もうちょっと雪山に!快晴の硫黄岳から暴風の天狗へ。(稲子湯から周回)そして食べ過ぎ・・・
- GPS
- 56:00
- 距離
- 28.0km
- 登り
- 2,414m
- 下り
- 2,407m
コースタイム
天候 | 3/22快晴、3/23曇・稜線はド強風→山行終了後に快晴(悲)、3/24晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
稲子湯〜しらびそ小屋までの間(朝は凍結ガリガリのツルツルでアイゼン必須) しらびそ小屋〜夏沢峠(割と締まった雪でノーアイゼンで良い) 夏沢峠〜硫黄岳(雪が飛んでいるところと融雪し始めた深雪が交互に現れる) 硫黄岳〜夏沢鉱泉(ズボズボ。ツボ足だとツライことになる。ワカンの方が良い) 夏沢峠〜箕冠山(ツボ足でも可) 箕冠山〜根石岳〜天狗(細い雪庇と融雪トラバースで、アイゼン・ピッケル要) 中山峠〜中山〜高見石(午前中ならそう踏みぬかない程度の雪) 高見石〜丸山〜麦草(ズボズボ) 麦草〜諏訪門の国道(白駒池までは歩きやすいが、その先は除雪されてツルツル凍結) 諏訪門〜石楠花尾根分岐まで(ずっとノートレースのズボズボ深雪。ハマルと股まで。雪がゴワゴワなのでスノーシューではなくワカンの方が良いが心して歩くこと。1歩ずつ落ちるとかなりツライ。) 石楠花尾根分岐〜唐沢橋(雪無し。) |
写真
感想
妻が先日休日出勤した分の振替休日を取るというのに合わせて金曜日に休みを取った。さあ、どこへ行く?でも日曜日は雨になりそうだ。
そして妻の立てたプランは、「いつも素通りするだけだった夏沢鉱泉に泊まって鉱泉と豪華夕食を楽しみ、雪が無くなる前に今期再訪すると約束した麦草に行く。」というもの。夏沢鉱泉は確かに冬の土曜日はなかなか空きが無いので、金曜に休みが取れたこの際に行くか。
まず、「泊まる場所」から決めるところがミソ^^;
初日、稲子湯に駐めて本沢温泉経由で硫黄岳往復して夏沢鉱泉まで降り、翌日また稜線に登り返して根石から天狗を超えて中山から高見石経由で会員になってる麦草へ。そして日曜日は天気悪そうだから麦草から稲子湯に戻るという周回コースとする。八ツはどのルートも何度も行っているので安心感があるし。
よーし、まったりするぞ!
初日、天気は上々。駐車場は平日だけあって1台のみ。出だしからツルツルに凍結していたのでアイゼン装着。みどり池まではずっとツルツル。
みどり池からの真っ白な天狗は何度見ても良い。しらびそ小屋は今日はカーテンが閉まったままであるが、りすが出迎えてくれる。ここも大好きな小屋であるが今日は先を急ぐ。
本沢温泉までのルートで、突然ガサガサッと音がして、かもしかが現れた。八ツでのかもしか遭遇率は非常に高い。かもしかはいつもそうだかじっーとこちらを見つめてくるので、若干怖い。
本沢温泉は誰もいなかった。今日は暑い。夏沢峠に出たら案の定風が強い。いつも風が強いので強風に備える。
硫黄岳への登りは、雪が飛んでいるところと雪が急に深くなるところが交互に現れてちょっと厄介。強風で唸る風の音しか聞こえない中を黙々と登る。
そして、硫黄岳山頂!ここからの赤岳〜阿弥陀の眺めは秀逸であるが、今年は3月に入ってから降雪少なく暖かい日が続いているので、雪はだいぶ少なくなっている。そして、北ア、南アの真っ白な眺めが素晴らしい!
いつも人の多い硫黄岳山頂であるが、誰ひとりおらず、ここの山頂としては珍しく風がそんなに強くなかったので、山頂で景色を堪能しながらゆっくりランチタイム。夏沢峠まで戻る途中で、今日初めての登山者に行きあった。
夏沢峠から冬季休業中のオーレン小屋を経て本日のお宿である夏沢鉱泉に到着。
夏沢峠から下は、結構ズボズボでしたが、まだましな状況であった。
(因みに午後3時頃にここを降りてきた単独男性は、雪が緩んで嵌り込み、非常に大変だったとのこと)
さて、早いけど夏沢鉱泉到着。もう鉱泉に入れるとのことで、まったりとお湯に浸かり、後は夕食まで読書を決め込む。なんと今日の予約者は我々の他は2人だけとのこと!で、ガラガラであった。
夕飯は名物シシ鍋の他に豪華ご馳走が並んでいて食べ過ぎた。
翌朝。朝ごはんからたっぷり美味しい。
さて、出発。まず、夏沢峠まで登り返しにかかる。オーレン小屋から箕冠山へ直接向かうルートもあるが、雪がズボズボなことが予想されるため、今日は稜線まで登り返すことにする。
稜線まで出ると、空が真っ暗だし、硫黄岳はどんより空の彼方。天気悪い???
