鳳凰三山(夜叉神→白鳳峠→広河原)
- GPS
- 13:05
- 距離
- 16.8km
- 登り
- 1,963m
- 下り
- 1,790m
コースタイム
自宅〜中央道〜甲府昭和IC〜夜叉神峠登山道入り口
夜叉神峠登山口〜(0:45/1:00)〜夜叉神峠〜(0:50/2:00)〜杖立峠〜(1:00/2:00)〜苺平〜(0:20/0:30)〜南御室小屋〜(0:50/1:20)〜薬師岳小屋
(実際のタイム/標準コースタイム)
※休憩時間は含みません(何故なら参考にならないくらい休み過ぎ&遊び過ぎだから・・・/笑)
・総時間 :5時間45分
・休憩時間 :2時間
・実行動時間:3時間45分
・コンディション:◎
■2日目■
薬師岳小屋~(0:10/0:10)~薬師岳~(0:25/0:40)~観音岳~(0:50/1:00)~
赤抜沢の頭~(0:10/0:10)~地蔵が岳(オベリスク/0:10)~(0:10/0:10)~赤抜沢の頭)
赤抜沢の頭~(0:30/0:40)~高嶺~(0:30/0:40)~白鳳峠~(1:45/2:30)広河原
(実際のタイム/標準コースタイム)
※休憩時間は含みません(何故なら参考にならないくらい休み過ぎ&遊び過ぎだから・・・/笑)
広河原〜夜叉神〜芦安〜昭和甲府IC〜中央道〜自宅
・総時間:7時間20分
・休憩時間:2時間40分
・実行動時間:4時間40分
・コンディション:◎
天候 | 1日目:曇→小雪 2日目:ガス→晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2005年10月の天気図 |
アクセス |
感想
※当時のブログより転載
1日目<10月22日(土>曇り
【5:15 自宅出発】
まだ夜明け前の真っ暗闇のなか、自宅出発!
中央道まで車を走らせてる間にだんだんと空が明るくなってきたけど、時々雨が落ちてきたりする空模様で、どんよりと暗い空気・・・
しかも環八は、工事の為に大渋滞・・・
今夜の宿泊予定地、薬師岳小屋まではCT(コースタイム)7時間の行程。
このままだと、日没までに薬師岳小屋まで辿り着けないかも!?
出来れば8時半には登山口を出発したいところ・・・果たして間に合うのか!?
焦る気持ちを押さえつつ走ること約1時間半、何とか無事に中央道のICを通過。
幸い中央道はそれほど渋滞も無くて、一気に車中に広がる安堵感。
・・・となると急にお腹が空いてくるもので、高速に乗ったばかりだというのにいきなり石川PAに寄り道して朝ごはん(笑)
ちょうどTVで気象予報がやってたので、それを見ながらPAの食堂で朝ごはんを食べてたんだけど、やっぱり今日の天気は雨という予報・・・。
う〜ん、残念!!
でもとりあえず時間も押してることだし、大急ぎで朝食を済ませて・・・
AM7:00 石川PAを出発!いざ南アルプスへ!!
【8:50 甲府昭和IC通過】
今頃は登山口を出発してなくてはいけないという時刻だというのに、現実はやっと高速を降りたばかり。
それにしても、2週間前に甲斐駒に登ったせいか甲府や芦安の街並みが懐かしい!
まるで故郷に帰ってきたような懐かしさを感じつつ、またしても途中のコンビニで食料の調達をし、夜叉神の駐車場へと向かう。
芦安から夜叉神までは、前回と同じく霧が濃くて視界が真っ白状態。
細い林道をジグザグに登る為、カーブではクラクションを鳴らしながら走ってたんだけど、今回のレンタカーのクラクション…「ポ・ポワ〜ン」と、かなりお間抜けな音で大爆笑!!
能天気なクラクションの音が何故かツボにハマり、車中はトリップ状態☆
妙なテンションなままやっと登山口到着!
【9:30 夜叉神登山口到着】
濃霧の登山口・夜叉神の森に到着。
既に10時近い時間なので誰もいないと思ってたのに、登山道前の駐車場にはまだ団体さんのグループも沢山いたのでちょっとだけ胸をなでおろす。
早速靴を履き替え、軽く準備体操をして、いざ鳳凰三山に出発!
