:00-20北穂高岳−11:10涸沢岳−11:30-50穂高岳山荘−12:30-40奥穂高岳−13:10穂高岳山荘−14:40涸沢(テント泊)
10/20;5:40涸沢発−(パノラマコース)−7:30-50屏風の頭−8:00北尾根のコル−11:00-20徳沢−12:50上高地
天候 | 10/18 曇り 10/19 曇り、時々雪、あられ 10/20 曇り |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
[帰り] 上高地ー(バス、電車)−松本ー(JR)−名古屋ー(JR)−大阪ー(夜行フェリー)−四国(新居浜) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・涸沢までは特に危険個所なし。 ・北穂高への登りも、特に問題なし。 ・北穂高から涸沢岳、奥穂高への縦走路は、雪、アラレが降り、ルートも部分的に凍っている箇所があった。アイゼンも利きにくいし岩の上に雪がうっすら積もっていると滑りやすいので、要注意。 |
写真
感想
【山行No 84】
※ 秋も深まってきたが、念願の穂高連峰へと、テント泊で行ってみることにした。
10月17日(木)
・例により、仕事を定時で終わり、急いで駅へと向かってJRに乗る。
・今治ではJR駅から今治港までタクシーで行くが、JRが5分遅れたため、
乗り換え時間はわずかに5分しかなく、相当焦った。
港でタクシーを降りると、おつりももらわず、高速艇へ滑り込みセーフ。
・あとは高速艇で本州側の三原に渡り、新幹線で大阪へとでる。
大阪からはいつも馴染みの、夜行急行「ちくま」に乗る。
今日は1ボックスに2名程度の乗車率で、ひさびさに横になって寝られた。
10月18日(金)
・松本より、松本電鉄始発 5:05の電車に乗り、上高地へと向かう。
夜が明けてきたが、上空はドンヨリしており、梓川沿いの紅葉も鮮やかさが今一つだった。
6:40-7:00 上高地
・さて、上空はドンヨリしているが、雨が降る感じではないので、さっそく15kgの重荷を背負って出発する。
8:50-9:00 徳沢
・軽く食事休憩とした。上空の雲は少し薄くなってきたようで、
眼前に前穂高南面の岩稜が迫って見える。予想とちがい稜線部も雪はほとんどついておらず、黒々とした岩壁の色だった。
・写真を取ろうとするが、今日もまたカメラが不調で、シャッターが下りない。これはちょっと困ったゾ。
10:10-10 横尾
・ここから涸沢への道へと初めて踏み込む。
道はよく整備されていて歩きやすい。途中から巨大な屏風岩の岩壁が、のしかかるように見えてきて威圧感がある。
11:30-40 本谷橋
・ここからだんだんと斜度がでてきた。途中から涸沢ヒュッテが見え始めるが、
見えている割になかなか近づかない。
少しは紅葉が残っているかと期待していたが、やはり1週間ほど遅かったようで、この付近はすでに木々は冬枯れの様相。
13:40 涸沢(テント場)着
・だいたい予定通りのタイムで到着。
テント場にはテントは少ない。さっそくテントを張って中に入ると、
夜行電車の疲れもあって、少し昼寝をした。
・夕食後、あきらめきれずにカメラをあれこれいじっていると、ようやくシャッターが下りるようになった。
これで念願の穂高連峰の写真が撮れると思い、うれしくなる。
・今日のテント場のテントは、結局10張りで、予想外にテント泊は少ないなあ。
10月19日(土)
・5時過ぎに起床。外を見るとまだ明けていない空には北斗七星も見えたので、
今日は天気が回復するかと期待した(のだったが。。。)
・日の出のころ、東の空から太陽が顔をだし、穂高の山なみを赤く染めた。
モルゲンロートというにはちょっとどぎついような色で、稜線の暗い色とのコントラストは、圧倒されるような感じ。
山肌が燃えるように染まったのは、わずか数分間の出来事だった。
6:10 涸沢発
・サブザックに日帰りの荷物を詰め込んで出発する。
今日の予定は、まず北穂高に登り、縦走して奥穂高に至ったのち、涸沢に戻る周遊プランだ。
・ゆっくりと北穂高への道を行く。最初は息が苦しくて調子が上がらなかったが、
しだいに調子が出てきた。
・南陵の取りつきあたりまでは、上空は青空も少しでてきたが、だんだんと上空の雲が厚くなってきた。
雲間から、はるかに遠く、八ヶ岳、南アルプスあたりは明るく見えている。
9:00-20 北穂高岳山頂(気温=マイナス5℃)
・ようやく穂高の山なみの一角に到着したが、あいにくと稜線は濃い雲に覆われ、
期待していたキレットや槍ヶ岳の眺めも見えない。霧の向こうの見えない風景を凝視する。
・北穂高山頂で軽く行動食を取った後、予定通り、稜線の縦走を始める。
稜線は結構強い西風が吹いており、冷たさで鼻が取れそうだ!
