老平から笊ヶ岳ピストン【山梨百名山】鈍足限界山行
- GPS
- 17:57
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 4,016m
- 下り
- 4,018m
コースタイム
- 山行
- 16:21
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 17:56
天候 | 高曇り、時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
私が止めたのは多分↑だと思うのですが、地図の看板は見当たりませんでした。 ヴィラ雨畑をナビの目的地に設定、🅿️はその先数百m。 2:20到着時、既に満車だったので、余地にバイクを止めました。 後から来た方は許可を得てヴィラ雨畑の駐車場に停めたそうです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
広河原までの危険個所は皆様のレコを繰り返し読み頭に叩き込んで行ったので、ヘッデン歩きでも特に問題なくパスできました。 皆様のレコはとても役に立ちました。感謝します。 広河原の丸太渡りは、往路で縮めたストックを手で持っていたのは失敗でした。 丸太のホールドが不安だったので、両手が空くようにザックに収納すべきでした。 沢というか川の流れは速く沢ポチャしたら回収は100%無理なので、ポケットの中のものもすべてザックに入れて渡るのが良いと思います。 レコでは「布引山」「笊ヶ岳の山頂近く」に幕営適地があるとのことでしたがどちらにもテントは無く、情報が無かった広河原と桧横手山にありました。 広河原まで危険という認識だったのでヘルメットを被っていきましたが、私以外被っている人は見ませんでした。 |
その他周辺情報 | GS,PAを除き直行直帰 |
写真
装備
個人装備 |
特記事項のみ
■飲料系:凍らせた水500ml
常温の水400ml
アミノドリンク200ml
凍らせたトマトジュース190ml
コーラ180ml
凍らせたソルティライチ300ml
計約1800mlほぼすべて完飲。
■ツェルトと細引き初投入
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感想
梨百四天王、最後の笊ヶ岳。
登りたい、というより登らなければという焦燥感に駆られた。
以下理由
・笹山と鋸岳を何とかこなせたので、この流れでキツ目の山でも何とかできるのでは?体がキツさに慣れているうちにやっておきたい。
・早く四天王を終わらせてホッとしたい。できれば暑くなる前に。日が長いうちに。
・あまり間を置くと、例えば台風で広河原の丸太が流されて渡渉できなくなるとか、ありそう。「山は動かなくても行けなくなることがある」のは御嶽山の噴火や2020年の鋸の林道&河原ルート崩壊で思い知った。
3つの笊登頂ルートを検討
・椹島ロッジで前泊しピストン:累積標高差2000m
・老平からランカン尾根&正規コース周回:同2800m
・老平から正規コースピストン:同3100m(3300mという表記も)
椹島が一番標高差が少ないが、椹島ロッジまでのバスが運休。
しかし5/23に自転車でロッジまで行くレコが投稿され、これだ!と思った。
細かい不明点があるのでコメントで尋ねたが、一週間経過しても回答が無いので残念ながら除外。(この山行の後回答は不要になったので、コメントを削除しました)
なお、この方法で行く場合、自転車を運ぶ軽トラのレンタル代¥2.5万、椹島ロッジの宿泊代¥1万は最低でも掛かり、畑薙ダムまでの距離は210kmあった。
ランカン尾根は自分には危険そうなのでパス。
となると最後の老平からピストンになるが、今まで日帰りでの累積標高差が最大2500mの自分に、3100m行けるのか?
