【六方作戦】丹波天平〜前飛竜〜将監峠〜東仙波〜和名倉(白石)山【乙72.0】
- GPS
- 09:36
- 距離
- 34.3km
- 登り
- 2,803m
- 下り
- 2,774m
コースタイム
- 山行
- 8:57
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 9:37
天候 | 晴れ、涼風心地よし。下山時はさすがに曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:秩父湖バス停〜西武秩父駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 丹波天平まで…一部踏跡薄い所あり。最初以外はほぼなだらかな道。 前飛竜まで…サヲウラ峠から傾斜が増す。前飛竜直前は岩場の急登。 将監峠まで…巻き道なので楽。 白石山まで…どこが不明瞭なのかわからないほど道ははっきりしていたが、川又分岐〜二瀬分岐間は若干道がわかりにくかった。 秩父湖バス停まで…一度歩いているが、一箇所間違えた。前回より草木が繁茂しており、これからの季節、道がわかりにくくなる恐れあり。 |
写真
感想
今回の山行が成功したのは、
一つは、ずっと涼しかったこと、
もう一つは、なだらかな道が多かったこと、
この2点による所が大きい。
雲が多めという予想に反し、本日歩いた山域では和名倉山に至るまで日が射して山上の緑が輝き、また、東西南北四方の山々まで終始その姿を現していた。
このベストコンディションを提供してくれた天地と周囲の山々には三浦雄一郎氏のように、まずは「ありがとう、ありがとう」という言葉が出てくるのである。
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和名倉山を軸とした山行計画は、和名倉山が奥秩父の奥にあるだけに工程を組むのが難しく、計画を立てようとしては立ち消え・中折れしていたところであった。
何がネックかというと、立ち入る者の少ない山の道のわかりにくさがどの程度か不明だったことだ。しかし、このままでは何の進展も無いので、2週間前に秩父湖バス停から往復で和名倉山を歩き、道の状態及び所要時間の確認を行った。やはり百聞は一見に如かず。山岳ガイド等を見てウンウン唸っているよりも、手間はかかるが、実際に自分の目で確かめた方が良い。
【前回の和名倉偵察山行】北側の道の状況はこちらの方が詳しい。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-299539.html
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その後、関東甲信越は梅雨入りし、6月を迎える。1日と言えばファーストデイ。曇りなら映画でも見て回るかと思っていたが、前日夜の予報では晴れ間が広がるということだったので、急遽予定を変更して山行することとし、さっさと寝る。
奥多摩駅を降りると、早くもバスには多くの登山者が乗り込んでいる。前日は奥多摩に泊まったのだろうか。背嚢も大きいもので山中で宿泊するようだ。その多くは鴨沢で降り雲取にいくものと思われるが、終点の鴨沢西でも少なからぬ人が降りた。
空は青く晴れ渡り、この空が昼過ぎにはどんよりしてしまうのだろうかと思いながら丹波天平登山口より入山する。杉の木立の中、やや急な登りの後、廃屋群からさらに一登りし、保之瀬天平辺りまで来ると、傾斜が緩やかになり、歩がどんどん進む。ただ、踏跡が薄い箇所があり、落葉期に道をロストしたこともあるので、慎重に歩いていく。道であれば、なんとなくわかるが、丹波天平のようにだだっ広い所に出た後の先を探すのは大変である。
サヲウラ峠からは傾斜がやや急になる。熊倉山直前の急登に始まり、その後、前飛龍直前の岩場の急登と今回山行で最もハードな箇所である。熊倉山以降、他のハイカーと抜きつ抜かれつしながら上っていく。自分自身は久しぶりの岩場の登りが楽しかったのと、徐々に展望が広がっていくことが嬉しかったので、あまり苦にはしなかった。