【9:40 夜叉神登山口出発】
駐車場から道路を渡ってすぐの登山道を登りはじめる。
広くてなだらかな登山道・・・な、なんか、この道・・・歩きやすい!?
今まで岩がゴロゴロしてる登山道ばかり経験してきたせいか、それとも秋という季節のせいか、こんなに足元が柔らか(土っぽい)くて安定してる登山道は初めて!気持ちいいっ!!
空気はガスで湿っていて重かったけど、足取りは快調♪
カラマツ林の中をグングンと登って、途中「五本松」や樹木から垂れ下がってるサルオガセ(苔)を観察したりと、何となく遠足気分で登ること45分・・・次第に展望が開けてきて・・・
【10:25 夜叉神峠到着】
夜叉峠小屋のある夜叉神峠に到着。
小屋は営業してるのかしてないのか分からない感じでひっそりとしていたけど、小屋前の広場(?)には大勢の人が休憩していて大賑わい。
折角だからと、ここで10分休憩♪
もし天気が良ければここから白峰三山が綺麗に見えるはず・・・
しかし生憎の天気で、見えるのは真っ白なガスだけでした・・・・(涙)
【10:35 夜叉神峠出発】
10分の休憩の後、夜叉神峠を出発!
笹道を暫く行くと、ダラダラとした長い登りが延々と続くように・・・。
でも道も歩きやすいし、何よりも先が見通せる長い坂道って感じなので、気持ちよくどんどんと登れる。
遠景はガスってて見えなかったけど、山腹の紅葉も綺麗に見えたし登山道の木々もいい感じで雰囲気も最高!
ここで大分CTを稼ぐ事ができました。これで渋滞で遅れた分を取り戻せる〜万歳っ!
【11:25 杖立峠(大崖頭山)(標高2186.1)到着】
長い坂道を登りきると、杖立峠の道標のある大崖頭山に到着。樹林帯のなかで展望は無いけど、ここで20分休憩することに!
すると山岳パトロール(?)の人が、
「追い付こうとしたけど追い付けなかったよ〜早いねぇ〜」
と言いながらやってきたので、一緒にお茶しながら、しばし談笑。
南アルプスの絵ハガキやしおりを頂いちゃいましたv
【11:45 杖立峠(大崖頭山)出発】
大崖頭山を出発すると、いきなり下り坂。
折角登ったのに下るのぉ〜?とちょっとだけ文句を言いつつ暫く行くと、ゆるやかでまったりしたいい道になって杖立峠到着!
樹林帯のなか、木漏れ日も差してきてホントにいい雰囲気です。
森林浴をしてるような気分でのんびり歩いていくと、少し拓けた場所に出て山火事跡を通過。
徐々に再生しつつある森を眺めながら暫く行くと、いきなり展望が開けてきて絶好のビューポイントに到着!
きっとここからは絶景が見渡せるはず!でもガスで全然見えない><
しかも展望が開けたせいか風が吹き付けてきて寒い!!
・・・残念ながらここでの休憩は断念!
急いでフリースを着込んで歩き出し、階段状の岩坂を登ってここから約30分先の苺平を目指す事に。
【12:45 苺平通過】
ビューポイントから約15分・・・
半分ほどの時間で鬱蒼とした森の中にある苺平に到着。
展望は無し。
天気が良ければ、さっきの所で休憩した方が良いかもしれない。
ここからは往復40分程で辻山へと寄り道出来るらしいんだけど、雨もポツポツと降り始めてきたので、今回はとりあえずパス。
休憩する事なく急いで南御室小屋へと向かう事にしました。
南御室小屋まではここから約30分。
ひたすら下り道です。どんどん下って行きます。ガンガン下ります。
どうやらこの辺りではカモシカに出会う事もあるそうですが、そんな気配は全く無く、一体どこまで下るんだ?と思い始めた頃、やっと樹林を抜けて南御室小屋に辿り着きました。
【13:05 南御室小屋(標高2440叩謀着】
苺平から樹林帯を抜け、広い窪地に抜け出ると南御室小屋に到着!
小屋の中を見ると人の気配は無く、スタッフが壁の修繕作業をしているみたいでひっそりと寒々しい様子・・・とりあえず小屋前のベンチで作業が終わるのを待ちつつ休憩。
そうしてるうちに、さっき絵葉書をくれたおじさんが到着してきたので、またしても談笑。
・・・が、今まで歩いてて気が付かなかったけど、しばらくすると体が冷えて物凄く寒い!ザックからありったけの防寒着を取り出して着込んでみたけど身を切るような寒さ!!しかもいつのまにか小雨は小雪になってて風に舞ってるしぃ〜もう臨界点突破!!!
