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Yamareco

記録ID: 332906
全員に公開
アルパインクライミング
剱・立山

剱岳・八ツ峰妻Cフェース剣稜会ルート〜チンネ左稜線〜北方稜線

2013年08月10日(土) ~ 2013年08月13日(火)
 - 拍手
体力度
9
2~3泊以上が適当
GPS
77:30
距離
27.7km
登り
3,821m
下り
4,003m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

<8月10日>
黒部ダム(7:15)-内蔵助谷出合(8:15)-内蔵助平(10:10)-ハシゴ谷乗越(12:00)-真砂沢(13:00)
<8月11日>
真砂沢(4:40)-長次郎谷出合(5:20)-Cフェース剣稜会ルート取付(7:30)-終了点(10:30)-池ノ谷乗越(12:30)-三ノ窓(13:10)
<8月12日>
三ノ窓(4:30)-チンネ左稜線取付(5:00)-終了点(10:00)-三ノ窓(11:10)-小窓(13:20)-池の平小屋(14:50)
<8月13日>
池の平小屋(5:20)-仙人池(6:15)-二股(8:00)-ハシゴ谷乗越(10:30)-内蔵助谷出合(13:40)-黒部ダム(15:10)-黒部ダム展望台(15:25)
天候 8月10日 晴れ時々くもり
8月11日 晴れ
8月12日 晴れ
8月13日 晴れ
過去天気図(気象庁) 2013年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
扇沢無料駐車場を利用
コース状況/
危険箇所等
<熊の岩状況>
8月10日内蔵助平付近ですれ違ったパーティーに、9日時点での熊の岩テント数が10張りであったとの情報を入手し、真砂沢止まりとすることに決めた。
翌日Cフェース登攀中に数えてみると11張りが確認できた。それ以上は雪渓上に張ることになるかもしれない。

<岩の雪崩発生>
8月11日三ノ窓到着直後に池ノ谷ガリー方面からの「ラクッ!」の掛け声が聞こえる。その後豪快な音と土埃を上げながら多量の岩が雪崩のようになって池ノ谷左俣方面へ落ちていった。あんなものに巻き込まれたら為す術もないだろう。
ガリー進入時にakashoubin隊長から「ここは慎重に行くけど、すばやく抜けるよ」との注意があったが、全くその通りだ。

