間ノ岳・塩見岳・伝付峠 涼を求めて沢ルートでアプローチ!(乗越沢・雪投沢・塩見沢)
- GPS
- 35:13
- 距離
- 48.7km
- 登り
- 4,082m
- 下り
- 5,102m
コースタイム
11:27広河原-12:55大樺沢二俣13:07-13:46標高2510m地点14:05-15:05八本歯のコル15:20-15:46トラバース分岐15:56-16:18北岳山荘
8/9
5:25北岳山荘-5:47中白峰5:52-6:30間ノ岳6:43-7:05三峰岳7:15-8:00熊ノ平小屋8:30-9:14乗越沢出合9:18-9:41魚止ノ滝下-10:16滝ノ沢出合-11:55池ノ沢小屋12:47-15:02標高2480m地点15:15-15:30上部二俣15:40-16:00幕営地(2670m)
8/10
6:15幕営地-6:20稜線-7:18塩見岳8:14-8:26塩見沢下降点8:30-9:03標高2630m地点9:28-9:58標高2400m地点10:17-11:05塩見沢出合-11:45西池ノ沢出合12:50-13:41標高1900m地点13:46-14:40北俣出合-15:17西俣慣合15:38-16:38渡渉地点-17:38二軒小屋
8/11
7:19二軒小屋-8:26伝付峠8:49-9:19内河内沢出合-9:45保利沢小屋-10:18八丁峠10:26-10:51隣沢出合10:59-11:58伝付峠入口バス停
天候 | 8/8 曇り 8/9 早朝ガス、その後快晴 8/10 早朝ガス、その後快晴 8/11 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●広河原〜大樺沢〜八本歯のコル〜北岳山荘〜間ノ岳〜熊ノ平小屋 一般ルート。危険箇所なし。 ●乗越沢 下降点は熊ノ平小屋の水場。沢身ならサクサク下れる。そこまで危険はない。かつての踏跡は多少残るが、沢を直で行った方が楽かも。 ●東俣 滝ノ沢出合まではかつての踏跡もなく渡渉の繰り返しや巻きなどで結構大変。魚止ノ滝は右岸に巻道がある。滝ノ沢出合から池ノ沢小屋まではかつての踏跡が多くあり、上手く見極めればサクサク行ける。 ●雪投沢 かつての踏跡は全く残っていない。乗越沢ほど楽ではないので注意。渡渉はミスっても膝下。 ●雪投沢源頭部〜塩見岳〜塩見沢下降点 一般ルート。危険なくはないが、ややガレ(ザレ)ている程度。 ●塩見沢 下降点が分かりにくいが、塩見岳から下ったところの鞍部からガレを目標の枝沢を意識して下っていくのが一番いいように感じた。ガレが終わるとハイマツとの戦いだが、枯れ沢上を行っていればまだマシ。沢外したら死亡。流れが出てからも再度流れ途絶え、地図上で川マークが出るまではどう下ったら一番いいのかよく分からない。地図上で川マークが出たところからは普通の沢下りだが、雪投沢より更に難易度高い。渡渉はミスっても膝程度。 ●中俣 塩見沢出合から西池ノ沢出合付近まで渡渉を繰り返し、やや大変だが、ルートに困るような箇所はない。渡渉は膝下程度。 西池ノ沢出合〜中俣が折れる辺りまではゴーロだったり土砂の上行けたりなので、まぁ問題ないだろう。 中俣折れてから北俣出合までが最も大変で、小滝多く、滝つぼは腰上まで埋まりそうなところ多いので巻いていくしかない。この巻きが大変なところが多い。概ね右岸通しで行けるが、右岸崖の場合たまに左岸へ。 北俣出合からは右岸通しで比較的サクサク行ける。 ●西俣 概ねかつての林道を利用できる。途中崩壊地が何箇所かあるが、危険と判断したら一度沢まで降りた方が懸命かもしれない。二軒小屋から4km地点辺りに工事現場があり、そこからは林道の新道が利用できる。 ●二軒小屋〜伝付峠〜新倉 一般ルート。危険箇所は伝付峠の新ルートで、八丁峠への登り下り、内河内川沿いの細く脆い登山道などは全域に渡って滑落の危険性高い。 |
