【鶴翼山(八幡山)・奥島山】戦国の山城跡から夕暮れのテラスへ
- GPS
- 03:06
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 733m
- 下り
- 708m
コースタイム
天候 | 曇り 時々 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
○長命寺港に下山後 近江鉄道バス長命寺線 近江八幡駅行き 長命寺〜大杉町八幡山ロープウェイ口 380円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
一般登山道、林道、車道 |
写真
感想
鶴翼山という正式名称には馴染みがない。安土に生まれ育った私にとっては八幡山である。
八幡山は幼少の頃から八幡公園へ遠足に出かけたりロープウェイにも乗せてもらった記憶がある。
しかし自分の足で山頂まで登る機会は今まで無かった。
この日は朝から実家で所用を済ませ、急いで登山口の日牟禮八幡宮へ向かう。どうせなら八幡山を縦走して一旦百々神社に下り、お気に入りの奥島山へ上がって展望テラスで夕陽を眺めたいと思う。日の入りの時刻16時45分の少し前には辿り着きたい。
13時半にスタートする。しっかりとした登山道がある。一気に登ってゆく。するとあっという間にロープウェイの山上駅に着いた。低い山だな。
山上には京都から移築されたという村雲御所瑞龍寺の門跡があり一帯は八幡山城の城跡である。八幡山城は豊臣(羽柴)秀吉の弟、秀次の居城であった城だ。
西の丸跡へと足を運ぶと西側の展望が広がる。長命寺港や対岸の比良山地が美しい。
山頂一帯は恋人の聖地として知られ、ハート型のモニュメントなどが設置されている。戦国時代の山城跡にロープウェイがあることだけでもそうなのに、何だか違和感を感じる。
先を急いで縦走路をかっ飛ばす。とにかく日の入りに間に合わせたいからだ。しかし縦走路では次々と〇〇展望台と称して西や東の眺望を得られるように刈り払いをしてくださっている好展望地が現れる。その都度立ち止まって景色に魅入ってしまう。とくに東側の西の湖方向、安土山や繖山などを含んだ風景は私の故郷そのものだ。幼少から高校生までの頃の想い出が甦る。
寄り道しながらも一気に百々神社へと一旦下りてきた。
渡合橋を渡り島小学校のグランド横の車道を真っ直ぐに進むと若宮神社の前に出る。道端の畑では珍しく綿花を栽培されていた。
奥島山へはしばらくは林道を辿ってゆく。何の変哲もない退屈な林道歩きだ。冬苺か蛇苺か分からないが真っ赤なルビーのような小さな実が足元で輝いていた。
林道終点から登山道へ入り、尾根道をどんどん登ってゆく。やがて山頂近くになると巨岩が現れ出す。とくに大きな岩には登ってみたいという衝動に駆られたのであるが、よく見ると岩の下に天之御中主尊と書かれた標柱が立っていた。登らなくて良かった。
奥島山山頂に到着する。三等三角点があるが地味な山頂だ。たくさんの山名プレートがぶら下がっている。
ここは津田山やイキヤ山という別名がある。津田はこの山のある地名に由来しているのであろう。イキヤ山は隣りの長命寺山山腹にある西国三十三所の札所・長命寺の山号である。
いよいよ山頂直下の展望台へ向かう。急いで走るように登ってきた甲斐あって時刻はまだ16時過ぎだ。日の入り時刻まで存分に眺望を楽しめるぞ。
絶景の展望岩の上は広々としており大人が20人ぐらいは乗れるであろうか。岩に上がるとまず目の前に比良山地がドーンと現れる。そして眼下にバーンと琵琶湖が広がる。琵琶湖の西側から南側、そして野洲や守山・草津方向までのパノラマを見渡せる、まさに絶景の展望テラスである。
ここで夕陽を眺めるのは何度目だろう。初めて訪れた時には「空奏(そらかな)テラス」という名は無かった。いつの間にか命名されプレートまで設置されるようになった。大人の時忘れ岩だそうだ。
