中指山ーサカリ山ー砥沢山ー芦沢山縦走
- GPS
- 05:50
- 距離
- 11.9km
- 登り
- 1,211m
- 下り
- 1,245m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:丹波温泉〜JR奥多摩駅(西東京バス) |
感想
今日は、奥多摩と大菩薩の間にある4つの山(中指山、サカリ山、砥沢山、芦沢山)に登ろうと思う。この4座は隣り合った山で、繋げて歩いても10kmほどしかないから、ハイキング気分で歩けそうに思えるが、そう簡単にはいかない。
心配なのは、いずれの山にも登山道がないことだ。昭文社の登山地図、地形図のどちらにも道が記載されておらず、砥沢山、芦沢山に至っては、ヤマレコに記録が1件も載っていない。なんとも不安になるが、調べると尾根伝いに歩いた記録があった。全体の距離も短かく、複雑な地形もなさそうなので、行ってみることにする。
小菅行きのバスは、いつものように空いている。川久保まで乗って来た乗客は、私ともう1人だけだった。
川久保でバスを降りて、少し小菅方面に向かうと、中指山に向かう尾根が見える。民家の左側の階段から取り付いた。動物よけのネットと電柵線が尾根上に延びている。その横に踏み跡があったが、次第に尾根から離れていってしまうようだ。尾根に戻って、ネットの横を登って行くと、一度林道に出た。
右に10mほど行くと、コンクリの階段があり、そこを登れば尾根に乗る。踏み跡がはっきりして、歩きやすくなった。地図を先読みして進む。小ピークを1つ越えた次のピークを、1034m地点と判断する。
少し道が怪しくなってくるが、登りだから迷うことはない。登山道と違って、山の傾斜に合わせて登る感じなので、アキレス腱に負担がかかる。
南から尾根が合流し、その後、右手から今川峠からの尾根も合流した。
なだらかに登って行くと、中指山の三角点を発見する。山名標はなく、石がケルンのように積まれている。すぐ先にもう少し高いピークがあるせいか、あまり山頂の雰囲気はない。南に、黒岳と雁ヶ腹摺山に挟まれて、真っ白な富士の頭が覗いている。富士が見えると、なんだか安心する。
今日はのどかな天気で、空には雲一つない。
1350m圏のピークで、南東に延びる尾根を確認し、西に向かう。この辺り、踏み跡もしっかりしていて迷うことは無かった。1327mピークは、少し平らで広く、テントが2,3張くらい張れそう。笹が出てくるが、葉がほとんど残っておらず、踏み跡は分かりやすい。
左にモノレール軌道が登ってくるのを確認すると、すぐに追分の分岐に出た。ここからは石尾根の眺めがいい。雲取山の雪も無くなってしまったようだ。
日溜まりの中、ベンチに腰掛けて、眺望を楽しむ。昼食を食べながら、地図を確認する。
この追分では、丹波、大菩薩、白糸の滝からの登山道が交わる。それともう一つ、道標に「山道」と書かれた、北に向かう巻き道がある。4つともしっかりした道だが、サカリ山へ向かう道はない。
北西に向かう尾根に取り付き、サカリ山を目指す。スズタケが出てくるものの、思ったより薮も薄く、歩きやすい。倒木などをよけながら、登って行くと尾根は西に折れ、一登りで山頂に着いた。サカリ山の山名プレートと埋もれた三角点がある。アセビなどに囲まれた山頂からは、展望が利かない。
小休止をしながら、地形図を眺める。ここからは、下りだから要注意だ。この先、砥沢山(P1458)に向かうには、北に40m下って20m登り返した小ピークから、北西に向きを変えてなだらかに下る。
木に覆われて、先がよく見えないので、コンパスを頼りに進むと、踏み跡らしきものもある。しかし、踏み跡は、登り返した小ピークから、まっすぐ北東に向かっている。そっちに行ったらまずいと、90°近く左に向きを変えて北西に向かうも、踏み跡が怪しく、テープもない。それでも、北西の尾根に乗っているから、間違いないはずだ。この辺、スズタケの薮で、ブナや栗の木が多い。
下って、なだらかになる手前で尾根が広くなる。踏み跡も無いし、心配になりかけたところで、右手にしっかりした道が見えた。これは、追分の分岐で「山道」と書かれていた道ではないだろうか。山道に降りてみると、水道局の看板がある。どうやら巡視路のようだ。
巡視路は1450圏のピークの東を巻くように進み、砥沢山手前の鞍部で、稜線をまたいで、砥沢山の西側を巻くように延びていた。鞍部から再び、尾根に取り付き、スズタケの薮っぽい中を登る。
砥沢山の山頂(P1458)に到着。山名標はなく、石柱があるだけだ。本当にここが砥沢山かどうか、南に見えるサカリ山を山座同定してみる。地形図を正置すると、地図上のサカリ山と実際のサカリ山が一致した。
この先も読図で進む。東に向きを変えた尾根上には、明瞭な踏み跡があった。
支尾根に入り込まないよう注意しながら、落ち葉で滑りやすい尾根を下っていく。鞍部に到着すると、なにやら鉄製の道標が倒れている。起こしてみると、3方向の道標で「芦澤山」「丹波山」「戸沢」と書かれている。確かに、右から丹波からの貝沢川沿いの登山道につながると思われる道と、左からの戸沢からと思われる道がある。しかし、どちらも落ち葉に埋もれた薄い踏み跡で、ここから下れと言われたら、躊躇しそうな道だ。
芦沢山までは、140mほど登り返す。スズタケはいつの間にか無くなって、歩きやすい。山頂には鉄の棒があり、その下に板が落ちている。拾い上げてみると「芦澤山頂」の文字が見えた。北にはどっしりした飛龍山の姿があった。
あとは下山するだけだ。東の尾根を下って行くと、1148の手前で尾根が広がり、踏み跡が怪しくなる。しかし、そのまま東に向かえば、尾根が狭まって来て、再びしっかりした踏み跡に乗った。
最初は、緩やかだった尾根も、この先、植林帯に入って、どんどん尾根が急角度になって行く。ここが、事前に一番心配していた所だ。地形図でみると、尾根の末端の等高線が詰まっている。50m区間に5本の等高線があるということは、45°の傾斜ということになる。
これは、下りでは非常に怖い角度だ。落ち葉で滑りやすく、木にしがみつかないと、滑落しそうだ。
慎重に下って行く。岩場のようなところもあり、下手に体重をかけると、岩がぐらついて怖い。なるべくしっかりした木に掴まりながら、ゆっくり下って行くと、15m程下に、道路が見えた。
しかし、この先が落ち込むようになっていて危険だ。なんとか降りられそうだが、安全のため、ザックからロープ(8mm, 12m)を取り出した。太い幹にロープをかけて下ると、とても安心感がある。
最後は、道路の高さ4, 5mほどのコンクリの側壁の上に出た。側壁は、ほぼ垂直で、ロープが無ければ降りられないだろう。フェンスの網にロープをかけて、道路に降り立った。降り立った場所は、貝沢川の橋のすぐ手前だった。
計画通り、4つの山に登ることができて良かった。最初から最後まで登山道を歩かない山行は初めてだと思う。薮漕ぎを覚悟していたのだけど、この時期だからか、漕ぐという程の薮もなく、ほぼ踏み跡もあったことから、予想していたほどは大変ではなかった。
のめこい湯は、土曜だというのに、とても空いている。温泉に浸かって2時間ほど昼寝をしてから、奥多摩行きのバスに乗った。
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