そんなとき、歩行ペースが自分とほぼ同じユーザーさんが歩いたレコを知り、行けるかな?と思い計画を立ててみた。
で、天気予報を見てみると…
・6/12(土):ほぼ全日曇り
・13(日):曇りのち雨
・14~19:雨多い。梅雨入りだねこりゃ
・20(日):曇りのち晴れだが最高気温27°(ただし笊ではなく早川町)。暑そう。降った雨で登山道滑りそう。
6/12(土)で決定!曇って遠景は無理かもだけど、登頂が第一目的だからOK。
暑さに滅法弱いので曇りなら却って良い。
そうと決めたら前日の金曜日は仕事を休み、整骨院で体をメンテ、バイク屋でオイル交換、届いたツェルトの設営練習、荷物をパッキング。
鋸の前日と同様、17時〜23時に睡眠、0時前に出発。
■往路
笹山の登山口がある奈良田湖と老平がある雨畑湖は近いので、笹山行きと同様甲府南🆋で中央道を降り、2時過ぎに老平に到着。
既に満車なのは驚いたが、バイクなので余地に駐輪。
持ってきたお湯でコーヒー作って飲み、予定より10分早く2:50に出発。
■老平(標高:489m)→広河原(890m)
・計画3:00→5:10(10分休憩)
・実際2:50→4:45(10分休憩)
25分の貯金を作った。
■広河原(890m)→山ノ神(1240m)
・計画5:20→6:00
・実際4:55→5:32(5分休憩)
歩きやすい九十九折れ
■山ノ神(1240m)→桧横手山(2021m)
・計画6:00→8:20(10分休憩)
・実際5:37→7:52(10分休憩)
段々歩きにくくなった。
「15分で標高100m以上」を目標に歩く。平坦な場所を除き大体達成。
■桧横手山(2021m)→布引山(2585m)
・計画8:30→10:20(10分休憩)
・実際8:02→10:17(5分休憩)
一番きつい登り。斜度高め。手を使う場所あり。一度コースを外れてしまった。
こういうとき何を考えるかによって割とキツさが変わるのだが、毎日の自転車通勤でのキツイ登坂をイメージしながら登ったら楽になった。
「15分で標高100m以上」は大体達成したが貯金をほぼ使い果たしてしまった。
■布引山(2585m)→笊ヶ岳(2629m)
・計画10:30→11:40(30分休憩)
・実際10:27→11:59(25分休憩)
到着が予定より19分遅れてしまった。
疲れが溜まり、スピードが落ちた。
■笊ヶ岳(2629m)→布引山(2585m)
・計画12:10→13:10
・実際12:24→14:01(5分休憩)
大幅な遅れ。早くも計画崩壊。
遅れているのはわかっていたがへとへとで5分休憩。
この区間で元気な若い兄ちゃん3人組とすれ違い。
「テン泊?」と聞くと「椹島まで行く」とのこと。
へぇーと驚いたが、椹島からバスが出ていないことは知っていたのだろうか?
もし歩くなら、畑薙ダムまで17kmもあるのだが。
■布引山(2585m)→桧横手山(2021m)
・計画13:10→14:30(10分休憩)
・実際14:06→15:52(5分休憩)
ヤマレコMAPの15分ごとの標高読み上げを聞いて愕然とする。
15分ごとに100mしか下ってない。
つまり、登りと同じスピードだ。
大体下りは登りのCTより短いから、登りと同じスピードで下っていれば、CTより遅れるのは必然。
そういえば鋸からの下山も同じだった。
体は痛くないのだが体力を使ってしまい踏ん張りが効かない。
これ以上スピードを上げると間違いなくズリッと滑り転ぶ。
木や岩にぶつかる。けがをする。最悪、滑落する。
完全に計画と実態が乖離しているので、「広河原に18:30までに下る」に目標を変更した。
なぜ18:30までかというと、この時期はその時間までは大体明るい。
広河原までは山中の登山道だから明るい方が良い。
広河原から先は一本道なので迷うことは無い。
ヘッデン歩きとなるが、行きもヘッデン歩きだったから何とかなるだろう。
ただし体力は行きに比べて大幅に消耗しているので、注意して。
■桧横手山(2021m)→山ノ神(1240m)
・計画14:40→16:10
・実際15:57→17:45(5分休憩)
ピストン下山で毎度のことだが、「こんな道通ったっけ?」「この区間、こんなに長かったっけ?」と思う。大体、頭で浮かべていた長さの3、4倍は長い。
下っても下っても着かない、そんな感じ。
■山ノ神(1240m)→広河原(890m)
・計画16:10→16:40
・実際17:50→18:32(13分休憩)
この九十九折れの下りも長かった…誰か魔法でも使って長くしたんじゃないの?
