塩見岳(野呂川出合〜両俣〜野呂川越〜三峰岳〜熊ノ平〜塩見岳〜三伏峠〜鳥倉林道)
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 1,701m
- 下り
- 2,245m
コースタイム
8/5 熊ノ平小屋(4:40)→安倍荒倉岳(5:10)→北荒川岳(6:40-6:45)→北俣岳(7:55-8:05)→塩見岳西峰(8:30)→塩見岳東峰(8:35-8:50)→塩見小屋(9:30)→塩見新道分岐(9:40)→本谷山(10:40-10:50)→三伏山(11:25-11:30)→三伏峠(11:40-11:45)→塩川分岐(12:00)→豊口山のコル(12:35-12:45)→鳥倉登山口バス停(13:15)
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
甲府→広河原 \2,000(協力金\100を含む) 広河原→野呂川出合 \580 鳥倉登山口→伊那大島\2,470 伊那大島→橋本 \3,890 + 指定席特急券(岡谷〜八王子)\2,810 |
写真
感想
百名山はこれまで62座で、達成はまだまだ先のことですが、3000メートル峰の百名山は、残り塩見と聖の2峰。これは何とか今年度完了したく、塩見へ行ってきました。本当は聖の方が興味あるのですが、鳥倉へのバス運行は8月中旬で終了のため、まず塩見にしました。
ルートは余り迷うことはなく、北から登って三伏へ降りると。初日に熊ノ平へ入ることが必須となりますが、広河原から北岳の稜線を越えるよりは、両俣から仙塩尾根を歩くほうが僅かに時間が短いため、そちらを選択。甲府4:00のバスが使えれば楽勝ですが、自宅朝発では7:00がやっと。それでも小屋に17:00にはなんとか入れると見込みました。日の短い時期では厳しいところですが、まだまだ大丈夫でしょう。
朝車をどこに停めるか迷っていたのですが、橋本駅にNPCの駐車場ができたことが判明。1日最大600円と価格も手ごろ。駅まで徒歩約10分で全く問題なし。4日の朝は3:30に自宅を意気揚々と出発しました。順調に橋本の始発に乗り込み、横浜線、中央線と乗り継いで高尾からの始発、大月行きへ乗車。結構乗ってますね。大月で乗り換えます。乗り継ぎ時間が短く小走りで移動。予定通り甲府へ到着しました。バスは全員座れるように2台が出ました。車掌さんの観光案内を聞きながらの旅になります。芦安で急に人員増加。しかし駐車場いっぱいでしたね。後で調べたら甲府4:00のバスは16台出たらしいです。北岳人気凄いですね。
広河原で北沢峠行きのバスに乗車。切符は窓口で購入です。「野呂川出合1人」と伝えたら「往復?」と聞かれ、「片道」と応えたら聞き直されました。出合というと釣り客ばっかりでみんな戻ってくるんでしょうね。北沢峠へ向かったのはマイクロ2台。おそらく70人は広河原に着いてると思いますが、3割弱といったところでしょうか。やはりほとんどは北岳へ向かいますね。
さて、出合でバスを降り、靴を準備。早い昼食をしてから、いよいよ長い林道歩きになります。文句ない晴天ですが、避けるところのない林道歩きでは応えます。仙丈のカールを下から見上げ、治山工事の現場を過ぎ、さらに歩を進めると、北岳が姿を現しました。
暑さに耐えさらに進み、道はようやく登山道へ入って行きます。森の中の快適な道から急斜面を下ると道は沢沿いへ。涼しい風を浴びながら遡っていくと、両俣小屋へ到着しました。テントも散見されます。水場で水を汲んでいると、周りの人は「自分は右俣」「左俣」と釣りの話ばかり。すごくアウェーな感じで淋しくなり、早々に山へ入って行くことにします。小屋の奥の登山道へ入り、しばらくは右俣に沿っての道。そこから90度曲がって登って行きます。なかなか傾斜もあるのと、少し歩かれていない様子で思うように進んでくれません。それでも前方の尾根が少しずつ近づき、野呂川越に飛び出しました。
ここまで来ればおおむね半分。前のような雷さえなければ何とか到着出来るだろうと一安心。少し休憩していよいよ長い尾根道へ入って行きます。なぜかGPSが取れていない状態が続いていたのですが、この辺から入るようになりました。とにかく陰鬱とした雰囲気の林の稜線をほとんど下りはなく登って行きます。野呂川越からすぐのところに三角点があります。これは2315メートルのピークでしょう。途中の2367、2488、2571メートルのピークはいま一つはっきりせず。徐々に林相が変わってきて、2699のピークのあたりからは前方に三峰岳が見えるようになります。
ここを過ぎるとダケカンバの道に変わり、さらに傾斜が上がってハイマツの中を登って行きます。雲はかなり多い状況ですが、三峰岳ははっきり見えています。前回は本当にもうちょっとのところで豪雨におそわれたということが実感出来ました。ハイマツの中のアルバイトは厳しいですが、花に慰められながら一歩一歩。
