【初3000m峰】日本三名山、立山を縦走【膝痛苦】
- GPS
- 07:21
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 1,005m
- 下り
- 998m
コースタイム
- 山行
- 5:51
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 7:23
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
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アクセス |
感想
・先月、日本三名山の一つ白山を無事日帰りで登ることができた。もう一つの日本三名山は隣県の富山にあって、ここも日帰りで登れるみたいだ。ここはもういっちょ、北陸に住んでいる恩恵にあずかるべきだろうという事で立山縦走に挑戦してみた。
・始発の電車で金沢を発って富山駅でバスに乗り換え9時頃に立山室堂へ。4時間ぐらいで到着。初めての室堂平。俗世とかけ離れた別世界感が凄い。ここは本当に日本なのかと圧倒的な楽園風景に感動する。
・椅子が置いてある所で準備をしていると、近くで如何にも健脚そうな登山家のグループがストレッチしている。登山のメッカ立山らしい光景。立山の方が白山より登山者の平均年齢が若い。
・トラブル発生。標高の影響なのかコンデジが不調(撮影ボタン押しても中々シャッター降りない。極たまに降りて撮影できる)になった。絶景を目の当たりにしてこれは痛恨のトラブル(登山終盤になったら何故か勝手に直った)。
・スタートすると観光客が群がる「立山玉殿の湧水」の前に。霊山の山麓からこんこんと湧き出る天然水。雄大な大自然に抱かれながら飲み込む。神の水を頂戴しているかのような清らかな美味しさ。日本の山岳信仰の頂点の山は何処か?…ハイ、結論に達しました。
・みくりが池温泉に入りたかったけど、それは我慢。
・煙がモクモク吹き上がり、硫黄臭がたちこむ地獄谷。立山曼荼羅の世界。とにかく変化が目まぐるしいハイキングコース。全く飽きずに歩ける。
・見晴らしの良い雷鳥荘の前にやって来る。ここは雷鳥沢テント場のビュースポット。自分もいつかこんな場所でテント泊してみたいと思った。
・雷鳥荘を過ぎるとほぼハイキング客はいなくなる。大階段を降りていたら大集団が登ってきた。疲れ切った表情の人ちらほら。おそらく剱岳登山の帰りなんだろう。
・雷鳥沢キャンプ場に着いた。ヘルメット等のガチな装備の人達が目立つ。ここで休憩するのは場違いな気がしたので、そそくさと通過。
・小橋を渡ると大変な登り坂が始まる。重装備な人達と歩くペースが同じだ。こっちは荷物軽いので何だか情けなくなる。邪魔してないかと申し訳ない気持ちも交じる。
・急坂を登っていると剱岳帰りっぽい3人か4人の男女グループが立ったまま休憩してた。視線はこっちに向いていたので挨拶するが、思いっ切り無視された。ガン無視だったので凹む。細身な体にシックな色使いのウェアを着こなしていてデキる感を醸し出していたけど、ああいう人達からすると、お前みたいな奴は来るんじゃねえよって感じなんだろうか。分かんないけど。
・剱御前小舎に近づくと反時計回りで立山縦走してる人達と連続してすれ違うようになってきた。服装がスポーツルックだったり靴がハイキングシューズだったり背中が身軽だったりするから識別できる。自分と同じ靴の人も多かった。立山縦走組は挨拶しても無視されるような事は一切なく肉体は辛いけど気分は回復する思い。
・剱御前小舎まであと一歩って所で天気が急変。雲が湧いてきて強風が吹き付けてくる。すると風に煽られて、つばの長い帽子が暴れ出す。なんとか手で押さえて踏ん張るものの最終的には眼鏡が吹っ飛んだ。岩の隙間に落ちず助かったが、なぜ登山用の帽子のつばが長くないか、よく理解できた。
・剱御前小舎に到着するが、雲が邪魔してて一番楽しみにしていた剱岳の眺望が今ひとつ。これては時計回りで来た意味がない。ルート選択ミスしてしまったのか。
・進路を東に、別山南峰に向かう。少し危険な道が現れたので慎重に通過。
・別山南峰に着いて休憩後、雄山方面を目指すが、どうもおかしい。雲が湧き上がる中、行っても眺望期待できない北峰方面に進んでいる気がする。後ろを振り向くと山慣れしてそうなベテランさんがこっちに向かってくる。これ幸いとスマホの地図を見せながら訊くと、やはり間違っていた。感謝の気持ちを伝えて先を急ごうとすると「心配だ!心配だ!」との声。「大丈夫です、大丈夫です」と返すも、またもや「心配だ!心配だ!」と更に大きな声。「全然心配ないですよ、大丈夫です」と言って強引に歩を進めたが、ベテランさんからするとスマホ地図を利用しての登山なんて理解できない行動なのだろうか?そんな事を考えながら南峰へ戻った。(後々になって振り返ると、自分の身なりがアレだったから(もしや雄山から?)一般観光客が迷い込んだように見え、遭難の心配をしてたんだと思う。ご心配をかけて申し訳ない思いです。ごめんなさい。そして有り難うございました)
・雲がモワモワっと湧く。完全に包まれた。孤立感高まり不安感増す。だが不幸中の幸いか、数匹の雷鳥が現れる。可愛かったけど足元に近寄り過ぎる。人間を警戒してないのか。
・視界不良でルートミス。ザラザラしてるルートを下っていると対向者が正しいルートを教えてくれました。10メートル程ずれた所をズルズルよたよたした足取りで進んでいたから、見るに見兼ねて声掛けしたんだと思う。助かりました。ありがとうございます。
