北ア・扇沢駅から種池─爺ヶ岳─冷池─鹿島槍ヶ岳─冷池─赤岩尾根
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- GPS
- 33:10
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 2,165m
- 下り
- 2,747m
コースタイム
- 山行
- 2:56
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 3:36
- 山行
- 6:17
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 7:26
04:14黒沢橋 レ
04:26サンアルピナ鹿島槍スキーリゾート レ
05:12簗場駅 着
天候 | (1日目) 曇り後霧雨 (2日目) 晴れ |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
大糸線の列車で信濃大町駅に移動し、駅前から扇沢ゆきのバスに乗車。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
タオル
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
富山県民にとっては馴染みの薄い山だけど、鹿島槍ヶ岳は一応、富山県の山である。ただし信州との境にあるが...。『富山県の山』といっても富山県側から登ろうとすると最低3日(笑)は必要で、よほどの物好きでもない限り、鹿島槍を富山県側から登ろうとする奴は居ない(笑)。それに比べて信州側から登ると日帰りすら可能なんだから。だだ、日帰りだとマイカーを使ったピストンになってしまう。個人的には来た道を戻るだけのピストンはあまり好きじゃないので、今回鹿島槍を登るに当たり、大冷橋駐車場→簗場駅→信濃大町駅→扇沢駅→種池小屋→爺ヶ岳→冷池小屋→鹿島槍→冷池小屋→大冷橋駐車場...の回遊コースを考えた。このコースの最大のネックは、大冷橋駐車場─簗場駅の間の車道を歩かなきゃいけないこと。それも御丁寧なことに(低いとはいえ)峠を越えなきゃいけない。今ではこの峠越えの車道を歩く登山者は皆無に等しいが、森村誠一の小説『北アルプス殺人事件』の犯人がアリバイづくりに使ったコースとして有名(笑)で、当時はまだ歩くひとが居たらしく、ガイドブックにもコースタイムが記載されていたらしい(笑)。
大冷橋を起点とした回遊コースとなれば、先に赤岩尾根の登りにかかってもいいんだけど、最後の簗場駅から大冷橋までの車道歩きが真っ昼間になってしまい、そうなるとアスファルトの照り返しのなか、暑さにヒィヒィ言いながら歩かなアカンようになってしまう。これだけは避けたい(笑)ので、おのずから、大冷橋駐車場─簗場駅の間の車道歩きを先に済ます道順に限られて来る。
7月22日の早朝1時に車で富山を出発。国道8号線を東進し、糸魚川から国道148号線に入る。JR大糸線の簗場駅に寄り、登山ザックを降ろす。大冷橋駐車場─簗場駅の間の車道歩きは身軽なほうがいいだろう?(笑) 簗場駅からサンアルピナ鹿島槍スキー場のゲレンデのなかの車道を登り、峠を越えて下りきったところで右折して少し行くと、大冷橋。橋を渡ったところに車止めがあり、ここから先、西俣出合までの林道は工事関係者のみ乗り入れ可能。一般人は大冷橋付近に車を駐めるしかない。橋を渡ったところの駐車スペースに車を入れる。大冷橋駐車場には朝イチから行動するため、前夜に来て車内で仮眠中の登山者の車多数。この大冷橋付近は私の前の車『日産ブルーバードSSSターボ』を廃車にする原因となった出来事があった『因縁深い』場所だ。いや、なにね、初めて来た時、一般車通行止めに知らずに入って途中で方向転換する際に河原に乗り入れたんだけど、この時、派手に車の下をスッてしまったという...(苦笑)。
大冷橋から、今車で来た道を簗場駅まで歩く。今回のコース最大の難関(笑)ともいえる大冷橋駐車場─簗場駅の間の車道歩きだが、どれくらい時間がかかるか想像出来なかったため、いくらなんでも2時間+αあれば着くだろう...という考えで、大糸線の上り始発列車が簗場駅を出る6:35から逆算して、大冷橋は4時発。大冷橋に4時に着くには富山を何時に出ればいいかまで考えたうえでの行動だった。そしたら5:12には簗場駅に着いてしまった...。大冷橋からの所要時間1時間余...。おかげで大糸線の始発列車が来るまで1時間以上もヒマをもてあますことになった...。マイカー以外の登山者たちは大冷橋から信濃大町駅までタクシー使ってるけど、これならタクシー使うよりも簗場まで歩いたほうがコスト・パフォーマンス的にはるかにイイよ!
