鈴鹿/鎌尾根
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.8km
- 登り
- 809m
- 下り
- 791m
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
鈴鹿/鎌尾根 宮妻峡発 往路/水沢峠経由 復路/カズラ谷経由
with H氏
1月25日
5:05
H氏が我が家に迎えに来てくれて合流。
東海環状線の豊田東ICから御在所PA経由で東名阪道の四日市ICまで行き、下道を30分ほど走れば、もはやホームグラウンドと化している鎌尾根の登山口に近い犁楮紛キャンプ場瓩涼鷦崗譴任后
今回は前回の反省点を踏まえた冬期厳守のポイントを守りました。
1. 朝から温かい汁物を胃袋に入れてから登山開始
2. 登山靴の中に狹修襯イロ(靴下用)瓩鬚靴里个擦
3. 出来る限り早い時間に出発する
以上
先ず1つ目、雪山は想像以上に体力を使うし寒さによる消耗もあり、お腹が減りやすく空腹に因るテンションダウンとパワーダウンが起こるので、朝食抜きは絶対ダメだと思っています。更に、温かいものを胃の中に入れれば、体の発熱が活発化するので寒さを感じにくいです。
次に2つ目は、行動時間のほとんどで靴を雪に埋没させているので、保温材の入っていない登山靴を履いていると指先が寒くて痛くなる。靴下に貼るタイプの使い捨てカイロを使用し、強制的に熱源を作ると幸せになれる。
最後に3つ目、行き慣れた低山でも雪山は時間が掛かるし日没も早い。わかってはいたけれど、今一度気を引き締めて早朝出発を心掛ける。
これらに注意して、御在所PAで日の出前から温かいラーメンをすすり、日の出直後に四日市インターを降りました。
7:20
誰も来ていない宮妻峡キャンプ場の駐車場にピットイン。宮妻峡の駐車場までは一切積雪は無く、冬タイヤは必要ありませんでした。
装備を整え、
7:36
天候/曇り 気温/マイナス4℃ 気圧/973Hpa
高度計を390mにセットし、所々青空が見える曇り空の下を出発しました。
今シーズン、サングラスを新調したというのに眩しい太陽に出会っていませんでしたが、今回は活躍の機会に恵まれそうです。
カズラ谷の分岐手前の駐車場にも車は1台も無し。
やはり冬期は余程物好きでないとここに来る人はいないようです。
水沢岳登山口分岐までは、日陰に雪が残る程度で、ただの寒い林道歩きです。
でも、ちょうど良いアイドリングになるので、登山道に入って一気に高度を上げる前に筋肉などを暖められるので体への負担を軽減できます。
8:20
入道岳との分岐点である水沢岳の登山口に到着、林道の側溝に被せられた金属製の網の上に荷物を置き、着ているの物のレイヤリング変更を兼ねて5分休憩しました。
登山口から歩き出し、最初の谷は年中日陰なので残雪がありました。極小の沢を跨ぎ、更に進んで最初の沢の渡渉を終えた時にアイゼンの必要性を感じたので装備しました。
この辺りからくるぶし以上の積雪があるのですが、踏み後が存在したりしなかったりするので、数ヶ月前の記憶と僅かに残っているリボンやビールテープの目印を頼りにゴロゴロ岩の斜面を登りました。
水沢峠手前斜面の取り付け部に来た時に、突然
「バラバラバラバラァァァァ」
と、氷が砕けて流れ落ちる音が聞こえました。
突然すぎましたし、音が尋常では無かったですし、長い間続いたので最初は雪崩かと思って身構えてしまいました。でも、音が雪ではなく氷っぽい音だったので違和感はありました。
長く感じましたが、実際は一瞬だったかも知れません。
H氏と顔を見合わせた後、ああでもないこうでもないと音源を予想しながら歩き出すと、谷の左岸の中間点に凍りついた滝があり、その上部から絶え間なく氷の粒が落ちてきているのを確認しました。