急いで修繕作業の終わった小屋に駆け込み緊急避難。
・・・ついついカップ麺(400円也)を購入しちゃいました(笑)
早速小屋のスタッフにお湯を入れて貰い、持参してきた食料とあったかいお茶、そしてカップ麺でお昼ごはん。
やっと体も温まってぬくぬくv・・・もう外に出たくないよ〜!((o>
と、そうこうしてるうちに後続の登山者も続々と小屋に到着。
そういえばCTを見てみると、標準で5時間半はかかる所を3時間半で来てる計算。
・・・小屋泊装備という事もあるとは思うけど、あのCTはちょっと余裕を持たせ過ぎな気も・・・
南御室小屋を予約してた人も計算が狂ってしまったのか、来る人来る人みんな、南御室小屋をキャンセルして薬師岳小屋に変えて貰えないかと交渉中。
しかし今日の薬師岳小屋は予約で満室なのでダメらしい。
・・・薬師岳までの標準CTは7時間・・・実際は4時間・・・
予定通り辿り着けるか不安だったけど、薬師岳小屋の方を予約しておいて良かったv
さて、時間にも余裕があるということで1時間以上も小屋の中でまったりと休憩した後は、いよいよ重い腰をあげて出発!
とその前に・・・
今夜泊まる薬師岳小屋には水場が無いので、ここで下山までの水を確保!
小屋の横にある水場からは綺麗な湧き水が湧いてます。
そう、正真正銘 『南アルプスの天然水』です!!だって案内板にもちゃんと書いてある(笑)
それにしても、ここの水はめちゃめちゃ冷たくて美味しいv水も透き通るように綺麗です。お立ち寄りの時には是非!おすすめです♪
【14:15 南御室小屋出発】
そんなこんなで、いよいよ南御室小屋を出発!
小屋の前を横切って、小屋の裏手にある登山道を再び登りはじめるといきなりの急登!
しかも鬱蒼とした暗い樹林帯の中なので、またしても登山道を見失いそうな予感が・・・なので今回は、慎重に目印を探しきちんと確認しつつ登る!←ちょっとだけ成長?
しばらくすると急登もひと段落・・・いつの間にかなだらかな山道になっていて再びお散歩気分♪
尾根を巻くように気持ちよく歩いていくと、木々の間から白い砂に覆われた斜面が見え隠れするようになって、いよいよ砂払岳に近づいたことを確信!俄然盛り上がるテンション!
最後のひと登りをして森林限界を越えると、急に視界が開けて巨岩と白砂の日本庭園チックな光景がっ!!
おおっ!やっと鳳凰三山らしくなってきた!
とりあえずここで一旦休憩&散策。
大きな岩に駆け登って北岳の方を見てみると、雲が少し薄くなってきていて何となく山影が見えるような気が・・・
そして、そのまま岩下を覗いてみると絶壁・・・ガクブル・・・
そしてここからは、明日登る予定の観音岳や薬師岳もやっと見えるようになりました。
しかしそれにしても風が強い!!大きな岩陰に身を潜めて休憩したけど、めちゃめちゃ寒い!!
とりあえず写真を撮ったりと散策を続けながら砂払岳の頂上を目指す事に・・・
【15:00 砂払岳頂上到着】
ガマの石を過ぎ、白い砂を踏みしめながら歩いていくと、まもなく砂払岳頂上に到着!
目の前には薬師岳や観音岳が、さっきよりも大きく迫ってきていました。
そして眼下には今夜泊まる予定の薬師岳小屋の屋根が手の届きそうな所に!
ここまで来れば、今夜の宿泊地薬師岳小屋までは目と鼻の先。小屋の前で寛いでる登山者の姿もよく見えます。
思わず手を振ってみたりしながら岩の上で景色を満喫♪
そしてこの時、ちょうど薬師岳小屋から登ってきた熟年のご夫婦と一緒になったので、お互いに薬師・観音岳をバックに記念写真をパシャリ
そしてそのまま、しばし雑談(笑)
砂払岳を心ゆくまで堪能した後は、いよいよ花崗岩の折り重なる岩場を下って今晩の宿、薬師岳小屋へと向かう事にしました。
【15:25 薬師岳小屋(標高2720叩謀着】
砂払岳で思い切り遊び倒した後は、岩の折り重なる道をテクテクと下って行って、あっという間に薬師岳小屋に到着!