そして前飛龍へ。飛龍山の前衛でありながら、飛龍よりも展望が良い。東に奥多摩の山々、南に丹沢・富士山とその周辺の山々、東に南アや大菩薩等の峰々。その後、曇って見えなくなるかと思いきや、最後のピークを過ぎるまで終日その姿を現し続ける東西南北の山々が目の前に広がっていた。同じような光景は飛龍権現を過ぎた所にある禿岩でも見ることができ、士気も高まる。
当初予想では、鴨沢西バス停から熊倉山まで3時間程度かかるのではないかと見込んでいたが、夏用の軽装化と樹林帯での心地よい涼風のおかげで体がオーバーヒートしなかったことと、サヲウラ峠まで緩やかな登りで難儀しなかったことから3時間で前飛龍まで到達できたことも、その後の山行に余裕を持たせることとなった。
予定よりも早く進行していることから当初予定に無い飛龍山のピークを踏むことも考えたが、油断は禁物だ。また、動線上に無いピークに行っても展望が無ければ単なるピークハントで終わってしまうと考え、飛龍権現に挨拶した後、将監峠を目指すこととする。代わりに禿岩上で存分に展望を楽しんだ。
将監峠へ行く途中には大常木山と竜喰山が聳え立っているが、道は巻き道となっており、山肌は笹に覆われている。山頂を極めたい場合は、道なき道を、笹薮を濃いでいかないといけないわけだ。この区間は大きなアップダウンも無く、サクサク進行できたように思う。ただ、西側に行くにつれ、崩壊の結果か転がる石が増えていったのが気になるところだ。
だだっ広いが、誰もおらず静かな将監峠で時間を確認する。正午までに到達できなければ丹波山に下りてのめこい湯と考えていたが、リミットよりも若干早く着いたようだ。いよいよ埼玉の緑の回廊へ。
北側の稜線は突起のようなピークが白石山に至るまで連なっているが、実際はそのピークを踏んでいくことはほとんど無く、リンノ峰をはじめ、登るのか?と思っていたらピーク手前で道が巻くようになっている。伐採や山火事の結果なのか、木ではなく笹が群生している箇所があり、そこからの展望は素晴らしい。
道は終始明瞭だったが、川又分岐を過ぎて二瀬分岐への上りは道の上に倒木が乱れ、若干わかりにくい。上の方から人が来るのを確認しつつ、踏跡ぽいのが巻いた感じなので大きなつづら折りなのかと思ったが、降りてくる人は大きく蛇行していないので道を誤ったとわかり、軌道修正する。
二瀬分岐まで来れば、あとは2週間前に歩いた道である。和名倉山頂で男性一人と静かな時間を過ごす。来る途中でも三々五々とハイカーと擦れ違ったので、展望は無いものの密かな人気の山といったところか。
前回は秩父湖方面へ3時間で下っているので、時間の心配は全く無くなっていたが、16時38分発のバスがあるものと思い込んでおり、それに間に合えば大滝温泉への入浴も可能なのではないかと考え、早々に山頂を辞去する。
2週間前に比して何だか暗くなったなと思っていたら、どうも葉の量が増えて日光を遮り、また、枝がその分垂れているようだ。また、足元の草葉も夏本番を控えて、ぐんと伸びている。暗くなると明るいときに見えていたものが見えなくなる。また、足元で伸びる緑はしまいには道そのものを覆ってしまうのではないか。そして落葉期にはドサッと落ちるわけだ。これからの季節は要注意だろう。
しかし、それでも一度、しかも最近歩いた道。一度道を間違えたり、足の指をぶつけたりしながらも予定より早く下山。さてさて入浴、入浴…と思いつつバス停に到着したのだが、あると思っていたバスの便は無く、次の便は前回と同じく17時05分。下調べが杜撰だとこうなる。みやま商店で買ったアイスを食べながらバスを待つこととなった。
断じて行えば鬼神も之を避くというが、今回の山行はある意味綱渡りであった。成功したのも天佑と言うべきか、運の要素が強かったように思う。梅雨の合間にしては道の状態も良かった。
将監峠が成否分岐点だったわけだが、そこで予定していた時刻よりも遅れていた場合、自分はどうしただろうか。「少々の遅れではそのまま進み、遅れ具合によっては二瀬分岐から山頂をパスして下山、走ることになりそうなほど遅れていれば引き返す」という考えであった。
あまりにもうまくいった山行だったため、勝って兜の緒を締めよとばかりに長距離山行時の時間管理及びリスク回避について思いをめぐらせながら帰途についたのであった。
奥秩父萬歳!
〜おしまい〜
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