ここは無雪期に40m前後の滝がある場所です。滝と言っても滝つぼは無く、僅かな水量の沢が
黒い岩肌を舐めるように5m前後の幅で流れ落ちているのです。この水が凍って、猊降騰瓩噺世Δ茲蠅皀張薀蕕離ーテンのようになっています。
この時間になると温かさを持った太陽が直接氷に当たり始めるので、ツララは溶かされ塊は崩壊し一部が脱落し始め、それらが落下の過程で砕け散り、その衝撃で次の塊が崩壊し・・・とぷよぷよ(ゲーム)の様に連鎖していたのです。
音も聞き慣れず不気味ですし、砕け散る氷のツブが狭い谷間の登山道に降り注ぐのが見えます。
ハッキリってちょっとデンジャラスでした。
9時頃
ぷよぷよの様に連鎖しながら崩壊を続けるツララに覆われた滝から飛び散る氷の粒に恐怖しながら、足早に谷間を脱出しました。
滝から登山道は5m近く離れていますが、それでも、バウンドによっては直径1〜2cmの氷の粒が飛んできます。当たっても死にはしませんが、ゲンコツサイズが飛んできたら怪我します。
この滝の正面が水沢峠への本線になっています。この谷自体が峠まで伸びているのですが、ゴロゴロ岩の谷が危険なので、反対側の斜面に沿うように登山道が作られているのです。
急いで滝から離れて、反対斜面の登山道に取り付くと、氷の粒が届かない位置になるので、改めてこの小さな大自然の営みを見物しました。よく見ると滝の最下点に特大サイズ(人間二人が横並びになったくらいのサイズ)のツララのカーテンが落ちて雪に刺さっていました。最初に聞いた大きくて長い音の正体はおそらくこれでしょう。
滝に背を向けて反対斜面を登っている時も、氷が砕けて落ちる音がする度に振り向いてしまい、集中して歩くことが出来ませんでした。
そんなこんなで
9:30
水沢峠に立ちました。
が、予想はしていましたが、やはりこの鞍部の北側から吹き付けてくる風が冷たすぎて顔が痛いレベル・・・この辺りで休憩しようと思っていたのですが耐え切れず、一度南側に数メートル下り、斜面の雪を押しつぶして椅子にして休憩しました。そこなら風も無く日光も当たっていたので温かかったのです。5分くらい休み、ウィンドブレーカーのフードをしっかり被り、意を
決して水沢岳への登りを開始しました。去年もここからがこの山行の本番だったので、気を引き締めて攀じ登りました。
気温はここでマイナス6℃。
気合を入れすぎて、夏ならザレていてとても登れない稜線の本線に取り付いてしまいました。
雪が無ければ北側の背の低い樹林近くに登りやすい登山道が作ってあるのがすぐに見えるのでそちらを使うのですが、つい張り切って困難なコースを選択してしまいピッケルを使って登ってしまったのです。ただ、斜面に雪がついているので急角度という以外は何とかなったので、私が先頭でH氏の足場を作りながら登りました。ピッケルと前爪は私しか装備していないので、私がルート工作するしかなかったのです。
鎌尾根の名所のひとつである倏呂稜忰瓩蓮冬期の方が怖くないかも知れません。雪が無いときは剥き出しのザレた馬の背に多少金玉が縮みますが、アイゼンの歯が利けば安心して通過できるのです。ザレた地面に積雪は無く、この辺りの強風を証明しています。
10:14
水沢岳の山頂に到着しました。
今回は山頂の看板が半分近く露出していたので、去年よりは積雪が少ないようです。私の記憶が確かなら、去年の3月は完全に埋まっていました。
ここからは四日市方面の展望が素晴らしいので、ザックを下ろして休憩しました。
相変わらず、暖かな日差しが注いでいる平野と氷と雪の世界である鈴鹿山脈の稜線のギャップが楽しいです。この稜線上がどれほど寒くても、暖かな平野の風景が間近に見えると
「これだけ近ければ何かあっても何とか生還できる・・・」
という安心感があります。
5分ほど休憩し、山頂の看板を後にしました。
