宮之浦岳 ☆ついに来た!あこがれの屋久島♪
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 676m
- 下り
- 1,440m
コースタイム
宮之浦港(13:04) -(路線バス)- 安房(13:35) -(路線バス)- 紀元杉(14:40) - 淀川登山口(15:30) − 淀川小屋(16:20)
<2日目>
淀川小屋(6:30) − 高盤岳展望台(7:25) - 小花之江河(7:45) - 花之江河(7:55) - 投石平(9:00) - 宮之浦岳山頂(10:40〜11:45) - 焼野三叉路(12:10) - 平石(12:30) - 平石岩屋(12:40) - 新高塚小屋(14:30)
<3日目>
新高塚小屋(5:30) - 高塚小屋(6:30) - 縄文杉(6:40) - ウィルソン杉(8:05) - 大株歩道入口(8:45) - 三代杉(10:00) - 楠川分岐(10:20) - 辻峠(11:10〜11:45) - 太鼓岩(12:00) - 辻峠(12:20) - 白谷小屋(12:50) - 奉行杉(13:40) - 白谷雲水峡バス停(14:40)
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
船 飛行機
|
写真
感想
2003年の記録を転載
「もう山なんて登りたくないよ〜・・・」
はるばる屋久島まで来たのに、私の心は晴れなかった。だって、暑すぎるっ!!
そもそもこの年の夏は記録的な冷夏で、東京はいつ夏が来るんだろう?と思うほどずーっと涼しかった。それが、夏休みをとり鹿児島に来た途端、やたら暑い!うれしいことにめちゃめちゃ天気も良い!そんな猛暑の中、私たちはおととい霧島山(韓国岳)、昨日は開聞岳に登りさらに指宿名物「砂蒸し風呂」にまで入ったのだ。せっかくの夏休みなのに毎日早起きして体を酷使して、いったいうちらは何やってるんだろう・・・。
街中の道路を少し歩くだけでもすぐに汗だく。アスファルトの熱さがこたえる。目もちゃんと開けていられないくらい日差しも強烈。宮之浦港近くのスーパーヤクデンで食料、ガスカートリッジなどを買い、観光センターで登山届を出し、紀元杉行きのバス(合庁前で乗り継ぎ)に乗り込んでもまだ気分は晴れない。唯一の救いは今日のコースタイムが1時間半程度であることだけ。(あ、あとかぼちゃやのカレー、おいしかった!)
でも、涼しいバスで揺られているうちに時折見えるものすごくきれいな海や、どこか懐かしい町の風景、バスで走るのには道幅が狭く緊張する山道、道路脇のヤクシカ、そして久しぶりの雨!にやっと気持ちが山に向かってきた。紀元杉に着く頃には雨も上がり(というか雨雲を通り抜けた?)観光客にまじり紀元杉を見物し、紀元命水を汲んでいざ出発。
車道を歩くこと30〜40分で淀川登山口に到着。紀元杉からここに来るまでにも道路脇に巨樹が何本もあった。ここからは40分で本日の宿泊地、淀川小屋に到着予定。登山口に着くまでに山のスケールの大きさをひしひしと感じ、しかも昨日までと比べると標高が高いおかげか随分涼しかったので俄然やる気が出てきた。(のこり40分だけだけど)
道は意外と歩きにくい。でも今まで登ったどこの山でも感じたことのないとてつもない生命力があふれいている。さっそくヤクシカの親子にも出会った。森の木々も横に向かってのびている木、絡まりあう木、びっしりと苔むした木や倒れた木からすくすくと育っている木など特徴のある木ばかり。事前に本などを読んで「倒木更新」「着生」「絞め殺し植物」などというものがあると知っていたけど、これほどいたるところで繰り広げられているとは思わなかった。
そうこうするうちに淀川小屋に到着。いつもテントなので実は山小屋初体験。どきどきしながら小屋に入る。思っていたよりきれいで内部が2段になっていてなんか楽しい!まだスペースは十分空いていて好きなところを選べたので垂直のはしごをのぼり、2階の寝床確保。
水場も素敵で小屋の前の広場もとても居心地がよい。宿泊人数も適度で、とても快適に過ごせた・・・のだけど、夜、事件発生。
(1) 灯台君− 寝静まった小屋の中で律儀にヘッドライトを頭につけ、何を探しているのかガサガサとビニール袋をかき回しつづける。みんながシュラフに入る頃、寝静まった頃、さらに真夜中にまで起きだし、ライトを頭につけ無意識に部屋中をくまなく照らしつつ探し物を続けた・・・。
(2) 寝言君− 女性の名前を叫んでいた彼・・・。いったい何があったのでしょう。
見事!な手際の良さで静かに早く去っていく人もいて、いろいろですね〜。
--2日目--
なんだかんだ言ってもとってもよく眠れて気分爽快!あまりにきれいな淀川の流れにうっとりしながら出発!
