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Yamareco

記録ID: 7164090
全員に公開
アルパインクライミング
剱・立山

ソロ剱岳 早月尾根 チンネ左稜線 八ツ峰上半(Eフェース)

2024年08月19日(月) ~ 2024年08月22日(木)
 - 拍手
体力度
9
2~3泊以上が適当
GPS
42:23
距離
20.7km
登り
3,709m
下り
3,699m
歩くペース
ゆっくり
1.41.5
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
12:52
休憩
1:20
合計
14:12
距離 7.6km 登り 2,287m 下り 50m
3:47
73
5:00
5:00
160
9:31
9:38
87
11:05
11:05
7
11:13
11:53
132
14:05
14:10
122
16:13
16:32
39
17:11
17:18
42
18:00
0
2日目
山行
6:28
休憩
5:12
合計
11:40
距離 2.8km 登り 729m 下り 830m
18:00
2
8:29
8:35
61
9:36
10:47
4
10:52
11:00
10
11:10
11:12
8
11:19
11:38
285
16:24
19:49
18
3日目
山行
5:12
休憩
3:40
合計
8:52
距離 5.2km 登り 676m 下り 1,339m
20:07
1
13:15
13:18
16
13:33
16:28
37
17:05
17:15
7
17:22
17:34
21
17:55
18:03
20
18:23
18:29
17
18:46
18:46
67
19:53
19:59
126
22:05
4日目
山行
4:52
休憩
0:20
合計
5:12
距離 5.1km 登り 17m 下り 1,480m
22:05
3
6:21
6:27
57
7:24
7:30
84
10:36
10:36
53
11:30
過去天気図(気象庁) 2024年08月の天気図
アクセス
早月尾根から登る
2024年08月19日 03:52撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 3:52
早月尾根から登る
ビバークできそうな場所
2024年08月19日 11:05撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 11:05
ビバークできそうな場所
2024年08月19日 13:07撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 13:07
2024年08月19日 13:36撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 13:36
2024年08月19日 14:04撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 14:04
2024年08月19日 15:03撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 15:03
2024年08月19日 16:12撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 16:12
2024年08月19日 16:12撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 16:12
2024年08月19日 16:19撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 16:19
2024年08月19日 16:33撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 16:33
2024年08月19日 16:34撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 16:34
2024年08月19日 17:08撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 17:08
2024年08月19日 17:14撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 17:14
2024年08月19日 17:15撮影 by  iPhone 11, Apple
8/19 17:15
山頂付近でビバークさせてもらった。
2024年08月20日 06:10撮影 by  iPhone 11, Apple
1
8/20 6:10
山頂付近でビバークさせてもらった。
北方稜線へ
2024年08月20日 07:21撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 7:21
北方稜線へ
これが長次郎の頭?
2024年08月20日 08:30撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 8:30
これが長次郎の頭?
北方稜線にもビバークできそうな場所が。
3人用テント一つはいけそう。
2024年08月20日 08:57撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 8:57
北方稜線にもビバークできそうな場所が。
3人用テント一つはいけそう。
2024年08月20日 09:14撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 9:14
池谷乗越
2024年08月20日 09:28撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 9:28
池谷乗越
池谷ガリー
2024年08月20日 10:48撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 10:48
池谷ガリー
三の窓が見えてくる
2024年08月20日 11:11撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 11:11
三の窓が見えてくる
三の窓
テント張れる場所がたくさんある
2024年08月20日 11:17撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 11:17
三の窓
テント張れる場所がたくさんある
三の窓
テント張れる場所がたくさんある
2024年08月20日 11:19撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 11:19
三の窓
テント張れる場所がたくさんある
チンネが見えた。
この左稜線からずっとシルエット沿いに登っていく。
2024年08月20日 11:48撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 11:48
チンネが見えた。
この左稜線からずっとシルエット沿いに登っていく。
チンネ
2024年08月20日 11:48撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 11:48
チンネ
取り付きの目印になる逆四の字
2024年08月20日 12:00撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 12:00
取り付きの目印になる逆四の字
ロープソロシステム
2024年08月20日 12:27撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 12:27
ロープソロシステム
1ピッチ目
Ⅳ級凹角
2024年08月20日 12:27撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 12:27
1ピッチ目
Ⅳ級凹角
2024年08月20日 13:54撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 13:54
3ピッチ目
草付きバンド
2024年08月20日 14:13撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 14:13
3ピッチ目
草付きバンド
4ピッチ目
フェイス終了点
2024年08月20日 14:24撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 14:24
4ピッチ目
フェイス終了点
終了点まで来たらフィックスしてラペリング
2024年08月20日 14:32撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 14:32
終了点まで来たらフィックスしてラペリング
チンネ左稜線の核心、通称「鼻」Ⅴ級
2024年08月20日 16:06撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 16:06
チンネ左稜線の核心、通称「鼻」Ⅴ級
鼻から次のピッチの凹角まで繋げて降りて来た。