数十メートルなだらかな山頂エリアを進み、次はキノコ岩と呼ばれる奇岩の急斜面に突入するのですが、この鎌尾根は似たような登山道の屈折箇所が数箇所あるので、踏み後が無いと迷ってしまいます。
ここでも最初は、無意識に獣の足跡を追跡してしまい、
「これ踏み跡じゃなくね?」
と気づいた時には10m以上降下していました。
その先は急角度になっていてキノコ岩の斜面が目視できなかったので、一旦登り返し、ピークの頂点から正確に稜線を辿る方向に進んでみましたが、そちらの方がよりデンジャラスだったのでもう一度引き返して、目印を探しました。かろうじてビニールテープが確認できたのは先に下ってしまった方でした。先ほど引き返した方までまた下り、私一人で恐る恐る急斜面を覗き込むと、雪に埋もれたキノコ岩が見えたので安心しました。
この辺りの進行方向は、踏み跡が無いと判断しがたいので注意が必要です。他にも同じように登山道が稜線本線から外れる箇所があり、景色も微妙に似ている箇所があるのでその後も何度か行ったり来たりしながら道を進みました。
10時半頃
鎌尾根名物の爛ノコ岩の急斜面瓩房茲衂佞ました。
無雪期でも、この急でザレた斜面は危険地帯です。北側に背の低い樹木があるので、それらを手で掴みながら、木から木へと移動しながら何とか下りていくのです。冬期でも斜面が急なので雪が付きにくく、夏道と大して変わりません。逆に冬期の方がアイゼンを履いているので有利な部分もあります。しかし、足場になりそうな箇所には雪が付いていて足を置いてよいものかどうかの判断がし難いので不利とも言えます。急斜面が終わるとすぐさま足場の細いザレた緩斜面をボロボロ崩れる砂の岩みたいなのを抱きかかえるように通過します。北側もザレた崖なので、ここはミスするととても痛い目に会います。誰でも慎重に行かざるを得ないので逆に事故は少なそうですが、始めてくる方で経験不足ですと怖くて進めないか・・・もしくは・・・。今後ここを通過される時は気をつけてください。
あとは、足場の細い2〜3mのナイフリッジみたいな場所もありますし、何処からが雪庇なのか分からないような崖の上を歩いたり、逆に幅の広いスノーハイク適地のような稜線歩きを楽しめたり、非常にバリエーション豊かです。この鎌尾根が大好きな理由は、そんな辛い時も楽しい時も、ずっと鎌ヶ岳が進行方向に見えているからです。しかも、如何にも山らしい尖ったピーク持つその山容を見ていると、すっかりアルペンムードに包まれ、
「山に来ているなぁ〜」
という気分に浸ることが出来ます。
同じように、立ち止まって振り返れば、今度はそこまで歩いてきた道のりをひと目で見渡すことが出来ます。
衝立岩に辿りつく前はそういう気分になります。
この日のここまでの道のりの積雪状況は、雪の溜まり易い斜面の下方で腰以上、風が強くて全く雪が付かない箇所以外の水平な地面で膝上くらいですが、気温が低くて雪がしっかり締まっているので、ラッセルらしい作業はほとんど必要ありませんでした。時折急に足が埋まり、一気に股の付け根まで落ちてしまう場所もありましたが、ストレスが溜まる程度ではありませんでした。
大変なのは衝立岩が間近に見えてきてからです・・・。
雪が締まっている割には足が膝上まで簡単に埋まるようになり、そこから雪を蹴散らすには重すぎて辛く、結局つぼ足のように足を引き上げて進まなければならなくなってきました。
去年来た時は、腰まで埋まりながら歩きましたが、雪がサラサラだったので簡単に雪を蹴散らすことが出来たので随分ラクでした。
しかし今回はそういう訳にはいかなかったので、苦労しました。時折、埋まらない程硬い雪面もありました。そういう場所は大抵風の通り道などで気温が低いのだと思いながら楽をしましたが、長くは続かないのでまたすぐに埋まり始めます。蹴散らせながら道を作っていくことを爛薀奪札覘瓩世反監世討りましたが、つぼ足歩きもラッセルと呼ぶのでしょうか?
