ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 345987
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

快晴に恵まれた甲斐駒ヶ岳〜摩利支天

2013年09月18日(水) ~ 2013年09月19日(木)
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
08:31
距離
9.0km
登り
1,234m
下り
1,228m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
0:40
休憩
0:01
合計
0:41
距離 2.0km 登り 182m 下り 86m
2日目
山行
7:03
休憩
1:36
合計
8:39
距離 6.9km 登り 1,069m 下り 1,146m
4:36
39
5:15
5:35
84
6:59
30
7:29
65
8:34
9:46
48
10:34
38
11:12
28
11:40
31
12:11
12:15
60
13:15
北沢峠
1日目
13:10 北沢峠
13:45 仙水小屋
2日目
4:33 仙水小屋発
5:10 仙水峠 (日の出待ち)5:35発
6:55 駒津峰 7:00発
7:30 八合目(六方石)7:35発
8:30 甲斐駒ヶ岳山頂 9:30発
9:35 駒ヶ岳神社
10:05 摩利支天分岐
10:19 摩利支天 10:31発
10:50 摩利支天分岐
11:05 巻き道分岐
11:35 駒津峰
12:08 双児山
13:15 北沢峠
天候 雲ひとつない快晴
過去天気図(気象庁) 2013年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
南武線立川→JR中央本線高尾→中央本線甲府
山梨交通バス広河原行き→山梨市営バス北沢峠行き
コース状況/
危険箇所等
北沢峠〜仙水小屋・・・特になし。

仙水小屋〜仙水峠・・・仙水小屋泊だと仙水峠で日の出を見られるように夜明け前出発なので、ヘッ電必須。 巨岩ゴロゴロ地帯は道を見失いやすいかも。

仙水峠〜駒津峰・・・かなりきつい登り。手を使いたい場所が増えはじめ、ダブルストックだとやや邪魔になる。

駒津峰〜六方石(巻き道・直登分岐)・・・この辺からストックはほとんど使えない。畳んでザックにくくりつけて置いたほうがよい。 

六方石〜甲斐駒山頂(直登コース)・・・3箇所ほど3点確保をし、ガッと腕の力を使ったり脚を大きく上げる事が必要なところがある。 ペンキと色テープを見失うと行き詰るので注意。 大きいザックだったりマットその他をくくりつけたままだと岩に引っかかって進めなくなる場所もあるので、不要なものは六方石のあたりにデポするのもあり。

甲斐駒山頂〜摩利支天・・・摩利支天への登りは甲斐駒山頂から見るとナイフリッジのようでちょっと怖いが、岩稜がV字型に凹んでおり実は恐怖感が少なく登れる。 直登コースで登れた人は問題なく登れるはずなので時間が許せば摩利支天にも寄りたい。

