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Yamareco

記録ID: 294219
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
大雪山

銀泉台から高根ヶ原・五色ヶ原・沼ノ原を通ってクチャンベツへ

2008年08月08日(金) ~ 2008年08月10日(日)
 - 拍手
GPS
53:35
距離
38.4km
登り
1,563m
下り
1,963m

コースタイム

<1日目(8月8日)>
銀泉台(9:15)→コマクサ平(10:25)→赤岳(11:25)→白雲岳(12:20)→白雲岳避難

小屋(13:20) テント泊

<2日目(8月9日)>
白雲岳避難小屋(7:40)→高根ヶ原分岐(8:40)→忠別沼(10:35)→忠別岳(11:15)

→忠別岳避難小屋分岐(12:20)→忠別岳避難小屋(12:30) 小屋泊

<3日目(8月10日)>
忠別岳避難小屋(7:20)→忠別岳避難小屋分岐(7:35)→五色岳(8:15)→化雲岳

(9:20)→五色岳(10:40)→五色の水場(13:05)→沼ノ原入口(14:05)→クチャンベツ登山口(14:50)
天候 1日目(8月8日):曇り
2日目(8月9日):雨後晴れ
3日目(8月10日):快晴後時々曇り
過去天気図(気象庁) 2008年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
銀泉台に車を止めて出発。
車は山岳代行運転にてクチャンベツ登山口まで回航依頼。
銀泉台からクチャンベツまでの代行費用は8,000円。結構リーズナブル。

http://www.sangaku-skip.jp/page1.html
コース状況/
危険箇所等
銀泉台から白雲岳避難小屋までの第1〜第4雪渓に雪はなく、どこが雪渓かわからないまま赤岳に着いてしまいました。この日の白雲岳避難小屋のテント場は、かなりの強風に晒されました。念には念を入れて張り縄のチェックをすることをお勧めするほか、ロープ固定用の長いペグも貸してもらえるようなので、不安があるときはペグを借りたほうがいいかもしれません。避難小屋近くの水場で水が取れます。

白雲岳避難小屋から高根ヶ原を通って忠別岳までは、だだっ広いルート上に時折ケルンが積まれているぐらいで、ペンキなどの目印は見当たりません。視界不良時は注意したほうが良いと思います。色々と問題が報告されていた忠別岳避難小屋は、修理がされたのか快適に利用できました。小屋前の雪渓で水が取れます。

五色ヶ原から沼ノ原までは木道とハイマツ帯を辿ります。それほど難儀をすることもありませんが、登山道が石狩川源流の涸れ沢に合流して、しばらく進むと登山道が右に折れます。特に大きな目印もないので地図を見ながら、右側に注意して見ながら進まないと、沢の奥深くに迷いこんでしまうおそれがあります。

沼ノ原のテント場は昨日増水して使えなくなったそうです。夏山シーズンでもこんなことがあるんですね。このテント場は非常用と思ったほうが良さそうです。

クチャンベツまでは濡れた岩場が続きます。滑ったりしないように注意です。橋は丸木を数本束ねた橋です。結構、不安定。

感想

山岳代行運転があるというのを知って、これを使ってうまく縦走してみたいと銀泉台から登って、クチャンベツに降りるルートを考え、夏休みを使ってニ泊の縦走にチャレンジです。山中で二泊するのは初めての経験なので、食料とかも慎重に選んで持って行きました。

<1日目>
銀泉台はあまり天気が良くなくて、不安の中の出発でしたが、アオノツガザクラなど綺麗な花が一杯で次第に気分も高揚していきます。赤岳山頂は夏休み中とはいえ、平日なのでひっそりしていました。天候はまだ曇り。ただ視界も良好で、せっかく来たので白雲岳にも登ってみることにします。みんなが良いというトムラウシ山よりも、こっちの景色のほうが好きな印象を受けました。

その後は早々に避難小屋へと向かいますが、避難小屋近くの水場で見知った顔の人と合いました。6月にヒサゴ沼であったNHKの取材班です。一年を通して大雪山の自然風景を撮影しているそうです。番組が出来上がるのが楽しみです。

今年、買ったテントを張ります。まだ山中テント泊は3回目。事前の調査では、白雲小屋の風はすごいとのことでしたから、念には念を入れてロープをチェックしましたが、テントを張り終えたぐらいに急に天気が良くなってきてホッとします。結局この日は終始おだやかなままでした。


<2日目>
昨夜はまた一転してものすごい暴風。落ち着かなくて横になりつつも不安で何度も張り縄チェックに出る始末。おまけに朝方には雨が降ってきてうるさくて一睡もできなかった。これは何か考えないと駄目かもということで、次の山行では耳栓を持って行こうと心に決める。そうは言っても朝、もう出発しないと...幸い昨夜よりは風は弱まっているのでテントを丸めて出発。