私には分かりませんが往生しました。
衝立岩の取り付けから北側に10mほど下り、そこから岩場の溝を攀じ登ります。
ここの分岐点に目印らしきものはないので、うっかりしていると余分に下ってしまいますので注意が必要です。要は衝立岩を回り込むように行くのです。
鎌尾根自体は5回以上歩いているので、勘というか違和を感じて偶然立ち止まり、岩の谷の上方に目を凝らすと、雪に埋まったフィックスされた鉄の鎖の一部が見えていたので、確信して攀じ登り始めました。
正直ここは前爪とピッケル無しでは通過できなかったと思います。先行者の足跡やステップが残っていれば何とかなるかも知れませんが、何も無ければ足場も作れず、通過できたとしても途方もない時間を要するでしょう。
私が先頭で、ピッケルを打ち込んでは腕で体重を支えつつ、アイゼンの前爪で雪を掻いて足場を1段1段作りながら登りました。
疲れましたが、やっと登山といえる作業をするような山行が出来るようになったかなと、少し充実した気分にもなりました。
12時頃
衝立岩のピークの岩場で休憩しました。
珍しくH氏も
「今日はやたら腹が減る・・・」
と言って、凍りついたチョコを齧っていました。
この時点で私は随分体力を消耗していました。
正直ちょっとだけ冬期の鎌尾根をナメていたかも知れません。
何とか山頂直下の分岐まで行かないと下山することも出来ないので、気力90%・・・体力10%・・・という具合で頑張りました。
名もない1ピークの北側が大きく崩れてザレた斜面に取り付いた時、ある事に気づきました。
まだ見ぬ先行者の足跡についてです。
その先行者は狃鱈瓩任后
そして4足歩行の哺乳類・・・。
足跡の先端には2本の爪痕・・・。
おそらく爛モシカ瓩世隼廚い泙后
鹿にしては足跡が大きく、熊なら冬眠している筈ですからカモシカしか思い当たりません。
なぜ急に気になったかというと、
このザレた崩落地では登山道を見失いがちです。
一度、無雪期に来た時などは、先行していた同い年くらいの単独の男性が、危険なザレた斜面を無理やりトラバースして、落石を起こしながら自身も危険な目にあっていました。
原因は登山道の目印が分かりにくく、樹林帯の中にある安全歩行帯を見逃しやすいのです。
それを知らなければ、ここまでの鎌尾根の危険度から想像すると、
「やっぱりこのザレた斜面をトラバースして、後は向こうの樹林帯の木を掴みながら登るのかな・・・」
と誤解しても不思議ではありません。現にそう思ったに違いない方もいらっしゃったのですから・・・。
その斜面の正しい安全帯の取り付けに、何の迷いも無く一直線に延びた足跡・・・。
正しい進路を知っている人間の登山者ならそうするでしょうけど、ここを棲家とする獣なら分かりやすい方のダイレクトなトラバースを進みそうな気がします・・・。
今になって思うと、もともとは獣道だったところを人間が登山道として使うようになっただけなのかも知れません。
それにしても、樹林帯の安全地帯は人間が木を掴んで攀じ登れるからこそ安全なのであって、手を使わない類の生き物なら必ずしも安全とも言えず、真っ直ぐ行くより遠回りですし・・・。謎です・・・。
だからこそ、
爐い兇覆錣譴討い覘
という気分になったのです。まるで
「お前らにとってはこっちが安全だからここに取り付くんだぞ」
と言われているような気分になったのです。
思い返してみると、集中力を欠き、疲れた体で無意識に歩くことが出来、コースアウトして時間や体力をロスする事無く、ここまで来る事ができたのはこの足跡の主のおかげの様な気がしてきました。途中に稜線の本線から外れる登山道の屈折地点に立った時も、雪庇に沿って歩く崖の上を安全に通過できたのも、無意識に導かれていたような気がしてきました。
そう思うと、水沢峠に立った時から、人間の足跡はほとんどありませんでしたが、この先行者の足跡はずっとあったような気がします・・・。