2024年08月20日 16:37撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 16:37
鼻から次のピッチの凹角まで繋げて降りて来た。
2024年08月20日 16:44撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 16:44
2024年08月20日 16:44撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 16:44
2024年08月20日 16:59撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 16:59
クレオパトラニードル
2024年08月20日 17:21撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 17:21
クレオパトラニードル
チンネももうすぐ終わる
立林したリッジを水平に進んでいく
2024年08月20日 17:21撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 17:21
チンネももうすぐ終わる
立林したリッジを水平に進んでいく
2024年08月20日 17:30撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 17:30
2024年08月20日 17:37撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 17:37
チンネの頭
これでチンネ左稜線おわり
2024年08月20日 17:40撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 17:40
チンネの頭
これでチンネ左稜線おわり
長次郎谷
だいぶ雪渓は溶けている
2024年08月21日 09:38撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 9:38
長次郎谷
だいぶ雪渓は溶けている
多分Ⅵ峰Eフェース
(Cフェースだと思っていた)
2024年08月21日 09:54撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 9:54
多分Ⅵ峰Eフェース
(Cフェースだと思っていた)
リングボルトが二つある。
Cフェース剣稜会ルートの取り付きだと思っていた。
2024年08月21日 10:15撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 10:15
リングボルトが二つある。
Cフェース剣稜会ルートの取り付きだと思っていた。
Eフェースの途中
ガレガレの草付きだらけ
2024年08月21日 10:49撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 10:49
Eフェースの途中
ガレガレの草付きだらけ
Eフェースの途中
2024年08月21日 10:49撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 10:49
Eフェースの途中
Eフェースの頭に出た
2024年08月21日 11:15撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 11:15
Eフェースの頭に出た
ここから八ツ峰上半縦走開始
2024年08月21日 11:16撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 11:16
ここから八ツ峰上半縦走開始
Ⅶ峰のラペリングポイント
2024年08月21日 11:28撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 11:28
Ⅶ峰のラペリングポイント
綺麗な残置スリングとカラビナがあった
(見えてるカラビナは自分のセルフ用)
2024年08月21日 11:34撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 11:34
綺麗な残置スリングとカラビナがあった
(見えてるカラビナは自分のセルフ用)
八ツ峰の頭
2024年08月21日 12:39撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 12:39
八ツ峰の頭
八ツ峰の頭のラペリングポイント
正面に見えるのは北方稜線
2024年08月21日 13:23撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 13:23
八ツ峰の頭のラペリングポイント
正面に見えるのは北方稜線
雪渓をナイフで削って水筒に詰める
2024年08月21日 13:50撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 13:50
雪渓をナイフで削って水筒に詰める
北方稜線から見える八ツ峰
2024年08月21日 16:28撮影 by  iPhone 11, Apple
1
8/21 16:28
北方稜線から見える八ツ峰
2024年08月21日 16:32撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 16:32
北方稜線
2024年08月21日 16:32撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 16:32
北方稜線
北方稜線から見える八ツ峰
2024年08月21日 16:35撮影 by  iPhone 11, Apple
1
8/21 16:35
北方稜線から見える八ツ峰
北方稜線
2024年08月21日 16:39撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 16:39
北方稜線
北方稜線から見える八ツ峰
2024年08月21日 16:41撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 16:41
北方稜線から見える八ツ峰
北方稜線の残置スリング
2024年08月21日 17:11撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:11
北方稜線の残置スリング
2024年08月21日 17:24撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:24
2024年08月21日 17:34撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:34
北方稜線にいた雷鳥
2024年08月21日 17:42撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:42
北方稜線にいた雷鳥
北方稜線から見える八ツ峰
2024年08月21日 17:43撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:43
北方稜線から見える八ツ峰
北方稜線の雪渓
2024年08月21日 17:45撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:45
北方稜線の雪渓
2024年08月21日 17:52撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:52
2024年08月21日 17:55撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 17:55
帰りの剱岳山頂
もう夕方
2024年08月21日 17:56撮影 by  iPhone 11, Apple
1
8/21 17:56
帰りの剱岳山頂
もう夕方
剱岳山頂と日本海の夕陽
2024年08月21日 17:56撮影 by  iPhone 11, Apple
1
8/21 17:56
剱岳山頂と日本海の夕陽
2024年08月21日 18:01撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 18:01
室堂方面
2024年08月21日 18:01撮影 by  iPhone 11, Apple
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8/21 18:01
室堂方面
早月尾根
2024年08月21日 18:05撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 18:05
早月尾根
2024年08月21日 18:09撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 18:09
2024年08月21日 18:23撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 18:23
2024年08月22日 11:25撮影 by  iPhone 11, Apple
8/22 11:25
帰ってきた試練と憧れ
2024年08月22日 11:26撮影 by  iPhone 11, Apple
8/22 11:26
帰ってきた試練と憧れ
撮影機器:

感想

タケムービーさんの動画を参考にソロで早月尾根から剱岳を登り、池谷乗越にペースキャンプを張りチンネ左稜線と八ツ峰上半を登る

予定は
19日 池ノ谷乗越まで行きテント設営
20日 チンネ左稜線
21日 八ツ峰上半(Cフェース剣稜会ルートから)
22日 下山


早月尾根に水場は無く、北方稜線の雪渓も今年の猛暑であるのか不安だったため水を12ℓ。また天気が微妙だしベースキャンプ型で登攀するためツェルトでは無く大きめのテント。ソロクライミングで初めていく場所なので登攀用具も多め。
そんなことをしていたらザックが39kgになった。
85ℓザックにあと少し入りきらなかったので登攀用30ℓザックにも荷物を詰めてザックオンザック。

9月18日
高速を走らせて馬場島登山口に24時頃に到着。
出来るだけ早く起きられるように頑張ろうと思いながら仮眠。

9月19日
3時頃起床し準備。3時40分頃に出発。
早月尾根は急登というかとにかく長い。
39kgを背負っているので歩くのはとても遅く他の登山者にガンガン抜かれる。
雪山と違って足場は土なのだから足を前に出せば進むんだ、自分は牛だと思ってとにかく一歩一歩足を前に出せと自分に言い聞かせながら前に進む。
途中からウエストベルトが擦れて左腰の皮がむけて痛くなった。

12時頃に早月小屋に着きバッチを購入。ベンチで横にならせてもらい休憩する。

再度出発し、早月尾根の岩稜帯へ入っていく。
アルプスの岩稜帯は初めてだがそんなに危険な感じはしない。ザックに振られないように気をつければ落ちる気はしない。

もうすぐ山頂というところでパラパラ雨が降り出す。
山頂に着いて北方稜線に向かうかというところで本降りになってきたので、山頂すぐそばにあったテント2張りくらいできそうな平地でビバーク。
疲労困憊していたのでご飯も食べずに寝る。

9月20日
7時頃に雨も止んできてちょうど起きる。
準備して8時過ぎに出発。
北方稜線に取り付くがこれが思いのほか過酷。早月尾根の岩稜帯よりヒヤッとするところが多く、重いザックに持っていかれそうになりながらアップダウンのある岩稜帯を登ったり降りたりトラバースする。

