【台湾百岳】合歓山東峰・主峰
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 1,150m
- 下り
- 1,099m
コースタイム
5:10 合歓山東峰 5:45
6:15 東峰登山口
6:45 主峰登山口
7:30 合歓山主峰
8:45 バス停
天候 | 晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
日帰りは難しいので、滑雪山莊に前夜泊。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ハイキング道がしっかり整備されている。 武嶺を経由して主峰までは車道を歩く。歩道はないが朝だからか交通量は少なかった。 東峰から直接武嶺に下りるルートがあるらしいが、そちらは通常のハイキング道としては整備されておらず、行くなら地元の人と一緒の方が無難そうだった。 |
その他周辺情報 | レンタカー等でアクセスしない限り、松雪楼か滑雪山莊に泊まることになる。 松雪楼は予約がいっぱいで取れず、滑雪山莊も当初は満室だったが、出発前日にキャンセルが出たようで何とか予約できた。 滑雪山莊はシャワーあり。また、食事は滑雪山莊宿泊者も松雪楼のバイキングが利用できる。料理はめちゃウマい。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
サブザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
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感想
台湾には、台湾版百名山とも言える『台湾百岳』という山のリストがある。
日本よりも3,000m峰が多い台湾。どれもとっても魅力的で、国の最高峰の玉山や、第2高峰の雪山などは日本でも有名だが、レギュレーションがしっかりしており、入山許可や山荘の予約などの準備が外国人にはネックとなっている。
そんな百岳の中に、特別な許可を必要としない山があるのを知った。台湾の中央部、花蓮県秀林郷と南投県仁愛郷にかけて連なる合歓連峰という山域だ。
主峰(3,416m)、東峰(3,421m)、北峰(3,422m)、西峰(3,144m)、石門山(3,236m)、合歓尖山(3,217m)、石門北峰(3,278m)という七つのピークからなり、そのうち五つの山が台湾百名山に選ばれてる。
今回は台中からバスでアクセスし、初日に石門山と合歓尖山に登頂。滑雪山莊という山小屋に一泊し、翌日東峰と主峰に登った。
以下は、合歓東峰と主峰に登った時の記録です。
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4:10起床。
外は雨も上がっており、雲は少し出ているが問題なさそうだ。前日出会った方が埔里で買ったというバナナをくれた。普段見るバナナよりぶっとくて丸っこい。
4:20に小屋を出る。気温は11度。
星は少し見える。日の出は5:20らしいが、東の空がすでに明るくなり始めていた。
松雪楼から重装備の登山者が何人か下りてきた。たぶんチーライの方に向かうのだろう。
同時に超デカイ動物に遭遇。クマかと思ったが、立派なツノが生えてるので鹿だとわかった。日本の鹿の倍くらいはある。一瞬こちらに向かってくるのかどきりとしたが、ゆっくりと山腹に沿って去って行った。後から現地の人に聞いたが、ここで鹿を見ることは珍しいらしい。
階段を登りきって登山口。直登する踏み跡っぽいものに入って行ったが、あまりに急なので間違いだとわかった。濡れた葉で足元がぐっしょりして来たので慌ててレインを履く。
細い踏み跡を辿り、少し行くと本ルートの木の階段と合流して一安心。傾斜がそこそこ急なので、息が切れやすい。
スキー場時代の壊れた小屋跡の前あたりで、1人の台湾人のおじさんに出会った。なにやら色々話しかけてくれるのだが、英語が全く通じず、向こうの中国語もこちらはさっぱり分からない。
先に行こうとしたら、なぜかよく分からないが待てという。ザックカバーに「雲峰山岳会」と書いてあり、もしかしたらレンジャー的な人で、コースの確認か何かをするから先行させろ、ということなのかと思い、ウィダーインゼリーを飲んで待つ。
やがておじさんが歩き出したので付いて行った。しかし遅い。めちゃくちゃ遅い。しかもしょっちゅう止まる。なんなんだこの人は。
しかし、前を歩く人がいれば、山の写真も絵になりやすいかなと思い、ゆっくり付いて行った。
やがて、10分ほど歩いたところでバテてしまったのか、先に行きなと言われた。マジでなんなんだあんた。
おじさんを抜いてさっさと登ろうとすると、一気に息が上がった。標高3,000mを越えているので、当然と言えば当然。おっちゃんは実は良いペースメーカーだったのかもしれない。
10分後、東峰に登頂。空はかなり明るくなって来ていた。間も無く日の出だ。
おじさんがくるとややこしくなりそうなので、武嶺への下山ルートをパパッと探したが、よく分からない。それらしいのはいくつかあるが、かなり急だ。
そうこうしてるうちに日が昇りかけてきたので、山頂に戻る。
めんどくさいことにちょうどおじさんも上がってきた。
久しぶりに標高3000mから見るご来光で、その眩しさと次第に照らされて行く周囲の峰々に感動した。写真を撮っている最中に、おっちゃんがカメラをよこせという。自分の写真を撮ってくれるようなのだが、正直今は景色を撮りたいのでやめてほしい。空気を読んでくれ。
しつこいが、悪気がないのはわかるのでカメラを預け、写真を撮ってもらった。山頂標識のあっちに行け、次はこっちだ、といろんなバリエーションで撮ってくれる内に、ご来光はピークを迎える。
ようやくと思ってカメラを返してもらったら、今度は自分を撮ってくれと携帯を渡された。まあ、そうなるわな。
ご来光の写真は諦めて、おじさんの気がすむまで写真を撮ってあげた。
撮影タイムがひと段落すると、おじさんが食パンをくれた。しかも2枚。焼いてない完全プレーンの食パンで、正直そこまで欲しくもなかったが、やたら粘るのでもらった。お腹は空いてたのでうまい。
生の食パンをかじりながら、周囲の山々を改めてじっくりと眺める。陽の光で淡くぼやけているあたりに屏風山。右隣は迫力あるチーライ北峰。左の奥に中央尖山。槍のように尖ってかっこいい。自分ではどれか分からないが、後で聞くと羊頭山や鋸なんとか山?が連なっているらしい。電波塔の立つ合歓山北峰を挟み、その左隣には雪山山系。背後の山も全然名前は分からないが、ずっと遠くに5つの頭を持つ玉山が見えた。
また、西側には遠くの雲まで伸びるこの東峰の影が落ちていた。なかなか面白い光景だ。
ちょっとお腹が痛くなってきたので、おじさんがぶらっと見えなくなったタイミングで素早く済ませた。
おじさんは相変わらず中国語でなにやら話しかけてくるがさっぱり分からん。取り敢えずバイバイと手を振っておいた。
下山は前日に聞いた武嶺へ下りるルートを探したが、地図が無くあまり自信がないのと、結構な傾斜があったので結局やめて往路を戻る。
下山中、台湾人も続々と登ってくる。みんな挨拶として「ツァー」と言っているように聞こえたので、すれ違うたびにツァーと言っておいた。これは多分台湾語?