そして、
鎌ヶ岳の山頂が一際大きく目前に広がる岳峠の手前の爛レット瓩噺討个譴訝賄世亮蠢阿泙罵茲襪函∈戮の農上から突然道が無くなり、南側に降下する地点に到着しました。
ここは無雪期ならフィックスされた鉄の鎖を使って安全に下ることが出来ますが、この日は完全に雪の下に埋没し、本来爐△覘瓩海箸鮹里訖涌奮阿廊爐△襪海箸気┐睚からない畭の絶壁下りです。全長10m程度ですし、背の低い樹林に囲まれ、大きな岩がボコボコと出っ張っているので、ダイレクトに滑落して死ぬことはありませんが、先行者の踏み跡が無ければソレが正しい登山道かどうかの判別も難しいかも知れません。
その崖を下ると今度は爛ニの横ばい瓩噺討个譴訶瓦虜燭水平に5m位設置されたエリアになります。ここは夏だととても休憩しようとは思いません(他に座れる場所はいくらでもあるので)が、冬季ですと、風裏の南斜面で岩場だということが格好の休憩ポイントだと思われたので、
「もう少し進んだら休憩してご飯を食べよう!」
と目一杯のカラ元気でH氏に声を掛けました。
しかし、岩の壁を回り込むと目の前にあるハズの鉄の鎖は無く・・・しかも、
「こんなデンジャラスな場所あったっけ・・・???」
と途方に暮れる程の岩壁のトラバースしかありませんでした。
正直この爛ニの横ばい瓩噺討个譴訝賄世鬟淵瓩討い泙靴拭F眇粥ΑΑ
「剱岳のパクリじゃん!」
と・・・。
無雪期にここを通過する時は、必要以上に頑丈にフィックスされた鉄の鎖と、
「鎖無くても行けるんじゃね?」
的なしっかりした足場の確保できる岩場ですし、何ならすぐ下に普通に歩いて通過できる安全歩行帯すらあります・・・。
しかし!
この日の我々の目の前には疲れた体に無慈悲な狎稱畢瓩靴ありませんでした。
敢えてここで詫びさせてください。
「ごめんなさい!」
〜ここに鎖を設置してカニの横ばいと名付けた方へ〜
普通に考えたら通過するのは不可能と言える状態に暫し絶句しましたが、ここを抜けないと帰る事も出来ませんので、雪の壁に手刀を入れて鉄の鎖を引きずり出しました。
雪壁に厚みがある為、全てを露出させることは出来ませんでしたが、幸い凍り付いてはいなかったので、掴んで渡るには充分でした。
この鎖場を南側から抜けてすぐが爛レット瓩噺討个譴訥譴切り立った鞍部だと思います。何よりここは風が強く吹き抜けていました。しかも足元は5m近くナイフリッジのような痩せた岩場を通過するのでちょっとキンタマがキュンとしました。
この辺りで私とH氏の残りLIFEは10を切っていたと思います(RPG風)。
もう10mも歩きたくない状態でした。
キレットを抜けた先のピークの直下に風を避けられる岩の廊下のような場所があるので、そこで休むことにしました。
何か暖かい物を食べない事にはもう一歩も進みたくなかったので、急な下りの廊下の斜面の雪を踏み固めて座りました。
「疲労困憊・・・気力も無くなり・・・・」
という千代の富士の引退会見のセリフが勝手に脳内再生されていました。
12:50
鎌ヶ岳山頂直下の岳峠分岐手前にある、風を避けられる急な岩の廊下の下り斜面に腰掛けて昼食休憩を取りました。
今回は前回の反省を踏まえて、低温でも気化し易い構造を持つガス缶爛廛螢爛好僖錙璽スカートリッジ250T瓩鮖って来ましたし、愛用のガスストーブ爛廛螢爛P-114ナノストーブ瓩離瓮鵐謄淵鵐垢皀丱奪船蟾圓辰討たので、マイナス10℃の気温の中でも力強い炎を見ることが出来ました。
H氏のスープ用と自分のインスタント豚汁用の湯を沸かす間、テルモスの暖かいミルクチーをすすりました。今回は何故かプラスチックっぽい風味のする不味い出来でした。でも、暖かければ何でも良いのです。
ミルクチーを飲んだだけでも随分気力が回復します。
沸いた湯でインスタントの豚汁を作り、断熱材で作られた弁当箱に入れておいたコンビニのおにぎりを急いで食べました。ここは急がないと、あっという間に豚汁が冷め、最悪凍ってしまうからです。