うちにはセーターを着て、そのうえにゴアの上着、手は毛糸の手袋の上にミトンを着けるが、それでも寒い。
・氷点下の風のなか、岩場には岩氷がびっしりと張り付いており、滑りやすいし、
アイゼンを着けても利かないし、でなかなか難しい稜線歩きだ。
鎖のある岩場や、鉄の階段なども凍り付いており、慎重に進む。
11:10-20 涸沢岳
・ようやく2個めの山頂に到着したが、ここも霧の中で視界もなく、通過点という感じ。
・涸沢岳からは一転して緩やかな下りで一気に白出のコルへと下る。
11:30-12:00 穂高高山荘前(気温=マイナス5℃)
・がらーんとして人気のない山荘前のベンチに座り、今日の第三食の行動食を取る。
そうしているうちに、空からはアラレも降り出して最悪の状況だ。
が、奥穂高岳まではあと少しなので、頑張って進むことにする。
・奥穂高へのルートは長い鉄の階段と岩稜帯から始まる。
このあたりも岩氷がついて滑りやすいうえに、西風も相変わらず強く、気が抜けない登りだ。
12:30-40 奥穂高岳山頂
・ようやく、念願の奥穂高岳山頂に登頂したが、このピークも霧で視界はなく、
モノトーンの風景は、まるで死後の世界のように凍てついている。
ケルンがまるで墓石のように立っていた。
せっかくついた山頂なので、岩陰に座ってラジオを聞きつつ、自分も凍り付いた山の一部となってみた。
・ここからの下りも、雪と氷で滑りやすいので、慎重に下る。
13:10 穂高岳山荘前(気温=マイナス4℃)
・周辺は雪とアラレでいつの間にか真っ白くなっている。
すでに晩秋というより初冬の風景だ。
・ここからザイテングラートの岩場を下ってゆくが、新雪が少しついているだけなので、
アイゼンは利かない。アイゼンなしで慎重に下る。
・ようやくカール底に近づいたころに雲の下に出て、視界が出てきた。
カールを隔てて東のほうには、常念岳あたりが日差しを浴びて明るく見える。
が、この涸沢あたりは相変わらず小雪模様だ。
14:40 涸沢着(気温=マイナス2℃)
・なかなか寒いなかを縦走して無事戻ってきた。
テントに潜り込んでさっそく温かい紅茶を沸かして飲み、ようやく一息ついた。
10月20日(日)
・昨日は天気が悪かったが、今日ぐらいは天気が回復しないか、と期待していたが、
4時ころ起きて外を見ると、今日も鈍色の空が広がっていた。残念。
5:40 涸沢発
・今朝も、昨日と同じく、朝日が昇るころ、穂高の岩壁が真っ赤に燃えた。
数分だけですぐ色あせ、紅葉と同じく一瞬の秋のきらめきだった。
・今日は、登りに使った道を行くのは退屈なので、パノラマ新道へと向かう。
北尾根のコルまでのトラバース道は、一見、楽そうに見えたが、以外ときつい道だった。
7:00-10 北尾根のコル
・梓川からの風を受け、はるかに南を見晴らすと、南アルプス、富士山、中央アルプスなどが、
勢ぞろいして見え、景色はなかなか良い。
・せっかくなので屏風の頭まで、行くことにし、踏み跡をたどる。
7:30-50 屏風の頭
・ここからの景色は結構素晴らしく、穂高の山々が、圧倒的な重々しさで、灰色の姿を見せている。
今日はキレットを越えて、南岳から槍ヶ岳への稜線も見えているが、
こちらもまた、南岳を舳とした巨大な航空母艦のような圧倒的な岩稜の姿だ。
曇天の下にしては、心にズンと響くようないい風景が見られた。
8:00-30 北尾根のコル
・あとは下るだけなので、ここでお茶の時間とし、ゆっくりした。
・ここからパノラマ新道の急な下りをずんずんと進む。
だいぶ降りたあたりで、奥又白谷の谷筋に出た。
ここから振り返ると、前穂の北尾根が、ずいぶんと高くそびえているのが見える。
・ここから谷筋の道となるが、トレースははっきりしておらず、岩がゴロゴロした広い谷筋を適当に下る。
10:30 梓川出合
・梓川の出合にたどり着いたが、右岸を走っているはずの林道がわかりづらく、少しウロウロした。
林道から橋を渡り、徳沢へと出た。
11:00-20 徳沢
・ようやく楽な道に到着。小休止してお茶を飲む。相変わらず上空は灰色のままだ。
12:50-13:00 上高地
・ゴールに到着。
予定では13:40のバスに乗るつもりでいたが、さすがに日曜日の午後とあってバス乗り場は大行列となっており、
次に乗れるのは、14:20と言われて、参った。
しかし、運よく、タクシーの相乗りの乗り手を探していたグループに声をかけてもらえ、
タクシーの相乗りで下りことができ、助かった。
・あとはタクシーでそのまま松本に出たあとは、お決まりのコースで、名古屋経由、
大阪に夜に着き、夜行フェリーで四国への帰路に着いた。
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