大普賢岳 山小屋前泊で憧れの名峰へ
- GPS
- 07:00
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,345m
- 下り
- 1,314m
コースタイム
9/15 和佐又ヒュッテ-和佐又のコル-シタンの窟-朝日窟-笙の窟-鷲の窟-日本岳のコル-小普賢の肩-大普賢岳
-水太覗-薩摩転げ-内侍落し-稚児泊-七つ池-七曜岳-無双洞分岐-無双洞-底無井戸-和佐又のコル-和佐又ヒュッテ
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 9/14は入之波温泉五色の湯(大人500円)に入湯。前夜泊した和佐又ヒュッテでも入浴。 9/15下山後は上北山温泉(大人700円)にヒュッテの宿泊者割引-100円で入湯。 |
写真
感想
大台ヶ原へ向かう途中、R169から離れて山葵谷に入ると谷の奥から、
重なりあった岩峰が天を衝く奇峰が目につきます。
谷底から見上げる黒く異様なシルエットは妖しくて近寄りがたいのですが、
通るたびに目を奪われ、登ってみたくてたまらない。
前衛の和佐又山には秋と冬に登る機会があり、間近から見上げてさらに火が付きました。
山麓の上北山村は生駒市と友好都市で、村内での宿泊は市からの補助金の対象と知り、
遠慮なくキャッシュバックを当て込んで、
川上村の雄略天皇所縁の名勝蜻蛉の滝周囲のハイクを楽しみ、秘湯入之波温泉山鳩の湯を堪能してからの、和佐又ヒュッテ前夜泊。
おかげで翌朝はゆっくりと、大普賢岳から七曜岳さらに無双洞への周回ルートに向かい、
朝日に染まる大台ヶ原を背に分け入るブナやヒメシャラの原生林の清々しさ。
見上げるとその高さに圧倒される日本岳直下の大岩壁の下に連なる笙ノ窟などの修験の行場。
日本岳のコルから大峰奥駈道に出るまで連続する鉄梯子や階段の登りと、
石ノ鼻から足元に広がる水太谷の樹海や、大峰・台高の展望。
さらに大普賢山の山頂からは、山上ヶ岳や稲村ヶ岳を間近に望み、遥か果無山脈まで遮るもののない360°の大峰の大展望。
稜線の草原が緩やかに下って視界から姿を消して、その先は絶壁となって水太谷に落ちていく水太覗きは、なまじ緩やかだけに、うかつに近づくと草の上を滑り落ちていきそうで、岩壁の突端に立つより怖いかもしれない微妙な恐怖感。
国見岳を巻いて奥駈道を進み、水太谷越しに大普賢岳が振り返れるようになって、
その姿が奇怪どころか、とびきり秀麗だったことに気がついて息を呑んだこと。
奥駈道の岩あり森あり苔ありの大峰らしい縦走を続け、絶壁の上を念仏橋で巻いて青空の下の岩峰に飛び出した七曜岳の、天上の岩場感。
狭い頂上からは大普賢岳が間近に聳え、弥山、八経ヶ岳、その先に釈迦ヶ岳など大峰山脈や北山川の谷を挟んで台高山脈の大パノラマ、足元には神童子谷の深い渓谷が広がる絶景。
奥駈道から離れ、木の根道の支尾根を延々激下った先の、緑に覆われた水太谷の源流。
右岸の岩壁の基部に二段の口を開く無双洞は、上段の暗い窟は修験者が籠った靡と伝えられ、下段からは清冽な水が噴き出し渓の本流を合わせ水簾ノ滝となって奔り落ちていく豪景。
深い渓奥の岩を縫って進み、打ち込まれた鉄筋を頼りに岸壁を登り、底なし井戸を覗き、ブナ林の斜面を和佐又のコルへ戻る日本岳下のトラバースの気持ちのよさ。
とてつもなく変化に富んだ、大普賢岳を満喫しました。
前夜泊した和佐又ヒュッテから見上げた夜空も、いつもと同じ奈良の空とは思えないくらいの見事な銀河が横たわり、息を呑むばかりの満天の星空でした。
【2021.03.02作成の過去レコです】
※その後、何度も通うことになる大普賢岳の第一登です。
※初めて和佐又山に登ったときには、ヒュッテから林道を5分くらい歩いて下ったあたりから
少し奥まった林間で猪の養殖をされていて、近づくと大勢のウリ坊が小屋の中を逃げ回り、
親猪が怒って小屋の壁に体当たりしてくるなんていうのが見られて面白かったのですが、
この時はもう荒地になっていました。
小屋主さんの話では、たくさん飼ってヒュッテでも猪肉の料理を出していたそうですが、
身体的に世話が難しくなってやめてしまったのだとか。
一度食べてみたかったなあと、残念に思ったのを覚えています。
※この時の小屋主さんご夫妻はご高齢のため引退され、その後三度経営が変わった末に、
2019年11月をもって廃業。なんとか、もう一度復活されないかと祈っていましたが、
上北山中学校の旧校舎を移築した趣のある建物も、老朽化のため昨年撤去されてしまい、
上北山村のHPでは建て直しを検討中と記述があります。大峰の山深い寒村の財政では
残念ながら難しいかもしれませんが、なんとか実現してほしいと祈るばかりです。
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