剱岳・八ツ峰妻Cフェース剣稜会ルート〜チンネ左稜線〜北方稜線
- GPS
- 77:30
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 3,821m
- 下り
- 4,003m
コースタイム
黒部ダム(7:15)-内蔵助谷出合(8:15)-内蔵助平(10:10)-ハシゴ谷乗越(12:00)-真砂沢(13:00)
<8月11日>
真砂沢(4:40)-長次郎谷出合(5:20)-Cフェース剣稜会ルート取付(7:30)-終了点(10:30)-池ノ谷乗越(12:30)-三ノ窓(13:10)
<8月12日>
三ノ窓(4:30)-チンネ左稜線取付(5:00)-終了点(10:00)-三ノ窓(11:10)-小窓(13:20)-池の平小屋(14:50)
<8月13日>
池の平小屋(5:20)-仙人池(6:15)-二股(8:00)-ハシゴ谷乗越(10:30)-内蔵助谷出合(13:40)-黒部ダム(15:10)-黒部ダム展望台(15:25)
天候 | 8月10日 晴れ時々くもり 8月11日 晴れ 8月12日 晴れ 8月13日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<熊の岩状況> 8月10日内蔵助平付近ですれ違ったパーティーに、9日時点での熊の岩テント数が10張りであったとの情報を入手し、真砂沢止まりとすることに決めた。 翌日Cフェース登攀中に数えてみると11張りが確認できた。それ以上は雪渓上に張ることになるかもしれない。 <岩の雪崩発生> 8月11日三ノ窓到着直後に池ノ谷ガリー方面からの「ラクッ!」の掛け声が聞こえる。その後豪快な音と土埃を上げながら多量の岩が雪崩のようになって池ノ谷左俣方面へ落ちていった。あんなものに巻き込まれたら為す術もないだろう。 ガリー進入時にakashoubin隊長から「ここは慎重に行くけど、すばやく抜けるよ」との注意があったが、全くその通りだ。 <熊出没> 8月13日長郎次谷出合から黒部ダムへ向かう途中で熊に遭遇。熊の方が一目散に逃げ出してくれたため難を逃れる。 |
写真
感想
今回は剱岳東面の岩場に挑戦してきました。
黒部ダムからハシゴ谷乗越経由で入山し、フル装備を担いで妻Cフェースから八ツ峰を縦走。三ノ窓をBCとしてチンネ左稜線を登攀し、またフル装備を担いで北方稜線から小窓経由で池の平小屋へ縦走します。最後に仙人新道を下り、ハシゴ谷乗越を登り返して黒四ダムに下るというこれまでshironekoが経験した遠征のなかで最もハードな計画です。
【1日目:黒四ダム〜内蔵助平〜ハシゴ谷乗越〜真砂沢ロッジ】
期待と不安に揺れながら黒四ダムを出発します。厳しい日差しの下を汗だくになりながら真砂沢を目指します。もし熊の岩が空いて水がとれるようであればそこまで行くオプションもありましたが、すれ違うパーティーからの情報で水は取れるが混雑しているということでしたので真砂沢止まりで決定です。
想像以上に汗をかいてしまったためやや塩分不足に陥りつつも真砂沢に到着し、小屋で仕入れたビールで乾杯。翌日以降も続くハードな行程に備えて早めの就寝となりました。
【2日目:真砂沢ロッジ〜八ツ峰妻Cフェース〜池ノ谷乗越〜三ノ窓】
ここより一般ルートから離れ、常に危険と隣り合わせの行程が続きます。
熊の岩を目指しアイゼンを付けて長次郎雪渓を登ります。長い登りですがCフェース以降の行程を考えるとここで体力を消費するわけにもいかず、ゆっくりと一定のペースで雪渓を詰めていきます。
Cフェース取付に到着すると既にルートは混雑していました。登攀準備を整えてじゃんけんをし、勝った方のakashoubin隊長のリードで登り始めます。
重装備での登攀は供銑卦蕕離團奪舛靴ないルートでも厳しく、岩から体が剥がされないよう慎重に登っていきます。
Cフェースは難なく突破しましたが、その後の八ツ峰縦走が厳しかった…。
砂がのって滑るスラブをトラバースしているときに落石が体をかすめて肝を冷やします。慎重に歩みを進めてようやく池ノ谷乗越に到着しますが、ここから池ノ谷ガリーの下り…。気の抜けない状況が続きます。
三ノ窓に着いて一安心した直後に、今下りて来たばかりのガリーで大規模な岩の雪崩が発生。
今日はどちらかというと人為的原因による危険に一日中さらされていた感じがしました。自分も気をつけないと…。
テントを設置して少し下った所にある雪渓の切れ目から滴り落ちる水を汲み、食事を済ませて就寝となりました。
【3日目:三ノ窓〜チンネ左稜線〜三ノ窓〜小窓〜池の平小屋】
まだ薄暗いうちからヘッドランプを付けて雪渓を下り、チンネ左稜線の取付に到着します。1ピッチ目は雪に埋まっていたので、2ピッチ目元蕕らのスタートです。またじゃんけんに負けたshironekoでしたが、勝者akashoubin隊長が突如リードする権利を放棄しちゃったので、shironekoリードで登攀開始。荷物が軽いのでどのピッチもわりと楽に感じちゃいますね。
核心部の小ハング越えはツルベの順番どおりakashoubin隊長リードで突破。
チンネのピークからは懸垂下降を繰り返して池ノ谷ガリーに降り、三ノ窓に戻ります。ここからが長いのでサッサとパッキングを済ませて池ノ平小屋に向かいます。
小窓雪渓から池ノ平小屋への道は雪渓下方に向かって左側に大きな印があります。何であんな大きな印に気付かないのでしょうか、印の目の前でGPSを取り出して位置を確認してしまいました。途中から並行していたお兄さんも不思議そうな顔で僕等を眺めつつつ、印に向かって真っ直ぐ歩いて行きました。
まぁいろいろありましたが、安全に突破できたことにはかわりません。
またまた小屋でビールを仕入れて乾杯。うまい。
【4日目:池の平小屋〜仙人池ヒュッテ〜池ノ谷乗越〜黒四ダム】
最終日は仙人池やハシゴ谷乗越展望台、黒部ダム展望台の観光コースを楽しむことにします。連日歩き通していい加減足が棒になっていますが、歯を食いしばってハシゴ谷乗越を越えます。
ゴール間近の黒部ダム手前でakashoubin隊長が突然手をパンパン叩いて吠え出します。気の小さいshironekoは「クマさん?」と思い一瞬頭が真っ白になりますが、崖上に逃げるクマさんの落石音を聞いて一安心。
隊長によると丸々太った大きな熊だったそうです。
臆病なクマさんで良かった。
それにしても冷静に追っ払う隊長がすごい。
急遽決まった剱岳遠征でしが、天候に恵まれて景色も良くとても充実した日々を過ごすことができました。
akashoubin隊長ありがとうございました。
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