なんかオドロオドロしい感じを醸し出している。箕冠山までは稜線とはいえ樹林の中を行くが、なんか雪もチラついてきた。吹きさらしの強風になる根石に出る手前の箕冠山で装備を整える。着込んでゴーグルも着け、ストックからピッケルへ。
根石山荘のコマクサが咲く辺りからは超・強風!というか暴風!
リニューアルした根石山荘の外見が変わったかどうか見て見たかったが、それどころではない。
妻は1歩進もうとする度に、横に2、3歩煽られてなかなか前に進めない。
しかも、根石岳から先は細い稜線と雪庇、融雪し始めているトラバースなどが続くが、プラス強風で、厳冬期・冬山に変身!という感じである。
おまけに誰もいないので、不気味さは増す。でも白砂新道は積雪期は危険だし、夏沢峠に戻るのもナンだし、風に飛ばされないよう気をつけつつ前進することにする。
途中、狭い雪庇の稜線では、風に煽られて落ちる懸念があり、ピッケルで確保しつつ強風と格闘。
最後の金網梯子(アイゼンひっかけないよう注意)を超えて、天狗山頂に出た!
天候は悪いがほっと一息。ここから先は厳冬期も通い慣れているので安心感が違う。でも、さすがに人気の天狗山頂もこの天気では誰もおらず・・・・。
今年は1月に快晴の天狗に来ているから今日はもういいか、と、黒百合ヒュッテで休憩しようと先を急ぐ。
が、中山峠くらいから晴れてきた??うーん、今頃・・・・。
黒百合ヒュッテ付近は大混雑!ここで休憩し、中山に向かう。
中山峠からはまた人がいなくなった。天狗の双耳峰がよく見えてきた。もうちょっと早く晴れてくれればよかったんですけど。
中山もいつも強風であるが、だいぶ春の風という感じに。しかし、寒いので相変わらず霧氷が綺麗であった。
高見石までのルートは積雪多いとスノーシューの方が良いが、さすがに減っていた。お決まりの白駒池を上から眺めて、丸山経由で麦草へ。
さすがに昼近くなるとズボズボになってきた。
ということで麦草到着。泊まらなくても帰れるが、今日は、ここに泊まるために来たので早々にチェックイン。
オーナーとトクちゃんが暖かく出迎えてくれました。
後はもう薪ストーブの横に陣取り、まったり。テレマークスキーやスノーシューの人が行き交って「晴れてきましたよ!」とのことでしたが、もう今日は行動終了。ダウンに着替えちゃったし。
家庭の正しい夕食の見本みたいな美味しい夕飯を食べた後、オーナーの、「土曜日なのにお客さんが15人しか来なかったヤケ酒パーティだぁ!」との叫びで、飲み会突入!(笑)
2月は土曜日に80人位コンスタントに入っており、先週土曜も40人位はいたそうであるが、この土曜だけ妙に予約が入らなかったとのこと!(来週末はまた多いそうな・・・)
そして4月になったら雪も融けちゃうのでまずお客さんは来なくなるから、ここで稼いでおかなくては苦しいとのことでしたが、太っ腹(身も心も?失礼。)なオーナーは、ふんだんにお酒を出してきて、無礼講!
日本酒、ワイン、シャンパン、等々並べられ、おつまみも出てきて飲み放題!
