京都・愛宕山〜明智越え〜唐櫃越え ロングルート
- GPS
- 10:15
- 距離
- 30.9km
- 登り
- 1,644m
- 下り
- 1,675m
コースタイム
07:46 荒神峠390m―
08:20-08:25 水尾分かれ695m―
08:50-09:00 愛宕神社924m―北西林道(U字を描くように南下)―
09:25 首無し地蔵分岐830m―
10:05 神明峠400m(林道と交差)―
11:10-10:20 明智越え400m(T字路右折)―
12:00 簾戸口(すどぐち)145m―
12:15 保津小橋(沈下橋)90m―
12:45-13:00 JR馬堀駅前90m―
13:10 如意寺120m―
13:55-14:05 みすぎ山430m―唐櫃越え―
14:55 市境分岐405m―
15:35-15:50 沓掛山415m―
16:50 西芳寺よこ(山田分かれ近辺)50m(ゴール)
17:15 仁左衛門の湯 ふろ、メシ
20:00 阪急桂駅
-
天候 | 晴れ 暑かった! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
JR三田04:58発(普通)―05:44JR大阪05:55発(快速長浜行)―06:28JR京都06:38発(山陰線普通)―06:57JR保津峡 (この乗継は、平日・土曜・日曜共通でいける) 【復路】 阪急桂―阪急梅田、JR大阪―JR三田 |
コース状況/ 危険箇所等 |
JR保津峡駅からツツジ尾根を辿って愛宕山に登って「愛宕神社」に詣で、北西に伸びる林道からぐるっと南下して下り、「明智越え」ルートに入って亀岡に下ったあと桂川を渡り、JR馬堀駅前から「唐櫃(からと)越え」ルートに入って沓掛山を通って、西芳寺のすぐ南側に出るロングルートを歩いてきた。ひさびさのソロハイキングで、少々疲れたが、とても味わい深いものとなった。 ●JR保津峡駅80m(スタート)―ツツジ尾根―荒神峠390m―水尾分かれ695m JR保津峡駅は無人駅だが、スマート出口があるのでICOCAカードでもOK。ツツジ尾根登山口は、保津峡にかかる橋を渡ってすぐ右に曲がってから、1分ほどの場所にある。案内板はないが、すぐに判る(と思う)。しっかりした登山道でややこしい部分はない。荒神峠から急登となり、30分弱で清滝からの表参道に合流する。この合流地点にも案内板はない。 ●水尾分かれ695m―愛宕神社924m―北西林道をU字を描く―首無し地蔵分岐830m 愛宕神社まで歴史のあるおごそかな石段の続く表参道であるが、本殿までまだ標高差が230mもある。山頂にある神社が近くなるにつれ、どんどん広々とした開放的な雰囲気になるのがうれしい。本殿は一周できるようになっている。お参りしたあと、下った石段下を左折(北東方向)して、林道に出る。この林道は軽トラが走れる幅で、愛宕神社から北西方向に樒原(しきみがはら)方面に続いている。途中からいきなり展望が開けるのが気持ちいい。 ●首無し地蔵分岐―神明峠400m(林道と交差) 北西林道は、首無し地蔵のY差路で林道から別れて左(南西方向)へ下る。首無し地蔵という地名はほかの場所にもあるので混同しないでほしい。ここからの登山道は台風18号の影響もあったのか、荒れ気味になってきて歩きづらい。深く掘り込まれているので両サイドを歩いたほうが安全な部分もある。神明峠は林道が三叉路となり地図上は登山道もこの地点に降りているが、少し手前で右側の林道へ降ろされる。三叉路から見返したら登山道は閉鎖されているようだった。三叉路から少しだけ東南方向へ降りヘアピンカーブの先で南方向に行く入口が閉鎖された林道を進む(登る)。三叉路から西側に降りる林道愛宕線も入口が閉鎖されているが、誤って降りないように。でないと肝心の”明智越え”が飛んでしまう。 ●神明峠400m―明智越え(400mT字路右折)―簾戸口(すどぐち)145m ほぼ高圧電線や鉄塔沿いにすすむが、ルートが不確かな部分もでてくる。途中にあるY差路は右に進まなければならないが、ふと気付いたら水尾へ降りる左側の道へ進んでいて、ヤブをこいて右側の道へ軌道修正した。少しだけで済んだが30分ほどロスした。この部分だけは稜線を進むと僕の様にルートミスする。