【夏のカモシカ山行】塔ノ岳〜鍋割山〜ユーシン〜檜洞丸
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- GPS
- 14:38
- 距離
- 28.0km
- 登り
- 2,729m
- 下り
- 2,413m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
小田急 渋沢駅下車 【帰り】 富士急湘南バス 箒沢BS(新松田駅行き) 小田急線 新松田駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
大倉尾根…危険箇所は特になし 鍋割山まで…同上 雨山峠まで…鎖場、崩落箇所あり。要注意 ユーシンロッジまで…沢沿い歩き。道の分断多し。雨天時は避けた方が良い 檜洞丸まで…道険しく、整備もあまりされていない。人の往来も少ない。 檜洞丸周辺は道の整備が行き届いている 箒沢まで…雨天時は避けた方が良い |
写真
感想
今回は終電で渋沢駅に行き、ヨナヨナ山中を歩いて中川温泉まで抜ける。
いわゆるカモシカ山行と言うものを行う。
長時間歩けるし、夜は涼しいし、夜の時間帯も短い。
カモシカ山行は夏向きだと思う。
【渋沢駅〜大倉〜塔ノ岳】
小田急線の小田原行き最終で渋沢駅に到着。
駅前バスロータリーで準備を整え、大倉に向かう。
もちろん、もうバスはないので徒歩で。
この時間帯、大倉までの道は幹線道路ではないので車の通りがとても少ない。
歩く人の姿はさらに少ない。この町で活動しているのは自分だけのような気分になる。
街灯は必要最低限しかなく、星がよく見える。そろそろ大倉だ。
大倉に着くと、どんぐりハウス前で若者たちが車を止めてたむろしている。
あそこのベンチで荷物を一旦整理したかったが、向かいの食堂前のベンチにしよう。
ささっと必要なものを取り出し、先に進む。
民家が尽きかけた頃にヘッドランプをつける。
林道に入るともう人の世界とは遮断され、別の世界に足を踏み入れる。
夜に山登りするのは初めてなので少し不安感はある。
しばらく歩いていると、前方にちらちらと動く光が見える。
どうやら自分以外にも登山者がいるようだ。
今日はまったく人に会わないものと思っていたが、これは気分が楽になるな。
雑事場の平を過ぎた辺りのベンチで先行する人が小休止している。
挨拶をして先に行く。助かりました。
花立山荘を少し過ぎた辺りで薄明るくなってきたので、ヘッドランプを消す。
塔ノ岳の山頂に着く。いつも賑やかなこの場所も今は誰もいない、当然だが。
近所の西友で買った68円のおにぎりを食べる。
・・・寒い。
多分10℃あるかないか。ゆっくりしないで先に行こう。
【塔ノ岳〜鍋割山〜雨山峠】
塔ノ岳から鍋割山へ行く道は通ったことがなかったがとても気持ちの良い道だ。
全体的になだらかで、森の雰囲気も良い。
比較的楽に鍋割山に到着。
女性2人組の登山者に挨拶。
まだ6時前。鍋割山荘でうどん…ないな。自分としても店としても。
バナナをほおばり、次は雨山峠に向かう。
前回通った時も思ったが、ここは割りと厳しい道かも。
距離はそんなでもないが、鎖場ややせ尾根など注意をする場所がけっこうある。
前は雨山峠から鍋割山への道だったが、今回は鍋割山から雨山峠への道。
比較的今回の向きのルートの方が厳しいように感じた。
雨山峠に到着。
【雨山峠〜ユーシン】
雨山峠からは沢に向かって下りる。
沢沿いの道に出ると、玄倉川にぶつかるまでずっと沢沿いに歩く。
道自体は歩きやすいのだが、以前整備されてから何年も経っているのか、
道が豪雨時の水の流れなどで分断されている場所が多く、少々迂回しなければならない。
一ヶ所、桟道があるのだが、そこも落石でけっこうダメージを負っていて
通るのに少し注意が必要である。
意外と難ルートかもしれない。
玄倉川に出た。
標識にユーシンまで0.4kmだそうだ。
川沿いの道を歩く。…歩く。
まだユーシンに着かない。400mってこんなあるか?