さらに調子づいたオーナーは、別で飲んでいた6人グループの人が、「日本酒、買いたいんですけど」と現れた際に、「これ、あげちゃう!」と一瓶まるごとサービス!という太っ腹ぶりを発揮し、「あの、、、、お代は??」というのに「いいからいいから!」とのこと。
今月だけ臨時に雇われたという大学生のバイト君は、「僕の給料は出るんでしょうか・・??」と半ば不安げでしたが、オーナーの「3年前に作って売れ残ったヒュッテの提灯500個現物支給してやるから!1個880円×500個で、40万円だぞ!学祭で売れば大儲け!」との宣言を受け、バイト君はすっかりひきつってました。
という宴会も終わり、翌朝はまた綺麗な晴れた朝。
朝ごはんをたっぷり食べ、稲子湯に戻ります。
雪が腐っているので登山道ではなくまずは冬季閉鎖中の国道を諏訪門下まで辿ることに。白駒池まではちょうどよい具合の雪でしたが、その先は変に圧雪されており、道路は逆にツルツル凍結していて歩きにくい。
凍結に転ばない様注意しながら諏訪門下まで。ここで右折。このルートは数年前にも積雪期に来た際にノートレースでかなり苦労したが、今日はノートレースなことは織り込み済。後は、そうズボズボしていないことを祈るのみ。
朝だから出だしはまだツボ足でなんとかなったが、上智大ヒュッテ以降は、かなりなズボズボゾーンと化し、しゃくなげ尾根に出るまではずっと長いズボズボルートを辿ることに。ズボズボと格闘の良い運動になりました。
石楠花尾根から先は雪が無くなり、時折、枯葉の下に隠れているツルツル凍結箇所に気をつけながら下山。
残雪のズボ雪山らしい楽しい山行。ちょっと根石〜天狗間の予想外の悪天候はアレでしたが、泊まりたかった夏沢鉱泉と、冬中に再訪しなければならなかった麦草にも寄れて大宴会も満喫し、日頃の疲れも取れた山旅になりました。
天狗〜黒ユリヒュッテ以外では全然登山者もいない静かな山でした。
しかし、豪華食事を食べ過ぎて体重増えた・・・・。
コメント
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うおぉぉぉお、ロングだ。
初日の青空と二日目の風景が別物だ
エビ背負って吹雪のなかご苦労さん。
でもご馳走まみれ、酒まみれ
ヨダレしたたるレコですね〜〜〜〜
こっちは83歳のダンナのとーちゃんと大阪城を落としてきたよ
たいぶ赤岳も雪が少なくなってるのが解ります。
八ヶ岳にも春が来ていると思いきや、厳冬期のような厳しい天狗はスゴイ天候
夏沢鉱泉・・・シシ鍋お泊まりしたくなりました。 山小屋の鍋ってやっぱりいいです。
ロングでグルメな山旅、お疲れさまでした。
東面からの八ヶ岳は人が少ないのでお勧めです!
特に諏訪門からの南北ルートは、これまで人に会ったことがないという超・穴場。
渋の湯回りより駐車料金がかからないので、ケチりたいときはいいですし
石楠花尾根や白樺尾根も人が少ないですし、日帰りで来ることも多いですけど、今回は「お泊りメイン」でまったりしてきました。
宿泊者が少ないと、それだけでうれしくなってしまいます
オーナーはうれしくないでしょうけど・・・
でも以前に比べてルートも整備されてきました
基本、歩ければ
山小屋の鍋って、凄くいいですよね!
全山小屋鍋でもいいくらい、鍋が好きです。
昔は鍋なんか出なかったですが、
最近は増えましたよね
お気に入りは、
雲の平山荘の石狩鍋、
大弛小屋の牛鍋、
天狗山荘の天狗鍋、
オーレン小屋の桜鍋、
そしてモチロン、この前の難民北横の拷問鍋!
Pengin22さん こんばんは
冬季でも八ヶ岳はこんな風に
廻れるんですね
お二人なら多少の悪天候でも前へ前へですね。
雲上の飲み放題も魅力的ですね
次回も楽しいレコが届くのをお待ちしてま〜す
うーん、大好きなものだらけ お腹空いてきちゃいましたよ
麦草ヒュッテいいですね〜。バイトさんとオーナーさんのやり取り、ユーモアが伝わって来ます
日曜このあたりはやっぱり天気きびしかったんですね。我々は稜線にいたんですが眼下が霧氷と雲海でした。金峰山が雲海の向こうにぽっかり浮いてました。
ロングコースって楽しみたくさんですね。距離に比例してるのでしょうか??ペンさんの山漫談の面白さもアップしてます
うわぁ〜、箕冠山から天狗岳までの暴風のレコで自分達の正月山行を思い出し、
捻挫治らぬ足首が疼きました
あれは本当に修行ですね
それにしても夏沢鉱泉にしても麦草ヒュッテも素敵な小屋ですね〜
ご馳走を目の前にした奥様の笑顔も素敵
美味しいレコありがとうございました!
