記録ID: 28100
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
聖岳・赤石岳・荒川三山 (悪沢岳)
2007年07月18日(水) ~
2007年07月21日(土)
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- GPS
- 80:00
- 距離
- 45.2km
- 登り
- 4,366m
- 下り
- 4,148m
コースタイム
7/18
0717。畑薙第一ダムの手前3キロ辺りの駐車場にSRXを停めて出発。しようと思ったらトイレにちゃんと紙があったので用を足して再出発。歩き出してすぐ、道路が完全に崩れ落ちていた。通行止めの原因はこれらしい。駐車場の手前には他にも土砂が崩れて通れない箇所がいくつか。どっちみち駐車場へは普通の車では無理だった。
0758。畑薙第一ダム駐車場。いつものように登山届は書かない。ここから先も何ヶ所か土砂崩れ。復旧には時間がかかりそうだ。
0828。畑薙大橋。長い!高い!かな〜り怖〜い!なるべく下を見ないように、揺らさないように歩く。
0900。ヤレヤレ峠。ここまではほぼ上り一辺倒。たまに崩れた土砂に道が覆われている。この登山道大丈夫か?
1003。ウソッコ小屋。快調!なのか?
1051。中の段。なんか膝が痛み出した。嘘っ?!
1133。横窪峠。いよいよ膝の痛みが本格化。とりあえず横窪沢小屋まで行って様子を見よう。
1140。峠からちょっと下ると横窪沢小屋。小屋の人に膝が急に痛み出したと言うと消炎鎮痛剤を出してくれた。ありがとう。
しばらく様子を見ようと昼飯にした。ラーメンを煮ていると物資運搬ヘリがやって来た。凄い風でラーメンがピンチに。ラーメン喰ってると今度は雨が。小屋の人の好意に甘えて軒を借りてラーメンを食べる。
1357。膝は予想通り全然回復しないし雨も止みそうにない。完全にギブアップで小屋素泊まりに決定。少し明日からの荷物を軽くしようと、持ってきたビールを二本開けた。残りはあと一本。完全にやる事なくて、ただひたすら横になってた。
7/19
0437。起床。3時くらいに起きて早出しようと思ってたら雨の音が止まないのでうとうとしてた。外が明るくなったので起きてみると雨じゃなくて沢の音だった。見上げると空が青い。しまった〜と思いつつ歯を磨いて朝飯喰って荷造りしたらこの時間になってしまった。が、その後結局予定をクリア出来たので足をゆっくり休めることが出来たという事で結果オーライ。膝の痛みはすっかり無くなってた。
0612。横窪沢小屋を出発。小屋のおじさんが、今日は高気圧に覆われると教えてくれた。が、歩き出すとすぐガスの中に入ってしまった。
最初は、またすぐに膝が痛み出したらどうしようと、考えても仕方ない思いが止まらずにどうしようも無かった。とりあえず杖を使って右膝に負担をかけないようにした。
0738。樺段。今のところ好調なのか?この辺りからなんとなくいけそうな気がしてきた。少し手前に水場があったが、家から持ってきたのを2リットル全く使ってないし喉も乾いてなかったのでパス。
0823。茶臼岳小屋。水をマグカップに二杯ゴクリ。ベンチで休憩したいると、小屋の主と、意外な事に可愛らしい女の人がお茶で迎えてくれた。なかなかヘリが飛んでくれないので荷物が届かなくて大変だとこぼしてた。話をしていると小雨がパラパラ。
0845。もうちょっと話してたかったが、まだ先は長いので『ごちそうさまでした!』とお礼を言って再出発。10分ほどで茶臼と聖の分岐に出た。茶臼に未練を残しつつ、今日は無駄に歩けないのでそのまま右折。天気は回復しないが、霧雨が出たり止んだりで済んでいる。ハイマツの滴で膝アイシングが気持ちいい。
1024。上河内岳肩。上河内岳まで15分。かなりペースが遅れ気味なのでまたまたパス。なんか膝の裏に違和感があるが気にしないようにして先を急ぐ。
1154。聖平。小屋は右、聖岳は直進。小屋の水場で昼食にしたかったが往復20分が惜しいのでパス。小聖の先に水場があるらしい。分岐点でラーメン。
1227。とりあえずお腹いっぱいになったので再出発。天気は相変わらず曇り。しばらくはヌルめの上り。突然崖っぷちに出たので休憩しつつ地図を見ると小聖っぽい。そろそろ水場が近いのか?