・真砂岳を過ぎると、雲が遠くなって少し眺望良くなってきた。後立山連峰をじっくり眺めている男性がいる。後立山連峰の山々は何一つ分からないので訊いてみると親切に教えてくれた。だけど、帰宅後に確認したみたら殆ど間違っていた(笑)。(だがこの旦那さんが後に自分に幸運をもたらしてくれる)
・丹沢表尾根以来憧れていた稜線歩き。3000メートル級の尾根で再体験できて興奮度マックス。これこそ自分が登山に求めてきたもの。日本列島のゴリゴリした背骨の部分、本州のド真ん中を縦走してる感覚に、ただただ興奮した。
・ゾクゾクする光景を目の当たりに。大自然の神秘、滝雲あらわる。
・前方の雲の中から研ぎ澄まされた面持ちの隊列がゾワワワーンと現れる。映画のワンシーンみたいな光景。エリート登山家のグループか、もしくは有力山岳部の大学生か。一直線の揃った数珠つなぎの列がとても格好良かった。細い道ですれ違いましたが好青年達でした。
・下から見上げた富士の折立が格好良すぎて感情高ぶる。長く伸びる急峻な尾根が天に突き刺しているように見える。何か、神か悪魔が待ち構えてそうな雰囲気の鋭い山頂の山容。ラスボス相手に最後の戦いを挑むRPGの主人公になったような感情芽生える。漂う雲がいい演出してくれました。
・ちょっと怖かった急登をクリアすると富士の折立の小さな広場。そこから少し南下すると大汝休憩所があって、ここのベンチで小休止。
・映画の撮影に使われた事もある大汝休憩所の内部をちょっとチラ見して雄山方面へ急ぐ。15メートルぐらい歩いたら立て看板があった。サイズが小さいのでスルーしそうになるが、先行していた(後立山連峰間違いの)旦那さんが矢印の方に曲がるので、つられて自分もそっちに行ってしまった。
・険しい岩場を少し登ると黒部ダムのビュースポットがあった。ただ、混雑激しいので、久し振りに見た黒部ダムを写真に収めたら直ぐに降りて雄山に向かう。(帰宅後に調べたら、実はここか立山最高峰の大汝山の山頂だった。さらに北陸四県の最高峰でもある事を知る。登らなかったら帰宅後に大後悔するところだった…。あぶないあぶない。幸運な最高地点のクリアでした。)
・肩がジンジン痛くなってくる。ホームセンターで買ったショルダーがペラペラのリュックは登山には不向きだった。皆んなが背負っているリュックにはウエストにベルトが付いている。あんな類のモノが登山やるには必要だと理解する。
・雄山へ向かう道も大変。大きな岩がゴツゴツ並んでいてて初心者には辛かったけど、自分の前後にも難儀してる人いたのでゆっくり渡れた。
・雄山に到着すると、自分みたいな非登山の格好の人達がいっぱいいた。登山を愉しむというより参拝しに来た感じ。彼らは、やはり地元の富山県民なんでしょうか。
・さて、最終バスが気になるので室堂へ急ぐ。下りの途中で子ども連れの8人程のグループに長時間、自分の前にいたトレーナー姿のソロの男性と共に通せん坊される。非登山客は周囲がよく見えてないみたいだ。サクっとまくって抜けない自分の鈍足ぶりが情けなかった。
・一ノ越に近づくと膝が痛くなってきた。ここからが地獄の始まり。室堂到着するまで泣きそうになるぐらい苦しかった。最終バスが気になるからゆっくり歩けないし。
・必死に頑張って室堂到着!もう黄昏れ時だ。観光客の姿が殆ど見えない。静かな室堂平。振り返って見上げた立山のなんと雄大なことよ。
・階段を下ってバス乗り場へ。登山中は外国人一人も見えなかったけど、バス待ち客は外国人ばっかり。立山黒部アルペンルートは中国人と東南アジア人観光客に人気みたい。
・冷房効いてるバスに乗ったら鼻水がズルズル…。(シャツもズボンも汗でビチョビチョ、当然、汗冷えです。山歩きの常識なんだけど、登山に綿素材のウェアは厳禁。当時そんな事は全然知らず、シャツもパンツもズボンも全部綿。登山始めたばかりの頃、秋葉原の登山ショップに寄った時に手ブラで店出るの嫌だったので何となく買ったシャツが化繊の確かなモノだったのに、それをタンスの肥やしにして普通の服装で登山やってました。当時はほんと無知だった)
・美女平駅到着後、臨時便のケーブルカーを見送って最終便に乗ったら、数名の従業員達しか乗っておらず客は自分一人だけでした。悠々座れ快適だった。
・立山駅で富山駅行きの電車に乗り換える。富山地方鉄道に乗るのは初めてだ。デザインの良いレトロな車両に乗り込む。座れそうだ、膝がヘナヘナ状態なので有り難い。よっこいしょと座席に座ったらズドンと底が抜けた!立山縦走中には感じなかった恐怖感、絶体絶命の危機に陥った。もう駄目かと思われたが、落ち着いて確認してみたら、座席のスプリングの劣化が激しくバネがヘタってお尻がズボッと沈み込んでいただけだった。あー、死ぬかと思ったよ。疲れ切っていたからハマった瞬間、状況がよく飲み込めなかった。
・電鉄富山駅を出ると金沢行きの高速バスが目の前に。直近のバス停に停まってる。ラッキー!膝がボロボロだったから非常に有り難かった。富山の公共交通機関は素晴らしい!
・おぼつかない足取りになりましたが、心に残る山行になりました。立山は富山(日本)の誇り。北陸ナンバーワンの観光地ではないかと。極楽浄土の世界を体感できる立山連峰を日帰りで縦走登山でき、北陸在住の有り難みを感じました。
満足度:★★★★★ ★★★★
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