百高山95座目 鋸岳 (釜無川コースピストン)
- GPS
- 13:14
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 2,150m
- 下り
- 2,164m
コースタイム
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 10:05
天候 | 10月24日:晴れ(雲多め→強風) 10月25日:快晴(強風) |
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過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
今年の百高山の登り納めとして南アルプスの鋸岳に登ってきました。
丁度1週間前に積雪があり雪もまだ残っている状況、しかも1泊目の夜は上空に寒気が入って予想気温は氷点下のうえに風も強いという。約2,000mの横岳峠で幕営するつもりだったのでチェーンアイゼン等の凍結対策や防寒対策をしっかり取り、重くなった装備を詰め込んでレンタカーで出発!
しかし朝8:00時点で高速は大渋滞!迂回した下道も同じく大渋滞!ようやく釜無川ゲートに辿り着いた時には予定から4時間遅れの15:00近く。しかも空は分厚い雲が覆っていて既に薄暗くなっていた。予定の横岳峠まで絶対に辿り着けないので手前のログハウスでの幕営に予定変更したものの、それですら明るいうちには辿り着けない計算。
正直鋸岳は諦めて近くの茅ヶ岳で紅葉狩りハイキングでもしようかな〜という気分になっていたけど、絶対後で後悔するパターンだと思って釜無川ゲートをくぐった。
1日目の目的地ログハウスまでは約9.2kmの林道歩き。しかし普通に歩けるのは6.5km地点まで。その後の3km弱は道路が寸断されていたり路肩が崩落している箇所があるので、河原まで下りて渡渉したり林道に復帰したりの繰り返し。普段ならこの非日常にワクワクして楽しくなってくるところですが、時折吹き下ろしてくる冷たい強風が天候への不安を煽り立て、加えて徐々に暗くなる時間との戦いと不安もあって、精神面がガッツリ削られた道中でした。
そしてとうとう8.5km地点で真っ暗闇。谷あいなので平地のそれとは違って本当に真っ暗闇。何も見えません。通常の登山道ならまだしも道なき道を見つけなければならないのでヘッドランプの明かりを最大にしてもどちらへ進めばいいのかわかりにくい。と、行く手に灯りが見えて、それがログハウスで幕営している登山者のテントの灯だと認識した時の安堵感といったら言葉では言い表せないほどの感謝を感じました。あとはその灯りを目印に滑りやすいトラバースを慎重に進み、崩落した道を避け、ついでに途中の沢で水を調達して、17:50にようやく幕営地のログハウスに到着!
ログハウスのデッキが幕営地として有名なのですが、すでに先客2張のテントで満員だったのでログハウス裏手の平坦地にテントを設営。この頃になると時々突風が吹いてテントも飛ばされそうな状況。しっかりペグダウンしてテントに潜り込むと今度はパラパラと雨。稜線上では雪になっていることは間違いないので、その不安もあってその晩はあまり良く眠れなかった。
翌朝は3:30に起床。
テントの外に出ると満天の星!今までも山の上で満天の星空を見た事はあったけどそれ以上に星がよく見えた。昨日あれだけ不安だった暗闇の恩恵。
その後軽く朝食を摂り、昨日の遅れを取り戻すつもりで5:00前に出発。しかし真っ暗過ぎてどっちに進んでいいのかわからない。一旦戻ってテントを撤収し、薄明るくなるのを待って再度出発!しかしそれでも道がわからずうろうろ…ダウンロードしているYAMAPのGPSをみると、ログハウスから目の前の釜無川を右岸に渡渉し少し進んだ所で左岸に戻って登っていくみたいなので、河原へ下りてその通りに進んだ。しかし結果的にこれは間違い。下山時に気づいたのだが、ログハウス前で河原へ下りて渡渉する必要はなく、そのままログハウスから右方向(左岸)の道へ進めばよかっただけ。というか、ログハウスから富士川源流までは基本的には旧登山道跡を歩き、行き詰まったら河原に下りたりして好きなように進めばいいような気がしてきた。明確な道は無いので方向さえ合っていればなんとかなるというか、最終的には「間違ってもいいじゃん!自分で道を見つけるのも醍醐味だ!」という悟りを開きました。
