愛鷹連峰縦走(黒岳〜越前岳〜呼子岳)―2021年登り納め
- GPS
- 05:26
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 943m
- 下り
- 939m
コースタイム
- 山行
- 5:04
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 5:26
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・越前岳〜呼子岳間は道が痩せているところがあり、滑落注意 |
写真
感想
【計画】
年末は24日からまとまった休みを取れたので、26日に櫛形山に登った後にもう一回くらい山に行っておきたいと思い立ち、予報で日中の寒さがひと段落するといわれていた29日に登山を計画しました。知人と予定が合わなかったので、久々の単独登山となりました。疲労困憊で年末年始を過ごすのは避けたかったので、歩行時間が長すぎないルートを見繕いました。
ターゲットは愛鷹連峰にしました。天城山に向かう道中、東名高速からその山容を見て以来登りたいと思っていた山です。愛鷹連峰なら多様なルートをとれるし、積雪もあまりないだろうから雪山に慣れていない私が単独で踏み込んでも問題はないでしょう。今年は車の運転を覚えたので、登山口までは車で向かうことにしました。今回は、北方の山神社より黒岳→越前岳→呼子岳と縦走し、山神社に戻ってくる周回ルートを設定。標準コースタイム6:10と、適度な運動となりそうです。
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【黒岳まで】
国道469号から「愛鷹山登山口」の標識を目印に林道に折れて進むと、山神社の駐車場に行き着きます。林道は一応舗装されているものの、ところどころ陥没しているので走行には注意が必要。到着時刻は7:30頃。駐車場はそこそこのキャパシティがあるので満車の心配はしていませんでしたが、想像以上に空いており、先客はまだ3台のみ。
支度をして、まずは黒岳を目指します。山神社の鳥居をくぐると目に飛び込んでくるのが「松永塚」と書かれた巨石。塚の由来を読むと、どうやらまだ愛鷹北方が未開の地だった時に、松永さんが遭難して亡くなり、それを機に愛鷹北方の登山道が整備されたことを記念して作られたらしいです。松永塚、そしてその奥の山神社の祠に手を合わせ、今回の山行の無事を祈りました。祠の近くには「富士遊湯の里 大野路」の看板があり、備え付けの箱の中に割引券が入っていると書かれていましたが、残念ながら箱の中身は空でした。
富士見峠までは基本的に緩やかな登りが続きます。あまり陽が当たらないせいか至るところに霜柱が立っていましたが、積雪はありませんでした。霜柱を踏んだ時に鳴るザクッ、という感触を楽しみながら登っていきます。途中に愛鷹山荘がありましたが、門扉が閉ざされており、中には立ち入れない雰囲気でした。愛鷹山荘から数分で尾根上に出ると、そこに富士見峠の案内標がありました。「富士見」という名の割には、木々で覆われて展望はなし。
黒岳に登頂すべく、富士見峠を東方に進みます。樹根が張り出した道を歩いていくと木段が現れ、この木段を登り切ると傾斜はひと段落し、黒岳山頂まではほぼ平坦な道となります。黒岳山頂が近くなると、若干正規の登山道がわかりにくくなります。黒岳山頂は展望がないものの、山頂近くのベンチがあるスペースで眼前に大迫力の富士山を望むことができました。
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【越前岳まで】
黒岳から、一旦富士見峠まで戻ります。富士見峠〜黒岳の中間あたりに展望台があり、立ち寄ると男性が富士山の絵を描いていたところでした。私の気配を察すると「すみませんね、どうぞ写真撮ってください」と私のために退いてくれました。好意に甘え、写真を数枚パシャリ。ここも富士山がよく見えます。
富士見峠まで戻ると、今度は西方に進みます。登山道の右手には富士山、左手には位牌岳などが木々の間から見えました。景色を楽しみながら、緩やかな傾斜を登っていきます。鋸岳展望台では鋸岳・位牌岳方面に視界が開けます。
富士見台までの登りがややきついと感じました。道が複数あったり、わかりづらいところもありましたが、木に巻かれた赤テープをたどって歩きました。途中、「危険」と書かれたロープが張られていました。このロープの先は崖。誤って足を滑らせたら命はないので、大人しく先人の警告に従い、正規ルートを進みました。
