銚子ヶ口から初秋のイブネへ縦走(熊ノ戸谷で一泊のゆったり行程)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,532m
- 下り
- 1,532m
コースタイム
登山口(6:40)〜須谷川左股(8:35/8:45)〜銚子ヶ口東峰(9:20/9:35)〜大峠(10:35/10:50)〜舟窪(11:20/11:25)
〜銚子:昼食(12:00/13:00)〜イブネ台地を時計廻り〜熊ノ戸谷(14:00) テント設営(14:30)
10/13
熊ノ戸谷(7:40)〜イブネ台地を反時計廻り〜銚子分岐(8:20/8:30)〜舟窪(9:10/9:30)〜大峠の頭(9:50/9:55)〜
西峰:昼食(10:25/11:00)〜南峰〜東峰(11:50/12:15)〜北尾根に乗る(13:10)〜湿原探索(15分)後登山口(14:25)
天候 | 10/12 晴れ 但し雲は多め 登山開始時:20℃ 東峰山頂:17℃ 10/13 快晴 但し風が強い テント撤収時:9℃ 舟窪:11℃ 東峰山頂:19℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
脇には3台ほどの駐車スペースも有ります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口から鹿避けフェンスを開けて登山道に入ります。 銚子ヶ口までの指標は整備されています。 更に大峠までの指標が要所に追加されていました。 大峠から銚子までは指標の類は皆無です。忠実に尾根を辿ります。 尚、風越谷林道は継続して「車両通行止め」のままです。 |
写真
感想
杠葉尾から銚子ヶ口、更に西峰から南下して銚子・クラシへ延びる尾根が気になっていた。
先回は天気が心配で舟窪で引き返したが、イブネまでの往復は時間的にもきつそうだ。
今回は未踏の尾根を辿ってイブネまで歩きたいので、無理をせず一泊二日の行程でじっくり歩いてみよう。
【10月12日】
オニアザミの咲く登山口脇の小さな駐車場へ車を停める。
ポストへ登山届を投函し、鹿避けフェンスの扉を開けて登山道へ入る。
用水路をまたいでうす暗い杉の植林帯に付けられた山道を登る。
指標が整備された道は、北尾根の東斜面に絡んで徐々に高度を稼いで行く。
苔生した石灰岩の谷を横切りしばらくして、わずかに傾斜が緩むと窯跡が点在する。
10月にしては気温も高く汗が額を伝う。一息入れよう。
風越谷側に絡んだ道は時々もろくなるので注意して行こう。
杉の植林帯?が終わり、崖をへつるように過ぎるとやっと北尾根に乗る。
右に須谷川の流れを聞きながら下生えのない尾根をしばらく辿る。
春にはイワウチワの群生が見られる尾根だ。
やがて尾根筋を離れ、須谷川側の急斜面に絡んだもろい道をトラバース状に進むと須谷川の二股に出会う。
左股で水を確保して左岸を登る。
窯跡の小台地で右岸に移りしばらくすると水が消え源流になる。
空が透けて見える美しい二次林を抜けるといきなり空が開けて鞍部に出る。
鞍部を左へ行くとトロッコ道、右へ岩屑の急登を上がると銚子ヶ口の東峰(1060m)はすぐだ。
好展望が広がるピークだが、今日は雲が多く周囲の山もすっきりしないので、先を急ごう。
(三角点へ向かう反対側にわずかな踏み跡が有るが、どうやら北谷尻谷からのバリエションンルートのようだ。)
わずか先の銚子ヶ口(三角点:1076m)に立ち寄り、トリカブトや赤くなり始めたマムシグサの実を見ながら
南峰・大峠の分岐(中峰)に出ると新しい指標が下がっている。
(おかげで西峰から東峰へ向かう時、南峰へ踏みこむ間違いが減ると思う。)
この辺りで北峰から黒尾山へ至る尾根が派生するようだが踏み跡は見つけられなかった。
左折すると南峰だが帰りに寄って行こう。右折して一旦鞍部まで下り登り返した西峰(1060m)も、
相変わらず雲が多く展望はパッとしない。
灌木の明るい尾根を下り水舟の頭を越えて急降下すると大峠だ。
アセビと苔に囲まれゆったりと広がる峠はゆっくりしたい場所だ。
昼食をとも思ったが時間も早いので小休止だけで腰を上げる。
(今回「水舟の池」には立ち寄らずに行く。)
大峠から再び尾根の登りでピークに出ると尾根が分かれる。直進すると大峠の頭(深谷山)?となるので
右へ下ると佐目子谷側へ大きく落ち込んだ崩壊地に出る。
痩せた尾根を谷尻谷側に絡んで捲くようにピークに出て右斜面を下るとブナに囲まれた窪地に出る。
舟底のような窪地に根こそぎ倒れた二本のブナ。ここが「舟窪」だ。
先回はここで引き返したのでこの先は未踏のエリアになる。
尾根はここで広い斜面になって急降下している。地形図で方向を確認して下るとすぐ枝に目印の紐が目に入る。
広い斜面を一気にコルまで下ると、尾根の雰囲気はガラリと変わり、
岩がゴツゴツした荒れた痩せ尾根のアップダウンが続く。手にしたストックが邪魔になるのでザックにくくり付ける。
踏み跡は薄いが明確な尾根に導かれるまま忠実に辿る。知らぬ間にP1022を過ぎ足元に草が現れると
更に胸を突くような急登になる。
樹林の切れ間に銚子のピークらしきものが見えるので最後の登りを頑張る。
上部に出ると空に青さが戻り振り返ると、霊仙山〜釈迦ヶ岳にかけて展望できる。
やっと胸突きの急登を登りきって明るい銚子・クラシの頂上稜線に出る。