池谷乗越にやっとつきテントを広げて少し横になる。
すでに結構疲れたがチンネはメイン目標なので登攀具を装備して池谷ガリーを降りて行く。
ガレガレのガリーを何度も滑りながら降りていく。
三の窓に着きやっとチンネが見える。
三の窓雪渓を越えないといけないためチェーンスパイクとピッケル着装。
雪渓はカチカチで一回思いっきり滑り滑落停止姿勢で止まる。ピッケルを持ってきていてよかった。

逆4の字を探すとチンネ左稜線の取り付きは思ったよりすぐ見つかった。

12時頃チンネ左稜線登攀開始。

ロープソロシステムを構築して登る。
快適なⅣ級ピッチから始まり登っていく。雨は乾いたようでフリクションはいい感じ。花崗岩なのもあり下から見てガバだなと思ったとこはその通りガバで浮石も草つきも少ない。人気なのもよくわかる。
ずっとガスっていたので高度感や景色はあまりよくなかった。

5ピッチ目の草付きリッジはⅠ級だしトラバースなのでフリーソロで突破。
その後のⅢ級フェイスはソロシステム構築しようとするがビレイステーションは見当たらないし、Ⅲ級だからかランニングの残置ハーケンも下からはほぼ無さそうに見える。
フェイスというがだいぶ傾斜は寝ているしホールドも豊富にありそう、そしてなにより日の入りまで時間があまりない(ロープソロなので登る、ラペリング、登り返しで1ピッチに1時間弱かかっている)。
そこでフリーソロを敢行。
これが案外快適で浮石が少ないのもありそれほど怖く感じずガンガン進める。
Ⅲ級はフリーソロで行けると判断。

核心のⅤ級の鼻まで来たので流石にロープを再び出す。
カンテからハング超えが核心らしい。
カンテもハングも手はよく効くカチがあるが足が良さそうなのが無くて悩む。
結局フリクションの良さを信じてスローパー気味の岩にスメアリングして行けばサクッと行けた。

その後の凹角、リッジ立林トラバースもガスって無ければ高度感で怖かったかもしれないがガスっているので周りがあまり見えない中をフリーソロで進んでいく。

18時頃チンネの頭到着。
ギリギリ日の入り前にトップアウトできた。
目標にしていたオールフリーノーテン(というか半分以上フリーソロだが)で登れてとても嬉しい。
さすがチンネは日本離れしたスッキリしたロングルートで人気なのもわかる。

ラペリングで降りていくが懸垂点用の残置スリングが少し遠いと思ったのでピナクルにロープをかけてラペリング。
ラペリング準備中にATCを落としてしまい、バックアップのマッシャーとカラビナにロープ巻きつけでラペリングするとこにする。(ATCはそのまま見つからなかった)
下まで降りられたが今度はロープが抜けない。
フリクションの良すぎる花崗岩を懸垂点にするのはよくないようだ。
仕方なくマッシャーをバックアップにしたまま登り返して懸垂点を残置スリングに付け替えてラペリング。
この作業が精神的にも体力的にもかなり疲れた。
そして今度こそロープは抜けたが、抜けているロープが当たったのか落石がポロポロあり、拳三つ分くらいの石がヘルメットに直撃した。ヘルメットで無ければおそらく大怪我していただろう。
おまけにこのタイミングで陽が落ちてしまい暗くなる。
本当はあと2回ラペリングして池谷ガリーに降りるのだろうが(懸垂用残置スリングも豊富にあった)、クライムダウンでも降りられそうだし、もうラペリングかは疲れたしかえってトラブルの元になりそうだとクライムダウンすることにする。
ガレガレなのでヒヤッとしながらも池谷ガリーに降り立ち、30分ほどガリーを登り返したら池谷乗越に到着。
この日も疲れ切ったのでグミなど食べるだけですぐ寝る。


9月21日
8時頃起床
正直寝る前は疲れ果てていたので八ツ峰はやめて今日明日でゆっくり帰ろうかと考えていたが寝たら気力回復。天気もいいので予定通り八ツ峰に行くことにする。