早速小屋の中で宿泊手続きを済ませた後、スタッフの人に案内されて2階・・・というか梯子を登って屋根裏部屋へ(笑)
案内された2階部屋はまだまだ人影もまばら…スタッフにも「どこでも好きな所でいいですよ」と言われたので、お言葉に甘えて一番端っこの場所をGET!!
1【6:00頃】
混まないうちに布団の準備をし、約1時間程荷物の整理をしたりして再び小屋の外へ。
小屋の外に出てみると、外のテーブルやベンチにはうっすらと雪が積もってました。
しばらくすると陽が傾いてきたのか、薄曇の空が綺麗なピンクに染まり、パラパラと舞い落ちてくる粉雪と相まって凄く綺麗でした♪
【17:00頃】
そして17:00からはいよいよ夕食。
私達の順番は2回目で17:30から夕食開始!
今夜のメニューは、ひたすら常温に近いぬるいおでん(レトルト?)と、極限まで水分を節約したご飯と漬物が少々・・・そしておわん1/3程のお味噌汁でした。
しかも今日は夕食が3回戦まであるということで、お茶はひとり1杯まで!おかわりはご遠慮ください!とのこと。
・・・水場が無く、天水のみで経営してるということで仕方ないですね・・・。
それでもご飯はおかわり出来るということだったので、おでんと漬物で美味しくいただきました。
【18:00頃】
夕食が終わって外に出てみると辺りはもう真っ暗。
先程までの雪もすっかり止んで、空はいつのまにか満天の星空
星が降り注いでくるような星空に思わず感動!!
吐く息が白くなる位寒かったけど、飽きることなく星空を堪能しつつそろそろ寝る準備をすることに…。
いつもは「山登りの後はやっぱり冷たいビールはかかせないぜ!ぷはぁ〜」という私でも、流石にこの寒さでは「ま、たまにはいっか」って感じで、今回は晩酌は無しでそそくさと寝る事にしました。
ペットボトルを片手に歯磨きを済ませ、ヘッドランプを装着して小屋の裏手にあるトイレへ・・・
そうそう、ここのトイレは小屋の外でしかも水洗じゃないんですよね。
なんだかノスタルジックで懐かしい気分になりました。(というか田舎のおばあさんちは最近までこんな感じでした/笑)
【19:00頃】
さて、寝る準備を済ませた後はふとんに潜り込み、小屋に置いてあった山雑誌をお借りしてパラ見しながら就寝。
小屋の消灯時間は20:00だけど、さっさと19:00には寝ることに。
・・・が、とにかく寒い寒いっ!!
小屋のストーブは夕食前には撤収してしまった(早っ!)ので、小屋全体が冷え切ってとにかく寒い!
仕方なくフリースや防寒着を着込み、ソックスも2枚重ねにしてやっと寝付く事が出来ました。
【22:00頃】
・・・が約3時間後・・・!
今度は暑くて目を覚ましてしまいました。
小屋の中は満員御礼・・・人いきれで温まった空気で壁は結露し、枕もとに置いておいた地図はびしょびしょ><恐るべし人間の体温!!(笑)
周りの人を起こさないように着込んだ衣類を脱ぎ、Tシャツ一枚でなんとか丁度良い感じになったけど…でも結局そのまま眠れずに朝を迎えました。
「慣れ」だとは思うけど、いつになったら山小屋で爆睡出来るようになるんだろう・・・
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2日目<10月23日(日)曇〜晴れ>
【4:30 起床】
あまり寝付けないまま、AM4:30頃になってやっとふとんからムクムクと起き出し、身支度の為に小屋の外に出る。
外はまだ真っ暗。幸いなことに雪は積もってなかったけど物凄い寒さと強い風!
再び小屋の中に入って荷物の整理などをし、食堂(?)で昨夜のうちに貰っていたお弁当を食べようとしたら、「もうすぐ朝食の配膳をしますので、お弁当の方は席を外してください」とのこと・・・。
泣く泣くお弁当は諦めて、お腹ぺこぺこなまま、薬師岳へ向けて出発する事にしました。
【5:55 薬師岳小屋出発】
朝食のいい匂いが立ち込めてきた小屋を背に、いざ薬師岳へ出発!!