幸いなことに三笠新道の分岐についた頃にはいい天気になってきた。初めて歩く高根ヶ原が楽しくて、下の沼地に目をやったり、稜線の先を見つめたり、地面にはコマクサもまだ咲いていて、本当にウキウキした気分で進みます。しかし、白雲岳避難小屋から高根ヶ原方面はロープも標識もペンキすら殆どなくて、ガスったりしたらヤバかったと、御天道様に感謝します。途中はリシリリンドウも咲いていました。初めて見る花です。途中のハイマツにはギンザンマシコもやってきました。今日は何だかとても恵まれています。今日は忠別岳避難小屋泊なので、一つ一つを噛み締めながら、あわてずにのんびりと進みました。

とは言いつつもすべては順風万端というわけにも行かず、忠別沼に着く頃には雲に包まれてしまいました。忠別岳山頂にたっても白いままでしたが、ミヤマアキノキリンソウの大群落が見事に満開で、地面は一面黄色に包まれていてすごかったです。忠別小屋への下りも、ポンシビナイ分岐でシビナイコースの様子を眺めたりしながら、ゆっくりと降ります。忠別岳避難小屋には12時30分についてしまいました。さすがに誰もいません(^^;。濡れたテントを再度広げるのもイヤなので今日は小屋泊にします。暫くしてやってきたH崎さん夫婦と雑談したり、コーヒーを頂いたりしてくつろいで、夕方には小屋の対岸にやってきたエゾシカを眺めたりして、あっと言う間に過ぎて行きました。


<3日目>
朝4時起床。小屋の外はドヨっとしています。もう1回寝て起きたらいい天気になってました。H崎さんはヒサゴ沼でもう一泊して、トムラウシ温泉に下山するそうで、東大雪荘に宿を取っていると言っていました。もう一人夕方遅くに、一人でテント場に向かった男性I藤さんとも出会い、彼はトムラウシ山から十勝岳連峰を縦走するということのようです。いい天気なので、私も五色岳に荷物を置いて化雲岳まで行こうということで、化雲岳まで連れ立って向かうことになりました。五色岳からは素晴らしいトムラウシ山の眺望がありました。H崎さん夫婦もI藤さんも「すごい、すごい」の連発です。五色岳に荷物をデポして、身軽になって化雲岳に向かいます。H崎さん(旦那)のペースが早くて一人でズンズンいっちゃいます。後ろで私とI藤さんが「いっちゃったねぇ」と言うと、奥さんは「いつもあんな感じです」だって。早速、化雲岩に辿りついた旦那は、私が教えて上げた岩への登りにチャレンジしています。でも、諦めた(^^;。下が崖なので怖いんですよ。私には絶対無理です。

そうこうしている内にお別れの時間です。まだ時間は10時前だし、テントも持ってきたというH崎さんに、私とI藤さんで「ヒサゴ沼より南沼のほうが天候を見ながら何回もトムラウシにアタックできるからいいですよ」と説得して彼らは全員、南沼に向かうことに。私も行きたかったけど車もあるし、五色ヶ原から沼ノ原を通ってクチャンベツというルートも魅力があったので、化雲のショートカットルートで別れました。

結構時間を費やしたので足早に五色岳に戻り、さっと食事を済ませて五色ヶ原に突入。五色ヶ原は木道が整備されていて、とても歩きやすい。山頂から10分ほどのところに丁度良い水場を発見して、煮沸して飲み水を作った後は再び木道を辿ります。ウスユキトウヒレンやトカチフウロ、エゾオヤマリンドウ、ヨツバシオガマなどを写真に取りながら少しずつ標高を下げます。途中、石狩川源流の涸れ沢に沿って道が続いていたので、ルートを見失わないように気をつけて下りました。沼ノ原とそれを包む樹林帯を見下ろす高台に出ると感動の景色が拡がっていました。ポコポコとした樹林帯の向こうに水をたたえた池塘群が...。樹林帯に入るとすぐに五色の水場がありましたが、熊が出そうで、あまりあずましくない雰囲気の水場です。

沼ノ原分岐では化雲岳でスライドした人と合いました。「他のメンバーはどうした?」と言われたので、何のことかと思ったら、H原さんとI藤さんのことを勘違いされていたみたいです。彼はここに沼ノ原のテント場が水没したので、この分岐にテントを張って一夜を過ごしたとか。キャンプ指定地が水没するなんて今まで思っても見なかったので驚きました。

クチャンベツに降りると五色岳でスライドした3人パーティと再会しました。彼らも実は混成パーティだったらしく、男性二人は別でクワウンナイ川を登ってきたそうで、途中で車でおくってあげるという女性1人と出会ったそうです。そういえば五色岳で話した時に「オショロコマ釣った」とか言ってたなぁ...その時に「国立公園内なんだから駄目ですよ」とは釘差しといたけど、それを覚えていたのかいないのか「主旨に反するかもしれんが、どうだい?」と差し出されたビニール袋にはオショロコマが...。もう既に釣ってしまったものは美味しく頂かなくては、ということで「もちろん頂きます」と貰って帰り、塩焼きにして美味しく頂きました。

振り返るとこれほどまで多くの人と出会った山行っていうのも、初めてかもしれません。また、行きたくなるそんな楽しい山でした。

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