小屋に着く前に例のおじさんに追いついた。また何か喋っているが、箸で口に書き込むようなジェスチャーをしているので、たぶん朝飯をこのあと食うのか、みたいなことを言ってるんだろう。イエス、モーニング!とか適当なことを言ってお別れした。
自分の言葉が全く通じていないのに、それでもコミュニケーションを取ろうとしてくれる。最初はちょっと鬱陶しかったが、だんだんこの人の優しさにも気づくようになった。気がする。
朝飯を食べて行くか迷ったが、バナナと食パンを食べたのでパスすることにし、さっさと次の主峰を目指した。
武嶺に向けて車道を歩く。道幅は広くないが、車がまだ少ないので心配なく歩ける。道中、切り崩した岩壁にはシャジンなどの綺麗な花が咲いていた。
3〜40分くらいかかるかと見ていたが、20分くらいで武嶺も通過して登山口に着いた。
こちらも親子連れやカップルが手を繋いで登ったりしている。最初から最後までアスファルト舗装の道で、面白みに欠けるし疲れる。高山病の気も少し出てきたかもしれない。見所はさっきまでいた東峰の立派な山容だった。
やがて電波塔の立つ頂上に到着。看板前で10人くらいのグループが写真を撮りながら騒いでいたので、空くのを待っていた。そろそろ出発かな、と言うタイミングで山頂に向かうと声をかけられた。
今度は英語が通じるようで安心した。日本人だというと、若い女性が台湾へようこそ!と日本語で言ってくれた。素直に嬉しい。リーダーっぽいおじさんが、写真を撮ってやるよと言ってくれたのでお願いした。
台湾の人はみんな、互いのカメラを押してあげるのが当たり前のようだ。劍潭山も軍艦岩も、さっきの東峰のおじさんもそうだった。
日本人は撮ってくださいだが、撮ってあげるよと言うこちらの文化の方が自分は好きだ。他の人にも親切にしてあげようと自然に思える。今回の山行で台湾人のことが本当に好きになった。
主峰は東峰より低く、景色も代わり映えしないので山頂下の広場に降りて休憩。少し頭痛がしてきたのでバファリンを飲んだ。
Twitterの書き込みをし、ついでに今日の台中の宿を取る。¥13000位のデラックス・クイーンルームが半額以下の\5000になっていたので、ワクワクしながら予約した。残っていたおやつを食べて出発。
すぐに武嶺に戻る。道路はサイクリストで徐々に賑やかになってきていた。帰りのバスは9:45で、まだ1時間もある。武嶺は駐車場が工事中らしく、あちこちに車が路駐されている。看板のある高台も人で埋まっており、休憩する場所がない。仕方ないので山荘までまた車道を引き返した。帰りは20分で着いた。
以下、余談
駐車場前は大渋滞だった。いつもは9:30にはバスに乗れるようになってるらしいが、今日はまだ見当たらない。結局5分ほど遅れてやってきた。昨日と同じ、ちょっと感じの悪い運転手だった。
下りは霧が濃く、運ちゃんの荒っぽい運転が不安。10分ほど下ったところで、前からのすれ違いを待つ車に追突した。まじかよ。
おもむろにバスを降り、なにやら喚く運ちゃん。全然傷ついてないから大丈夫だろ!みたいな話になったのか、特に警察を呼んだりせずまた出発した。ムカつくおっさんだが、こう言う展開だとなぜか心強さを感じる。
その後もベンツがエンストして大渋滞を起こしたり、結構苦労して下山した。
10:45頃に清境到着。いつもは10分くらいで乗り換えられるらしいが、今日はダイヤが乱れているのか30分以上待たされた。埔里で乗り換えだが、このバスはそのまま台中に行くらしい。
バスは14時過ぎに台中に到着。台湾高峰の旅は終わった。
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