1353。小聖岳。あと1時間くらいか?しかし水場は見当たらない。
1521。やっと!!聖岳山頂!!勝利のコーヒー、勝利の一服、勝利の草団子でタップリ休憩。ここだけ一瞬晴れ間が見えたのは何よりだった。
1551。ちょっとゆっくりし過ぎたか?まだ90分ほど残ってる。勝利の余韻もそこそこに、引き続き膝に注意しつつ兎岳避難小屋に向けて出発。
かなり急な下りが辛い。途中何ヶ所か分岐があって、どっちへ行けば良いのか分かりづらい所があった。聖方向ははっきり分かるが、逆は難しいぞ。もっと案内標識を増やした方がいいんじゃないのか?
道が上り返しになった辺りで不安になって地図を確認。少し手前に、谷に下って行く二股があったので、もしかしたらあっちだったかも?と思ったが、最後は上り返しになってるのを確認。どうやらゴールは近そうだ。それにしても最後の最後にこの上り返しは結構きつい。
1728。なんとか無事に本日のゴールに到着。荒廃した避難小屋を覗くとかなり汚い。寝てると、なんか虫とかゾワゾワ出てきそうで気色悪い。霧雨なんでどうしようかしばらく考えたが、こんな時間から中は薄暗いし、扉もちゃんと閉まらなさそうなので幕営に決定。雨もいつの間にか止んでいた。明日の朝の冷え込みが心配だけど小屋よりは随分ましだろう。ラスト一本の缶ビールが旨かったが、今夜の米炊きは失敗してしまった。標高2800メートルもあるせいだろうか?
なんか寝付きが悪くて11時頃に用足しにテントの外に出てみると、星が沢山見えてとても綺麗だった。天の川もはっきり見える。さすがにこれだけ山奥だと街の明かりも影響しないし、標高が高いので空気の邪魔も少ないんだろう。ここで幕営して良かった。しかし、たまにテントの周辺で小動物の鳴き声が聞こえたのは、結局なんだったんだろう。
7/20
0449。起床。意外と寒くない。朝焼けに染まった赤石岳とか見えそうだが、テント場からは見えない。
兎岳までの上りの途中で夫婦連れと遭遇。昨夜は山頂に幕営したそうだ。赤石岳避難小屋に泊まる予定だと言ったら、前日に泊まったそうで小屋の主によろしく伝えてくれと言われた。後で地図を見た時に、赤石岳避難小屋じゃなくて中岳避難小屋の間違いだった。
0634。兎岳山頂。確かにちょっとしたスペースはあるが、だいぶ傾いてるし、よくこんな所で幕営したもんだと思った。記念撮影だけしてすぐに移動開始。
子兎岳の先で、水場の看板を見つけた。五分ほど下る必要があるのでどうしようかと思ったが、今朝はまだ歯も磨いてないし、休憩もまだほとんど取ってなかったのでザックを置いて水場まで下る事にした。沢水だけど、水の出口すぐのところから汲めるので綺麗なもんだった。なんだかんだで30分ほど休んでしまった。
正面に見える聖岳は、さすがに立派な山容だった。昨日下った道が、ここからならよく分かる。おとついはずっと森の中。昨日もほとんど森と、聖の前後のザレ場はずっとガスの中の見通しの悪い道ばっかりだったので、今日はずいぶん幸せだ。やっぱり山は晴れの日に限る。
0833。中盛丸山。既にここは大沢岳で、百間洞へのトラバース道を見逃したのかと思ったが、違ってた。この前後はちょっとした岩場で結構楽しかったが、上りはそこそこきつかった。
少し下ると、百間洞まで2キロの看板を発見。あと30分くらいかなぁと思ったが、見積もりが甘かった。さらに進むと大沢岳と百間洞の分岐。あと1キロ、30分と書いてある。1キロで30分もかかるか??と思いながら前進。トラバース道の割に意外と歩きにくい道で、結局30分近くかかってしまった。
小屋の直前に沢があって、小屋の水もここから取っているようだ。コッヘルが今朝汚したままになってたので、ここで洗い物を済ませた。ついでにタオルにたっぷり水を含ませて頭をゴシゴシして洗髪の代わりにすると、なんか小型のアブみたいなのが一杯タオルにくっついてきた。