摩利支天分岐〜六方石(巻き道)・・・ザレ場に注意。それに尽きる。ここから直登コースが良く見え、登ってきた自分を褒めたくなる。

駒津峰〜双児山・・・基本ガレ場、両脇にハイマツ、シラビソ。

双児山〜北沢峠・・・ここからダブルストックでいいかもね。

予約できる山小屋
北沢峠 こもれび山荘
スタート地点の北沢峠。仙丈ケ岳方面に向かう場合もここが起点となります。 清潔な公衆トイレがありがたい。
2013年09月18日 13:08撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/18 13:08
スタート地点の北沢峠。仙丈ケ岳方面に向かう場合もここが起点となります。 清潔な公衆トイレがありがたい。
仙水小屋までの途中、沢沿いには堰堤がいくつもあり、綺麗な水が湛えられています。
2013年09月18日 13:27撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8
9/18 13:27
仙水小屋までの途中、沢沿いには堰堤がいくつもあり、綺麗な水が湛えられています。
仙水小屋。今日はここまで。北沢峠から40分ぐらいですかね。
2013年09月18日 13:57撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/18 13:57
仙水小屋。今日はここまで。北沢峠から40分ぐらいですかね。
小屋の前に汲み上げられた水が流されています。水温4度の手の切れるような水。美味しくてついがぶがぶ飲んでしまいました。 本物の「南アルプス天・然・水」
2013年09月18日 14:02撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/18 14:02
小屋の前に汲み上げられた水が流されています。水温4度の手の切れるような水。美味しくてついがぶがぶ飲んでしまいました。 本物の「南アルプス天・然・水」
仙水小屋の夕食は好天時は外のテーブルでいただきます。豪華でまるでパーティのよう。 ご飯やお茶のお代わりもできます。 
2013年09月18日 16:41撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5
9/18 16:41
仙水小屋の夕食は好天時は外のテーブルでいただきます。豪華でまるでパーティのよう。 ご飯やお茶のお代わりもできます。 
この時期4:30ごろ山荘を出れば仙水峠での日の出に余裕で間に合います。。
2013年09月19日 05:33撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7
9/19 5:33
この時期4:30ごろ山荘を出れば仙水峠での日の出に余裕で間に合います。。
駒津峰。 仙水峠から結構な急登でした。
2013年09月19日 06:59撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/19 6:59
駒津峰。 仙水峠から結構な急登でした。
駒津峰まで上がると鳳凰三山の脇に富士山が浮かび上がってきます。
2013年09月19日 07:00撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7
9/19 7:00
駒津峰まで上がると鳳凰三山の脇に富士山が浮かび上がってきます。
いよいよ行く手真正面に甲斐駒と摩利支天が見えてきた。
2013年09月19日 07:01撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
9/19 7:01
いよいよ行く手真正面に甲斐駒と摩利支天が見えてきた。
八合目となる六方石。 普通に進むと通過してちょっと広くなった場所で「あ、これが六方石か」と確認できます。 この先厳しくなるので不要物をデポする場合はここが良いでしょう。
2013年09月19日 07:33撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
9/19 7:33
八合目となる六方石。 普通に進むと通過してちょっと広くなった場所で「あ、これが六方石か」と確認できます。 この先厳しくなるので不要物をデポする場合はここが良いでしょう。
ホントにこんなとこ登れるんだろうか?
2013年09月19日 07:36撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/19 7:36
ホントにこんなとこ登れるんだろうか?
六方石のちょい先に分岐点があります。 赤ペンキで描かれているので見落とさないよう。 
2013年09月19日 07:40撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 7:40
六方石のちょい先に分岐点があります。 赤ペンキで描かれているので見落とさないよう。 
力試しをしたかったのと、小屋の人の薦めもありここは直登コースを行きます。
2013年09月19日 07:41撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 7:41
力試しをしたかったのと、小屋の人の薦めもありここは直登コースを行きます。
いきなりウッヒョーという感じの岩場。 
2013年09月19日 07:58撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
9/19 7:58
いきなりウッヒョーという感じの岩場。 
ふと振り返ると自分が進んできた場所の厳しさを納得できます。
2013年09月19日 08:13撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/19 8:13
ふと振り返ると自分が進んできた場所の厳しさを納得できます。
ここまで来たらあとちょっと。
2013年09月19日 08:19撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 8:19
ここまで来たらあとちょっと。
六方石から山頂まで本当に厳しいところは3箇所ほど。 最後の難所は岩がグズグズになっていたりザレて踏ん張りが利きにくかったりです。
2013年09月19日 08:20撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 8:20
六方石から山頂まで本当に厳しいところは3箇所ほど。 最後の難所は岩がグズグズになっていたりザレて踏ん張りが利きにくかったりです。
やった! 
雲ひとつない快晴の山頂です。 やっぱこうでなきゃね。
2013年09月19日 08:36撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6
9/19 8:36
やった! 
雲ひとつない快晴の山頂です。 やっぱこうでなきゃね。
鳳凰三山の上に富士山が
2013年09月19日 08:42撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6
9/19 8:42
鳳凰三山の上に富士山が
仙丈ケ岳
2013年09月19日 08:44撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5
9/19 8:44
仙丈ケ岳
北岳〜間ノ岳
