大雪に悪戦苦闘の小楢山(塩山駅〜塩ノ山〜ホテル・フフ〜小楢山〜柳平〜クリスタルライン〜窪平)
- GPS
- --:--
- 距離
- 37.8km
- 登り
- 1,782m
- 下り
- 1,698m
コースタイム
→母恋し道入口9:58→小楢峠11:18→小楢山11:40-54→焼山峠13:05→柳平13:26
→川上牧丘林道ゲート13:33-39→琴川ダム管理道路行止り13:59→柳平14:16
→杣口浄水場15:35→窪平栄和タクシー前16:08
天候 | 快晴 夕方から曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
帰り 窪平からタクシー(1700円)→塩山駅 ※青春18切符利用 ※窪平ではバスに間に合わずタクシー利用、牧丘にはタクシー会社2ヶ所有り。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【塩山駅→ホテル・フフ(登山口)】 ・塩山駅から小楢山方面へ行く早朝のバスはないため延々と歩いた。 ・牧丘付近からは急坂続きになり、キツイが富士山をはじめ眺めが良い。 ・JA中牧西からホテルフフまで分岐や枝道が多くわかりにくい。 ・小楢山への道標は全くありませんでした。 【ホテル・フフ→母恋し道入口】 ・ホテルフフには10台ほど停められる登山者専用駐車場がある。 ・駐車場の先にある鉄扉を開けて登山道(林道)を登る。 ・すぐに5〜10cmほどの雪道、父恋し道入口付近から急に20〜30cmとなりスパッツ付ける。 ・最初から最後まで、まったく踏み跡なし 【母恋し道→小楢山→焼山峠】 ・積雪は1500m付近までは概ね30〜50cmほどだった。 ・母恋し道→小楢峠間は登山道の痕跡はまだ残っており、上りでは迷うことは無かった。 ・小楢峠の手前から50cm前後となり、所々スパッツが役に立たない深さもあった。 ・雪質はサラサラだったり、ズボズボだったり。 ・小楢峠から頂上までは大量の積雪でルート不明。 ・小楢峠から先は広い尾根なので要注意、数少ない木の赤ペイントを辿って登る。 ・頂上から焼山峠は下山とはいえ、アップダウンも多く地形が複雑なので慎重に。 ・途中からは一部で新道・旧道に分かれる ・防火帯を歩く新道の方が分かりやすいが起伏が激しく要体力。 ・当然ながら人の踏み跡は全く無く、ルートが分かりにくい箇所有り。 【焼山峠→窪平】 ・焼山峠付近の林道ではちょうど除雪車が作業していた(13:00頃)。 ・柳平の集落からクリスタルラインにかけては除雪済みだった。 |
写真
感想
奥秩父最高峰の北奥千丈ヶ岳に駅から繋げたいという理由で
長い車道アプローチを含めてロングの小楢山を楽しむことにしました。
(普通は焼山峠までマイカーで入るのが一般的です)
今日は車道歩きが長いので靴はローカットのウォーキングシューズ、
先日下界では雨が降ったが、山でもせいぜい積雪は10〜20cmでしょう。
スパッツさえあれば大丈夫、大雪ではないのでストックは不要。
そんな甘い考えは、見事に打ち砕かれて、バチが当たったかのような
今の時期、低山ではあり得ない雪山修行になってしまいました。
以下 行程概略
先週、遅く出発して中央線の運転見合わせに引っかかってしまいましたので、
今日は暗いうちから家を出かけ、塩山駅出発7:00となりました。
勝沼ぶどう郷で、車窓から南アルプスが見えたので
長いアプローチに寄り道する暇は無いはずですが、駅前の塩ノ山へ。
残念ながら北部は荒れているようで雲が湧き始めていました。
それでも赤く染まった南アルプスが見れました、少し得した気分。
氷点下5〜6℃でしょうか。かなりの冷え込み。
朝陽が昇っても陽が当たらない車道歩きは寒いです。