0927。百間洞山ノ家。スタートして三時間半弱だから、だいたい予定どおり。ここで水のがぶ飲みをして休憩しようと思ってたが、水道には水を節約しましょうと書いてあるし、小屋からは誰も出てくる気配がないのでほとんど素通り。休憩はさっき水場でしたばっかりだしな。
百間平までの上り返しは、ちょっと長くてきつかった。
登り切ってしまうと、丁度青空になってきてとても良い気分。今日の天気は期待していいのか??ほとんど平地な道を、振り返ると奴がいる、じゃなくて朝から歩いてきた道が全部見通せるし、前方には赤石岳を見据えながら歩いていける。とてもシヤワセな気分。
山頂手前のザレ場が始まる辺りから、だんだん空模様が怪しくなってきた。昨日の聖と違って、まだ先がはっきり見通せるぶんましだったけど、やっぱりザレ場の上りはそこそこきつかった。
1225。赤石岳避難小屋。ビールを買って、山頂で勝利の祝杯を上げようと思ってたら、小屋の主が去年の残り物だけどご馳走してやると言うので、素直にご馳走になった。そのままビールを持って山頂に行ってしまうのはあんまりだし、なんとなく話が弾んだので結局小屋の中で昼食も済ませた。スイカまでご馳走になってしまって、とても有り難かった。朝出会った夫婦連れの話もしたし、兎岳に居るところを双眼鏡で見ていたと言っていた。4時間くらいでこっちに来るだろうと思ってたと言ってたけど、さすがにそれは速過ぎるだろう。なんだかんだで一時間ほど長居をしてしまい、お礼を言って外に出た時には山頂はすっかりガスの中だった。
1332。赤石岳山頂。ガスで眺望はゼロ。せめてタバコを一本吸おうと思ったが、風とガスの湿気のせいか全く火がつかない。一服は諦めて再スタート。
風が冷たくて結構寒い。ちょっと歩くと、岩影で風に吹かれない所があったので今度こそ一服休憩にしようと思ったら、ジッポの石が無くなってしまった。つい最近石を変えたばかりなのに、やっぱり山で使ってるとかなり減りが早いようだ。絶対に一発で火がつかないもんな。ターボライターも100円ライターも全然駄目なので、石を予備に交換してやっと火がついた。ここからカッパを着込んで寒さしのぎにした。
1403。小赤石岳はそのまま通過。この先から大聖寺平までの下りも、なかなかしんどい。途中ですれ違った人としばらく話をした。今朝は高山を出発して、今夜は赤石岳避難小屋泊らしい。あと残り二日で光岳まで行くと言ってたな。
1505。大聖寺平。一服休憩。
1539。荒川小屋。小屋のベンチで休んでるとオヤジが出てきた。なんか感じ悪いオヤジだったので、その後不愉快な気分になってしまい、中岳避難小屋までの道のりが異様にきつかった。もうほとんど山頂に近いところだったが、我慢しきれずにスニッカーズを一つ食べて最後の一踏ん張り。
頂上稜線に出たところでホッと一息。避難小屋はすぐそこのはずだし、どうせだから前岳に寄ってから小屋に向かおうかとも思ったが、ガスがひどいし明日の朝でもいいかと考え直して小屋直行にした。中岳山頂碑の前も素通り。
1738。中岳避難小屋に到着。一人だけだろうと思ってたら、先着のおじさんが一人いた。晩飯を炊きつつ小屋の主と三人でいろいろと話をしていたら、結局8時くらいになってしまって、やっと就寝。が、今夜もなんか寝付きが悪い。妙に喉が乾くしなんだか顔がヒリヒリするのは、今朝のわずかな晴れ間だけで日焼けしてしまったのか。
7/21
0422。起床。同宿のおじさんが先に起き出して、小屋の主と話を始めたので、もうちょっとごろ寝してたかったがそろそろ起きても良い時間だと思いなおして起き上がる事にした。淡々と朝飯を済ませて出発準備にとりかかる。
0541。とりあえず、前岳と中岳に空荷で出掛ける。昨日の望みも虚しく天候は曇り。かなりガスが濃い中を前岳に向かって歩く。背中に荷物がないので、かえって妙な感じでバランスがおかしい。