まだ薄暗い中登り始めたけど、今日もとても天気のいい気配がする。トーフ岩が見える頃には空は抜けるような青空!気分がいいのでぐんぐん進んで行く。すると間もなく小花之江河に到着。ここは木道があってプチ湿原になっている。もう少し進むと今度は花之江河に出る。ここは小花之江河に比べるとずーっと広く、山道もいろんな方向に分岐している。ここも、木道できちんと整備されている。
ここからは途中、水が薄く流れる岩場の通過があるけれど、全体的に良く整備された道をしばらく登る。ここは短時間に2回通ったからよく覚えているのだ!なぜかというと・・・花之江河から10分ほど登ったところで急なはしごの下りがあり、軍手をしようと思ったら、ない!どうやら花之江河で写真を撮るときにはずし、そのまま置いてきてしまったらしい。少し迷ったけど、山にゴミを残すことになるし、ないと困るし、で、師匠に待っていてもらいザックを置いてダッシュで取りに戻った。
そーなのです、ダッシュできるくらい良い山道なのです。
息を整え歩き出すと間もなく投石平に到着。ここはとっても見晴らしの良い開けた場所で、深い山の中にいる感覚があるのに海が見える!ここの大きな岩の上でしばし休憩。
ここから急な登りを少し登ると山を巻くような道になる。ここから投石平越しに黒味岳が良く見え、なんと頂上の大きな岩の上に一人の登山者が!うーん、気持ちよさそう〜。反射的に大きく手を振ってみた。でも気づいてはもらえなかった。(そりゃそうか)
その後、最後の水場を通過し緑にあふれた展望のいい道を登りつづける・・・。これでもかと登る。腰ほどある段差も登る。全体的に段差が大きい。山頂らしきものは見えているのになかなか辿り着かない。おそるべし宮之浦。
そしてやっと山頂へ!そしてびっくり!!
というのは、ノースリーブに股下1cmのショートパンツのお姉さんが山頂に!
実は山の反対側はすぐ近くまで車でこれるのかな・・・?とか、写真撮影するために山頂で着替えたのかな・・・?とか、一瞬のうちにいろいろ考えてしまった。
山といえば長袖、長ズボン(おじいちゃんの教えでもある)と思っている私達には衝撃が大きすぎて、自分を取り戻し景色が目に入ってくるのに時間がかかった(笑)
ザックをおろし、あらためて360度の展望をじっくりと堪能する。一面の緑をベースに、登ってきた道、空との境がわからないような青い海、そして間近に控える永田岳。ほんとにすばらしい風景。しばらく写真を撮ったり、ぼけーっと景色を眺めていると10人くらいの団体がやってきて山頂はいっきに賑わう。日差しが強いこともあって、うちらは少し先に進んでお昼にすることにして山頂を後にする。・・・と、下りはじめて1分もしないうちにちょうどいい岩陰があり、早速そこでパスタのお昼ご飯。(^。^)
そこからはなんどもなんども振り返りながらも焼野三叉路まであっというまに下ってしまう。笹原の緑が濃くとても美しい。そこまできて手持ちの水が2人併せて500ccを切ってしまったので地図にある水場を探すがそれらしいところがない。
しかたないので次の平石手前の水場を目指すが、少しだけ水が流れているところはあるけどやっぱり水場らしいところがない。でもここを逃すとこの先はもう小屋まで水がないかもしれないので、ちょろちょろした流れからすくうようにしてどうにか水筒に水をとった。
後から聞いたのだけど、ここしばらく山頂付近に雨が降っていないらしく水が枯れているとのこと。屋久島は水が多いから大丈夫と思って安心していたけど、こういうこともあるんだなぁ・・・。