稲子湯から登って稜線を移動するなら
わざわざ夏沢鉱泉まで降りてしまう必要性は全く無いんですけど、(素直に黒百合まで移動して泊まればいいので)
夏沢鉱泉に泊まってみたかったということで
(それに黒百合ヒュッテは失礼ながら人が多すぎてあまり好きではないこともあり・・・・)
東面回り、本当に人がいなくてお勧めです!
無雪なら白樺尾根か石楠花尾根を通るのがいいですが、
冬はこの諏訪門ルートが楽しめます。
ぜひいらして下さい
麦草、いいですよ〜
会員なのに冬季しか行かなくて申し訳ないんですけど、
いつも気持ち良く過ごせます
12月も飲み放題でしたが、今回も思いっきり、妻が飲ませて頂いてました
しかし、なんで「提灯」なんて作ったんでしょうね〜?
3年前に600個作って、100個しか売れなかったそうです (申し訳ないですが、ちょっと笑えます)
ここのオーナーは、若い女性が大好きですので、
Sさんが行かれたら、きっと超サービスしてくれますよ
年末年始にこの辺りいらしてたのですね!
レコ拝見しました。
捻挫されたところ、まだ疼きますか?
八ツの稜線は冬季は本当に風が強いですよね まあ、冬はどこもそうですけど・・・。
オーレンの冬季小屋に泊まられてましたね〜。
オーレンは、桜鍋がめちゃくちゃ美味しいですので、
営業しているときにぜひいらして下さい!
根石も暫く泊まっていませんが、硫黄岳山荘グループだけあってご飯が美味しいところです
うちは寒いのが大嫌いなので、冬季テントはやらないのですが、小屋泊ばかりしていると太って困ります
素泊まりにすればいいんでしょうが、ついつい・・・。
このルートで2泊って、随分とユルユルですね。
それでも15圓離競奪って、一体何が入ってるのでしょうか・・・
麦草ヒュッテの酒盛りもいいなぁ〜。
でも食後にお酒出されても私は飲めません・・・
やっぱお酒は食前に呑まないとね。
今頃コメコメすみません
年度末で仕事忙しくてなかなかレコイン出来ず
一日目の快晴と二日目の冬山っぷりが対照的ですね
でもうち、八ヶ岳を東側から行ったことないので行ってみたいです
麦草ヒュッテ、ぺんさんご夫婦のご実家みたいな感じですね〜
noboさん、おっしゃるとおり無雪期ならば日帰りも可能、冬季でも1泊で行けるルートですが、
何しろ、今回の目的は「夏沢鉱泉」と「麦草ヒュッテ」に、泊まること、でしたので
それに、この時期は、踏みぬき地獄で、雪の状態によっては物凄く時間かかることもありますし、(特に諏訪門からは殆ど人が入らないところですので)余裕を持ちました。
小屋に早く着いてゆるゆるのんびりするのは基本的に大好きですよ
東面からの八ヶ岳は、人が少なくて大好きです
八千穂から八柱山経由、とか
石楠花尾根や白樺尾根、や
南ヤツに行けば杣添尾根とかも 人少ないです。
真教寺、県界、天女山からの尾根はそこそこメジャーですが、それでも美濃戸とか渋の湯からに比べれば全然空いていますので、いいですよ
2泊だったんですね〜!
小屋満喫で楽しそう♪しし鍋はかなり魅力的です。
麦草ヒュッテも泊まってみたいな〜。
茶臼&縞枯や稲子湯起点のコースはまだ歩いたことがないので、その辺を絡めつつ。
赤岳らへんの雪はかなり少なくなってますね。それでもあの景色はやはり素晴らしい!!快晴で気持ちいいですね。
しかし翌日の悪天、まさに厳冬期の様相…。八ヶ岳は油断なりませんな。
pengin22さん、こんばんわ。
羨ましい雪山山行ですね。
夏沢鉱泉は泊まったことがありますが冬はしし鍋ですか?
麦草ヒュッテは何度も行ったことがありますが一度も泊まっていません。
こちらはオーナーの振る舞い酒ですか。
どちらも羨ましい!
GWの山行の行き先に悩んでいます。
yokowvさん
東面もコースが色々ありますので、
楽しいですよ!
そして麦草はやっぱり です!!
ぜひ来年ご一緒に
hakktuさん
うちらは夏沢鉱泉の泊まりは初めてでしたが、
冬はいつもしし鍋とのことです。
麦草は、小屋の方がたいへんフレンドリーで
居心地がよいので、冬に泊まりまくってます
ぜひ今度、お泊りになって下さい!
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