舟窪から緩むことのない痩せ尾根を一気に歩いたので昼食にしよう。
風を避け日当たりの良い場所を求めクラシ側へ下り、熊ノ戸平と綿向山方面を眺めてゆっくり食事を摂る。
登山口から約5時間を要して辿り着いたクラシの稜線。
イブネ周遊、食事時間を含めるとやはり風越谷林道が使えないと日帰りは厳しいな。
しかし今日は時間を気にせずゆっくりできる。後はイブネを周遊してテントを張るだけだ。
腹ごなしにクラシからイブネ北端経由でイブネ台地を周遊するが、意外にも全く無人で
結局今日は誰とも出会わず終始一人きりだ。
強めの風に吹かれながら気ままに歩き周り、アセビの群落が尽きた辺りから熊ノ戸平へ下り、
希望通り熊ノ戸谷の平坦地を一人占めしてテントを設営する。
後は熊ノ戸谷を散策したり、コースタイムを整理したりとまったり過ごし、
19時頃シュラフに包まる。
静まりかえった闇の中で、女性の悲鳴に近い甲高い鹿の鳴き声を聞きながら知らぬ間に眠りに着いたようだ。
【10月13日】
夜明けの寒さに眠りが浅かったのか気づいたらもう6時だ。
テントを徹収して8時前に熊ノ戸平から快晴のイブネへ向かう。
朝から広がる青い空。清々しい眺めだ。
早朝(でもないか?)のイブネを反時計廻りで周遊した後 イブネ・クラシに別れを告げ銚子の尾根から往路で大峠へ戻る。
急で荒れた尾根の足場は悪いので注意して下る。
明確な痩せ尾根があいまいな急斜面になる。今回のコース一番の傾斜かも知れない広い急斜面を慎重に
テープなどの目印を目に捉えて高みの舟窪まで登る。
この先銚子ヶ口へ戻るまではコースから外れたピークも踏んで戻ろう。
まずは崩壊地を過ぎて大峠の頭(1067m)へ寄って行くが、展望の無い尾根上のコブにはピークを表す物は
見当たらなかった。(コースから往復約5分)
大峠から西峰に登り返すと昨日と変わり今日は快晴、素晴らしい展望だ。
少し早いが昼食にして霊仙山〜御池岳〜釈迦ヶ岳を眺めを楽しむ。
今度は中峰から直進して南峰(1070m)へ向かう。南峰までの踏み跡は薄いので尾根を忠実に辿り突端に出ると
素晴らしい展望だ。
銚子ヶ口の各ピークではここが一番かも知れない。(コースから往復約15分)
東峰で最後の展望を楽しんで、トロッコ道分岐の鞍部から二日間の山行最後の下りとなる須谷川源流へ向かう。
苔生した谷を横切り登山口も近づくと杉木立の奥に湿原帯が隠れていた。
コースを外れて大きな湿原を歩いてみる。
岳をバックにした湿原は六百山をバックにした自然探勝路のミニチュア版のようだ。
最後の最後に思わぬ儲け物をしたような満ち足りた気持で登山口へ戻ると、
目の前には青空をバックにした岳が聳えていた。
銚子〜大峠間は痩せ尾根のアップダウンが多く、経験したと言う安心感もあるのか戻りのほうがきつく感じた。
また、銚子ヶ口は三角点を含め六つのピークが有り、全てを踏みたかったが北峰へのルートは発見できず断念する。
重荷を背負って汗もいっぱいかいたし、
時間的にも余裕があるので、近くの「阿下喜温泉」で汗を流して帰路に着く。
コメント
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いつかは、イブネあたりでテン泊しようと考えていますが、鈴鹿の最深部までテントを背負っていく体力と読図力を磨かなければ。 来年以降の僕の宿題です。
さて、12日はやはり雨乞あたりだけが雲が多かったようですね。本当は久々に杉峠まで降り、コクイ谷をルーファイしながら歩きたかったんですが、寒かったのでトットと下山しちゃいました。これも積み越しの宿題です。
最近、宿題が多くて・・・・
重い荷を背負っての山行は疲れましたが、その分爽快な余韻に浸っています。
今回、二日間で出会ったのはイブネ台地での三人だけで終始静かな山でした。
銚子ヶ口から銚子に延びる尾根は最深部に向かっている雰囲気に満ちていました。
宿題が多いと言うのは次に出かける山の誘いが多いっていう事ですよね。
こんばんはyuconです。
私も銚子ヶ口・水船の池〜チョウシが繋がっておらず、気になっております。今回のonetotaniさんのレコや他の方々のレコ(この連休中はイブネ・クラシのレコが多いですね )を参考にさせていただき、何とか今年中に踏破したいものです(あ〜ぁ行きたいとこだらけ・・・ )。
13日は良い天気でイブネは最高でしたね。(風が強かったけど)
熊ノ戸谷に水場があるのですね。
今度から水の心配しなくて済みそうです。
ここは箱庭みたいで、独特の雰囲気がある場所ですね
一足お先に大峠からイブネに延びる尾根を歩いてきました。
舟窪を過ぎてからは荒れた痩せ尾根が続きますが、明確な尾根筋が案内してくれました。
杠葉尾からですとイブネまで約6時間でしょうか。
無理せず一泊行程で正解でした。
yuconさんのレコを楽しみにしています。
当初は13〜14日を予定していましたが1日早めて行ってきました。12日も風が強く
イブネ台地でのテント設営は大変だったと思います。13日はどうでしたか?。
私も熊ノ戸谷の存在を知ってから、イブネでの一泊行程を計画するようになりました。
おかげで幾つもコースが組めるようになりますね。
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