右(西側)に巻かねばならないのだ。そのあと登山路は新たな稜線に取り付くのだが、ちょっと難しい(あとでGPS軌跡を確認したらそのまま進んでも行けそうだったが・・・)。明智越えはT字路になってるのですぐに判る。T字路を右にとって微妙に登っていく。ここも台風18号の影響か意外と荒れていて、登山路は深く掘り込まれていて緑の薄苔が生え、大変すべりやすい。遺跡の説明板などを確認しながら簾戸口(すどぐち)に降りる。この登山口は、ちょうど酒屋の倉庫の裏側になる。 ●簾戸口145m―保津小橋(沈下橋)90m―JR馬堀駅前90m 保津町からクルマが通行止めとなった保津小橋(沈下橋)を渡る。台風18号が過ぎてから、もう4日以上経っているのにまだ水は泥色だ。山中の渓流ではいくら豪雨でも翌日には透明の水なのに、何と言うダメージだろうか。泥水は自然が流す”血”のようにも思えてきた。対岸の篠町を通ってJR馬堀駅前で休憩した。計画時にここを出発するのが14時を過ぎたら、この先は中止しようと考えていたが、まだ13時なので行けそうだ。気合を入れ直して出発した。 ●JR馬堀駅前90m―如意寺120m―みすぎ山430m―唐櫃越え―市境分岐405m 駅前から東方向に進んで、鵜川を南條橋で渡り、北東方向へ直登する。ここも台風18号の影響でかなり荒れており登山道は掘り込まれていて少し危ない。ルートも判別が難しくなっている部分もあるが、方向さえ正しければ問題ない。いつの間にかに稜線になっていて、みすぎ山に着く。山頂からオレンジの鉄塔横を進むと林道となった。朝登ってきた愛宕山が保津峡ごしに遠望できるのがうれしい。そのまま1kmぐらいで、地図の404m地点から舗装路となった。クルマの走らない舗装路を1.5kmほど行くと左へ登山道が分岐する。ここは亀岡市から京都市に入る市境になり市境分岐と呼ぶことにする。市境分岐は唐櫃越えルートの最大ポイントだ。 ●市境分岐405m―沓掛山415m―西芳寺よこ(山田分かれ近辺)50m(ゴール) 市境分岐からふたたび歴史を感じる登山道となる。唐櫃越えは関所を通らなくて済む間道であり、何らかの事情があって密かに京へ入るルートであり、密かに京から逃げ出すルートでもあり、長い間、忍びや追剥が闊歩していただろう。そういった何百年もの歴史の重みがビシバシと感ぜられて仕方がない。沓掛山は下って登ったような妙な錯覚に陥る。薄暗い登山道は時折、南側の展望が開けて、ニュータウンが一望できてホッと一息つける。しばらく下るとうっそうとした竹林となり、さらに進むと桜谷という共有墓地となる。まっすぐ下って最初の十字路をゴール地点とした。苔寺で有名な西芳寺のすぐ南側になる。山田分かれと呼ばれる地点はこの先だ。 ゴール地点からまっすぐ東方向に1km弱行けば阪急上桂駅に着くが、南方向へ約1.5kmで”仁左衛門の湯”(http://www.nizaemon.com/)という日帰り温泉施設に行ける(上記GPS軌跡の終点)。休日は850円と少々高いが、アルカリの良泉はなかなかのオススメ。個人的には源泉(冷泉)でほてったカラダを冷やすのが好き。レストランも併設されていて、メガジョッキのビールが人気。この温泉施設から東方向に1km強で阪急桂駅にいける。雰囲気で行けばいい。 - |
写真
感想
京都、愛宕山にある「愛宕神社」は、全国約900社の「愛宕神社」の総本社で、通称 愛宕さんとして特に京都の人々に愛されてきた。古歌には「お伊勢へ七度 熊野へ三度 愛宕山へは月参り」と謡(うた)われるほど厚く信仰されてきた。むかし、台所に”おくどさん”があった頃には、ほとんどすべての京都の家の台所には、「火迺要慎(ひのようじん)」と書かれた愛宕神社の火伏札が貼られてあったが、今でも京都の古い町屋ではこのお札が貼られている場合が多い。その火伏札を求めて愛宕山頂の「愛宕神社」へ詣(もう)でるのを「愛宕詣で」や「愛宕参り」と呼び、京都の人々の年中行事のひとつであった。とりわけ、千日通夜祭(7月31日夜〜8月1日早朝)のときに参拝すると、千日分の火伏・防火の御利益があるとされていて今日でもとても京都らしい雰囲気を楽しめる。ただ参詣と言っても、「愛宕神社」の場合は、登りの標高差が850m近くもあるので、ほぼ登山に等しい。これを知らずに気軽に登って、遭難騒ぎになることが、最近、度々あるという。参詣した/していないにかかわらず、昔の人はみんな、「愛宕神社」の登りの大変さを知っていたのに、今これを知っている人は、京都の人ですら少なくなった。