そんなバカげた考えが頭に浮かぶくらい。
変更後の目標設定、18:30には広河原に着いた。
幕営地は別のグループがテン泊していた。
まるで予約していたかのように入れ替わっていた。
朝見かけた飛び石渡渉を考えたが、濡れた岩があるので危険と判断、やめた。
スマホをポケットからザックへ移動、ストックもザックに収納し、丸太橋で渡渉。
疲れて感覚が鈍化しているせいか、朝感じたような恐怖は全く感じず。
ヘッデン歩きは確定なので、どうせなら快適に行こうと開き直り、ゲイターを外して靴と靴下を脱いで沢の冷たい水に浸かり、新しい靴下に履き替えてリフレッシュ。
ヘッデンをポケットに入れ再スタート。
■広河原(890m)→老平(489m)
・計画16:40→18:10
・実際18:45→20:43
19時頃からヘッデン点灯。
危険な箇所や橋を無事通過。
以降は単調で退屈…。
早く老平に到着したい。
ヘッデンに寄ってくる羽虫が時々顔にまとわりついてウザい。
ザックに虫よけネットがあるが、出して被るのも面倒くさいので、手で払って悪態をつくだけ。
トンネルを抜けたら左側に湧水があったので顔を洗って再度リフレッシュ。
林道に入ってからは何度も何度もヤマレコMAPを開き、あと何分で老平に着くか確認。
集落の照明が見えたときは一瞬呆然とした。
バイクの前まで着いたらザックなどを放り出して倒れこみ、しばらく動けなかった。
(車や人の通行は皆無)
おそらく本日、最初に出発して最後に到着した登山者だろう。
限界に近い山行でした…。
スマホの電池残量は18%だった。
■帰路
体力が少し回復したところでノロノロと帰宅の準備をして、ノロノロと出発。
鹿2頭が路上にいたのでノロノロ運転でよかった。
最初に見つけたハッピードリンクショップのゆるキャン△自販機に立ち寄り。
喉が焼け付く感じがするほど渇いており、キレートレモン→缶コーヒー→グレープのゼリードリンク→スタミナドリンクと4本も飲んだ。
なお、スロットも景品も当たらず。
少し復活してSさんに下山完了を報告。
登山開始以降連絡していなかったので心配させてしまい、申し訳なかった。
行きと同じ甲府南🆋から中央道に乗った。
ナビの到着予定が23:30頃だったので0時過ぎに降りて深夜早朝割引を有効にしようと思い、初狩PAのベンチで横になったら寝すぎてしまい、0:30頃帰宅。
24hオーバーの行動となった。
■振り返って
かつてないほど真剣に登り、予定通りに進むことだけを考えながら歩いたので楽しむ余裕はほぼなかった。
自分は行程が長ければ長いほど、標高差が高ければ高いほど、後半のペースが落ちていくようで、今回は(前回の鋸も)ガクッと落ちてしまった。
笊のような山でも最初から最後まで同じペースで歩ける人は凄いと思う。
そういう方を健脚というのだろう。
梨百の残りは小太郎、北、農鳥、間の南アルプス組と、富士山。
もうしばらく登山はノーサンキューと言えるほどお腹一杯というか疲れ果てたけど、また喉元過ぎたら行きたくなるのかな。
コメント
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はじめまして^ ^
前回donsokuさんの翌週に私も笹山をやり、先週の鋸岳も見事な詳細レコで驚きました。
それを上回る今回の17時間山行、大変お疲れさまでした。。。
独自の視点と表現でのレコに感銘を受けました。
レコはこれからですが、実は私も同日笊ヶ岳行きました。
もしかしてdonsokuさんと重なるかな?と思ってたので当たってびっくりです。
私はテント泊なので遅いスタートであり、駐車場も満車でしたのでやむなく硯の里キャンプ場に駐めました。
今度、鋸岳を釜無川ルートも行く予定です。(戸台から昨年行きましたが、レコ見てまた血が騒ぎました😅)
また鋸岳でも参考にさせていただきます。
etchanさん(エッちゃんさん?なんか変ですね🙂)、はじめまして。
笹山からの周回レコや同角レコ、以前拝見して「凄い方だなぁ」と感心していました。
今回は「鋸の時のような夜帰着はしない!明るい18時に笑顔でゴールだ!」と意気込んでスタートしたんですがね…結果は御覧の通りで、お恥ずかしい限りです。
独自の視点と表現ですか…自分が感じたことをそのまま書いているのですが、どの辺がそうなのかな。
私と同じ日に、笊にいらしたんですね!