山の上の方では梢が強風に煽られ「ひょぉおお〜っ!」と寒々しい音を立て、足元には約10cm程はあろうかという霜柱がザックザク!!
どうやら今日は今年初の冬型の気圧配置だった様子で、気温も今年一番の寒さだとか!?
ハイマツが茂る登山道を登り始めしばらく歩いていくと、再び森林限界を越える。
強風で吹き付ける砂(痛い!)と戦いながら、いよいよ薬師岳山頂へ!
【6:05 薬師岳(標高2780叩謀着】
薬師岳小屋から約10分程で広々とした薬師岳山頂に到着!
今日の日の出は6:10頃ということなので、なんとか間に合ったみたいで、ホッと一息。
・・・とここで問題発生!
今回から持参することにしたカメラのフィルムが0に!寒風の中ザックを漁り、悴む手でフィルム交換。
なんとか薬師岳に昇る朝日を拝むことが出来ました。
本当ならばここからは富士山から昇る朝日が見られたようですが、この日は辺り全体がガスってて、朝日もなんとな〜くしか見えませんでした。
・・・それにしても風強すぎ!冷た過ぎ!
【6:20 薬師岳出発】
木々も凍てつく程の極寒の薬師岳を満喫(?)した後は、いよいよ観音岳へ向けて出発!
そう!観音岳までは楽しい楽しい尾根歩き♪
・・・と思って観音岳へ続く尾根の方を見てみると・・・
目の前に広がるのは真っ白いガスの闇!
しかも尾根を横切るように容赦なく吹き抜けていくガスの流れはまるでブリザード!
・・・観音岳は真っ白い闇の彼方・・・
半泣きになりながら、意を決して真っ白いガスが吹きすさぶブリザードの中へ突入!!
強風のなかを突っ切るように歩いていくが、とにかく寒い・寒い・寒い・・・ガタガタ・・・
天気の良い日ならば、「自然の日本庭園を巡る空中散歩」とも呼ばれる程楽しい尾根歩きだけど、この日はまるでこの世の果てを彷徨ってるような気分・・・。
そして山の麓から巻き上がってくる突風に煽られながらガスの中を突き進んでいく事、約25分・・・
【6:45 観音岳(標高2840.4叩謀着】
何とか無事に鳳凰三山の最高峰・観音岳に到着。
到着して一息ついてみると、なんか視界に白い物がチラチラ・・・
何だろう?と思ってみたら、な、なんと睫毛が真っ白に凍ってるっ!?(笑)
何はともあれ、空腹で体温が全然上がらないので、とりあえず何か食べようとおにぎりとペットボトルのお茶を取り出してみると、今度はお茶までも凍ってるっ!!(笑)
しかもおにぎりの海苔まで凍ってパラパラと砕けちゃうし・・・恐るべし!鳳凰三山!!
おにぎりとシャーベット・ティで軽くお腹を満たした後は、段々と体温も回復してきたので観音岳を散策。
そしてふと北岳方面を見てみると、濃いガスの中にブロッケン現象を発見!
思わずブロッケン(自分の影)に向かって手を振ったり大はしゃぎ♪
生まれてはじめて見たブロッケン現象に大感動!!
と、そうこうしてるうちに天候も急速に回復!
あんなに分厚かったガスも次第に取れてきて、その雲間からは綺麗な富士山の姿がっ!
そして眼下には山梨の街並みと八ヶ岳・遠くには、この日初冠雪となった北アルプスの山並みが綺麗に見え、ついでについさっき極寒の中を歩いてきた薬師岳からの尾根もこんなにはっきりと見えました。
この頃になると気温もだいぶ上がってきて、尾根を歩いてくる人達も凄く気持ち良さそう。
・・・こんなことならお弁当にしないで、小屋で朝食を食べるようにしておけば良かった><
でもそのおかげで朝日&ブロッケンが見られたんだから、良しとしよう!!
