槍ヶ岳・テン泊(ピークハント&BCスキー)
- GPS
- 53:06
- 距離
- 35.6km
- 登り
- 2,880m
- 下り
- 2,871m
コースタイム
8:25深山荘 - 8:35新穂高温泉(登山届記入) - 9:50穂高平小屋 - 10:30自転車デポ地点 - 11:00白出沢出合 - 12:55滝谷出合 - 13:50槍平小屋(テン泊)
【2日目】
5:20槍平小屋 - 9:00飛騨乗越 - 9:15槍ヶ岳山荘(テン泊)
【3日目】
(穂先アタック)5:20槍ヶ岳山荘 - 5:50槍ヶ岳山頂6:00 - 6:40槍ヶ岳山荘
(槍沢BC)7:30槍ヶ岳山荘 - <スキー滑走> - 7:40坊主岩小屋 - 9:10槍ヶ岳山荘(テント撤収)
(飛騨沢BC〜下山)10:40槍ヶ岳山荘 - 10:50飛騨乗越 - <スキー滑走> - 11:20槍平小屋 - <スキー滑走> - 11:25滝谷出合 - <徒歩> - 12:40白出沢出合 - <スキー滑走> - 13:00自転車デポ地点 - <自転車> - 13:10穂高平小屋 - 13:30新穂高温泉(深山荘)
天候 | 1日目:晴れ 2日目:晴れのち雪 3日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
新穂高温泉から白出沢出合手前まで自転車を利用。(登りは引いていき、帰りはダウンヒル) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト 新穂高温泉に岐阜県遭対協の小屋?があり、登山届の記入・提出が可能。 ■コース状況 【新穂高温泉〜白出沢出合】 ・新穂高ロープウェイ駐車場の脇から砂利道の林道をひたすら歩く。 ・白出沢出合の手前数百メートルくらいから雪道となる。 【白出沢出合〜滝谷出合】 ・夏道をトレースしながら途中から沢沿いをスキーでハイクアップ。 ・アイゼンは付けなかったが、装着している登山者もいた。 【滝谷出合〜槍平小屋】 ・スキーでハイクアップ。 ・広い雪原となるため夏道、沢沿いのどちらからでも歩ける。 【槍平小屋〜飛騨乗越〜槍ヶ岳山荘】 ・朝は雪が締まっているためアイゼン必須。(スキー登行も可能だがクトーは必要) ・後半の急登も先行者のトレースで階段状になっているため歩きやすい。 ・上部はアイスバーンとなっている。 【槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳山頂】 ・アイゼン必須。ピッケルもあった方が良い。(ピッケルは持っていない人もいたが、吹き溜まり部分の登下降で必要) ・岩をホールドする箇所もあるため、ピッケルとの使い分けが必要。 ・1番目の梯子〜2番目の梯子にかけての核心部で登りと下りが交差するため渋滞になりやすい。 【槍ヶ岳山荘〜坊主岩小屋(槍沢スキー滑走)】 ・この区間は終始アイスバーンだったが、一部に前日降った雪が残っていた。(午前8時前後時点・・・その後緩んだかどうかは不明) 【飛騨乗越〜滝谷出合(飛騨沢スキー滑走)】 ・飛騨乗越〜千丈分岐点くらいまではアイスバーン。(午前11時前後時点・・・槍沢より日当たりが悪いので、より硬い) ・千丈分岐点〜滝谷出合を過ぎた辺りまではザラメと重いストップスノーのMIX。 ■ドコモ電波状況 ・槍平小屋 ・・・ ▲(辛うじて電波を拾う) ・槍ヶ岳山荘 ・・・ ◎ |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
去年のGWは常念岳でテン泊をしていた。
胸突八丁を登り切り、常念乗越に立ったその瞬間に目に飛び込んできた、あの槍ヶ岳の雄姿を忘れられず、今年のGWは絶対槍ヶ岳に登ってやろうと心に決めていた。