富士見台は、旧50銭札に描かれた富士山の図案になった写真が撮られた場所らしいですが、いまは手前の木々に視界が若干遮られて、特別に富士山方面への眺望が良いとは思いませんでした。案内板の右手に脚立のようなものがありましたが、登るためのものか、カメラの台かわからず。固定されていなかったので登るようなマネはしませんでした。ここまで来れば登り坂のピークは過ぎた印象で、越前岳までは傾斜が緩やかになっていきます。越前岳山頂が近づくにつれて再び登山道に霜が目立つようになっていきましたが、積雪や凍結箇所はないので、この日は持参したチェーンスパイクの活躍の場面はありませんでした。
愛鷹連峰最高峰の越前岳山頂に着く頃には、若干富士山が見えづらくなってしまいますが、周囲の樹々の樹霜が美しかったです。樹霜は昼食を取っている間に溶けちゃっていたので、早めに登頂した人しか見れないご褒美かもしれないです。快晴だったので麓の富士市街はもちろん、南方は駿河湾がよく見え、南アルプス方面も微かに望むことできました。ただし、風が非常に強く、じっとしていると体が冷えました…。
山頂は広くないですが、ベンチが数台設置されていました。これまでに出会った登山者はわずか2人みのでしたが、山頂のベンチで昼食を摂っていると、次第に5、6人の登山者が見えました。しかし、まさかこれ以降の道中、ほかの登山者の姿を見ることがないとは思いもしませんでした。みんな年末で忙しいのか、それとも選んだルートが人気無いのか…。
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【割石峠まで】
越前岳を後にし、次に呼子岳を目指します。一本道なので道迷いの心配はありませんが、これまでとは打って変わって、石がゴロゴロした登山道となります。段差も大きいところが多く、歩きづらいです。陽が当たって霜が溶けているところはぬかるんでいて滑りやすいです。道が痩せている箇所もあり、滑落しないよう足元に注意して歩いていると、ガツンと頭を木の枝にぶつけたりします。そんな、色んなところに気を遣う、いやらしい道でした。そして西方から冷たい風が吹きつけ、歩いていても身体が冷えました…。ただ、相変わらずちょくちょく視界が開けて駿河湾が見られるので、飽きない道ではあります。
越前岳から高度200mほど下っていくと、下り坂がひと段落。軽く登り返すと呼子岳に到着。ここでも駿河湾が望めますが、山頂は狭く、これといった特徴はありません。山頂南方には「廃道」と書かれたテープが張られていましたが、この先の道は大岳に続いていたようです。後で調べたところによると、侵食が進んで危険だから廃道になったとか…。
もちろん大岳方面には進まず、正規ルートをたどって呼子岳から十数分ほど歩くと割石峠。おそらくこの日最後のビューポイントで、岩の間からわずかに相模湾が望めました。割石峠から位牌岳に向かうこともできるみたいですが、こちらも危険なようで破線ルートとなっているようです。
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【登山口まで】
割石峠から山神社に向かってガレた道を一気に降っていきます。もう風に悩まされることはありませんが、陽も当たらなくなるため寒いことに変わりはないです。道が広いのでどちらに進むべきか迷うこともありましたが、樹々に巻かれた赤テープに加え、岩にマーキングしてあったり、ケルンが積んであったりするので目印を見失わないように進めば特に問題ないでしょう。(今は意味のないケルンが問題になっている山もあるみたいですが、ここのケルンについてはある程度信用して良さそう…)
ガレ場がひと段落した頃、低い獣の鳴き声のようなものが聞こえました。そういえば、この日は獣の糞をよく見る日でした。思わず、登山口の「熊出没注意」の看板が脳裏に浮かび、速度を上げて下っていきました…。一応音楽を鳴らしていたので、獣と出会う心配はないと高をくくっていただけに、かなりビビりました。
割石峠〜山神社は特に見どころはなく、他の登山客も全くいなかったので、一人で歩いていると少し寂しい道でした。
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【まとめ】
好展望で人気の山というイメージでしたが、意外にも人の気配が無く、終始静かな山歩きとなりました。今回歩いたルートは、あちこちに展望台がある他、視界が開けて景色を楽しめるポイントが随所にあり、本当に飽きない山行でした。とりわけ黒岳から見たド迫力の富士山がなんとも印象的です。年の最後に、久々に「また来たい」と思える山に出会うことができたと思います。
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