薬師岳・初滑り


- GPS
- 15:18
- 距離
- 27.4km
- 登り
- 2,100m
- 下り
- 2,105m
コースタイム
- 山行
- 5:19
- 休憩
- 3:23
- 合計
- 8:42
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 9:09
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
http://www.arimine.net/toll_road2.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
・2000mあたりから、シール高登に十分な積雪量あり ・太郎平小屋、薬師峠キャンプ場は既に営業終了しています |
その他周辺情報 | ・温泉はグリーンパーク吉峰を利用(JAF、モンベル割引あり) |
写真
感想
10月29日:折立〜太郎平
6時の有峰林道開放を待って紅葉の有峰湖を折立まで車で走る。紅葉は最盛期といった感じ。登山口でトイレを済ませ、重めのテン泊装備、スキーとブーツを背負って、太郎平へ向かう。2人用のダブルウォールテントのせいか、あるいは余計な物を持ってきたか、1泊2日にしては荷物が大きい(マカルー50Lを使用)。
午前中に太郎平に着くもあいにくのガス。テントを設営して読書をしながらのんびり待つ。今回はウェストンの「日本アルプス登攀日記」を持ってきたのだが、外国人の視点から描かれる日本の情景が想像できて面白い。蓮華温泉の薬師の湯が登場して、こんな昔(1894年)からあったのか、と驚くなど。
そうこうするうちに14時半頃ガスが晴れたので、急いで北ノ俣方面へ向かう。薬師岳も青空にくっきりと際立ちとても美しい。向かって右に伸びる尾根が愛知大学山岳部が誤って迷い込んだ尾根だろうか。地形の緩急や上り下りが明らかに違うので、間違いに気が付きそうだが、天候や様々な要素が影響した事故だったのだろう。
晴れるのを信じて薬師岳に向かっていれば、ザラメ条件で夕暮れの一本を滑ることができたかもしれないが、残念ながらその行動力は無かった。再び冷気が入り、雪が固くなりそうなので、適当な高度から一本滑ってテントへ戻る。テントが1つ増えていて、その後、もう1名上がってきた。
夕陽を見ながら外で食事。安定のじゃがりこマッシュポテトとたらこパスタを食した。夜は睡眠不足から18時前には入眠したが、3時間で起きて色々と考え込んでしまい、その後朝方まで寝付けなかった。山に1人で泊るとなぜか感傷的になってしまう。夜中に足音が聞こえたが、小動物だと思われる。
10月30日:太郎平〜薬師岳〜折立
早く登っても雪が硬いと楽しくないので、5時に起きて6時前にゆっくりと出発する。薬師峠に近づくとちらりと槍の頭が顔を出す。素晴らしい景色。峠のあたりに先行者を見る。薬師峠〜薬師平はシール歩行は困難で、この区間は担ぐ。その後、夏道に頼らずスキーで雪を繋ごうとするもハイマツに阻まれ、少し藪を漕いだ後、登山道に復帰。そこは、雪も道幅も十分ある登山道だった(最初から夏道で良かったのだ)。
薬師岳山荘を過ぎたあたりで山頂を往復してきた登山者と会い、立ち話をする。帰り際にすれ違ったというもう1人の登山者と「今日はスキーヤーいないでしょう」と話されていたそう。昨日は先週?のスキートラックを見たが、確かに今のコンディションで来る人はあまりいないかも。ちょっと悲観的になりながら、それでもスキーで登っていく。
避難小屋跡にスキーをデポし、山頂往復。せっかくなのでカールを1本滑る。ここは適度に緩んでいて、思わず歓声が漏れた。登り返してから、斜面を大きくトラバースして稜線へ。スキーヤーズレフトの片斜面は素晴らしいザラメ。薬師平まで十分楽しめた。
テントを撤収して帰路へ。昨晩は他に2張りあったテントももう無くなっていた。重荷を背負って最後の滑りは、半年近く使っていなかった滑り筋にクる。下山路の雪は思ったより溶けておらず、2000m付近まで滑れた。最後はついつい気持ちよく滑ってしまい、危うく変な沢に下るところだった。
登山靴に履き替え、ゆっくりペースで下る。折立が近くなった所に、ナナカマドを大量に食ったと思われる糞が落ちていた。サイズから見て熊だと思われたが、恐くはない。いざとなれば、肩にかけた板を振り回し、それでも近づけばウィペットで眼球をえぐる所存である。
そうこうするうちに下山。入山時はよく見なかったが、愛知大学山岳部の慰霊碑があったので、手を合わせた。小1時間ほど翌日の準備を済ませて林道を走る。小見線の紅葉は素晴らしかった。グリーンパーク吉峰で入浴後、現在は登山ガイドになった元同僚と会い、一緒に食事をしてから馬場島へ向かった。
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