0549。前岳山頂。眺望は全くないし、記念撮影というよりも証拠写真を撮るような気分で一枚だけパチリ。中岳山頂も全く同じ。
0608。今度はザックを背負い、あらためて東岳山頂に向けて出発。おじさんは先に出発してしまっていた。霧雨の中を朝っぱらからトボトボと歩く。足元の花達が、唯一の慰めか。
山頂の少し手前でおじさんに追いつく。どうぞお先にと言われるままに、先に行かしてもらう。
0700。東岳山頂。相変わらずガスが濃くてなんにも見えない。こっちの方向から赤石岳を眺めるのを楽しみにしてたので非常に残念。
0739。丸山。こっから先は下り一辺倒。かと思いきや、千枚岳までは短いながら厳しい岩場の上り返しとかがあって、思ったよりはきつかったがまぁ疲れる程ではない。
千枚のすぐ手前で休憩している人が居たのでこっちも休憩にした。異様にデカイザックを持っている。間ノ岳まで縦走するそうだ。話していると、どうも岡山弁のような気がしたのでもしかして同郷かと思って尋ねると広島の人だった。こっちへ来てから畑薙の道の事情を知って、急遽天付峠を越えるルートに変更したそうだ。徒渉が大変だったと言っていた。水が異常に冷たいそうだ。しばらく話し込んで、じゃあ気をつけてと言って別れた。
0823。千枚岳。この時点では百名山地図帳のコースタイムを信じきってたので、あと三時間ちょいかとタカをくくっていた。が、この後行けども行けども終わらない道をひたすら下る事になる。
0900。千枚小屋。ベンチを借りて一服休憩。
ここから先は、現在地の表示も全くなく、最初はきつい下り、途中はヌルくて長いだらだらとした下り、さらにきつい下り、鉄塔の手前では異様に歩きにくい上り返しの岩場と、超ハードだった。鉄塔の手前の林道にぶつかった辺りで、やっと百名山地図帳の参考タイムがいいかげんである事に気付く。いったいあとどれだけ歩けば椹島に着くことやら。最後の方は、ちょっと焦り気味になって休憩をおろそかにしてしまい、かなり膝に負担をかけてしまった。
1350。そんなこんなでやっと椹島ロッジに到着。とりあえず、なんとか予定どおり三泊四日の縦走を終えることができそうだ。
バスに一時間程揺られるし、バスを降りてからも一時間ほど歩くから、ちょっとビールで一服しようかと思ったが、やっぱりやめにした。飲んでしまうと、駐車場で一時間ほど時間をつぶさんといかんしな。
二時発のバスに揺られて行ったのは畑薙大吊り橋の少し先まで。道が崩れかかっているのでバスはその先に進むことができない。続きはデリカが送ってくれるそうだが、こいつが沼平ゲートに置きっぱなしになってるとかで良く事情が判らない。待っていると、車がパンクしてジャッキを取りに来たというおにいさんが走ってやって来た。パンク車のところまでパジェロに乗せてもらい、そこからしばらく歩いていると、沼平ゲートのほんの少し手前でやっとデリカがやって来た。たいした距離じゃないが、乗せてもらうことにした。
1604。沼平ゲートから駐車場まで3キロほど歩いてやっと駐車場に到着。無事に三泊四日の縦走を完了。
0717。畑薙第一ダムの手前3キロ辺りの駐車場にSRXを停めて出発。しようと思ったらトイレにちゃんと紙があったので用を足して再出発。歩き出してすぐ、道路が完全に崩れ落ちていた。通行止めの原因はこれらしい。駐車場の手前には他にも土砂が崩れて通れない箇所がいくつか。どっちみち駐車場へは普通の車では無理だった。
0758。畑薙第一ダム駐車場。いつものように登山届は書かない。ここから先も何ヶ所か土砂崩れ。復旧には時間がかかりそうだ。
0828。畑薙大橋。長い!高い!かな〜り怖〜い!なるべく下を見ないように、揺らさないように歩く。
0900。ヤレヤレ峠。ここまではほぼ上り一辺倒。たまに崩れた土砂に道が覆われている。この登山道大丈夫か?