牧丘の町に入ると、車道は一気に上り坂になり巨峰の丘へと。
あたり一面の巨峰畑を登り、背中に朝陽を浴びて暖かい至福の時。
振り返れば、眼下に塩山の街並み、塩ノ山も遥か下です。
富士山も御坂山塊の上に大きく迫り出して、爽快な眺めが広がりました。
小楢山登山口はホテルフフの裏側にあるという話なので
ホテルを目指しますが、ホテルらしきものは見えず、
仕方がないので、とりあえず大きく見える小楢山に向かって上ります。
小楢山は上のほうは真っ白で相当雪がありそう。
自分の貧弱なお気楽ウォーキング装備に早くも撤退が脳裏をよぎる。
しばらく上るとホテルの看板があり、公園のような敷地の中に小さな施設が。
ホテルというより小規模な保養所という感じでしょうか。
それにしても富士山を望む素晴らしいロケーションです。
道路沿いに歩くと一番奥に登山者用駐車場がありました。
駐車場に車はありません。先行者も居ません。
クマ避けの鉄柵の扉を開けて、未舗装の林道を登っていきます。
すぐに雪が出てきて、父恋し道分岐の手前からは急に増えて来ました。
ローカットのウォーキングシューズでは、たまらずスパッツを付けました。
父恋し道を登って、大沢ノ頭→幕岩→小楢峠→小楢山の計画でしたが、
既に林道で20〜30cmの積雪、どう考えても時間的にも体力的にも無理です。
ズボズボやりながら、しばらく歩いて母恋し道の入口へ。
ここからなら小楢峠までショートカットで直接登れるので何とかなりそう。
当初の計画より、時間的にもかなり節約できるのでひと安心でした。
付近は伐採地なので広大な雪原の向こうには大菩薩が見えてました。
思わぬ大雪の楽しさと同時に、この後、行けるのかよ、という不安まじり。
「父恋し道」も「母恋し道」もここから本格的な急な登山道になります。
しかし、地図で見ると「母恋し道」は峠まで距離的には短い。行ける!
冬枯れの木立には雪の花が咲き、陽の光でキラキラと輝く。
気分よく雪山歩きを楽しめたのも束の間。
すぐに、ストックを持って来なかったことを後悔することになった。
急坂になると、滑るわ滑るわ、底のすり減ったウォーキングシューズ。
何回か滑っては手を突き、雪まみれ。木に摑まると上からは雪の爆弾。
雪の重みで倒れた枝を避けるのもひと苦労。ズボズホの連続。
ローカットシューズなのでスパッツがめくれないように慎重に歩きます。
通勤靴用のベルト式スパイクを持って来ましたが、付ける余裕なし。
とにかく、雪を押しのけて上に進むことしか頭になかった。
遭難防止のため、小楢峠12:00のリミットを設けて登りました。
しっかりトレース付けて来ましたので、同じ道の撤退は楽でしょう。
膝上の積雪もあり苦労しましたが、予想より早く11:18に峠に到着できました。
しかし、やっとたどり着いた小楢峠付近は、この時期としてはすごい大雪。
ソフトクリームのように渦を巻いた雪が波打っていました。
下半身に雨具を履かないとまずい状態です。
頂上までは僅かな登り。夏道なら10分程度なのですが…
しかし、ルートは全く不明。
広い尾根を外さないように、数少ない木の赤目印を探して登ります。
頂上まで行くかどうか迷いましたが、たぶん焼山峠まで車で来たハイカーが居る。
上まで行けば、あとはトレースがバッチリあるはずだ。
自分に都合の良い想像ばかりしてました。
頂上までの僅かの距離がなかなか縮まらない、超スローモーション歩行。
やっとのことで着いたモコモコの雪原には誰も居なかった。
まっさらな雪原が広がっていました。
頂上は大菩薩から南アルプスまで絶景です。
見下ろす甲府盆地の向こうにはどっしりとした富士山。
風もなく暖かい頂上で、ジリジリと雪焼けしそうな感じです。
のんびりしたい気分ですが、孤高の頂きみたいな処に来てしまった感がある。
早く安全に下山しなければ…
