[南アの巨人たち★3日目]小河内岳≫荒川前岳≫悪沢岳≫荒川小屋
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- GPS
- 08:25
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,377m
- 下り
- 1,549m
コースタイム
7:00板屋岳
7:40高山裏避難小屋
10:40荒川前岳
11:10荒川中岳
11:57悪沢岳
12:58荒川中岳
13:55荒川小屋
合計時間: 8時間25分
合計距離: 13.56km
最高点の標高: 3112m
最低点の標高: 2371m
累積標高(上り): 1401m
累積標高(下り): 1550m
天候 | 晴→ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
[3日目の巨人:荒川三山]
3日目の朝は、またいつもの南アの朝だった。
小河内岳山頂からは何と言っても、富士山だろう。
3日目にしてようやく見ることができた。今朝は朝靄がかかっていない。
天気は持つであろうか?
塩見岳、仙丈ヶ岳、中央アルプス、荒川三山と展望が広がった。
4:00ころ発つ予定だったが、管理人さんたちと話をしながら朝食をとり、
写真を撮ったりしてゆっくりした。行程に多少余裕を感じたからだ。
小河内岳避難小屋も素晴らしい小屋であった。
出ようとしたときに、三伏からのトレラン系の若者が小屋に立ち寄った。
何でも今日中に「聖平」まで行くんだそうだ。。
小河内岳からは一気に200m下り、樹林帯の中を大日影山、板屋岳と越えていく。
途中似たような崩壊地の縁に出る。
崩壊地を巻くために樹林帯にルートが取られているといったほうがあっているかもしれない。
途中、「エベレスト登りました」Tシャツを着た若者とすれ違ったり、
三伏から来た2人組に追いつかれたり、やはり南アは凄い人たちだらけだ。
とくに三伏〜荒川岳の区間に多い気がする。
高山裏避難小屋までは予想時間よりも早く着いた。これで今日の行程に余裕ができたと思う。
小屋では黙々と管理人さんが物干しをしていた。
さてこのルートのハイライトへ差し掛かる。荒川岳のカール下に着いた。
3年前ここを夕方登っていった。時間的に無謀にみえる行為だったかもしれない。
ガスの動きがしきりだった夕方とちがい、午前の快晴の中、一歩ずつ登っていった。
思っていたより短い区間であったが、見晴らしのいいカールの中を登っていく、
このコースはやはり素晴らしい。
荒川大崩壊地が口を開けて待っていた。
なぜもこれほどまで崩壊したのであろうか?そして伊那側ばかりがなぜ崩れるのか?
いろいろ疑問が出てくる。
前回ここを歩いたのは、荒川大崩壊地を見てみたかったからなのだ。
崩壊地マニアにとってここは聖地のひとつである。(と思う)
3年前から著しく崩壊していることはなさそうだった。これはこれで喜ばしいことである。
山体すべてが崩れるわけではないだろう。後立山のような非対称山稜を形成している途中なのかもしれない。
岸壁が露出している個所もあるし、グランドキャニオンのようなところも見られる。
自分が生きている限りは、この崩壊地の「成長」を見ていきたいものだと思った。
悪沢岳へと向かう。
前回悪沢岳は登ったのだが、なんと順光での悪沢岳の写真を撮っていなかったのである。
なんとも間抜けなことであった。
悪沢岳は前回よりも大きく感じてしまった。まあ疲れているわけだ。それでも1時間ほどで頂上へ立った。
アゲハチョウが数羽飛び交っていた。聖岳山頂でも見かけたがアゲハチョウと3000mの関係を知りたいと思った。
お花畑が広がる時期の荒川岳はきれいな山だ。
時刻は昼を回っていた。そうすれば決まって雲が湧いていた。塩見岳から濃い雲がやってくる。
なんだか昨日を思い出してしまった。またしても長居は無用か。
悪沢岳から中岳への登りのほうが楽である。これは写真を見れば一目瞭然のことだった。
荒川小屋へは思っていたより下る。それまでは南面のカール、お花畑、赤石岳が目を楽しませてくれる。
南ア南部ではいちばん派手なエリアだと思う。
今日の宿泊地荒川小屋は盛況であった。だからといって満員ではなかった。
2誌で南ア特集をしてもすぐにやってくる、ということではないようだ。
というかその雑誌の読者層とは明らかに違う感じを受けた。(すみません)
しかし荒川小屋も素晴らしい小屋だ。きれいだし、何と言っても食事がすばらしい。
遅めの昼ごはんに「荒川丼」をいただいた。叉焼と半熟卵が大盛りごはんに乗っかっている。肉はその日によって違うらしい。
食後前庭で休んでいると、熊の平小屋で張られていた見覚えのあるテントを干している方がいた。
自然と昨日の雷雨の話になる。
その方は三伏峠で幕営していたそうです。水場に汲みに行っていたら雷が始まったらしく、そこにほかに2人がやってきて2時間ビバークしたそう。
雹は三伏峠のほうが降ったらしく、テン場へ戻ったら雹が積もっていたんだそうで、ぬるい三伏峠小屋のビールがキンキンに冷えたとか。
まあ、この日南アにいた人たちと共有できる話がたくさんできた。
早めに小屋へついて、いろいろ楽しめた。
小屋の本棚にあった地元静岡県の山の本では、南アの昔の山行記の抜粋、山名の由来とか、いろいろ知った。
さて晩御飯だが、名物の「荒川カレー」に舌鼓をうった。ほんとうに旨かった。また食べたい。
こんなかんじで3日目は終わった。
[荒川岳は森であり、お花畑であり、そして意思を持った大いなる存在でした]
本当に大きな山なんです。荒川岳。
個人的にずっと憧れていた山をやっと訪れることができて感無量、と言いたいところですが、正直なところ山頂そのものについてはあまり記憶に残っていません。
ガスのためにその大きさを実感することができなかったこともありますが、大日影山、板屋岳の辺りの鬱蒼としたシラビソの林や伊那方面にパックリと口を開ける崩壊地の荒々しさ、一面のお花畑からマルバダケブキやマツムシソウが一斉に語りかけてくる声、草付きとダケカンバの灌木帯をくぐり抜けて飛び込んだ前岳直下のカールに包み込まれるような感じ…
とまあ、印象に残ったのは特定の「場所」ではなく、周囲の「雰囲気」といったようななものでしょうか。
まるで一つの意思を持った大いなる存在といったような。
メインの周回コースももちろん素晴らしいのでしょうが、歩く人も少ないマイナールートだからこそ、どっぷりと荒川岳に浸ることができたように思います。
再度訪れる機会に恵まれたら、今度はじっくりと時間を掛けて荒川岳の魅力を発見したいものです。
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