さて、「明智越え」の明智とは、もちろん明智光秀のことであり、天正10年(1582年)6月2日、光秀が本能寺攻めをしたとき、居城の亀岡城から軍勢を3つに分け、「明智越え」「唐櫃越え」「老ノ坂越え」の3ルートで京の本能寺に向かったと言われている。光秀はこのときだけでなくふだんから「愛宕神社」に詣でる際は「明智越え」ルートを通っていたようだ。いっぽう「老ノ坂越え」の方は現在、ほぼ国道9号線となっていてクルマの往来が激しく、とても歩く気にはなれない道だ。また、「唐櫃越え」の唐櫃とは石棺の意味で、道中の古墳から石棺が露出したのが地名の由来らしいが、丹波から京へ入る間道で、沓掛の関所を通らなくてよい抜け道である。総じてこのあたりの道は、明智光秀の伝えだけでなく、調べればいくらでも深まる歴史古道であり、様々な事情があって、密かに京都に入ったり、密かに京都を逃れるルートとして頻繫にに使われたらしい。代々の天皇や皇后も、場合によっては逃げ隠れした道であり、追剥や盗賊なども出たことであろう。そういった歴史に想いを馳せて、味わい深い山行を楽しんだ。
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コメント
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早朝より、随分ロングコースのハイキング、お疲れ様でした〜
このあたりも台風の影響がものすごかったんですね。
感想の後半部分、ちょっと興味津々です。
京の周囲には忍び(?)の古道があちこちにあるんですね。
姫様(山ガール)には遭いましたか?
台風18号通過のあと、TVのニュースで嵐山の渡月橋の様子が、多分そちらでもガンガン放映されてましたよね!今回訪れた場所は、そのすぐ上流です。台風の影響は半端ないですね!
忍びや追剥に興味あるんですか? ヒエ〜!
京都は歴史があるので、敏感なボクには、いろいろと感じられますよ・・・
しかし、マイナールートには、山ガールは現れません(笑)
クマ
博識クマさんこんばんは。
いつもとちがうのんびりトーンに意表をつかれました。
大人の休日って感じですね。
クマさんもこんなハイキングするんだ〜、と思いきや、30kmですか
やっぱりハードなんですね
愛宕神社って私の近所にもありますが、京都が総本山で全国に900もあるなんて知りませんでした。
また私はそれほど歴史に興味があるわけではありませんが、
明智光秀が本能寺攻めに使ったルートって聞くとそそられますね。
古道というと、といつか歩いてみたいと思っている熊野古道ぐらいしか思いつきませんが、歴史的背景を知っていれば当時に思いをはせながら歩くと楽しそうですね。
そんなに敏感ではない私でも近所の古道を歩くと昔の人はここを行き来していたのかと感慨に浸ったりしますから、敏感なクマさんは感じまくって歩くのもままならないのでは
古道歩き、シリーズ化しませんか?
とても気になったり、気が向いたりしたとき、
自分が過去に行ったルートをつないだり、
ヤマレコのいろんな方のレポートを参考にしたりして、
ハイキングには良く行きますよ!
ハイキングのレポートはあんましUPしないですけどね・・・
まったく何も調べないで、直感だけで勝負することもありますが、
たいていは、いろいろと調べていて、
ああ、こうなんだとか、なるほど、こうなってんかとか、
自分勝手に想像して納得していくわけです(笑)。
他の人から見れば、バカにしか思えないでしょうね
というわけで、シリーズ化なんて大それたことは無理です。はい!
カノスケどんも、こんど京都に来られた際は、
ぜひ、愛宕山に登ってみてください。
今回のようなマイナールートではなく、
清滝から表参道を登るのがいいですね!
京都の雰囲気を味わいながら、ハイキングできることを請合います!
クマ
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