<熊出没>
8月13日長郎次谷出合から黒部ダムへ向かう途中で熊に遭遇。熊の方が一目散に逃げ出してくれたため難を逃れる。
扇沢無料駐車場はほぼ満車。運良くとめることができました。
2013年08月10日 05:54撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/10 5:54
扇沢無料駐車場はほぼ満車。運良くとめることができました。
満員のトロリーバスにのって黒部ダムに到着。
2013年08月10日 07:03撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/10 7:03
満員のトロリーバスにのって黒部ダムに到着。
いざ出発。
2013年08月10日 07:16撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/10 7:16
いざ出発。
ここからダム下方へ向かいます。
2013年08月10日 07:24撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/10 7:24
ここからダム下方へ向かいます。
黒部川を渡る。
2013年08月10日 07:37撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/10 7:37
黒部川を渡る。
下ノ廊下らしい景色です。
2013年08月10日 08:10撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/10 8:10
下ノ廊下らしい景色です。
内蔵助平の沢で水を補給します。とても冷たい。
2013年08月10日 10:12撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/10 10:12
内蔵助平の沢で水を補給します。とても冷たい。
ハシゴ谷乗越を通過。
2013年08月10日 11:58撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/10 11:58
ハシゴ谷乗越を通過。
三ノ沢出合には雪渓がビッシリ。
2013年08月10日 12:51撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/10 12:51
三ノ沢出合には雪渓がビッシリ。
真砂沢ロッジで乾杯。
2013年08月10日 14:14撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/10 14:14
真砂沢ロッジで乾杯。
Cフェース取付を目指して長次郎谷へ向かいます。
2013年08月11日 05:17撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 5:17
Cフェース取付を目指して長次郎谷へ向かいます。
長次郎谷の雪渓歩きが長いのなんの。
2013年08月11日 07:03撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 7:03
長次郎谷の雪渓歩きが長いのなんの。
取り付きに到着。
2013年08月11日 07:31撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 7:31
取り付きに到着。
前が詰まっているのでのんびり登ります。
2013年08月11日 08:08撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 8:08
前が詰まっているのでのんびり登ります。
八ツ峰絞
2013年08月11日 08:09撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 8:09
八ツ峰絞
熊の岩はテントびっしり。
2013年08月11日 08:15撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 8:15
熊の岩はテントびっしり。
高度感が出てきました。
2013年08月11日 08:46撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 8:46
高度感が出てきました。
八ツ峰妻Cフェース剣稜会ルート3ピッチ目。隊長リード中。
2013年08月11日 09:05撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 9:05
八ツ峰妻Cフェース剣稜会ルート3ピッチ目。隊長リード中。
登攀終了
2013年08月11日 10:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 10:34
登攀終了
奥に剱岳本峰が見えてきました。
2013年08月11日 10:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/11 10:34
奥に剱岳本峰が見えてきました。
登って来た長次郎雪渓が遙か下方に見えます。
2013年08月11日 10:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 10:34
登って来た長次郎雪渓が遙か下方に見えます。
八ツ峰を縦走します。
2013年08月11日 10:46撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 10:46
八ツ峰を縦走します。
三ノ窓ではライチョウ親子が出迎えてくれました。
2013年08月11日 14:38撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/11 14:38
三ノ窓ではライチョウ親子が出迎えてくれました。
チンネ左稜線2ピッチ目取付
2013年08月12日 05:08撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 5:08
チンネ左稜線2ピッチ目取付
日の出です
2013年08月12日 05:08撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 5:08
日の出です
取り付きからみる三ノ窓
2013年08月12日 05:09撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 5:09
取り付きからみる三ノ窓
快晴でとても気持ちの良い登攀が続きます。
2013年08月12日 06:30撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 6:30
快晴でとても気持ちの良い登攀が続きます。
三ノ窓では雪渓上部右側の大きな切れ目で水が取れました。時間が遅いと取れないと思います。
2013年08月12日 06:39撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 6:39
三ノ窓では雪渓上部右側の大きな切れ目で水が取れました。時間が遅いと取れないと思います。
ピークを見上げます。まだまだあるな…。
2013年08月12日 06:39撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 6:39
ピークを見上げます。まだまだあるな…。
核心部
2013年08月12日 08:14撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 8:14
核心部
終了点に到着。
2013年08月12日 10:07撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 10:07
終了点に到着。
北方稜線を小窓に向かいます。傾斜のある雪渓横断など道はかなり悪いです。
2013年08月12日 12:07撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/12 12:07
北方稜線を小窓に向かいます。傾斜のある雪渓横断など道はかなり悪いです。
小窓。ここからアイゼンを付けて雪渓を下ります。
2013年08月12日 13:32撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/12 13:32
小窓。ここからアイゼンを付けて雪渓を下ります。
池の平小屋はお花畑になってました。
2013年08月12日 14:55撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/12 14:55
池の平小屋はお花畑になってました。
平ノ池
2013年08月12日 14:56撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/12 14:56
平ノ池
夕日に浮かぶ八ツ峰に乾杯
2013年08月13日 05:24撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/13 5:24
夕日に浮かぶ八ツ峰に乾杯
仙人池に映る八ツ峰
2013年08月13日 06:18撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/13 6:18
仙人池に映る八ツ峰
二股吊橋
2013年08月13日 08:04撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/13 8:04
二股吊橋
ハシゴ谷乗越
2013年08月13日 10:28撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/13 10:28
ハシゴ谷乗越
丸山東壁
2013年08月13日 13:24撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/13 13:24
丸山東壁
内蔵助出合まで下りてきました。ここを右手に行くと下ノ廊下。
2013年08月13日 13:37撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/13 13:37
内蔵助出合まで下りてきました。ここを右手に行くと下ノ廊下。
クマさんに出会ってしまいましたが、生きて戻ってきました。
2013年08月13日 14:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/13 14:34
クマさんに出会ってしまいましたが、生きて戻ってきました。
放水のしぶきは1キロ手前くらいまで飛んできていました。すごい。
2013年08月13日 14:35撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/13 14:35
放水のしぶきは1キロ手前くらいまで飛んできていました。すごい。
黒部ダムについてからもどんどん登ります。
2013年08月13日 15:27撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
8/13 15:27
黒部ダムについてからもどんどん登ります。
展望台で初めての剱岳遠征を終えました。
2013年08月13日 15:27撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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8/13 15:27
展望台で初めての剱岳遠征を終えました。
撮影機器:

感想

今回は剱岳東面の岩場に挑戦してきました。

黒部ダムからハシゴ谷乗越経由で入山し、フル装備を担いで妻Cフェースから八ツ峰を縦走。三ノ窓をBCとしてチンネ左稜線を登攀し、またフル装備を担いで北方稜線から小窓経由で池の平小屋へ縦走します。最後に仙人新道を下り、ハシゴ谷乗越を登り返して黒四ダムに下るというこれまでshironekoが経験した遠征のなかで最もハードな計画です。