9時頃登攀装備して出発
長次郎谷を八ツ峰沿いに下っていく。
雪渓はかなり小さくなっていた。

10時頃Ⅵ峰Cフェース到着
と思っていたが、帰ってきてから考えるとおそらくあれはEフェースだ。
この後もCフェースだと思いながらEフェースを登攀することとなる。

リングボルトが二つあるのでこれが剣稜会ルートかと思いながらトポと照らし合わせながら岩壁を見ても残置ハーケンは見当たらない。
Ⅲ級程度だとやはり残置少なめなのか、それならばと今回もフリーソロで行くことにする。
フリーソロなのでトポ通りというか自分の目で岩の弱点らしきところを見定めて右へ左へと蛇行しながら登る。
スラブから始まり、フェイス、凹角、フェイスと登っていく。
たまたまだろうが結局最後までCフェースと同じぐらいのⅢ級程度の難しさだった。
残置はやはりほぼ無く、トップアウトするまでに2本ぐらいしかなかった。
チンネと比べると浮石、草付き、ザレ場が多い。
日本的なアルパインルートだなと思う。(そりゃルートでは無いとこだからごちゃごちゃしてる)

11時頃Eフェースの頭につき休憩。
ここから八ツ峰上半の縦走が始まるが、自分はCフェースの頭からスタートしていると勘違いしているので、最終的にⅠ峰分ずれて認識しながら歩いていた。

Ⅶ峰、登ってラペリング。
Ⅷ峰、リッジ沿いに登ってラペリング✖️2。
八ツ峰の頭、浮石の詰まったガリーを登ってラペリング…だがクライムダウン出来そうなのでクライムダウン。
(まだⅧ峰だと思っていたので)よし次がラストの頭だと思いながらクライムダウンし、コルに立つとテントが見える。
俺の他にもクライマーが居たんだ…と思ってよく見ると自分のテントであった。
つまり池谷乗越まで戻って来ていてこれで八ツ峰終了。
13時頃であった。

思いのほか早く終わったのでとりあえず長次郎谷の雪渓で水を補給しにいく。
ジュルンドから垂れてる水が取れればベストだったが、水が垂れている場所が地面スレスレの所しかなかったので水筒を差し込めない。
やむを得ず雪渓をナイフで削って氷のまま水筒に入れて持ち帰る。


やりたいことはやり遂げたし後は帰るだけだが、最初より水が減った分ザックは軽くなったとはいえ疲労困憊の体で明日1日で仕事に間に合うよう下山できるのは不安。
かつ、明日早朝に移動開始だと北方稜線と早月尾根の岩稜帯を暗闇の中で進むことになるなと気づく。
そこで今日のうちに岩稜帯を越えるくらいは下山しておいてどこかでビバークしてまた明日余裕を持って下山しようと決める。

16時頃下山開始。
下山開始といえどまずは池谷乗越から北方稜線への登りである。
2日ぶりにフル装備ザックを背負ってヒーヒー言いながら登っていく。
途中で雷鳥に会えた。

18時頃剣岳山頂を通過。

獅子の頭も超えて早月尾根の危なそうな岩稜帯も超えた。

19時頃になり陽が落ちて暗くなってくるが、今日のうちにできるだけ進んでおこうとヘッデンつけてさらに降りていく。

22時頃早月小屋到着。
水も心許なくなったので早月小屋で買うことにする(ほんとは無補給でやりたかった…悔しい)
4時に小屋が開くらしいのでそれまで前の広場で仮眠させてもらう。

5時頃起床。
少し寝過ぎたが予定通り水を2ℓ買う。

6時頃下山再開。
疲れすぎて下り道すらしんどくなり、段差はほぼ後ろ向きで降りるようになる。

11時半馬場島登山口到着。
やっと終わった。明日の仕事にも余裕で間に合いそうでホッと胸を撫で下ろした。


今回の山行はほぼ食事をとっておらずおそらく1日300キロカロリーぐらい。
だが体がなんとか動いたのはおそらく妻にもらったモンベルのBCAAのおかげだと思う。
自分がアルファ米を食べられない程食欲無くなるのは初めてだが、ハードな山行だとまたこうなりそうなので今度からBCAAを活用したい。あと魚肉ソーセージ。
とにかく調理する元気は無かった。

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