2013年09月19日 08:44撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
9/19 8:44
北岳〜間ノ岳
鳳凰三山〜アサヨ峰
2013年09月19日 08:45撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
9/19 8:45
鳳凰三山〜アサヨ峰
山頂の本当の最高点はこのとんがり岩です。
ステップが切ってあるのでせっかくだから登っておきましょう。
2013年09月19日 08:46撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/19 8:46
山頂の本当の最高点はこのとんがり岩です。
ステップが切ってあるのでせっかくだから登っておきましょう。
一等三角点!
2013年09月19日 08:49撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 8:49
一等三角点!
木曽駒とか宝剣岳がクッキリハッキリ
2013年09月19日 08:52撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 8:52
木曽駒とか宝剣岳がクッキリハッキリ
八ヶ岳を見下ろす快感!
2013年09月19日 08:53撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/19 8:53
八ヶ岳を見下ろす快感!
槍も見えます!
2013年09月19日 08:54撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 8:54
槍も見えます!
2013年09月19日 08:55撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 8:55
長野県側の駒ヶ嶽神社にも足を伸ばしておきます。
2013年09月19日 09:39撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 9:39
長野県側の駒ヶ嶽神社にも足を伸ばしておきます。
神社側から見た山頂
2013年09月19日 09:43撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 9:43
神社側から見た山頂
第二目標、摩利支天に向かいます。 
2013年09月19日 09:54撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/19 9:54
第二目標、摩利支天に向かいます。 
摩利支天分岐の先に湧き水が! これまた眩暈がするほど冷たく美味しい水でした。 リアル「南アルプス天・然・水!」 ただ、いつでも出ているわけではなさそうなのでこれを最初からアテにするのはやめたほうがよさそうですね。
2013年09月19日 10:12撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
9/19 10:12
摩利支天分岐の先に湧き水が! これまた眩暈がするほど冷たく美味しい水でした。 リアル「南アルプス天・然・水!」 ただ、いつでも出ているわけではなさそうなのでこれを最初からアテにするのはやめたほうがよさそうですね。
摩利支天 到着! 地図やガイドにあるコースタイムの10分はちょっと無理めの数字じゃないですかね。
2013年09月19日 10:25撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5
9/19 10:25
摩利支天 到着! 地図やガイドにあるコースタイムの10分はちょっと無理めの数字じゃないですかね。
甲斐駒をバックに。 露出補正−0.3
2013年09月19日 10:34撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 10:34
甲斐駒をバックに。 露出補正−0.3
摩利支天から分岐に降ります。 遠目にはすごい厳しそうに見えますが、行ってみると登りやすいタイプの岩稜帯でした。
2013年09月19日 10:40撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 10:40
摩利支天から分岐に降ります。 遠目にはすごい厳しそうに見えますが、行ってみると登りやすいタイプの岩稜帯でした。
摩利支天分岐から直登コースの岩稜帯を眺めます。
「良くあんなとこ登ってきたなあ・・・」
2013年09月19日 11:00撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 11:00
摩利支天分岐から直登コースの岩稜帯を眺めます。
「良くあんなとこ登ってきたなあ・・・」
2013年09月19日 11:04撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 11:04
駒津峰から直登ルートを眺めます。
判りにくいですが中央やや上側に登ってる人が見えます。ガンバレ!
2013年09月19日 11:30撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 11:30
駒津峰から直登ルートを眺めます。
判りにくいですが中央やや上側に登ってる人が見えます。ガンバレ!
登ってくる時はこの標識に気付かなかった・・・。
2013年09月19日 11:44撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 11:44
登ってくる時はこの標識に気付かなかった・・・。
帰りは急いでいるのと違う道を行きたいので双子山から降ります。 10分ぐらいですけどね。水の残り少ない人は仙水峠側からのほうがいいかもしれません。
2013年09月19日 11:48撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 11:48
帰りは急いでいるのと違う道を行きたいので双子山から降ります。 10分ぐらいですけどね。水の残り少ない人は仙水峠側からのほうがいいかもしれません。
双児山
2013年09月19日 12:14撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 12:14
双児山
双児山からは樹林帯の中なのでやや日差しのきつさが和らぎます。
2013年09月19日 12:51撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 12:51
双児山からは樹林帯の中なのでやや日差しのきつさが和らぎます。
急いだためコースタイムより10分早く下山。 1:30のバスに間に合いました。
2013年09月19日 13:21撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 13:21
急いだためコースタイムより10分早く下山。 1:30のバスに間に合いました。
バスは満員! 途中渓流釣り師が乗ってきたこともあり補助椅子も全部埋まりました。
2013年09月19日 13:43撮影 by  uT6010,ST6010 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
9/19 13:43
バスは満員! 途中渓流釣り師が乗ってきたこともあり補助椅子も全部埋まりました。