6:35の一番列車に乗り、信濃大町まで移動。駅前から『立山黒部アルペンルート』の扇沢ゆきバスに乗る。バス発車までの時間を利用して駅前のコンビニで朝飯の弁当でも買おうかと思ってたら、閉まってる...。朝7時になっても開店しないコンビニなんて想像し難いので、『ツブれてる』ってことだよな、コレ...。ほかに開いてそうな店など無いし、朝飯抜きになってしまった...。それにしても大町の駅前、石原軍団に『黒部の太陽』キャンペーンやってもらったりしてるらしいけど、そんなことやるの解るくらいのさびれ具合...。
大町の駅前から扇沢駅までバスで移動。天気は曇り。山のほうは完全にガスがかかってる...。扇沢駅から柏原新道入口まで歩いて戻り(柏原新道入口にバス停を!!!)、登山道に入る。柏原新道入口にはマイカーが所狭しと駐められていた。傾斜が緩い柏原新道を歩いていると、時折雨粒が落ちて来る。「オイオイ、今日の天気は晴れだろう?」...扇沢駅から1時間歩いたところで休憩がてら、ラジオで天気予報を確認。間違い無く「天気は晴れ」と言っている。なのに、雨、やむどろこか、ますます酷くなってくる...。と、いっても小雨程度だけど。夏休みに入ったばかり...ということで、人気山域の北アだけに道を歩く登山者の数は多い。「一枚岩」というところで2回目の休憩。ここからさらに歩くと目の前に種池小屋が見えるようになってきた。「もう少しなのになかなか着かんなあ、アッ、雪渓だ! 水を汲もう」と10分休んだところ...実は、種池小屋の真ン前だったという...。霧で解らなかった(笑)。歩き出して2分で種池小屋に到着。本来なら爺ヶ岳を越えて冷池小屋まで行くつもりだったけど、思い出したように降る雨を嫌ってここで早くもテント泊。11時台でこの日の日程、おしまい(笑)。
この日の夕食で初めて『ヒガシマルのちょっと雑炊』を試す。が、信濃大町駅で弁当買えなず朝飯抜きになった後遺症で胃袋の状態がオカシかったんだろう、喰ったモノすべて『もどす』...。もう2度と『ヒガシマルのちょっと雑炊』は山では喰わん!!!
翌朝は種池小屋前を4:30に出発。前日は11時で行動打ち切ってるから、体力があり余ってる(笑)。前日の雨でTシャツがビショ濡れ。着替えのTシャツを持って来るのを忘れたんで、トレーナー姿という夏山と縁遠いスタイルで出発。でも、前日の雨のせいでトレーナー姿もあながち的外れとはいえないようなくらい、涼しい。この日は天気も上々。まず、爺ヶ岳の登りにかかる。爺ヶ岳は『北峰・中央峰・南峰』の3つのピークがあるけど、中央峰以外はみんなカット。中央峰で休憩。これから向かう鹿島槍や針ノ木雪渓がよく見える。
爺ヶ岳中央峰からは下りで、赤岩尾根コースとの接点・冷乗越に到着。ここで休憩してると、20代半ばの女性ガイドが中高年のジジババどもを引率したパーティーに出会う。20代半ばの女性が中高年のジジババどもを引率する様は、見てるとある種の爽快感を与えてくれる(笑)。オレも山ガイドを生業としたかったな...(笑)。この冷乗越にすべての荷物をデポし、完全に空身で鹿島槍に向かう。
冷池小屋と、日本で一番山小屋から遠いキャンプ指定地(笑)を通り過ぎ、鹿島槍の登りにかかる。40分あまりで布引山に到着、ここで休憩。『山』といっても鹿島槍本体のオマケの小ピークだ。
布引山頂上から30分余で鹿島槍南峰に到着。頂上からは、黒部川の谷を挟んで富山県民にとって馴染みな立山・剱岳がまったく逆の向きでそびえ立つ(笑)。毛勝三山と僧ヶ岳の向こうには海が見えた。針ノ木から薬師岳方面の展望も開けてたけど、信州側の安曇野方面は完全に雲の下。 頂上で休んでると、これから親不知まで縦走するっていう男性の単独行者に遭う。私も'93年に親不知まで歩いことがあるから、この男性にエラく親近感が湧いた。ただ私が1日あたりの行動を長くして荷物の軽量化を図ったのに対して、彼は1日あたりの行動を短くしてそのぶん荷物を多く持っている。なにしろ清水岳にも寄り道してくっていうくらいだから、とてもノンビリとした日程だ。うらやましいなあ...。
鹿島槍南峰から来た道をまた戻る。布引山を過ぎたあたりの下りで、じっと止まったままの登山者がいる。「ライチョウの親子連れがいますよ! 私は親子連れのライチョウ初めて見ました!」 なるほど、確かに親鳥と雛2羽くらいヨチヨチと歩いてる。が、我々登山者たちの視線を気にしてか、ライチョウの親子はガレ場の奥に早々に消えていった。
冷池小屋前を経て、冷乗越に戻る。ここから荷物を背負って赤岩尾根ルートを下る。赤岩尾根に入った途端、登山者の姿をめっきり見なくなる(笑)。どのガイドブックを見ても、このコース、『登り5時間半』とか書かれているため、みんなビビってこのコースを敬遠してるからだけど、5時間半もかからないって(笑)。私は過去2回赤岩尾根ルートを登ったけど、せいぜい3時間半ってとこだろう。その人影まばらな赤岩尾根を1時間半あまり歩くと、西俣出合に到着。ここの北股本谷に架かる吊り橋は大雨のたびに流されていたので、とうとう吊り橋をヤメて、ここに新しく造った砂防ダムのなかにトンネルが用意されていて、登山者はこのトンネルの中を安全に通過する...という寸法だ。でもホントに大雨が来たら、砂防ダムのなかのトンネルまで水没するんじゃあ...。
西俣出合からは工事用の車道を歩くこと40分、車を駐めてあった大冷橋のたもと...元の場所...に着いた。あとは車に乗り家までドライヴするだけだ。
(当時の『Running Up That Hill』の記事をほぼ原文のまま編集)
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