急登を何とかこなすと、間ノ岳からの登山道に合流し、ピークに立ちます。ちょっと思ったのですが、三峰川の名前はここから来ているのでしょうかね。確かに源頭の一つではありますが、三峰川の一部はさらに仙丈まで行ってますが。逆に川が先で山の名前が後なのか。でも甲信駿三国の国境なのは明らかだし、やっぱり山が先だろうな、なんてことを考えていました。
展望はそこそこですが、全体的に3000メートルより高いところに雲があるようです。
幸い雷にも遭わず、三峰岳から岩場を下って行きます。三国平を過ぎた頃には目指す塩見山頂部が大分晴れてきました。
ようやく初日の行程終了。静かな小屋にしては宿泊客多い感じです。夕食を取りながら明日の予習。三伏峠を越えて鳥倉登山口までは地図のコースタイムで11時間超。バスの時間は14:50です。普通に考えるととても間に合いませんが、小屋に貼ってあったマップによると9時間と少し。早出すればもしかしたら間に合うかも、ということで、三伏12:30までに着けばそのまま下山することにしました。そうと決まると早寝。18時に寝袋に入るといつのまにか眠ってしまっていました。疲れもあったでしょうね。
翌朝は3:30起床。まだ真っ暗ですが、朝食を取っているうちに徐々に明るくなって来ました。
4:30には少し遅れましたが十分明るくなった4:40出発。緩やかな稜線歩きで間もなく安倍荒倉岳への分岐到着。分岐を1分登ると山頂です。狭いですが西側は開けています。中央アルプスを見ると、百間ナギが強烈な印象を残します。
樹林帯の中の道が続きますが、一箇所だけ岩稜があり、視界が開けます。後で考えるとそれが竜尾見晴というところでしょう。ゴジラの背という感じでした。
ところどころ花が見られます。
やがて道は低木の中の急登となり、それを登りきると北荒川岳山頂へ飛び出します。目の前に聳える塩見岳の存在感に圧倒されます。
ここから快適な稜線歩きとなります。振り返ると大崩壊が恐ろしい姿。
旧キャンプ地から道は稜線の東側につけられています。マルバダケブキで埋め尽くされた斜面を過ぎると、美しい草原のような道になります。
縦走路最後の難関。北俣岳への登りは砂礫の歩き辛い急傾斜の稜線。最後の力を振り絞って喘ぎ登ると、北俣岳の山頂からは、これまで塩見の陰に隠れていた悪沢岳が。感動的な景色です。
東には蝙蝠岳がまさに蝙蝠の翼のような三角形の姿。左右の富士・笊とのバランスもいいですね。
ここまで登ってくると中央アルプスの向こうに御嶽も望めるようになっています。
ここから塩見岳まではそれほど厳しい道ではありません。途中雷鳥に出会って吃驚仰天。カメラ出そうとしたら逃げられてしまいました。残念。
最後、岩場をよじ登れば塩見岳東峰に到達です。これまでの静かな山道から一転、狭い山頂に人がひしめいていまして、やむなく西峰へ避難。
西峰は三角点があります。来し方の仙塩尾根。つい昨日いたはずの三峰岳が遠いこと。甲斐駒、間ノ岳も堂々たる姿を見せてくれます。南アルプス、やっぱりいいな、と思います。その理由の一つに、甲斐駒の美しく白き姿があると思いました。
南方も素晴らしい眺望。巨大な悪沢岳、荒川前岳、さらに奥に聖岳。
名残惜しいですがまだ先は長いため出発です。山頂から遥かに三伏峠小屋が見えます。かなり遠いな・・・。ここからの下りはかなり険しく、一気に高度を下げます。慎重に下って行きます。小さな塩見小屋を過ぎると道は一気に森の中になり、間もなく塩見新道の分岐ですが、閉鎖されています。土砂崩れの影響のようです。道はその先に見える顕著なピーク、権右衛門岳を巻いて行きます。アップダウンもたいしたことはなく、代わり映えのしない道をひたすら歩き、やっと本谷山に到着。
三伏峠へ。三伏沢への道も閉鎖されていました。最後のピーク、三伏山を過ぎ、若干下ると荒川岳への道を分け、ようやく三伏峠へ到着。小屋でジュースを買って休憩。
時間的に何とかなりそうなのでさらに進みます。バスが鳥倉なのでそちらへ行くのですが、クラシックルート、塩川への道も今年は使えなくなっています。今後はどうなるのでしょうか。
高低差で1000メートル近く下るのでかなり急な道を予想していましたが、斜面につけられた道はそれほど急でもありませんでした。途中から7/10、6/10という表示が出てきて、元気がわいてきます。豊口山のコルで最後の休憩。40分下ってバス停に到着しました。行動時間は8時間30分強。林道ゲートのとこまで歩くかと思いましたが、登山口までバスは来てくれるのはラッキーでした。
2時間近いバス旅を経て到着した伊那大島からは、一度は乗って見たかった飯田線乗車。とはいえわりと普通の電車でした。本領は天竜峡より南なのでしょう。駒ヶ根で途中下車し、駅近くの食堂で名物ソースカツ丼。なかなか良かったです。
時間も遅くなりましたので岡谷から特急で帰ってきました。
百名山はこれで63座。しかし今回はこれまでの鬱憤を一気に晴らしてくれる充実したものでした。やっぱりアルプスはいいですね。
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