1003。ウソッコ小屋。快調!なのか?
1051。中の段。なんか膝が痛み出した。嘘っ?!
1133。横窪峠。いよいよ膝の痛みが本格化。とりあえず横窪沢小屋まで行って様子を見よう。
1140。峠からちょっと下ると横窪沢小屋。小屋の人に膝が急に痛み出したと言うと消炎鎮痛剤を出してくれた。ありがとう。
しばらく様子を見ようと昼飯にした。ラーメンを煮ていると物資運搬ヘリがやって来た。凄い風でラーメンがピンチに。ラーメン喰ってると今度は雨が。小屋の人の好意に甘えて軒を借りてラーメンを食べる。
1357。膝は予想通り全然回復しないし雨も止みそうにない。完全にギブアップで小屋素泊まりに決定。少し明日からの荷物を軽くしようと、持ってきたビールを二本開けた。残りはあと一本。完全にやる事なくて、ただひたすら横になってた。
7/19
0437。起床。3時くらいに起きて早出しようと思ってたら雨の音が止まないのでうとうとしてた。外が明るくなったので起きてみると雨じゃなくて沢の音だった。見上げると空が青い。しまった〜と思いつつ歯を磨いて朝飯喰って荷造りしたらこの時間になってしまった。が、その後結局予定をクリア出来たので足をゆっくり休めることが出来たという事で結果オーライ。膝の痛みはすっかり無くなってた。
0612。横窪沢小屋を出発。小屋のおじさんが、今日は高気圧に覆われると教えてくれた。が、歩き出すとすぐガスの中に入ってしまった。
最初は、またすぐに膝が痛み出したらどうしようと、考えても仕方ない思いが止まらずにどうしようも無かった。とりあえず杖を使って右膝に負担をかけないようにした。
0738。樺段。今のところ好調なのか?この辺りからなんとなくいけそうな気がしてきた。少し手前に水場があったが、家から持ってきたのを2リットル全く使ってないし喉も乾いてなかったのでパス。
0823。茶臼岳小屋。水をマグカップに二杯ゴクリ。ベンチで休憩したいると、小屋の主と、意外な事に可愛らしい女の人がお茶で迎えてくれた。なかなかヘリが飛んでくれないので荷物が届かなくて大変だとこぼしてた。話をしていると小雨がパラパラ。
0845。もうちょっと話してたかったが、まだ先は長いので『ごちそうさまでした!』とお礼を言って再出発。10分ほどで茶臼と聖の分岐に出た。茶臼に未練を残しつつ、今日は無駄に歩けないのでそのまま右折。天気は回復しないが、霧雨が出たり止んだりで済んでいる。ハイマツの滴で膝アイシングが気持ちいい。
1024。上河内岳肩。上河内岳まで15分。かなりペースが遅れ気味なのでまたまたパス。なんか膝の裏に違和感があるが気にしないようにして先を急ぐ。
1154。聖平。小屋は右、聖岳は直進。小屋の水場で昼食にしたかったが往復20分が惜しいのでパス。小聖の先に水場があるらしい。分岐点でラーメン。
1227。とりあえずお腹いっぱいになったので再出発。天気は相変わらず曇り。しばらくはヌルめの上り。突然崖っぷちに出たので休憩しつつ地図を見ると小聖っぽい。そろそろ水場が近いのか?
1353。小聖岳。あと1時間くらいか?しかし水場は見当たらない。
1521。やっと!!聖岳山頂!!勝利のコーヒー、勝利の一服、勝利の草団子でタップリ休憩。ここだけ一瞬晴れ間が見えたのは何よりだった。
1551。ちょっとゆっくりし過ぎたか?まだ90分ほど残ってる。勝利の余韻もそこそこに、引き続き膝に注意しつつ兎岳避難小屋に向けて出発。
かなり急な下りが辛い。途中何ヶ所か分岐があって、どっちへ行けば良いのか分かりづらい所があった。聖方向ははっきり分かるが、逆は難しいぞ。もっと案内標識を増やした方がいいんじゃないのか?
道が上り返しになった辺りで不安になって地図を確認。少し手前に、谷に下って行く二股があったので、もしかしたらあっちだったかも?と思ったが、最後は上り返しになってるのを確認。どうやらゴールは近そうだ。それにしても最後の最後にこの上り返しは結構きつい。
1728。なんとか無事に本日のゴールに到着。荒廃した避難小屋を覗くとかなり汚い。寝てると、なんか虫とかゾワゾワ出てきそうで気色悪い。霧雨なんでどうしようかしばらく考えたが、こんな時間から中は薄暗いし、扉もちゃんと閉まらなさそうなので幕営に決定。雨もいつの間にか止んでいた。明日の朝の冷え込みが心配だけど小屋よりは随分ましだろう。ラスト一本の缶ビールが旨かったが、今夜の米炊きは失敗してしまった。標高2800メートルもあるせいだろうか?
なんか寝付きが悪くて11時頃に用足しにテントの外に出てみると、星が沢山見えてとても綺麗だった。天の川もはっきり見える。さすがにこれだけ山奥だと街の明かりも影響しないし、標高が高いので空気の邪魔も少ないんだろう。ここで幕営して良かった。しかし、たまにテントの周辺で小動物の鳴き声が聞こえたのは、結局なんだったんだろう。
7/20
0449。起床。意外と寒くない。朝焼けに染まった赤石岳とか見えそうだが、テント場からは見えない。
兎岳までの上りの途中で夫婦連れと遭遇。昨夜は山頂に幕営したそうだ。赤石岳避難小屋に泊まる予定だと言ったら、前日に泊まったそうで小屋の主によろしく伝えてくれと言われた。後で地図を見た時に、赤石岳避難小屋じゃなくて中岳避難小屋の間違いだった。
0634。兎岳山頂。確かにちょっとしたスペースはあるが、だいぶ傾いてるし、よくこんな所で幕営したもんだと思った。記念撮影だけしてすぐに移動開始。
子兎岳の先で、水場の看板を見つけた。五分ほど下る必要があるのでどうしようかと思ったが、今朝はまだ歯も磨いてないし、休憩もまだほとんど取ってなかったのでザックを置いて水場まで下る事にした。沢水だけど、水の出口すぐのところから汲めるので綺麗なもんだった。なんだかんだで30分ほど休んでしまった。
正面に見える聖岳は、さすがに立派な山容だった。昨日下った道が、ここからならよく分かる。おとついはずっと森の中。昨日もほとんど森と、聖の前後のザレ場はずっとガスの中の見通しの悪い道ばっかりだったので、今日はずいぶん幸せだ。やっぱり山は晴れの日に限る。
0833。中盛丸山。既にここは大沢岳で、百間洞へのトラバース道を見逃したのかと思ったが、違ってた。この前後はちょっとした岩場で結構楽しかったが、上りはそこそこきつかった。
少し下ると、百間洞まで2キロの看板を発見。あと30分くらいかなぁと思ったが、見積もりが甘かった。さらに進むと大沢岳と百間洞の分岐。あと1キロ、30分と書いてある。1キロで30分もかかるか??と思いながら前進。トラバース道の割に意外と歩きにくい道で、結局30分近くかかってしまった。
小屋の直前に沢があって、小屋の水もここから取っているようだ。コッヘルが今朝汚したままになってたので、ここで洗い物を済ませた。ついでにタオルにたっぷり水を含ませて頭をゴシゴシして洗髪の代わりにすると、なんか小型のアブみたいなのが一杯タオルにくっついてきた。
0927。百間洞山ノ家。スタートして三時間半弱だから、だいたい予定どおり。ここで水のがぶ飲みをして休憩しようと思ってたが、水道には水を節約しましょうと書いてあるし、小屋からは誰も出てくる気配がないのでほとんど素通り。休憩はさっき水場でしたばっかりだしな。
百間平までの上り返しは、ちょっと長くてきつかった。
登り切ってしまうと、丁度青空になってきてとても良い気分。今日の天気は期待していいのか??ほとんど平地な道を、振り返ると奴がいる、じゃなくて朝から歩いてきた道が全部見通せるし、前方には赤石岳を見据えながら歩いていける。とてもシヤワセな気分。
山頂手前のザレ場が始まる辺りから、だんだん空模様が怪しくなってきた。昨日の聖と違って、まだ先がはっきり見通せるぶんましだったけど、やっぱりザレ場の上りはそこそこきつかった。
1225。赤石岳避難小屋。ビールを買って、山頂で勝利の祝杯を上げようと思ってたら、小屋の主が去年の残り物だけどご馳走してやると言うので、素直にご馳走になった。そのままビールを持って山頂に行ってしまうのはあんまりだし、なんとなく話が弾んだので結局小屋の中で昼食も済ませた。スイカまでご馳走になってしまって、とても有り難かった。朝出会った夫婦連れの話もしたし、兎岳に居るところを双眼鏡で見ていたと言っていた。4時間くらいでこっちに来るだろうと思ってたと言ってたけど、さすがにそれは速過ぎるだろう。なんだかんだで一時間ほど長居をしてしまい、お礼を言って外に出た時には山頂はすっかりガスの中だった。
1332。赤石岳山頂。ガスで眺望はゼロ。せめてタバコを一本吸おうと思ったが、風とガスの湿気のせいか全く火がつかない。一服は諦めて再スタート。
風が冷たくて結構寒い。ちょっと歩くと、岩影で風に吹かれない所があったので今度こそ一服休憩にしようと思ったら、ジッポの石が無くなってしまった。つい最近石を変えたばかりなのに、やっぱり山で使ってるとかなり減りが早いようだ。絶対に一発で火がつかないもんな。ターボライターも100円ライターも全然駄目なので、石を予備に交換してやっと火がついた。ここからカッパを着込んで寒さしのぎにした。
1403。小赤石岳はそのまま通過。この先から大聖寺平までの下りも、なかなかしんどい。途中ですれ違った人としばらく話をした。今朝は高山を出発して、今夜は赤石岳避難小屋泊らしい。あと残り二日で光岳まで行くと言ってたな。
1505。大聖寺平。一服休憩。
1539。荒川小屋。小屋のベンチで休んでるとオヤジが出てきた。なんか感じ悪いオヤジだったので、その後不愉快な気分になってしまい、中岳避難小屋までの道のりが異様にきつかった。もうほとんど山頂に近いところだったが、我慢しきれずにスニッカーズを一つ食べて最後の一踏ん張り。
頂上稜線に出たところでホッと一息。避難小屋はすぐそこのはずだし、どうせだから前岳に寄ってから小屋に向かおうかとも思ったが、ガスがひどいし明日の朝でもいいかと考え直して小屋直行にした。中岳山頂碑の前も素通り。
1738。中岳避難小屋に到着。一人だけだろうと思ってたら、先着のおじさんが一人いた。晩飯を炊きつつ小屋の主と三人でいろいろと話をしていたら、結局8時くらいになってしまって、やっと就寝。が、今夜もなんか寝付きが悪い。妙に喉が乾くしなんだか顔がヒリヒリするのは、今朝のわずかな晴れ間だけで日焼けしてしまったのか。
7/21