感想



 

 今年の1月に清八山の山頂から見た南アルプスに見惚れ、「あの中のどれかに!」と目標を定めてから半年あまり。 予定の夏休みが取れなかったので1ヶ月遅れようやく甲斐駒登山が実現しました。 「早出(前日に甲府のビジホに宿泊し始発バスで北沢峠に行く事)すれば仙丈ケ岳と甲斐駒のダブルもいける」というアドバイスもありましたが、バスのダイヤ上土日しか無理なようなので予定通り甲斐駒の単発です。
 
 3連休に台風が直撃し電車やバスのトラブルが心配されましたが、前日のうちに全面開通したので一安心でしたが、連休中に入った人は林道の閉鎖や中央本線の脱線などで足止めを食い大変な思いをされた方も多かったようです。

 北沢峠は台風の通過を待っていた人が多かったか平日とはいえかなりの人出で、特に中高年の団体客も多いようです。 自分ももう結構なおっさんなのですが自分の親ぐらいの方が集団で元気よくしているのを見ると圧倒されてしまいますね。

 初日は仙水小屋まで1時間足らずの短い行程なので余裕綽綽。沢沿いの道なのですが、堰堤で堰きとめられている水が透明度が高く見惚れてしまうほどで、初日からいいオマケを貰った感じでした。 山荘も沸き水が豊富な為水の補充の心配は要らず、食事も豪華、しかも安いといい事尽くめでした。 もっとも耳栓をも突き破る同宿者の盛大な鼾で熟睡とは行きませんでしたが・・・。


 仙水小屋は「仙水峠で日の出を見られるように」との配慮から夕食は4時半ごろ、朝食も4時ごろに提供になります。 しっかり食べて4時半に出発します。 まだ真っ暗なのでヘッ電を頼りに森の中のを進みます。森の中を抜けるとガレ場〜巨岩帯となり、1箇所だけルートを見失いそうになる場所がありますが、落ち着けばすぐルートに復帰できるのでまあ大丈夫でしょう。

 朝食を軽く済ませたり、抜いてしまった人は仙水峠で日の出を待つ間に行動食をつまむのが良いでしょう。あと、この先道が狭かったり手を使う場所も出てくるので、ダブルストックの人はここでストックを一本畳んでしまうのも手です。

 仙水峠から駒津峰までは稲村岩尾根を髣髴とさせる急登で道も狭くなってきます。途中眺望もよく一休みするのにちょうどいい場所があり、ここで自分はストックを一本畳みました。 駒津峰山頂に着くと視界が一気に広がるのと、ここからの下りがかなり不安定な足場で両手を使いたい場所もあるので、ここでいったん小休止をとりストックを畳んでザックに括り付けておいたほうがいいでしょう。

 駒津峰から一旦下り、六方石(八合目)までやってくるといよいよ直登コースと巻き道コースの分岐です。 地図やガイドだと直登コースは破線、危険マークもありますが、山小屋の人によると「実際は直登を使う人のほうが多い」「登りで巻き道を使うとザレ場で余計に体力を消耗する」「時間も短縮できる」とのことで、直登コースに進みました。 もっとも某掲示板で「直登コースは途中で行き詰っても引き返せないよ^^」という話も聞きましたが・・・。

 実際に直登コースを登ってみると、ハイマツが脇に生えていいるおかげで恐怖感は柔らぐものの高度感がものすごいのと、両手を使い股を大きく開いて足を上げねばならないような場所が3箇所ほどあり、流石にその3箇所は「鎖張ってくれてもいいんじゃないの」と思わせました。 あと、うっかりペンキとピンクテープを見失うと進退窮まることになりそうなので、濃霧などの時はそこは慎重にされたほうがよさそうです。 加えて、手の皮が弱い人はしなやかな豚革手などがあると良さそうですね。自分は甲メリヤスの豚革手を使いましたが、グリップもほどよく、手の動きも邪魔しないので快適でした。 