そして、丁度一年前のその時、常念岳に積もった雪の斜面を眺めながらBCスキーで滑る日を夢見ていた。
いよいよ積雪期の槍ヶ岳登頂とBCスキーの両方を実現させる時がきた。
今年のGWの天気予報はおおむね良好。
寒気が入り込んでいたためこの時期にしては気温は低目だが大きく荒れることはなさそうだ。
期待に胸を膨らませて冬山テン泊装備とBCスキー道具、それから林道用の自転車を車に積み込み新穂高温泉へと向かった。
■1日目:5月3日(金)
1日目、新穂高温泉の深山荘にある登山者用の無料駐車場から飛騨沢を詰める。
林道用に自転車を持ってきたが、折りたたみ自転車でこいで登るのは辛いので専ら引いて歩く。
天候は晴れ、寒くもなく暑くもなくとても歩きやすい気候だ。
白出沢の手前から雪が出てくるため、自転車をデポしそこからはスキーを担いで歩く。
時々見える穂高の峰々や笠ヶ岳に励まされながら距離をかせぐ。
滝谷出合の手前の沢筋からスキーでハイクアップ開始。
左右に目をやると、いたるところにデブリが残っており、最近まで頻繁に雪崩が起きていたことを物語っている。
新穂高温泉を出発してから5時間ほどで槍平に到着。
既に10張くらいのテントが設営されている。
槍平はとても広く、100張以上テントを張ってもまだまだ余裕がありそう。
適当な場所でテントを張った後は、残りの時間をテント内でコーヒーを飲みながらのんびり過ごした。
■2日目:5月4日(土)
2日目、3時半に起床し朝食をとる。恒例のお茶漬け。
槍平にテントを張ったまま軽い装備で山頂往復するPTも多そうだが自分はあくまでも山頂での夕陽とモルゲンを狙っているのでテントを背負うことになる。
5:30頃、テントを撤収しアイゼンを付けて出発。
スキーでハイクアップすることも可能だったが雪が固かったこと、つぼ足のトレースがしっかりしていたことからスキーは担ぐことにした。
天気は良かったが気温は低く雲の流れも速い。
稜線の風は強そうだ。
飛騨乗越に近くなると、斜面はアイスバーンと化していた。
徐々に晴れていた空にも雲が覆い始め、槍ヶ岳山荘に着く頃にはすっかり視界がなくなってしまった。
予想通り、稜線の風は強く気温もかなり低い。
せっかく登ってきたのに槍ヶ岳をはじめ、眺望は翌日に持ち越しとなった。
テン場に着くと前日に幕営した人が作った雪の壁が残っていたのでありがたく使わせていただく。
そして午後になるととうとう雪が舞い始めた。
本来なら2日目に槍沢を滑る予定だったが、視界もなくアイスバーンで快適に滑ることは難しいと判断しテント内で音楽を聴きながら過ごすことにした。
※槍ヶ岳山荘のテン場は狭く場所も限られるので早めの到着を心がけたい。
■3日目:5月5日(日)
3日目、4時に起床。
・・・雪の音も風の音も止んでいる。
ドキドキしながらテントの入口を開けると・・・そこにはデカい槍の穂先がそびえ立っていた!
約10か月ぶりの感動の再会だ。
槍の右側に目をやると大天井岳あたりの空がオレンジ色に染まり、ご来光の時を待っている。
次に目に入ったのは、美しい三角錐をした常念岳だった。
槍ヶ岳から常念岳を眺める、という去年とは逆の位置関係というのがとても感慨深い。
テント泊の人も、山荘泊まりの人もみんな外に出てカメラを構えている。
そして感動の御来光。
槍ヶ岳や常念岳、穂高、笠ヶ岳、大喰岳などが一気に赤く染まりだす。
どの山も雪をまとっているだけに、モルゲンロートがより一層赤く見える。
しばらくその素晴らしい景色を堪能すると、アイゼンとピッケルを装備し、混まないうちに穂先へと向かう。
(最終日はやることが一杯…)
ルートは基本夏道だが、1番目の梯子と2番目の梯子の間の核心部は登り・下り共用となっているため渋滞しやすい。
また岩稜帯と吹き溜まりが交互にあるためピッケルの出し入れが面倒だったりする。
そうこうしながらも、穂先に登頂!