そうして河原を登り詰めると富士川源流に到着。ここから先、尾根に取り付くとルートも安定します。時々不明瞭なところもありますが、基本的の尾根伝いに登っていけば大丈夫。(巻道に誘導する踏み跡や下り道があり、厄介なことにその先にも赤テープなどのマーキングもありますが、おかしいと思ったら一旦戻ってみれば正規ルートがわかります)なので下山時には一切道迷いらしき箇所が見当たらず普通に下山できました。
そうこうしているうちに横岳峠に到着。横岳峠は確かに幕営適地。でも昨夜の強風を思うと結果的に標高の低いログハウスの所でテントを張ってよかったと思う。
さて、ここ横岳峠から三角点ピークまでは基本的に急登ですが、荷物が少なかったせいかとても登りやすい印象。下山時も足元が落ち葉でふかふか…霜がついていると少し滑りやすいですが、アップダウンがないので登れば登った分だけ、下れば下った分だけ標高が稼げるので気が楽です。そして森林限界を越えて岩場が出てくるとすぐにピークに到着。ここから三角点を探すのにちょっと苦労すると思いますが、ハイマツの踏み跡を辿るとひっそりとした場所に三角点がありました。
その後の三角点ピークから鋸岳までが核心部。三角点ピークを下った先からしばらく岩場が続きます。ハイマツ帯も無くなり冷たい強風も吹き付けるようになったのでこの辺りでハードシェルを着込んで出発。凍結はしていないものの薄っすらと雪が付いているので足を滑らさないようにそして風でバランスを崩さないように一歩ずつ確実に進むと角兵衛沢の頭からは鋸岳への最後の登り。このルートで一番雪が多かった場所。日陰になるのか所々ベルグラやつららがあったもののそこを踏まないようにして登ることが出来たので難なく鋸岳に登頂することができました。
そして鋸岳で待っていたのは大絶景!白く雪を纏った甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳・北岳が出迎えてくれました。高速の渋滞で一時は登頂を諦めかけていたけどやっぱり来てよかった!これで日本百高山95座登頂。あとは来年に持ち越しですがキリのいい所で終われてちょっと清々しい。
そして登頂後は登ってきた道を引き返しログハウスの高床下にデポしたザックを回収して下山。昨日は時間に追われて辺りを見回す余裕がなかったけど、釜無川付近はすっかり紅葉に彩られていて綺麗だった。そして15:30に登山口のゲートに到着。既に高速の渋滞も始まっていたので、開き直って近くの道の駅蔦木宿の温泉で汗を流し、少し移動して、いつもお世話になっている道の駅小淵沢の中華料理「龍淵」で食事をしてから帰りました。自宅に着いたのは深夜0:00前。ギリギリ日付が変わる前に帰ることができて本当によかった。それにしても最初から最後まで高速渋滞に悩まされた山行でした。
コメント
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撮影ありがとうございました。
ずいぶんと丁寧に記録をつけられておられるのですね。
後から同じコースを歩く人にとっては、これは重宝するでしょう。
自分の方は本当にざっくりで、反省。
私は渋滞を回避するため、あちこちで水分補給と仮眠し、渋滞が消えるのを待って動きました。
調布インターあたりで0時を回りましたが、おかげで全く渋滞には会いませんでしたよ。
ともかく安全登山、お疲れ様でした。
horied67b さん、コメントありがとうございます。
記録についてそう言ってもらえると嬉しいです
特に釜無川コースは去年の台風でだいぶ林道が崩壊して道が変わってしまったので、少しでも状況が分かるように写真多めに撮影しました。(それでも近いうちに崩壊が進んで道の状況もすぐに変わってしまいそうですけど )
horied67b さんは渋滞の影響はなかったんですね
私達も途中で20分ほど仮眠したのですが、開き直って渋滞が解消するまで待てばよかったです!今度からはそうしますね。
それにしてもお互い無事に帰ることができてよかったです。お疲れさまでした。
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