逃げそうな笊ヶ岳を捕まえに椹島から
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 2,069m
- 下り
- 2,315m
コースタイム
ルート図で出発点が椹島からずれているのはGPSログがスタート当時調子が悪く不良部分を除去したため。椹島から出発し、椹島に戻っています。
天候 | 16日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・笊ヶ岳山頂まで歩きやすい道ではないがルートはしっかりしていて山慣れた人ならば問題ないと考えられる。一部判り辛い個所もあるが周りを注意してみれば赤テープマーキングが見つかる。 ・トラバース道の三番目と四番目の沢前後は崩れやすい個所もあるので慎重に進むこと。 ・全般に林の中の道なので真夏の陽に照らされることなく歩くことが出来た。 |
写真
感想
世間では「山は逃げない。だから決して無理はしないように」と言う。しかし我々高齢者は年々と体力は低下し、身体には不具合が出てくる。入院や手術すると一気に体力は低下し、登りたいと考えていた山は逃げて行ってしまう。
数年前に山梨県側から笊ヶ岳を計画したが、大雨により土砂崩れで登山口まで車で行けなくなり断念した。その後体力は低下し、更に昨年患った黄斑円孔で右眼は中心部が見えず焦点が合わない。そのため特に近くの距離感が不安定になってしまった。山では登りは良いが下りは足の置く位置を慎重に見極めながら足を運ばないと転倒しやすい。そのため以前のようにスイスイと下れなくなってしまった。
今の状態では一般のコースタイム14〜15時間の山梨側からの笊ヶ岳は私から逃げて行ってしまったと言ってよい。12〜13時間要する静岡県側ルートならばまだ可能性はあるかなと地形図を眺めながら、登り6時間・下り5時間(休憩・食事時間含む)で歩けるのではないかと判断した。問題は椹島に2泊しなければならないことである。
今年のお盆は15日から婿が孫を連れて実家に帰るので孫の世話から解放される。またお盆でお墓参りに来る私の兄弟たちは14日にお墓参りをして私の家に寄ったので15日以降は時間が取れることになった。今いかなければ笊ヶ岳は完全に私から逃げてしまう。今しかないでしょう。逃げそうな笊ヶ岳を捕まえにLet,s Go
15日
畑薙第1ダム臨時駐車場に向けて富士から由比バイパスを、コンビニを探しながら前方に気を取られて走っていると、前のトラックが左車線に移動した。私の車の前の車まで少し距離があったので距離を縮めようとアクセルを踏んで少ししたら後ろから白バイがウ〜〜、ウ〜〜と鳴らしながら私の車に寄ってきて、敢え無く速度違反で捕まってしまった。白バイが助手席のザックを見て「山に行くのかね。山は逃げないからそんなに急がなくてもよいのに」と言う。違う、山は逃げてしまうんだと言いたかったが無駄のため私は無言。逃げそうな笊ヶ岳を捕まえに行きながら私が捕まってしまったお粗末なお話でした。
井川方面へは県道27号線から県道189号線で、富士見峠経由で走ることが多いがこのルートは道路工事中で通行時間制限されているため、そのまま県道27号線を進み大日峠経由で井川湖から畑薙臨時駐車場に行く。
駐車場から東海フォーレストのバスに乗り走り出したら強烈な雨が降り始めた。しばらく降っていなかった強い雨が降ったためか、途中に30cm前後の石が7ケ所ほど落ちていて、その都度運転手が下りて石をどかせて走らせた。
16日
ヘッドランプを忘れてしまった。日頃の日帰りの山でも必ずヘッドランプはザックに入れてあるが、昨日、電池交換のために出したままにしてしまったのだ。止む無く白み始めた4時半過ぎに出発。
登山口から鉄塔付近までの道は薄暗いせいもあり、半端ではない急登に感じられた。朝飯前の身体がシャキンとしていない歩き始めには応える登りで、普通の急登になり何故かホットする。道はほとんどが林の中で陽が出ても照らされることも無く、日焼け止めもいらないくらいである。ルートは予想したよりも明確で迷うことはほとんどない。ただ、横切る沢の前後が崩壊しそうな箇所があり、注意が必要。
上倉沢両岸にはトリカブトの大きな群落が今を盛りに咲き誇っていて見事であった。
予定した6時間で笊ヶ岳山頂に。悪沢・赤石・聖は目の前に見事な容姿を見せているが北岳方面や富士山方面はガスで見えなかった。昼食の弁当を食べて下る。慎重に歩き始めるが少し道が良くなるとどうしても足が早くなってしまう。それでも昼食時間を含めて予定の5時間で椹島に到着。静かな笊ヶ岳であるがお盆のこともあり、往復間で5パーティ6人と出会った。
昨日は雨だったため部屋の中で過ごしたが、今日は晴れているので椹島ロッジ以外も見学して歩く。椹島は今まで素通りばかりで林道から椹島に下りたことも無く、ロッジも始めてであるが南アルプスとは思えない豪華な宿泊センターで驚いた。お盆の最中で一番山小屋が混雑する時期であるが意外なほど空いていて、16日などは6畳間に私一人だけであった。
下山後、まだ体力に余裕はあったが山梨県側からでなく静岡県側からにして正解であったように思う。今の私の脚力ではこの程度までが限界としたほうが良いのかもしれない。
17日
椹島6:30のバスで駐車場に戻り家に10時半に到着。考えてみれば2泊3日でたった1ツの山だけに登るとはまさに大名山行であった。
コメント
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fujinohideさん、こんにちは
「逃げる笊ヶ岳」、この表現には本当に頷けます
いろんな意味で遠くて、どちらから登っても沢の心配があって、今!と思えるチャンスが少ないですよね。
いつか、椹島からの道も歩いてみたいです
ボクと入れ違いで椹島でしたね
ボクもチラッとですが、赤石岳を下山したら折角の機会だから椹島にもう一泊して笊が岳を...とも考えたんです。
CT10時間超..と聞いて、疲れてるし無理かなあ?と。。
15日の夜は豪雨で中央道(長野道)も夜半は通行止めでしたから、峠道はもっと怖いですね
C-chanさん、ご無沙汰しています。
C-chanさんも永年の計画していた笊ヶ岳に登れてよかったですネ。
山は計画していて、何らかの理由で行けなくなると次回はなかなか実行できないことが多くありますよネ。
やはり山にもタイミングが重要で登れるタイミングに多少は無理しても登っておくべきだと思います。そうしないと山はどんどん逃げてしまいます。
最初に計画した山梨県側ではなかったですが静岡県側からでもタイミングを見計らって登れて良かったです。
naiさん、悪沢・赤石岳、テントを担いで本当にお疲れ様でした。天気が良く羨ましい限りです。私は赤石からの展望は雨やガスばかりでまだ見たことがないんです。
naiさんの計画はヤマレコで承知していましたが、椹島でのサプライズをと、考えましたが私の日程が取れず実現できませんでした。
fujinohide さま
芋亀レスでございます。
さまざまあって、山は逃げないのでついつい後回しになります。
自分の時間、たっぷりありそうでないのが現実。
何処を削るか。
誠実になればなるほど削れないところが増えるのが世の常。
行けるときにいっちゃいましょう。
いくつもの難題抱えながらの山、おつかれさまでした。
乾杯です
芋さん、毎度。
年金暮らしで毎日サンデーの私ですが、家族、社会とのしがらみで意外と山に行く時間がないもんです。
そう、行ける時に思い切って出かけないと私の年齢ではどんどん山が遠ざかってしまいます。
さて次はどこにしようかな。
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