写真
感想
夏なので南アルプスを沢ルートで縦断しようという計画。一応短いながらも夏休みが取れたので、時間は十分にあります。
8/8
自宅から5:37発の電車にギリギリで乗って、鈍行で甲府を目指します。この電車に乗れなければ甲府に9時前につけないところだったので危ないところでした。何でこんなギリギリになったかというと寝坊したからですね。しかし、それでも3時間も寝ていません。準備に手間取りました。
荷物の重さを計ってみると17kg。昨年北アルプスを初のテン泊縦走したときよりも食糧も多め(レトルトも多い)に持ち、沢靴や大量の予備バッテリー、ウイスキー200mLなど中々余分なものを積み込んだにも関わらず、そのときよりも軽くなってしまいました。謎ですね。
しかし、寝不足では17kgの荷物でも大分堪えると思います。やはり一般コースとはいえ初日が勝負でしょうか。この日は広河原を11時に出て北岳山荘まで行く予定でした。標高差は1500m。
さて、広河原に11時につきまして、出発は11時半。今回初の大樺沢ルートを取り、大樺沢二俣まではのんびり歩いて1時間半でした。大樺沢ルート、下部は大量の水の流れが清々しくて、この時点でやや気に入ってしまいましたね。
大樺沢二俣からは、同じく11時発でテン泊装備で北岳山荘を目指している方がいたので、この方と共に歩きました。ここら辺で自転車を担いで下ってくる登山者に遭遇しますが、どうやら登頂には失敗したようですが、恐らく自転車を山頂に持って上がるのに達成感を覚える方のようで、山で自転車に乗るわけではないとのことでした。
大樺沢二俣からは雪渓が素晴らしい。これなら上部で水の確保も期待できます。
想定通り北岳から直接落ちている沢の水が豊富でしたので、上部に登山道がないところまでいって、ここで水を確保しました。北岳山荘には水場はありませんからね。結局下から担いできた2Lの水は全て無駄になってしまいましたが、まぁよしとしましょう。
この辺りからガスってるながらも北岳バットレスの凄さを間近で見ることができ、中々に感動していました。するとバットレスの中間点やや下辺りに2張のツェルトが見えてきました。明日登頂を目指すのでしょうか。ファイトです。
さて、大樺沢は更に急さを増していくとついには木製の梯子が現れ、しんどいながらもひた20分ほど詰めると、八本歯のコルに出ました。結局大樺沢二俣から八本歯のコルまでは休憩込みで想定以上の2時間近くがかかってしまいました。コースタイム、やや厳しい気がしますね。
八本歯のコルからは間ノ岳でけえええええな展望。北岳山荘も見え、テントもちらほら見えます。果たしていいサイトが空いているかな・・。
コルからはトラバース道の分岐まで100mちょっと登ります。コルまででホッとして足が緩んだせいか、ここの登りが一番しんどかったですね。というかここで何故か下山者に遭遇。白根御池小屋まで行くらしいですが、ペース的にみてこの分だと19時以降着は免れないぞ!?