  難関3箇所を登り切ってしまうと「うん、やっぱ一皮向けた気がするし、アスレチックみたいで楽しいからやっぱ鎖がないほうがいいな」と現金にも思ってしまうのですが、雨天の時などは岩も滑りやすくなるでしょうし、体が硬かったり身長が低い(当然リーチも短い)人などもいるでしょうから、必ずしもこのルートが良いと断言できないような気がします。 とはいえ、好天、体力には自身あり、今まで奥多摩、丹沢だけでダブルストックで進めるとこしか行ったことない人は達成感もあるのでここに挑戦してはいかがでしょうか。
 
 岩が脆く掴んだらボロッと崩れ、足場もザレている最後の難関をクリアすると山頂から人の声が届き(もちろん人が居れば、ですが)あとわずかなのが判ります。そしていよいよ山頂。 やや厳しい直登をこなしたこともあり達成感は格別。 眺望、体調、天候全てが良好なこともあり、整備されつくした夏富士山とはまったく違った感動! 山頂で思わずガッツポーズが出てしまいました。

 本当に雲ひとつない快晴で、空気が澄んでいる午前中と言うこともあり、山頂からの眺望は本当に素晴らしいものでした、鳳凰三山とその後に聳える富士山、アサヨ峰、北岳〜間ノ岳、仙丈ケ岳、中央アルプス、御嶽山、北アルプス、八ヶ岳、金峰山本当にぜーんぶ!見えるのです。 今年頭の大岳山以降できなかった山頂でのラーメンも堪能し、満ち足りた気分で山頂を後にすることができました。
  
 長野県側の駒ヶ嶽神社にも足を伸ばしてからいよいよ第二目標、摩利支天に向かいます。 山頂から借りた双眼鏡で見たところナイフリッジでかなり恐ろしそうなのですが、「分岐で道を見失わない限り平気」というアドバイスに背中を押されるように摩利支天に向かいます。 健脚で足取りも自分よりはるかに安定している先行者も居たので、安心感もありました。 

 摩利支天分岐の少し先に岩の間から水が湧き出している場所があり、これがまたぐっと冷たく美味しい水でした。 最初からこれを頼みにするのはどうかと思いますが、水が残り少ない人はここで補給するのもありでしょう。
 
 ザレ場を通過し鞍部に不要な荷物をデポ。カメラだけもって核心部とも言える岩稜帯に進みましたが、遠目に厳しいナイフリッジに見えたそこは

  /V\
   ↑
こんなふうになっており、思いのほか歩きやすいところでした。 
思いの他怖い思いもせずに摩利支天に到達!当初の目標を二つとも達成でき、大満足で下山できることになりました。 

 天気はこの時点でもまだ雲ひとつ湧いておらずザレ場の白い砂で照り返しもきつい中下山します。 山頂から六方石ぐらいまでは下り基調なのでまだ良かったのですが、駒津峰への登り返しは気温が上昇してきたこともありかなり暑さを感じてきました。 山頂では立ち止まっていると涼しくフリースを取り出すほどでしたが、流石に日が高くなってきたこともあって気温も上昇してきました。 秋分近くだからいいものの、真夏だと日射のきつさもあいまってかなり水を消耗しそうです。 個人差もありますが真夏なら3リットル程度必要ではないでしょうか。
 
 駒津峰からの下りは違う道をたどりたいのと、時間を短縮したいこともあって双児山からのルートを取りました。 多少の登り返しはありますが、北沢峠には直線に近い形で降りられるので10分程度短縮できるようです。ただ、水の残量が不安な方は仙水小屋で補給が可能なことを考えると北沢峠のほうがいいのかもしれませんね。


 双児山からの下りは樹林帯の中とはいえ落ち葉のクッションなどはなく、多少ガレている場所などもありやや足にきます。 それでも山頂でのんびりしすぎて1:30のバスにギリギリになってしまったので、急ぎ足で降りコースタイムより10分ほど早く下山しました。
 
 北沢峠からの帰りのバスはここ2日の好天を狙った人が多かったせいか、補助席も出す満員状態でした。 みなさん好天で満足のいく山行だったせいか、満ち足りた(疲れ果てた)表情の方が多かったのが印象的でした。 やはり、仙丈・甲斐駒のダブル組やアサヨ峰、鳳凰三山縦走などの方も多く、自分もできるだけ早く北岳など南アルプスの山に挑戦したいものです。

※GPSロガーの電池切れのため双子山からの下山途中でトラックログが切れています
 

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1733人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 甲斐駒・北岳 [3日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら