椹島より厳冬の赤石岳


- GPS
- 28:23
- 距離
- 49.4km
- 登り
- 3,937m
- 下り
- 3,939m
コースタイム
- 山行
- 9:16
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 9:50
- 山行
- 12:20
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 13:26
- 山行
- 4:24
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 4:52
天候 | 入山する2日前に70cm程度の積雪あり。 ・1日目:冬型緩む。-5~0℃,ほぼ無風 ・2日目:移動性高気圧。-10~0℃,稜線では10m/s位 ・3日目:南岸低気圧が接近し前線通過。明け方から0900まで雪,-5℃。麓は0℃。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全区間でノートレース,誰にも遭わず。 ①椹島登山口まで: 昨年より舗装が進んでいる。ゲートも厳重化。路面に積雪は無いがあちこちで沢水が凍結。前ブレーキ厳禁。(転けるよ) ②2900m付近まで: 積雪1m程度。薄いクラストの下は,発泡ビーズのようなまとまらない雪。随所で足ズボ,斜面で立込むと流れ出す。専らスノーシューで行った。 ③稜線まで: 積雪1.5~2m程度。薄いクラストの下は粉雪。南東斜面は日光で湿雪となり,アイゼンにまとわりつく。随所で足ズボ,斜面で立込むと流れ出すのは変わらず。 ④稜線 積雪50cm程度,固く締まってアイゼンがよく効く。このお蔭で赤石岳まで足を伸ばすことを決意した。 |
写真
天気は下り坂,雨戸が絶えずガタガタ鳴っている。
相変わらず胃腸が痛む。しかし-10度の吹雪のなか用足し出来る気がせず。どっちつかずの状況が続く。
その後何とか回復し,5時間くらい寝て,0650起床。
感想
昨年は,半ば予想通りの敗退をした赤石岳。
今回は本気で登りたいんだ。
この1年,この日のために色々と準備をしてきた。
だが往々にして,自然の振れ幅の前にそんなものは一蹴されてしまう。
実際,そうなった。
そして何度か諦めかけたその先,最後のひと伸びで山頂に届いた。
中道を歩めとお釈迦様は言われたが,その点では正直思うところはある。
今回,課題と考えたのは以下2点。
①長時間のラッセル
②核心部の通過(特に下降時)
自分なりの対策は,
①:スノーシュー。筋力の温存。(心拍数を上げない。ラッセルで無闇にあがかない,BCAAの補給。)
①②:軽量化。
赤石小屋の冬季避難小屋は確実に使える(雪でも扉が開く)ことが昨年分かったので,テントは持たない。
背負う荷物は最大で16.5kg,アタック時は13kg。
②:ダブルアックス,下降用ロープを持つ。
往路ではクライムダウンを意識して足場を刻む。
復路は明るいうちに核心部を通過できるよう,引返すタイムリミットの設定。
実際は,
・雪質は異なるものの,昨年に匹敵するラッセルを強いられた。軽量化が効いて思いの外粘れたが,予定時刻からどんどん外れていき,ラクダの背辺りでは再度の敗退を覚悟した。下降時は消耗して胃腸が不調になり,補給食も喉を通らなくなってしまった。結果,避難小屋にもう一泊。
・薄いクラストの下は発泡ビーズのようなまとまらない雪質のため,アイゼンを蹴込んで立込むとズルっと滑り気味で不安だった。短気を起こさず,納得いくまで足場を探すのみ。
・雪が多かったため,下降時も自分のトレースがはっきりわかってクライムダウンがやりやすかった。往路のクライムダウンやナイフリッジは不安感が強かったが,復路では一度踏み固めた雪はそれなりに安心感があった。
・逆に,雪ばかりで下降用ロープの支点は殆ど見出せず。
総じて言えば,核心部は西穂の3倍くらい困難だった。
自分の力を出し切った感があり,素晴らしく充実した時間だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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この冬赤石登ってる人なんているのかな?ってふとレコ検索したのですが…1件だけヒットしました!
厳冬期赤石岳登頂、おめでとうございます🎊
この時期にラクダの背を登下降とは凄い…!
素晴らしいチャレンジに敬意を表します👏👏
近々聖岳でも行こうかなと思ってたのですが、雪質など参考になりました☃️
大変お疲れ様でした♪
冬の赤石岳,そもそもKgcmさんの参考記録に触発されたものですので。
ご本人からコメント頂き光栄です。
この山域,もっと歩き回ってみたいのですが,車も含め,アプローチだけでへとへと...
(往復のどちらかが徹夜に近くなる)
それがこの静かな山域を形作っているのでしょうが。
聖岳,行ったことが無いのですが,椹島への途中に登山口がありますね。
ちょっと興味があります。
楽しんできて下さい❣
朝の6時ぐらいに林道途中で抜かされて行った者デス。
こちら荒川岳周回ルートで山行しており下山時に赤石小屋から先のトレースに大変助けられました🙇♂️🙇♂️
アプローチの悪さからか厳冬期は本当に人が入らないんだな……って感じさせるラッセル地獄でしたね💦
そーです。そのMTBニキです。覚えてますよ。てっきり笊ヶ岳方面へ行かれたかと思ってました。
YAMAP見ました。重い荷物背負って、壮絶な山行でしたね。良くぞご無事で…
その後に出会わずならば笊ヶ岳方面と思いますよね。まさかの悪沢岳方面という(/ω\)
3日目の吹雪には本当にしてやられたって感じで新雪の恐ろしさを痛感させられたと言いますか💦
そして紛失したアックスの在処に心当たりがあるので実は来週回収しに行こうと思っておりまして赤石岳の記録をヤマレコで検索しておりTipTop123さんの記録に辿り着いた訳でございます(笑)
3日目に天候が崩れるのは分かっていたので,私は予定を1日早めました。
私は,冬は天気が崩れる時は登るな,と山の師匠に口酸っぱく言われてますので...
あの中を稜線で行動して,しかもラクダの背を降りて来るとはバケモノですね!
でも,あまりリスクを取りすぎると,当たりを引く確率が上がるので...
お気を付け下さい。
最近なんでも値上がりして,アイスアックスも4万とかですからね。
その後の雪で埋まってないと良いですが。
是非,ロープ出して下さい。
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