トラバース道分岐からは北岳も北岳山荘も同じ時間。でも北岳はガスってるのでやめておきました。僕は大井川源流域を訪れると間違いなく晴れる傾向にありますが、北岳には嫌われているようです。3度目の正直もなりませんでした。
トラバース道分岐からはサクサクで、高山植物を軽く愛でつつも20分ほどで北岳山荘です。この日の夕食はパンにカレーライスににゅうめんとします。炭水化物取り過ぎ丸ですw 家から持ってきたラフロイグを贅沢にもコーラ割りして飲み就寝としました。
8/9
午前2時頃起きてみると外はガスガス。4時半にちゃんと起きるが、この時点では北岳と間ノ岳はまだガスっていた。しかし、5:25にいざ出発となったときには、やや靄はあるものの全て晴れてくれ、いい気分で間ノ岳までの稜線を歩くことができた。やはり僕は大井川源流域では好天に恵まれるようです。
間ノ岳には予定通り1時間で到着。展望を楽しんだ後、これまでの賑やかな山域を離れ、熊ノ平小屋へ向かいます。大井川東俣へは広河内岳を経て池ノ沢ルートから下降するルートと迷いましたが、眼下に見える東俣の本流をしばらく歩いてみたいなと思ったので、熊ノ平から乗越沢を下ることとしました。
熊ノ平までも概ね予定通りの時間で到着。この途中で登りで使う予定に雪投沢を遠望で確認してみますが、よく分からず異様に急に見えました。熊ノ平小屋では炭酸で補給中に主人から乗越沢や新蛇抜の尾根、雪投沢の様子を聞きます。すると、乗越沢と雪投沢は踏跡殆ど残ってないけど、水量も多くはないし沢伝いに行けば行けないことはない、新蛇抜の尾根は踏跡大体残ってるけど、一部消失してて迷うかもとのことでした。翌日は西俣にも降りることを告げると随分マニアックなルートを行くんだねと言われました。色々とありがとうございました。冬季小屋の礼もいい、水場からいざ沢身に入ります。ここを下る瞬間、水場ではしゃいでいた学生らしき人たちには非常に変に思われたでしょうw
水場からしばらくは踏跡に従って下ってみますが、非常に下りにくいのですぐに沢に戻りました。以後は沢靴なら快適。濡れずに行こうとするとかなり無理があります。
乗越沢は最上部を除いては緩やかで倒木も少なくそれなりに開けていて非常に快適な沢でした。45分ほどで本流と合流し、以後殆ど下らず更に緩やかになりますが、徐々に水量も増えてきて渡渉場所も選ぶようになってきます。ここから先もいい感じの渓相でした。
しばらくいくと東俣本流唯一の滝、魚止ノ滝の下りに差し掛かります。ただし、ここは右岸に割としっかりとした踏跡が残っていて容易に巻けました。魚止ノ滝は落差10m程度ですが、渓相と水量も相まって中々素晴らしい滝に仕立て上げられていました。
ここから滝ノ沢出合まではやや歩きにくかったですが、滝ノ沢出合を過ぎると、概ね右岸に微かな踏跡が現れるようになります。滝ノ沢出合からはこの右岸の踏跡を辿り、右岸を崖に阻まれると左岸に渡渉というようなことを繰り返して行くことで割と快適に歩けました。
さて東俣林道が近づいてくると、渓相も大分変化してきます。非常に広々とした感じで、普通の河原歩きと行った感じ。
すると、前方に人影が。どうやら釣り人のようで、邪魔しちゃ悪いかなと思ったのですが、あちらから話しかけられてきました。ここが新蛇抜の尾根分岐の少し手前くらいでしたかね。
「大井川で人に会ったのは初めてだよ。」「釣り人もここまで奥に入ってくる人は殆どいないからね。」「釣りはしないの?もったいない。」「大井川に降りる新たなルートを探索してたら全然ダメで強引に下ったけど大変だったよ。」「大井川は初めてかい?いいだろ?」「折角だから釣った岩魚をやるよ。一番でかいのをやろう。」などなど、こちらの会話は示してはいませんが、様々なやり取りがあり、何と岩魚を一匹頂くことができました!ありがとうございます!