ひょっとして通り過ぎてしまったのかと思い地形図を見返す。
玄倉川を出た所からユーシンロッジまで、コンパスで測って大体800mはあった。
信用なんねぇな〜。
まあ気にしない。しばらくしてユーシンロッジに着く。
ロッジを覗いてみるがひと気はない。
休業との貼り紙がある。ここへ到る道の工事の関係のようだ。
建物の前の広場で今日2こ目のおにぎりを食べる。
蜂がまとわりついて落ち着かない。さっと食べて次の山にとりかかる。
【ユーシン〜檜洞丸】
ロッジの脇に橋が架かっているので、それを渡り対岸へ。
登り口の標識はない。
登山道と言うよりは作業道のような道があるが、そこを登っていく。
急斜面を一気に登りきったが、右膝の外側に少し違和感が出てきた。
気になるが先に進む。
しばらく行くと巨岩が見える。でかい。
巨岩の裏に回ると標識。大石山まで440m。
なんか怪しい。「ユーシンまで400m」で嘘をつかれた記憶がまだ新しい。
・・・予感的中。ここもおそらく800m前後あったように思う。
ここら辺の標識は信用できん。
ところで、ユーシン〜箒沢/檜洞丸の分岐までの、このコースはかなり難渋した。
まず、虫。
主に蜂だが、終始まとわりつかれ刺されないかととても気になった(が結局刺されず)。
2つ目、くもの巣。
とにかく、そこら中に張り巡らされていて顔に体にへばり付きまくった。
3つ目、緑のトンネル(?)。
道の脇の木の枝が道を塞いで、トンネル状になってる…だけならまだしも、
完全に緑の壁状態で塞いでるところも多々あり。しかもくもの巣との併せ技。
4つ目、とげとげの草
とげとげの葉っぱをもった草がやたらと生えてます。
それが足にちくちく刺さって痛い。地味に痛い。
5つ目、鎖場。
沢山あります。特に大石山のすぐ先にかなり長い鎖場があるので要注意。
6つ目、はしご。
これも沢山あります。手すりとかはないので注意してください。
1〜4は季節も大いに関係していると思う。
後は全体的なことだが、このコースはそれほど人が通るコースではなく、
また整備が入ってからしばらく経っているのかもしれない。
なんとか箒沢/檜洞丸の分岐まで出る。
右膝の違和感ははっきりとした痛みになった。
ここから檜洞丸まではなだらかな道が続く。景色も良い。
特に木道が架かっている辺りは、蛙が傘に使う(ような)葉っぱから咲いた
黄色の花が一面に広がってとても良い眺め。
ここは特に苦労しないで檜洞丸に到着。
さて下山はどうするか?
【檜洞丸〜箒沢】
檜洞丸から箒沢まで約6kmの道。
先ほどの分岐までは前述の通り楽な道だが、その先はいくつかのピークを越えて最後は一気に下る。
足、持つかな〜。
で、足止まりました。
分岐を過ぎていくつかのピークを越えて一気に下る道の途中で。
ちまちま下りるが、やはり痛い。また止まる。
この時、13時頃。予報では夕方から天気は下り坂。
ここは水の通り道だ。雨が降るとどうなるか。
本当は急ぎたいところだが、いかんせん足のコンディションが悪い。
・・・雨が降ってきた。
この辺りでひんぱんにメールが入る。なんかここらは電波が良いようだ。
山関係の唯一の知り合いSさんからのメール。
「下山した?」的な内容。一応、返信。
しかし携帯のバッテリーがもうあまりない。
予備の充電器はいつも持っていくのだが、なぜか干上がっている。
多分どこかで充電ボタンを押し間違えて放電しきってしまったらしい。
不安要素がひとつ、またひとつと増える。
そこら辺に落ちている棒を拾う。さらにもう1本拾う。
なんちゃってダブルストックでなんとか進む。
しかしそれでもしばらくすると痛みが限度まできた。また足が止まる。
沢からの水の流れる音が聞こえるところまで来ているのだが…。
おそらく登る力はまだある。しかし下る力が…。
雨はしばらく降ったが、今はやんだようだ。
ん?
思いつきを実行し、体を反転する。
もうむちゃくちゃだが、登る体勢で下る。
試してみると案外良い。足が痛くない。
そんなわけで、山の方に体と足を向けながらバックステップで下る。
視線は谷側に向けないといけないので、体勢と視線の不一致に苦労する。
しかし、とにかく進まなければならない。
だいぶ踏みとどまっているが、ここは時間との勝負なのだ。
へんちくりんな格好で下り続けると、沢が見えた!
沢は心配していた増水はしていなかった。
後は沢沿いの道を歩くだけ。
棒切れを捨てる。へんな格好の歩き方ももう必要ない。
一ヶ所、堰堤を迂回してはしごを下りる場所があるが、それ以外は平らな道。
しばらく行くと川を越えた先にある箒沢公園橋バス停に到着。
【温泉と反省】
◎温泉
公道を中川温泉まで歩く計画だったので、行動沿いに進む。
とは言え、足がへたりまくっているので途中の箒沢バス停で立ち止まる。
時刻表を見るとちょうど数分でバスがくるので、それで中川バス停まで移動。
バス停を下り、最終目的地のぶなの湯へ。
ぶなの湯は営業時間18時まで。2時間700円です。
ひとっぷろ浴びて、牛乳飲んで次のバスで帰途につく。
◎反省
・色々あるけど、やはり前回と同じく下りで膝を痛めたのがまずかった。
それなりに筋トレはしたが、それなりじゃ足りなかったか。
山登りも2ヶ月あいたし、徹夜が影響したかもしれないし、そもそも地下足袋は下りに弱いのかな?
・水分がぎりぎりだった。夏はたっぷり余裕をもって。
・ぶなの湯にいた時にどしゃ降りの雨が。もう1時間下山が遅れたらやばかったかも。
膝痛があったとはいえ、檜洞丸〜箒沢まで4時間強はかかり過ぎた。
天候の悪化は予報・体感で分かったので早めに別ルートの切り替えもあり。
計画の変更ももっと柔軟に。
・そもそも計画が詰め込みすぎかも。
たまにしか山に行けないので、そうなりがちだが。
脚力が備わるまで、もう少し軽めの計画を立てるべきか。
まあ反省点はあるが、収穫も多かった山行でした。
ぎりぎり許容範囲かな?今回は。
最悪、檜洞丸に登り返してたかも。
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