0422。起床。同宿のおじさんが先に起き出して、小屋の主と話を始めたので、もうちょっとごろ寝してたかったがそろそろ起きても良い時間だと思いなおして起き上がる事にした。淡々と朝飯を済ませて出発準備にとりかかる。
0541。とりあえず、前岳と中岳に空荷で出掛ける。昨日の望みも虚しく天候は曇り。かなりガスが濃い中を前岳に向かって歩く。背中に荷物がないので、かえって妙な感じでバランスがおかしい。
0549。前岳山頂。眺望は全くないし、記念撮影というよりも証拠写真を撮るような気分で一枚だけパチリ。中岳山頂も全く同じ。
0608。今度はザックを背負い、あらためて東岳山頂に向けて出発。おじさんは先に出発してしまっていた。霧雨の中を朝っぱらからトボトボと歩く。足元の花達が、唯一の慰めか。
山頂の少し手前でおじさんに追いつく。どうぞお先にと言われるままに、先に行かしてもらう。
0700。東岳山頂。相変わらずガスが濃くてなんにも見えない。こっちの方向から赤石岳を眺めるのを楽しみにしてたので非常に残念。
0739。丸山。こっから先は下り一辺倒。かと思いきや、千枚岳までは短いながら厳しい岩場の上り返しとかがあって、思ったよりはきつかったがまぁ疲れる程ではない。
千枚のすぐ手前で休憩している人が居たのでこっちも休憩にした。異様にデカイザックを持っている。間ノ岳まで縦走するそうだ。話していると、どうも岡山弁のような気がしたのでもしかして同郷かと思って尋ねると広島の人だった。こっちへ来てから畑薙の道の事情を知って、急遽天付峠を越えるルートに変更したそうだ。徒渉が大変だったと言っていた。水が異常に冷たいそうだ。しばらく話し込んで、じゃあ気をつけてと言って別れた。
0823。千枚岳。この時点では百名山地図帳のコースタイムを信じきってたので、あと三時間ちょいかとタカをくくっていた。が、この後行けども行けども終わらない道をひたすら下る事になる。
0900。千枚小屋。ベンチを借りて一服休憩。
ここから先は、現在地の表示も全くなく、最初はきつい下り、途中はヌルくて長いだらだらとした下り、さらにきつい下り、鉄塔の手前では異様に歩きにくい上り返しの岩場と、超ハードだった。鉄塔の手前の林道にぶつかった辺りで、やっと百名山地図帳の参考タイムがいいかげんである事に気付く。いったいあとどれだけ歩けば椹島に着くことやら。最後の方は、ちょっと焦り気味になって休憩をおろそかにしてしまい、かなり膝に負担をかけてしまった。
1350。そんなこんなでやっと椹島ロッジに到着。とりあえず、なんとか予定どおり三泊四日の縦走を終えることができそうだ。
バスに一時間程揺られるし、バスを降りてからも一時間ほど歩くから、ちょっとビールで一服しようかと思ったが、やっぱりやめにした。飲んでしまうと、駐車場で一時間ほど時間をつぶさんといかんしな。
二時発のバスに揺られて行ったのは畑薙大吊り橋の少し先まで。道が崩れかかっているのでバスはその先に進むことができない。続きはデリカが送ってくれるそうだが、こいつが沼平ゲートに置きっぱなしになってるとかで良く事情が判らない。待っていると、車がパンクしてジャッキを取りに来たというおにいさんが走ってやって来た。パンク車のところまでパジェロに乗せてもらい、そこからしばらく歩いていると、沼平ゲートのほんの少し手前でやっとデリカがやって来た。たいした距離じゃないが、乗せてもらうことにした。
1604。沼平ゲートから駐車場まで3キロほど歩いてやっと駐車場に到着。無事に三泊四日の縦走を完了。
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