平石岩屋まで少し登り返してここで休憩。投石平と似た感じの巨岩があり、またまたそこに登ってこんどは寝そべってのんびりする。あとは新高塚小屋まで1時間程度の行程を残すのみ。こんな景色も今日でお別れ。ふと宮之浦岳をみるとさっきまで青空をバックに堂々とそこにあったのに、まったく姿が見えなくなっている!気づかないうちにすっかりガスで覆われていた。
でも、スピードのあるガスの流れをみているのもまた楽しい。すると、近くにいた登山者が「鹿がいるよ」と教えてくれ、下をみると、さっき登ってきた登山道の近くでヤクシカがえさを食べている。さっき登る途中ガサガサ音がして、「猿が襲ってきたらどうしよ〜」と師匠がかなりびびってたのだけど、正体はシカだったのね。(^_-)
たっぷり休憩し、さて出発しようか、というとき新高塚小屋方面から登ってくる2人の若者が・・・。あと山頂までどのくらいですか?というその肩には有名なセレクトショップのひも付きビニール袋が!サブザック??
ここからは展望の利かない森に入り、ひたすら下る。木々は鬱蒼と茂り、ちょっと不気味な感じさえする。積雪の多い山に見る一様に腰が曲がった木がこの山の冬の厳しさを伝えている。この森歩きはコースタイム以上に長く感じられた。
新高塚小屋は淀川小屋に比べると古くて、雰囲気も暗い。だけど小屋の周りに広いウッドデッキがあり、気持ちのいい空間ができていて、先に着いていた登山者達がくつろいでいた。小屋の中は汗と体臭となんだかわからないものすごい匂い。ちょっとひるんだけれど、中はずいぶん混んでいて寝場所があるか心配でそれどころではなくなった。ここも2段になっていて、なんとか2階に2人分のスペースを確保し、そそくさと外へ脱出。
この夜、この小屋でもまた事件が!
(3) 寝返り君− 小屋はどんどん混み、個人用マットの幅プラスα程度のスペースとなった。そんななか、端っこに荷物だけ置き、ずっといなかったため自然と少し広めのスペースを確保していた寝返り君。みんなが寝静まった頃外から戻ってきてシュラフに入ったのはいいけど、暑くて寝苦しいのかシュラフから出て右に左に激しく寝返りを打つ。足元においてあるビニール袋を脚に絡めつけたまま・・・。
(4) ワンゲル隊− どこぞの山岳部かしらないけど、夕方混雑した小屋の中でスパイスたっぷりの特製カレーを作りだす。ただでさえいろんな匂いが充満しているのに・・・。水蒸気と熱気で小屋内部の不快指数度急上昇↑
さらに、朝4時、アラームとともに「起床!」そして3分後にはまたもや小屋内でゴォーッと調理開始・・・。隣りの人はまだシュラフのなかで寝てるっつーの!外には気持ちのいいウッドデッキがあるっつーの!なんでわざわざ臭い小屋に篭るかなぁ・・・
--三日目--
今日は縄文杉にはじまり白谷雲水峡に抜ける杉三昧コース。
歩くのは遅いけど出発は早いうちらは、まだ完全に明るくなる前にヘッドライトを付け小屋を出た。しんと静まり返った薄暗い森の中をゆっくり歩く。・・・ふと自分がいま通り過ぎた木に何かを感じた。立ち止まり振り向くとなんと木の洞に赤々と暖かな光が満ちている!あまりに不思議で最初、おとぎ話の世界に迷い込んだのかと思った。びっくりして見ている間に光はどんどん薄くなっていく。あわててカメラを取り出して撮影。こういうのがあるからやっぱり山歩きはやめられない。
小屋を出て一時間で高塚小屋へ。そこから10分ほどで屋根付の高床式になっている休憩所があり、さらに数分歩くとそこに縄文杉がいた。堂々とした白い巨樹。見上げると遠近感がわからなくなるようなものすごい高さと複数の杉から成り立っているといわれているごつごつしたこぶだらけの幹。枝の付け根からはいろんな種類の植物が育っている。でも、なんだか縄文杉本体からはあまり生命力を感じない。年齢もあるのだろうけど・・・。人間に発見されなかったらいまでも赤茶色のみずみずしさを保っていたのかな・・・。
感動と寂しさが混ざった何ともいえない気持ちで縄文杉をあとにする。ここから先は水場の宝庫。昨日、水がなくて困ったことがうそのように、おいしい水がすぐに手に入る。緑深い森を下りつづけるとウィルソン株に到着。
切り株の中に入ってみる。広い!そして中にはなぜか水が湧いている(この水は飲んではいけないと昨夜小屋にいたガイドのおじさんが言っていた。)
ウィルソン株から少し下ると登りの人とすれ違うようになる。ガイド付の団体が多い。翁杉や大王杉を見ながらとっても気持ちの良い森の中をぐんぐん下る。足場の悪いところには階段が設置されていて、下る分にはとっても楽。そしてあっけなく大株歩道入口に到着。
ここには最新式の循環型トイレがあるということでさっそく行ってみる。ナチュラルな色合いのとてもトイレには見えない立派な建物で、中もものすごくきれい。駅のトイレよりよっぽどいい。久しぶりに快適なトイレを使えて、久しぶりに鏡をみて、なんだか不思議な気分になった。
ここからはトロッコ道になる。ひたすらトロッコ道・・・。すれ違う人も多くなってきて、だいたいのグループが荒川登山口から縄文杉までのピストン山行のよう。日帰りだと結構つらそう・・・。
まだまだトロッコ道。時々シカにも遭遇したけど、やっぱり南国の夏、暑い!三代杉という、これまた奇妙な杉を通過し、ぼんやりしながら歩いてると、楠川分岐を見落としそうになる。ここで私たちは長いトロッコ道とお別れし(結局トロッコは走ってこなかった)、再び深い森に包まれた山道へ。
トロッコ道と違って人通りもほとんどなく、自分のペースで歩けるけれど、かなり下ってきたところでまた辻峠まで登ることになり、結構つらい・・・。辻峠に着いたときはもう昼前。6時間以上歩いてます・・・。
ここでようやく昼ごはん。辻峠は白谷雲水峡から登ってきた人たちもいて清潔感に溢れている・・・(笑)。食後、近くの太鼓岩という展望スポットまで行ってみると、そこには屋久島という小さな島の大自然の源とでもいえる絶景が・・・!昨日歩いてきた峰々も一望でき、何ともいえない達成感に酔いしれてしまう。ただし狭い展望台にもかかわらずたくさんの人がいました・・・。
辻峠に戻り、いよいよ最後の下りへ。白谷小屋の周辺は、宮崎駿さんの映画もののけ姫のモデルとなった場所らしい。たくさんの巨木が天高く伸び、その枝葉で日の光を遮る。そして足元には苔がびっしりと生い茂り、倒れて朽ち果てた木の幹に根を張り、これから大きくなろうとする数センチ程度の木・・・。映画のせいもあるけど、それらは何かを表現してるかのよう。
白谷小屋を過ぎると人が急に増えてくる。白谷雲水峡は手軽なハイキングコースとしてもよさそう。前方から続々とハイカーがやってくるが、バス停までのルートはいくつかあるので、僕たちはあまり混まなそうなルートでラストスパート!体力はそろそろ限界。わずかなアップダウンもしんどい。そして標高が下がったので暑い!
白谷雲水峡バス停には14:30過ぎに到着!夜明け前から約9時間、ひたすら歩きました。ちょうどよいバスには間に合わず、ひとまず公衆トイレに行ってきれいな服に着替えて、バス停の待合室で裸足になって(きもちいい〜!)、次のバスが来る1時間くらいの間、ぐったりと休んでしまいました。
雨が多いという屋久島で3日間好天に恵まれたのは本当によかった!すごく辛かったけどまた登りたい。この日はバスで下山後、宮之浦の民宿にて一泊。翌日と翌々日で車で島内を一周し、きれいな海でシュノーケリングしたり、温泉に入ったり、屋久島を堪能しました!
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