当日、単独女性とすれ違った記憶は無いのでおそらくお会いしていないと思いますが、なんだか嬉しいです。
写真20のコメントに書いたように、鋸で会った方とまた会ったりして、この時期ロングの梨百は皆狙ってるようですね。
笊のレコ、楽しみにしております。
鋸は、戸台から行けた方でしたら釜無川からなら楽勝でしょう。
ただ、ご存じかもしれませんが9.5kmの林道は日差しを遮るものが何もありません。🌞
熱中症対策をしてお出かけください。
あと、ダムマニアでもない限りとてつもなく退屈な道なので、ラジオとか気を紛らわす道具があるといいと思います。
おめでとうコメント、ありがとうございました。嬉しいです。😃
以前七面山でご一緒させて頂いた者です。
ご自身の脚力客観視されたうえでのタイムマネージメントはお見事。
糊代使いきった感がありますが梨百の一番厳しい山行ですから仕方無いんですかね。
ご自身の限界知ることができこれはこれで良い経験かもしれません。
南ア、小屋泊ないしテン泊でごゆるりと3,000mの稜線満喫なさって下さいませ。
ご褒美のような稜線歩きが待ってるかと思います。
本当にお疲れさまでした。
tomhigさん、お久しぶりです!😃
七面山ではお世話になりました。
笹山や笊の登山口に向かうとき七面山への道の前を通ったので、そのたびにtomhigさん、windmurmurさんと行った(途中参加でしたが)山行を思い出していました。
tomhigさんのリードで雪原を歩いたり、ザックを車で運んでもらったり。
今回は、自分にしては綿密に計画を立てたつもりでしたが、途中からペースがこんなにも落ちるとは予想できませんでした。
これから先、ロングな山行、累積標高差が高い山行、路面状況が悪い山行、鎖や岩場が多いなど慣れない山行、酸素が薄い高山の山行などの場合は、後半はCTの1.5倍掛け位の計画を立てるべきかな、と思っています。
笊は…自分の身の丈以上の山でしたね。
ご指摘の通り、糊代を使い切って何とか下山できた感があります。
「登ったからには下山して家に帰るんだ」:この一念でした。
南アはマイカー規制やバス運行や運休でアクセスのハードルが高く感じる山域ですね。
tomhigさんのような方でしたら徒歩でどこからでも行けるのでしょうけど…。
行ける範囲で楽しみたいと思います。
お疲れ様コメント、ありがとうございました。嬉しかったです。😊
donsokuさん、鋸岳でお会いしたkogeです。大無間山、登頂おめでとうございます!先を越されてしまいましたね。やはり過酷な山行になったようですね。私も参考にさせて頂きます。しかしこの長丁場、精神力の強さは本当に尊敬します。とりあえずゆっくりと身体を休めてください。お疲れさまでした。
大無間山に心を奪われているkogeさん(笑)、コメントありがとうございます。
鋸のコメントでは笊はビビッて行かないようなことを書いていましたが、「感想」に書いたような理由で行ってしまいました。
私には過酷な山でしたね。特に下山が。。
技術的な難易度は高くないと感じたので、kogeさんなら私のような遅い時間にならずに下山できると思います。
大無間山の最近のレコを読みましたが、崩落地の岩稜地帯、登りは何とかなりそうですが下りが怖そうですね…。トラロープが古いというレコもあるので、行く場合はどうかお気をつけて。
こんばんわ。鋸岳の後は北アルプスの鍬崎山、金沢の医王山、先週は東北の泉ヶ岳、船形山とあちこちの300名山を登ってきました。暑さに弱いのでアタックするなら9月頃かと思います。台風が気になる季節なので、見極めが難しいですが。気になる大無間山(笑)が先になりそうです。白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)も山梨百名山なんですね。コロナが収束しないとバスや山小屋の見通しが立ちませんが、他の方も書かれてるようにまさにご褒美の登山になると思いますので、ぜひ好天が確約されている日を選んで、楽しんできてください。
肝心の山名を間違えました。失礼しました。
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