そこから少し行くと、新蛇抜からの沢に出合い、そこの岩に明確な「新蛇抜」といった矢印が書かれていました。因みに少し手前にも取り付けそうなところがあり、そこにも踏跡はありました。
それから程なくして、左岸上、森の中に池ノ沢小屋が見えてきます。かつては管理人もいたが、東俣林道の崩壊とともに廃小屋となったというようなことを聞いていたのですが、小屋の中の置き手紙を見てみると、現在なお管理人はいるようです。「2013年4月27日より山に入っています。秋口に戻ります。」と言ったようなことが書かれていました。さて、ここで昼食としまして、これからの雪投沢の登りに備えます。
雪投沢の入渓点にはやはり目印がありましたが、出合は非常に地味で狭く、知らなければ登る気にはならないでしょう。しかししばらくいくと、開けはしませんが、やや広くなってきます。雪投沢は水量的には基本踝、深くても膝程度で、倒木多いですが、基本沢の中をじゃぶじゃぶと進んで登って行くことができます。むしろ安易に巻かない方が恐らく楽です。目印は2箇所のみ確認することができましたが、踏跡は全くと言っていいほど見つけることができませんでした。
乗越沢と比較すると、やや歩きにくい感じで、標高が中々稼げませんが、開けてきた頃に一息ついて後ろを振り返ると農鳥岳〜広河内岳の稜線が出迎えてくれます。渓相自体は倒木除けば悪くなく飽きることはありません。標高2550m辺りまで豊かな水量の沢が続いていました。因みに途中休憩がてら全身を洗ったりしてましたw
さて、このまま雪投沢の本流を登って行ってしまうと、ザレに出てしまうので、2550m辺りの沢の分岐で右を取ります(実はこれが失敗? 因みにこの分岐点辺りに一張分のテントサイトがあり、水量豊かなここに張るのも悪くないかもしれません。ここ以降たくさんのテント場がありましたが、水場がすぐ近くにあるのはここだけでした。
話は戻りまして、枝沢を進んで行きますが、この沢はすぐに枯れます。更に藪が煩くなってきて右にも左にも行けず、枯れ沢を進んで行くしかなくなりますが、この沢にゴミがたくさん落ちていたせいでそのまま先に気合で進んで行ってしまいました。すると上部の開けたテントサイトに出ますが、水の気配はもはやありません。
ここにザックをデポしてまずは踏跡に従って樹林帯の中に入っていってみますが、次々テントサイトが現れるだけで水の気配はなし。次に地図上の水場を求めて稜線に上がり、塩見岳方面へ熊ノ平方面へしばらく進んでみますが、そういった指標はなく無駄骨でした。仕方なくザックを回収して森の中を標高を極力落とさずに適当に進んで雪投沢本流まで出ます。ちょうどここが流れが始まっていると言える箇所で、知っていればここまで雪投沢を上がってくるべきだったでしょう。まぁ知らなかったので仕方ありません。そしてこの水は冷たくて非常に美味しいです。
さて、テントサイトの最上部2670m辺りにこの日はテントを張ることにします。稜線外(稜線には明確な幕営禁止の標識がある)であってもこの付近にテントを張るのは禁止されているのかもしれませんが(ただ稜線から少し東俣方面に降りると国立公園からは外れる)、時間内で予定ほどは進めなかったので仕方ありません。もう遅いので、夕食にカレーと東俣で会った釣り人に頂いた岩魚をふんだんに入れた味噌汁を飲んで就寝とします。岩魚美味しくいただかせてもらいました。
8/10
午前2時頃目覚めると星空が綺麗。しかし、それから午前3時頃まで記録を書いていると、外はややガスりはじめ始め、テントが揺さぶられ中々寝付けなくなります。結局あまり寝付けなかったので、まともに起きたのは午前5時頃。朝食をとって出発は6:15となってしまいました。しかし、目覚めた頃から稜線から声がし、塩見岳の方へ向かって行かれるパーティーがいるので驚きます。まさか熊ノ平小屋から来たのでしょうか。
さて、昨日の行程が厳しかったせいか筋肉痛が酷く、中々足が上がりません。それでも前日以上の展望の助けを借りて力を振り絞って、何とか1時間で山頂へ。
塩見岳は南アのど真ん中的な展望が得られる場所で、北側には甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳とオールスターズが見られます。南側は悪沢岳・荒川岳の素晴らしい展望が得られますが、そいつらに隠されて南アルプス南部のオールスターズまでは見られません。
