仲秋の西上州関東百名山ツアー◆帳付山(天丸橋より周回:岩稜の果ての秘峰〜「前座」の大山・天丸山の岩場でヒヤヒヤ、最後の岩稜登りで疲労困憊…)
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- GPS
- 08:03
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 1,144m
- 下り
- 1,106m
コースタイム
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 9:53
天候 | ほぼ終日快晴微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・天丸橋登山口から天丸方面への沢コース、入口に小プレートで「大山→」の表示あり、渡渉先の右岸にも赤テープあり。同コースは大山へ直登するバリルートで踏み跡も薄く、歩行困難のため進入注意[小生も誤進入して出だしで約15分のロス…(涙)] ・正規ルートは暫く沢の左岸を進み、赤テープやマーキングに沿って渡渉や高巻きを繰り返しながら進む(大雨等の影響か、流木や石で沢筋が荒れている区間あり、要所のマーキングを見落とさぬこと) ・小滝横の短いハシゴを越えると、間もなく右岸から尾根への取付点あり。(ここから上部のマーキングは赤テープより白いヒモ多し、見落とし注意)つづら折れの急登の後、小沢をトラバースし緩やかに進むと天丸方面への分岐あり ・大山の直下、急な岩の斜面をロープでよじ登る区間あり、スリップ・落石注意(頂稜へ飛び出すと北〜西面の大展望、何よりのご褒美です…) ・天丸山直下はロープの懸かる急角度の岩の斜面が連続、特に下りは足下が見えにくく、スリップ・落石に十分注意(前後に登山者がいる場合、岩場の入口での「登りまーす」「下りまーす」の声掛けが望まれます。降雨後で岩の表面が濡れている場合は登降困難と思われるため要注意…) ・馬道のコルから帳付山までの区間が実質的に本コースの核心部。岩混じりの細尾根のトラバースの後、一旦平和な尾根歩きとなるも、その先は岩稜の連なる難路となり、ヤセ尾根通過やロープ付きの急なアップダウンが山頂直下まで連続。特に登りは古い赤テープの付いた怪しげな巻き道風の下降路などあり、白ヒモetc.のマーキングを見落としてコースを外さぬよう通行注意[ヤマレコマップや「山と高原地図」では、本区間の標準コースタイムが「登り1時間、下り45分」などと記載あり、猿飛佐助並みの超人でないと絶対に達成不可能!(小生相場観としては、岩稜の通過やルーファイの手間ヒマ、本区間までに蓄積した疲労等を考慮すれば、「登り1時間40分、下り1時間10分」ぐらいが妥当な線かと…)] ・馬道のコルから社壇乗越までの下山路、それまでのタフなコースとは一変しハイウェイ並み!?の快適な道。途中に複数の水場もあり、疲れて火照ったクールダウンには持ってこい![逆回りの周回コースとした場合、登りは快適にこなせるものの、かなり疲労の蓄積した後半に、険しい大山ピストン(これは外せません!)や、迷いやすい午後遅くの沢の下降を強いられることとなり、あまりお勧めできません…] |
その他周辺情報 | 上野村エリアに何ヶ所か日帰り温泉あり[小生は先を急ぎ、国道299号を秩父郊外まで走り抜けた後、吉田エリアの日帰り温泉「星音(せいね)の湯」で入浴と食事を済ませました(土日料金1,030円、17時以降入館の場合820円/露天風呂・足湯・レストラン・土産品コーナー併設;ハイシーズンの週末はハンパなく混雑するものの、数時間は寛げます!)] |
写真
装備
備考 | (消費水分量)ペットボトル550cc.×1(氷結午後ティー)、ポリタン水×400ml (一部帰路の水場で現地調達)、ガッツギア×1 |
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感想
緊急事態明け、台風一過の晴天続きの西上州ツアー2日目、一夜の宿・松井田エリアのビジネスホテルを夜明け前に出発。約1時間余のドライブで登山口に着くはずが、国道299号から林道への入口先の区間が災害復旧で通行止め。カーナビにも表示されない突然のトラップ出現に戸惑いつつ、案内看板に従って国道を迂回し、狭めで落石も多い林道を慎重に走り抜けて、登山口の天丸橋に予定より15分ほど遅れ到着。ヤマレコ記事でもお馴染み、入口に段差のある駐車スペースに何とか車を入れ、ヤレヤレ、何とか1番乗りは確保できたか、と気合を入れ、「大山方面→」の標識に導かれ沢沿いの道を進んでいくと、いつしか踏み跡も赤テープも頼りないものに…。ヤマレコマップの「ルート外れ」の警告音も鳴り、地図をよく見ると、このコースはバリルート扱いの大山直登ルートであることが判明。出だしからのトラップ続きに悄然と登山口へ戻り、気を取り直して当初予定より30分程の遅れにて改めてスタートします。