暫し時を忘れてサンセット・タイムを愉しむことにしよう。
夕景の様子はレコの通り。美しい夕やけ。琵琶湖に現れる光の道。不思議な空の模様。あっという間に沈んでゆく太陽。比叡山のシルエット。輝く雲の縁。日没。残照。
このテラスで眺める素晴らしい景色は、単に空だけの独奏ではなく、空と琵琶湖と対岸の比良の山々の三つが織りなすハーモニーあるいはオーケストラであろう、と「空奏」と命名した人に文句をつけたくなる。しかしSNSで一人歩きしたその名前は矢張り素晴らしく、命名した方の感性の豊かさを感じざるを得ない。
そんなことを考えながら、やはり時を忘れ去ることは出来ずに山道が暗くなる前に、そして長命寺からのバスの時刻に間に合うようにと、一気に猛ダッシュで下山する。ヘッデンを灯す事なく長命寺港に到着すると、17時35分発のバスまでまだ25分もあるじゃないか。あぁ時を忘れたい。
コメント
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ハート♥️の前でハートマークつくって自撮りしてほしかったな〰️😁
あっ‼️歩くの早すぎ〰️っ😱
しょっちゅう近くを通ってるのに、なかなか訪れることが出来なかった八幡山。ロープウェイで山上へ上がった記憶さえ薄れていました。
足で登ってみると何と小さな山。あっという間に着きました。そしてやはり山上の雰囲気は全く覚えておりませんでした。
恋人の聖地なんて宣伝されてますが・・・違和感ありましたがそれはそれでいいかも!眺望がいいですからね。夜景も綺麗でしょう。私には関係ありませんけどね。
私は奥島山の絶景岩のテラスの方が静かで好きです。でもこちらも人に知れ過ぎました。
あっ、岩でジャンプするの忘れた〜😅
琵琶湖が見えるっていいですよね。
湖東からだと比良や比叡山に沈んでいく夕陽も撮れるんだ。綺麗ですね。
日牟禮八幡宮の立派な木。凄い大きさですね。ググってみると「ムクノキ」って出てきました。
幹周/4. 10m、樹高/25m、樹齢/推定250年って書いてありましたね。
250年? そんなんなんだ。もっと古いのかと思いましたけどね。
直ぐ近くに樹齢/推定300年の「エノキ」もあるとか。
ウリさんのレコは、いつも華やかで綺麗ですね。
今頃咲いているツツジ「モチツツジ」って言うんだ。六甲の石切道で咲いていたのはこれだったのかな。
「真っ赤な葉」ってヤマウルシじゃないの? そんな感じのはスルーしちゃいます。
「林道の赤い宝石」は、イクラみたいですね〜美味しそう! って私はイクラは食べられないけどね。
この奥島山の岩のテラスはいいところなんですよ!のんびりと午後から登って夕暮れの琵琶湖や対岸の山々の風景を眺めながら物思いに耽けるにはもってこいです。静かですしね。
しかしSNSの影響で少し人気が出すぎましたね。まぁこうして私もその一端を担いでいるわけですけど。
日牟禮八幡宮の樹の件、ありがとうございます。そうですか、椋の木ね。そういえば近くにもう一つ大きな樹が見えてました。榎ですね。
山上に立ちそびえるブナやトチノキやアシウスギなどの巨樹も素晴らしいのですが、こうした社寺仏閣で古くから生きている樹々は、訪れる人々の念や想いを吸い取って大きくなってきたような気がして神そのものに見えます。
山に咲く花や木の実、木の葉、それらの美しさは何とも言えません。山歩きを再開してからたくさんの自然に触れ、ヤマレコの同士に影響を受けながら、色々な自然の営みや魅力に「気づき」が出来るようになりました。
石切道のツツジもモチツツジですよ!でもこの季節に狂い咲くのが多すぎる、と気づいて、調べてみたら矢張り一年を通して咲く個体があるとのこと。面白いです。
ののさん、イクラを食べられないなんて勿体ない!もしかしてウニも?
ウニもイクラも大好物なのに、私の食卓には滅多に上がってくれませんわ。
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