さて、しばらく展望を楽しんでいましたが、先ほどのパーティーに話かけてみます。すると夜のうちに熊ノ平小屋を出てここまで来たとのこと、そして更に聞いてみると早稲田山岳アルコウ会とのことで、らいすさんもいらっしゃいました。何やら何処かに忘れて来たメモを取りの戻ってしまいましたが。
山頂から塩見沢下降点は何処がいいかなどとずっと考えていますが、中々よさげなところがありません。結局鞍部からガレを下って行く感じになるのでしょうか。
果たしてそうでした。上部ガレは問題なく早々に突破しますが、少し行くとハイマツとの戦いになります。枯れ沢を上手く選べばまだマシですが、外したら死亡でしょうw まぁ外すことはないと思いますが。この藪漕ぎは標高2700m辺りまで続きます。
その後2630m付近で漸く水の流れが確認できましたので、ここで大量に補給と行きました。実は魚を洗うのなどに使用してしまって水が殆ど(ry
生き返ったところでガンガン標高を落とします。沢は再び枯れ沢に戻りますが、再度流れが出てきたところからはやや下りにくそうなので、地図上で塩見沢の川マークが消え二俣に分かれる辺りまでは、その間の尾根を下って行きました。そして標高2400m辺りで沢身に入りました。
塩見沢の二俣までは倒木が激しいですが、地図上で川になっている辺りからは倒木も殆どなくなり、豊かな渓相を見せるようになります。ただ小滝が多く面倒で中々標高が落とせません。この辺登りのが楽でしょうが、登りだと上部の藪地帯があるので、どうかな。
さて時間がかかってしまいましたが、11時頃中俣の本流と出合います。なおもしばらくは豊かな渓相が続きますが、これ以降も踏跡は気配すら残っておらず、かなり手こずります。
西池ノ沢が近づいてくると渓相はガラリと変わり、普通の川といった感じに。全て東池ノ沢の崩壊の影響でしょうか。代わりにこの辺りからは河原を普通に歩けるようになります。
西池ノ沢出合辺りで12時近くになったので昼食とします。西池ノ沢の水が中々美味しかったので、ここで再度補給といきます。体を洗ったりしてたら1時間も経ってしまいましたが、この辺りで計画時のルートはキツいなと考え始め、今夜は西俣慣合泊で翌日荒川岳まで上がるか、同じくもう足もかなりキツいので慣合か二軒小屋泊で翌日下山かなどと考え始めます。
歩き出してすぐに東池ノ沢の大崩壊地が迫ってきました。これは凄いです。こいつの影響と思しきもののおかげで、この辺りは割とサクサク歩けます。ただこれ以降もこんな感じの川だったら面白くないななどと思っていたのですが、沢が大きく左に折れていく辺りで再度渓相が戻り、右岸に左岸に滝が落ち、仲俣本流も多くの小滝を落としつつ流れていきます。
ここから北俣の出合までがハイライトと言った感じですが、渓相は素晴らしい代わりにやはり思うようには進めません。浅いところを狙っても膝下、滝つぼなど深いところでは腰以上埋まるでしょうから、滝はもうどんなに小さくても巻くしかありません。塩見沢では直滑降でもよかったのですがね。巻道もほぼ残っていないので、自分で見極めて気合で下っていくしかありませんね。渓相が素晴らしいのが救いです。
北俣出合付近で2人の山ヤか沢ヤかと思しき人たちに遭遇します。北俣はまだかなどと聞かれたのでやや不安になりましたが、一泊の行程で東池ノ沢の崩壊地まで抜けて翌日は来た道を引き返すとのことでした。
北俣出合まで来たところでほっと一息。ここからも水量多く道はありませんが、比較的進みやすく、30分ほどで西俣慣合に出ました。
さて、現時点で15時過ぎです。色々と悩みましたが、足が割と死んでいる気がするので、内無沢は諦めて下山することとしました。テン泊地は中俣を歩いているうちは西俣慣合もありだとおも思っていましたが、実際に目の当たりにして気が変わりました。雰囲気がよくありません。到着遅くなってしまうかもしれませんが、二軒小屋へGoです。
二俣慣合では対岸の堤体の上に上がらねばならないのですが、この橋が崩落していて、容易には上がれなくなっていました。そのうち橋からでは完全に上がれなくなるでしょうね。そうなれば堤体についている梯子で上がるしかありませんが、ここは水量的に恐らく泳ぐしかないでしょうw
慣合からは林道が多く残っていたので比較的サクサクでした。途中崩壊地を横切るところだけ注意が必要で、非常に危険なところもありました。こういったところは一度西俣まで降りた方がいいかもしれませんね。