以降のコース状況詳細は本文・写真キャプション記載の通りですが、大山分岐までの沢→尾根ルートも赤テープは豊富ながら、渡渉点や高巻き区間も多く、結構疲弊します。稜線に出ると、大山・天丸山それぞれが広めで穏やかな樹林帯の尾根道の先に、複数のロープが懸かる険しい岩尾根のルートが出現。取付き点の手前でザックをデポし、後続のハイカーに落石せぬよう気を使いながら、計4区間の岩場の急登・急降下を慎重にクリア。大山山頂では、浅間連山から八ヶ岳、遠く北アルプス・後立山連峰まで見渡せる大パノラマに大いに満足します。天丸山直下の多数のロープが懸かる岩場では、9月の甲州・鶏冠山以来の「ゾワゾワ・ヒヤヒヤ」感を味わいながら、後続の登山者に気を配りつつ、どうにか狭い山頂を無事踏んで帰還。ここから先は細かいアップダウンをクリアし、快適そうな下山路が分岐する馬道のコルに当初計画から少しの遅れで到着。これで残るは樹林帯の帳付山のピストンのみ…と油断するも、実はこの日の核心部はここから先の区間でした…。
最初は少し嫌らしい岩稜のトラバース、そこから暫くは平和で歩きやすい尾根道が続き、少々ホッとしていると、やがてルートは本格的な岩稜区間に入ります。微妙に獣道然とした巻き道も分岐しますが、稜線を下りすぎるとルートに復帰できなくなる予感もあり、忠実に赤テープ・白ヒモのマーキングを辿ります。岩場に懸かる計2+1ヶ所のロープの嫌らしい急登・急降下を何とかクリアすると、最後の岩稜交じりの急登に入ります。既に標準コースタイムも大幅にオーバー、2日間の疲労と空腹も加わって、半ばゾンビ状態でヨロヨロしながら、登山口から6時間余の苦難の末、午後0時半過ぎようやく帳付山頂着。険しい岩稜の先にも拘わらず、山頂は樹林に覆われた展望ほぼゼロの超ジミーなピークで、関東百名山の一座に数えられながら、訪れるハイカーも稀なことにも妙に納得です。
それでも、山頂先の岩稜テラスからは、この日の締め括りに相応しい浅間や上信国境の名だたる山々の大展望が楽しめ、ここまでの苦労も報われた思いでした。無人の山頂で遅まきの弁当昼食を済ませ、そそくさと下山にかかりますが、復路は1度歩いたルートの上、下りはマーキングも見つけやすく、往路より遥かに快調なペースで順調に馬道のコルに帰着します。(記事冒頭コメントやキャプションにも書いた通り、コルから帳付山までの標準コースタイム、登り1時間・下り45分というのは「猿飛佐助」並みの超人のみ達成可能で、常人では絶対に不可能です。ヤマレコマップ「らくルート」や「山と高原地図」の編集者にも、是非見直しをお願いしたいところです!)コルから社壇乗越までのコースも、文字通り馬に乗った武士や旅人でも通れそうな、なだらかで快適なコース。途中程良いポイントに水場も出現して、クールダウンには打ってつけです。それまでの難行苦行ぶりからは一転して、標準コースタイムをかなり短縮する快調なペースでのし歩き、舗装の林道に出合う社壇乗越到着。ここでご褒美のフルーツ缶を頬張り、気が緩んで地図にない新しい林道を反対方面へ下ってしまったのはご愛敬、ヤマレコマップの警告音が出る前に早めに気づいて引き返します。単調な舗装道歩きの途次、峩々たる赤岩尾根の険しい稜線や、残る関東百名山5座の一つ・二子山の怪異な岩峰の展望、更には朝方踏んできた鋭鋒・大山の夕陽に映える雄姿を楽しみながら、午後4時前、無事に登山口の天丸橋へ帰り着きます。
心配された駐車場出口の段差も、バッファーとして急遽自分で置いた木のおかげで車底を擦ることなく、難なく脱出。快晴続き・緊急事態明けでこの週末も超絶渋滞状態の関越道をパスし、距離的にも近い国道299号ルートをチョイスしたのは正解だったようで、翌日から工事通行止め予定の志賀坂トンネルを越えての山道ドライブを楽しみながら、立寄り湯として出発前から目を付けていた秩父市郊外・星音の湯に快調なペースで到着します。快適な露天付きのお風呂で気持ち良く山の汗を流し、残るお楽しみのアトラクションは夕食のみ、と気が緩んだのも束の間、飛び込んだ施設内のレストランは大渋滞状態…。折角だから秩父名物を、と気合を入れて頼んだワラジカツ載せのタコスライスがサーブされたのは、注文してから実に40分後、この期に及んですっかり精神的に疲弊する羽目に…。ともあれ、美味しいワラジカツとタコスの絶妙なハーモニーに胃袋も満たされ、手土産を仕入れて午後7時過ぎに温泉を出発。幸い、ここから先の下道ドライブ(国道299号→所沢街道→青梅街道→環八)も目立った渋滞はなく、週末割引が依然見送り状態の高速道の渋滞と高い料金にも悩まされることなく、午後10時前に首尾良く自宅に帰り着きました。
これにて関東百名山の難関2座をクリア、残る5座も首都圏近郊の中低山が多いため、年内に3-4座は踏破できそうな雰囲気です。最後の1座はかねてよりの予想通り、南海上に浮かぶ神津島の天上山となりそうですが、間もなく100座目完登となる山梨百名山、今秋に大団円を迎えたい300名山のゴール(箱根山)と同様、孤独なマイナー山歩きの最後ぐらいは、家族や友人とともに喜びを分かち合いたいところです。名山ハントの旅を続けられるヤマレコユーザーの皆様も、ようやく訪れた県境越えツアーのチャンスを逃すことなく、それぞれに安全で楽しい秋山歩きをお楽しみ下さい!
[2021年10月4日記]
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