今回はH氏のハイドレーションシステムが初めて凍りつきました。H氏はビックリしていましたが、当然と言えば当然です。私は年明けからハイドレシステムを封印し、飲用はもっぱらテルモス。味噌汁用のウォーラーはビニール水筒(プラティパス1ℓ)に入れ、ザック中央付近の荷物で挟み込んで凍らないようにパッキングしています。
私は死の危険が無い限り、同級生の友人に対して偉そうに講釈はしません。最悪パートナーの飲料水が凍っても、補えるだけの水は持って行きますし、溶かして使えるだけの燃料も持っているからです。
おそらく今週にでもH氏は凍らないハイドレーションシステムの構築に励んでいるでしょう。それが楽しみだとも言えます(笑)。
昼ご飯を食べ終えたら、気力は50%・・・体力は20%くらい回復しましたのですぐに出発しました。
何もしない状態でこんなところで無駄な時間を過ごせば、凍えるだけでこれ以上体力の回復は一切見込めません。
13:36
岳峠分岐に到着しました。
去年もここまででした。
今年もここまででした(笑)。
虚勢を張る訳ではありませんが、行こうと思えば山頂までは片道30分程度で到達できるでしょう。山頂まで往復し、ここから駐車場まではおそらく雪道でも2時間で下りることが出来るでしょう。しかし、トータルタイムで考えると駐車場着が3時間後・・・午後4時半過ぎになってしまいます。
ここは潔く山頂まで行くことを止め、下り始めることにしました。
分岐からカズラ谷コースを眺めると、鎌尾根の道程とは別世界で、ハッキリした踏み跡がずっと残されています。
去年はこの辺りにも一切踏み跡が無かったので、下る方向の目星を付けるのに勇気を使いましたが、今年はその必要はありませんでした。
拍子抜けするほどしっかりした足跡も、疲れた2人にはとても有難かったです。
30分も下ると、アチコチ土の地面が露出してきたので、私はすぐにアイゼンを脱ぎました。
この道には木の根が多く露出しているので、アイゼンの爪がイチイチ引っ掛かってストレスが溜まりますし、何より植物を無駄に傷つけてしまうからです。
このカズラ谷コースは南斜面の樹林帯ですから、すぐに寒さを感じなくなりました。気温そのものは若干しか違わないと思うのですが、やはり風が無いことがその要因でしょう。
稜線上とはまるで別の山の様にさえ思えます。
加えてこちらは直登気味のルートなので高度もぐんぐん下がりますので、比例するように雪もどんどん解けています。
特に急いだ訳でもありませんが、
15:10
滝と堰堤のある場所まで下りてきました。
いつもここで休憩します。駐車場まではあと20分程度ですが、何故か腰を下ろして一服したくなります。ここは岩場&水場ですから山火事の心配も無いので遠慮なく喫煙できます。
アイゼンとピッケルの雪と泥もここで洗っておきます。スパッツの取り外し、ザックに引っ掛けて気休め程度に乾かしながら歩きます。
15:36
宮妻峡の駐車場に帰ってきました。
あたりは日暮れの雰囲気でしたが、あと1時間位は大丈夫そうでした。
H氏が珍しく
犧2鵑盪劃困帽圓なかったことを盛んに「敗退」と言いました瓩
私はそうは思いませんでした。もともと狹澳鎌尾根縦走瓩目的ですので、鎌ヶ岳の山頂はおまけだと考えています。
しかし、考えてみると冬期に鎌ヶ岳の山頂に立ったと言う経験自体は無いので近々カズラ谷から直登してリベンジとしたいと思います。
帰りはいつものグリーンホテルで温泉に浸かってきました。
最近は男湯の出口に設置してある自動販売機の牛乳を飲むのがマイブームです。
いつからか爛離鵐▲襯魁璽襯咫璽覘瓩亮販機も置かれたので無雪期にはお世話になりそうです。
良い休日を過ごしました。
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