夏に見た景色と構図は同じなのに周りの山々が雪をかぶっているというだけで全く違った絵に見える。
富士山、南アルプスは望めなかったが、白馬、立山、鹿島槍、乗鞍など、北アルプスの主だった峰々はすべて見渡すことができた。
山頂はそれほど混んでいなかったので思う存分写真を撮ってから下山。
下りはやはり交差部分で渋滞したが、なにより無事に下山できたので良しとしよう。
次のお楽しみは「槍沢BCスキー」。
自分が滑る前に数人が滑るのを見たが、エッジの音が響き渡るほどのアイスバーン。
雪が緩むのを待ちたい気持ちと帰りの時間を考えて急く気持ちとで葛藤するが、早く滑りたい気持ちが背中を押した結果、ほどなくドロップすることに(笑)
あまり下りすぎると登り返すのが辛くなるので坊主岩小屋あたりを目標とする。
やはりカリカリのアイスバーン・・・だが、それ以上に槍沢を滑っているという感動が上回る。
夏に幕営した殺生ヒュッテも、大きいモレーン達も全てこの雪の斜面の下だ。
登り返しは気温も上がってきてハードだったが、荷物は軽かったのでそれほど疲労感はなかった。
槍ヶ岳山荘でテントを撤収すると、いよいよ最後のイベントである「飛騨沢BCスキー」だ。
槍沢の時と異なり、荷物が重いのと日当たりが悪い斜面なのでより固い斜面を滑る必要がある。
飛騨乗越をドロップポイントとし、登山者のトレースを避けながら滑る。
やはりアイスバーン。
しかし、スキーの力は圧倒的だ。
こんな板2枚だけであれだけ時間をかけて登った凍った斜面をあっという間に滑り下りる。
スキーをやってきてよかった、と心から思った。
槍平近辺からの後半部は逆にストップスノーとなった。
フッ素系のワックスを塗ればよかった・・・とか、しっかりワックス剥げばよかった、とか競技スキー時代のつまらん思考が沸きあがってくるが、そんなことより色々な雪の状況を楽しもう!と打ち消しながら滑っていく。
白出沢出合を過ぎ、自転車デポ地点からは林道をチャリでダウンヒル。
舗装されていないので爽快に、というわけにはいかないまでも、かなり楽させていただきました。
今回は当初の目標をすべて満たすことができたし、いろんなことが凝縮された、とても充実した山行となった。
Sanchan33さんだったんですね。自転車BCの人はっ。
最終日私たちを気持ちよさそうに抜いていった
後姿は忘れられません(笑)。
あと、写真27枚目のシルエットは・・・おっ私だ!
すみませんでした、あのポジションで3〜40分ほど
突っ立っていました・・。
先日の3日間は他にもBC-SKIな方が多かったですね。
小屋の間口にあんなに板が立て掛けられてるとは
ビックリでした。
わたしもチャンスがあれば板を担いで登りたいものです。
では
akirajさん、ここでははじめまして、ですね。
まずは素晴らしいシルエットを見せていただきありがとうございました。
そして勝手に使わせていただきすみませんでした。
あまりに絵になっていたものでついつい載せちゃいました(笑)
高解像度版がご入り用でしたらお送りしますのでおっしゃってください(笑)
自転車でズルしてしまい失礼しました。
基本的に下山が嫌いなので常にどうやったら最も省力化できるか試行錯誤しております(笑)
BCの人は本当に多かったですね。私も驚きました。
本来ならもう少し緩んでいる時期なんでしょうが、今年は気温が低かったのでコンディション的には少し厳しかったです。
ぜひBCにも挑戦なさってください
P.S. 奇遇ですがヤマレコ登録日が同じ日ですね!今後ともよろしくお願いします。
3〜4日で西穂沢、槍沢、飛騨沢を滑り、帰り道で自転車を拝見しました。
そこで話題になったのが、自転車が谷に落ちそう?な事と小径車で未舗装路の下りは厳しくないのか?という事でした。
私も山スキーヤーでスキー的には雪面が固くて上部は楽しめませんでしたね。
take6506さん、こんにちは。
自転車の件、心配していただき恐縮です。
山側にデポした方がよかったですね。
折り畳み自転車でも意外と下りは快適ですよ。
もちろん高い自転車ほどではありませんが、つかれた体には宝物に見えます。
スキーは、爽快という訳ではありませんでしたが景色も雰囲気も楽しめて大満足できました。
またどこかでお会い出来ればいいですね。
では。
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