二軒小屋から4km辺りのところにある工事現場までずっと右岸通しで行けたようなのですが、途中あまり歩きたくないような形で林道が崩壊している箇所があったので、ここで左岸へ渡り、工事現場辺りで右岸に戻りました。慣合で登山靴に履き替えてしまったので、靴がずぶ濡れになってしまい、ちょっと後悔ですが。
工事現場からは新しくできた林道が利用できたのでサクサクでしたが、同時にちょっと怠かったです。二軒小屋で受付を済ませ、晩飯を食べて睡眠。流石に飲み物が安いですね。
8/11
二軒小屋から伝付峠までのうんざりする登りと思っていたのですが、案外登りやすく1時間ほどで伝付峠に出ます。伝付峠展望台まで行き、南ア南部の山々を堪能してから下山といきます。
伝付峠に戻ったところで荷物をデポして水を汲みに行っていたと思しき登山者に出会いますが、これから白峰南嶺を北にずっと進んでいかれるそうです。わざわざデポして汲みに行っていたということは笊の方から来られたのでしょうか。ザックも異様に大きかったので、北岳まで向かわれる気配がします。頑張ってください。
伝付峠からはバス停に30分前到着くらいになるよう調整しつつ下ります。しかしすぐに内河内沢に出合い、そこからも見知った道で割と速いペースで進んで行けてしまいます。前回は楽しく話しながら進んでいたのであまり気づきませんでしたが、これは直ったとはいえ危険なルートなのは間違いないと悟りました。仮に登山地図に乗るとしても点線ルート、しかし、それよりも些か厳しいように感じました。
さて、内河内沢から離れたところからが新ルートで、峠まで本旅最後の登り。非常に辛かったですが、何とか登りきり、でも気は抜けません。ここから隣沢までの下りが最も危険なのです。あり得んくらい危険です。沢に降りるまで何処を取っても滑落の危険が大きく、落ちたら大怪我、もしくは死でしょう。出来れば下りでは避けたいと思いつつも下ります。
沢まで降りたところでホッと一息。もう危険なところはありません。河原を適当に歩いてからは林道です。
予定通り伝付峠入口バス停に奈良田行バス通過30分前に到着し、バスに乗っていざ奈良田温泉へ。温泉で綺麗さっぱり、着替えもまだ使用していなかったので、完全にさっぱりです。ただ一つ登山靴が濡れている点を除けばw
奈良田温泉からはバスで下部温泉駅まで行き、そこから電車ですが、バスが明らかに満員。そこでジャンボタクシーが出ることになり、僕は荷物をバスにデポしてタクシーで下部温泉駅へ向かいました。下部温泉駅でザックを回収してからは1時間半暇だったので、こうして記録を書いているわけですw
悪沢岳に登れなかったのは残念だが、長年夢見てきた東俣と西俣を堪能できたのは非常によかった。またそれでいてちゃんと3000m峰2座の頂を踏め、いずれも快晴で展望を楽しめたのもよかった。こうして大井川源流域から抜け出せなくなっていくわけですが。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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沢ルートだとやっぱり夏向きで涼しげですね。でもこのルートで沢だとかなり大変そうですね。
流石Evergreenさんならではのコース取りですね
Futaroさん
夏は登りが非常に暑いので、沢ルートを絡めることを常に考えています。今回は今までで一番厳しい縦走とはなりましたが、それだけに充実感は得られました。爽快でしたしねw
Evergreenさん、こんにちは。
素晴らしい記録拝見させていただきました。
いつか自分もこのようなコースを行ってみたいと夢見ています。
ところで8/10夜、二軒小屋でニアミスしていたようです
Evergreenさんが到着された頃、自分は芝生の木のテーブルで
生ビールと弁当を楽しんでいました
たしかにテントは2張りほどあったような?自分は登山小屋でした。
ご挨拶できなかったのはとても残念ですが、またきっと南アでお会いできるでしょう
ebi0813さん
おお、あそこでゆっくりしていた方がebiさんだったんですね。お声をおかけすればよかったです。
蝙蝠尾根お疲れ様でした。僕もいつか登りたいものです。
そうですね。ほぼ毎月のように南アには足を踏み入れているのでお会いする機会はまだまだあると思います。
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