雪山はトレースをしっかり付けて来た道を戻るのが一番安全だろう。
しかし計画通り、焼山峠に降りてクリスタルラインを繋げたい。
次なるトライのために、林道川上牧丘線のゲートまで繋げる。
焼山峠からのコースは、雪が無ければお気楽コースだが
地形が複雑で尾根が広く、ルートが判別できないと怖い。
途中から、比較的明瞭な新道(防火帯コース)を歩けば安全だが
起伏が激しいので体力脚力に自信が無いとラッセルは相当キツイ。
積雪期も含めて過去に何度も訪れてコースは熟知しているつもり。
焼山峠に出れば、柳平集落も近く、後は車道歩きで安全、タクシーも呼べる。
ということで、計画通り行くことにした。
途中で、熊と思われる新しいラッセルの跡があって焦った。
ルートは分かりずらい場所もあったが、迷うこともなく
何とかモコモコの雪道を切り抜け、焼山峠にたどり着く。
除雪車が作業しているのを見てホッとしました。
途中ではアップダウンも多く、下りでは何回かひっくり返った。
幸い乾いた雪が多く、それほど濡れることはありませんでした。
やはり柔い靴は、雪山用の登山靴のようには扱えませんね。
キックステップもヒールカットもうまくできない。
おまけにストックが無かったというのは致命的でした。
その後、ダム見物なんかしちゃって、長い長いクリスタルラインを降りて
急いで窪平に向かうも、バスには間に合わない間抜け…
閑散とした町中で1時間待ちもツライので、タクシーで駅までワープしました。
今回の反省点は、雪山ハイク云々より、山歩きの心構えがなってない。
やはり、本格冬山に再び行こうか? そんなこと考えない方が良いと再認識した。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こんばんは!
レコ、拝見させて頂きました。
そして、ビックリ。
ロード部分が有るとは言え、40km近くの距離!
しかも、ダム見物のオマケ付きとは、スゴイです。
さらに、軽装備での雪山への挑戦は、絶句するほど驚きました。
しかし、かなり追い込まれた?様子ですね。
「通勤靴用のベルト式スパイクを持って来ましたが、付ける余裕なし。」
そうなんですよね。
先きを急ぐ余り、出来ないのでしょうか?
私も、靴紐が緩み、靴がズレ始めましたが…
アイゼン(ベルト式)を外し、スパッツを外して…直す…。それが面倒でなかなか出来なかったです。
そして、「たぶん焼山峠まで車で来たハイカーが居る」
考える事は、同じですね〜。
私も、頭の中を、色々な事が駆け巡りました。
今回は、私も勉強になりました。(低山の経験は少ないのです)
お互い、無事に帰れて良かったですね。
ではでは〜
こんばんは。
コメントありがとうございます。
今回は、登る前から負け、でした。
小楢山は過去何回も登ってることもあって、
駅から国師・北奥千丈岳の冬季登山口(柳平ゲート)まで
行くのが目的だったので軽視してしまいました。
しかし、追い込まれると
やるべきことをやらない(滑り止め付ける事・紐の締め直し)。
自分に都合の良い事考える(頂上にはマイカー登山者が居る)
ホントに同じですね。
まぁ、今回は結果としては、ケガもせず、
ほぼベストで良かったです。
いつも、装備や道具に頼った歩き方はダメだ、
なんて知ったような事、言っているんですが
使うべき装備は使う。反省です。
yamaheloさん、こんばんは。
今朝、自宅近くから、丹沢山塊を見たら、上は、白っぽかったので、もう標高1000m以上は、雪なのだなと、思いました。例年より、少し早いような…。
レコを見る限り、標高900m前後で積雪、5〜10cmなのですね。踏み跡のない新雪の道を歩くというのは、気持ちいいもんですよね。それにしても、雪道を含めての、38kmは、すごすぎです。