【1日目:黒四ダム〜内蔵助平〜ハシゴ谷乗越〜真砂沢ロッジ】
期待と不安に揺れながら黒四ダムを出発します。厳しい日差しの下を汗だくになりながら真砂沢を目指します。もし熊の岩が空いて水がとれるようであればそこまで行くオプションもありましたが、すれ違うパーティーからの情報で水は取れるが混雑しているということでしたので真砂沢止まりで決定です。
想像以上に汗をかいてしまったためやや塩分不足に陥りつつも真砂沢に到着し、小屋で仕入れたビールで乾杯。翌日以降も続くハードな行程に備えて早めの就寝となりました。

【2日目:真砂沢ロッジ〜八ツ峰妻Cフェース〜池ノ谷乗越〜三ノ窓】
ここより一般ルートから離れ、常に危険と隣り合わせの行程が続きます。
熊の岩を目指しアイゼンを付けて長次郎雪渓を登ります。長い登りですがCフェース以降の行程を考えるとここで体力を消費するわけにもいかず、ゆっくりと一定のペースで雪渓を詰めていきます。
Cフェース取付に到着すると既にルートは混雑していました。登攀準備を整えてじゃんけんをし、勝った方のakashoubin隊長のリードで登り始めます。
重装備での登攀は供銑卦蕕離團奪舛靴ないルートでも厳しく、岩から体が剥がされないよう慎重に登っていきます。
Cフェースは難なく突破しましたが、その後の八ツ峰縦走が厳しかった…。
砂がのって滑るスラブをトラバースしているときに落石が体をかすめて肝を冷やします。慎重に歩みを進めてようやく池ノ谷乗越に到着しますが、ここから池ノ谷ガリーの下り…。気の抜けない状況が続きます。
三ノ窓に着いて一安心した直後に、今下りて来たばかりのガリーで大規模な岩の雪崩が発生。
今日はどちらかというと人為的原因による危険に一日中さらされていた感じがしました。自分も気をつけないと…。

テントを設置して少し下った所にある雪渓の切れ目から滴り落ちる水を汲み、食事を済ませて就寝となりました。

【3日目:三ノ窓〜チンネ左稜線〜三ノ窓〜小窓〜池の平小屋】
まだ薄暗いうちからヘッドランプを付けて雪渓を下り、チンネ左稜線の取付に到着します。1ピッチ目は雪に埋まっていたので、2ピッチ目元蕕らのスタートです。またじゃんけんに負けたshironekoでしたが、勝者akashoubin隊長が突如リードする権利を放棄しちゃったので、shironekoリードで登攀開始。荷物が軽いのでどのピッチもわりと楽に感じちゃいますね。
核心部の小ハング越えはツルベの順番どおりakashoubin隊長リードで突破。
チンネのピークからは懸垂下降を繰り返して池ノ谷ガリーに降り、三ノ窓に戻ります。ここからが長いのでサッサとパッキングを済ませて池ノ平小屋に向かいます。

小窓雪渓から池ノ平小屋への道は雪渓下方に向かって左側に大きな印があります。何であんな大きな印に気付かないのでしょうか、印の目の前でGPSを取り出して位置を確認してしまいました。途中から並行していたお兄さんも不思議そうな顔で僕等を眺めつつつ、印に向かって真っ直ぐ歩いて行きました。

まぁいろいろありましたが、安全に突破できたことにはかわりません。
またまた小屋でビールを仕入れて乾杯。うまい。

【4日目:池の平小屋〜仙人池ヒュッテ〜池ノ谷乗越〜黒四ダム】
最終日は仙人池やハシゴ谷乗越展望台、黒部ダム展望台の観光コースを楽しむことにします。連日歩き通していい加減足が棒になっていますが、歯を食いしばってハシゴ谷乗越を越えます。
ゴール間近の黒部ダム手前でakashoubin隊長が突然手をパンパン叩いて吠え出します。気の小さいshironekoは「クマさん?」と思い一瞬頭が真っ白になりますが、崖上に逃げるクマさんの落石音を聞いて一安心。
隊長によると丸々太った大きな熊だったそうです。
臆病なクマさんで良かった。
それにしても冷静に追っ払う隊長がすごい。


急遽決まった剱岳遠征でしが、天候に恵まれて景色も良くとても充実した日々を過ごすことができました。

akashoubin隊長ありがとうございました。

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