私は明日、四方津駅スタートの、山行を考えています。
こんばんは。
小楢山は登山ルートに関しては
庭みたいな感覚なので、積雪量も含めて
考えが足りませんでした。
滑りやすいのとストック無しがキツかったですが
大雪ハイキングを 思う存分? 楽しめました。
それでも油断は大敵ですね。
四方津スタートですか。
もちろん、Vルートですね。
油断した私が言うのもナンですが
北斜面はかなり雪が残ってると思いますので
お気を付けて行ってらっしゃい。
yamaheroさん、こんにちは。
当方、21日から北岳にトライして想定以上の雪、
強風で途中撤退で先ほど帰ってきました。
今日、中央道で戻りながら山々を見ていて、雪結構降ったんだな
と同行のBochiBochiさんと話していました。
大雪に悪戦苦闘とタイトルにあったので、雪想定で
行かれたのかと思いましたが、ウオーキングシューズだた
とは驚きです。
それでも、キッチリ目的のピークを踏むのは流石です。
私なら尻尾を巻いて道路歩きに切り替えてます。
29番目の写真、最高ですね。
思惑は違っていたようですがノートレースの山頂、
そこからの展望を独り占め、羨ましい限りです。
millionさん、こんばんは。
今回は行き帰りのアプローチが長かったので
頭の中はそればかり、雪山のことは飛んでいました。
あの長いロードをミドルカットは勘弁という気持ち。
たいして重くないので二足で行けばよかったです。
装備さえ普通にしてれば、余裕だったんですけどね。
積雪期も含めて何回も来てる山なので突っ込みましたが
そうでなければ、登山道少し登って撤退してたと思います。
昨年、散々街道歩きしてツルツルになった靴ですから
滑り具合、尋常じゃなかったですよ。
結局スパイク付けませんでしたが。
でも、思いもしない大雪、そしてノートレースを
楽しめて?良かったです。
millionさんは、北岳でしたか。
それはまた、スケール大きいですね。
ただ金曜の時点の天気図で3000m級はNGでしたね。
まぁ、練習に行った思えばいいと思います。
でも、閉鎖中のスーパー林道も楽しかったのでは?
楽しそうに歩いている姿目に浮かびます。
夜又神トンネルは私もくぐっているんですが、
雪のスパー林道を私も歩いてみたいです。
レコ楽しみにしてます。
土曜日、山梨の天気はこんなにも良かったのですか?
こちら愛知は曇天の強風で、山に行かれてる方の安否を心配していました。
よくまあ〜トレース無しのズボズボの雪道をあのシューズで
歩かれましたね。
凄すぎです
想定外の積雪でしょうが、かんじき(スノーシューとは言わない)で
歩いたら楽しい雪道だったのでしょうね。
装備があれば、雪山は楽しいですよね。
(とは言ってもね、甘くないですよね)
s4redsさん、こんにちは。
東京近郊の山まで、雪雲は来ないので
ほとんど毎日快晴ですよ。
ただ、これからは雨の後は大雪注意ですね。
大部分は落葉フミフミのコースのつもりが
12月というのに、とんだ大雪でした。
小楢山はドピーカンで雪焼けしそうな状態でした。
途中でしっかり日焼け止めクリーム塗りましたよ。
いや、そうではなく、すり減った靴に
スパイク付ける方が先だろ!ってか。
日焼け止めは使って、スパイクは使わず、間抜けな話です。
ロードのことしか頭になく、アホな靴履きましたが
安靴とはいえ、防水性がいいのには驚きましたよ。
積雪50cmでノートレースともなると、
ホントにワカン、かんじき必須ですね。
今風に言えば、スノーシュー天国だったでしょうか。
山スキーもできそうでしたよ。
今回は熟知しいる山だったので良かったですが
普通この諸条件なら、絶対撤退すべきですね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する