【7:50 観音岳出発】
今までの山行ではいつもガスで景色が見えたことが無かったので、初めて見た山の雄大な景色とブロッケンに大はしゃぎしてたら、あっという間に1時間も過ぎててビックリ!(遊びすぎ/笑)
山頂にいた人達もいつの間にか誰もいなくなってたので、慌てて観音岳を後にし地蔵が岳へと向かう。
観音岳にいた時にはまだ雲を被ってた北岳も、地蔵が岳に向かって歩いてるうちに完全に雲が取れ、綺麗な姿を見せてました。
そして観音岳から一旦鞍部に下り、鳳凰小屋への分岐点を過ぎた当たりの日当たりの良い岩場でまた休憩♪←また?/笑
やっと少し暖かくなってきたので、ここで小屋から持ってきたお弁当できちんと朝食を摂ることにしました。
それにしてもやっぱりご飯は寒さでポロポロ・・・天然のフリーズドライ米へと変化してました(笑)
【9:00 赤抜沢の頭 到着】
きちんと朝食を摂った後は、最後のひと登りをして赤抜沢の頭に到着!
ここからは地蔵が岳のオベリスクが綺麗に見えてて、そこをよじ登ってる人達もはっきりと見えました。
当初の予定ではオベリスクに立ち寄らずに素通りするつもりだったので、とりあえずここで約30分程休憩。
北岳や間ノ岳をバックに写真を撮ったりして、見渡す限り360度のパノラマを満喫♪
目の前にはオベリスク・背後には北岳・そしてつい2週間前に登った甲斐駒も良く見える!
でもオベリスクを眺めながら休憩してるうちに「やっぱり登ってみたい!」とウズウズ・・・急遽予定を変更!時間も無いのにオベリスクに登る事にしました。
【9:45 地蔵が岳(オベリスク)(標高2764叩謀着】
地蔵が岳の「賽の河原」で不気味なお地蔵さんを見た後は、いよいよオベリスクの頂上へ!
岩の隙間をひたすら攀じ登りオベリスクの基部に到着。
オベリスクのてっぺんからは残置ロープが垂れ下がってるんだけど・・・こ、これを伝って登るのぉ〜〜???
足が竦み途中でずり落ちそうになりながらも、岩壁に付けられた僅かな足場を頼りに踏ん張り、大きな岩に挟まりながら気合を入れてファイトォ〜いっぱぁ〜つ!!
オベリスクの頂上には先客のおじさんが1人いて、最後の方は少し手を貸してもらいました。
頂上は私とおじさん2人登っただけでいっぱいいっぱいの狭さ!
でもそこから見た富士山は格別でした♪
でも、ぶっちゃけ風が強くて吹き飛ばされそうだったしめっちゃ怖かった〜・・ドキドキ・・・
【10:20 赤抜沢の頭出発】
オベリスクから戻るともう10時過ぎ・・・広河原のバスは13:25分であと3時間しかないっ!しかもそのバスを逃すと次は16:00までバスは来ない・・・大急ぎで下山開始!!
殆どの人は地蔵が岳から御座石温泉か青木鉱泉へと下山するのか、高嶺へと続く登山道は本当にひっそり。
あんなに沢山の人がいたのに、赤抜沢の頭からこっちへ歩いてくる人は私の他には1パーティだけ・・・聞こえてくるのも風の音だけで本当に静寂に包まれた早川尾根♪こんな山旅を待っていた!!
そんなまったりとした道を、右手には甲斐駒や仙丈・左手には北岳を見ながらアップダウンを繰り返し、足元が鳳凰三山の白砂から徐々に岩場に変化してきた頃ようやく高嶺に到着。
【10:50 高嶺(標高2778.8叩謀着】
高嶺に着くと目の前には北岳が大迫力で迫ってきて圧巻!
しかし山頂が狭い事や風が強い事もあって写真だけ撮ってそそくさと下山・・・休憩は少し先の岩場で風を避けながらする事にしました。
そこからは早川尾根の鞍部が遥か下方に見えて、高嶺〜白鳳峠の高度差を実感!逆に登るとしたらかなりの急登かも知れない!!
でもこれからはただひたすら下るだけ…名残惜しいような気持ちで山々を見つめながら稜線上での最後の休憩を終え、いざ出発!
高嶺からのやせた尾根を伝い急斜面を下っていくと、辺りはまるでハイマツや低潅木が茂るロックガーデン!いかにもライチョウやオコジョがいそうな雰囲気!!
思わず期待に胸を膨らませ辺りを探しながら下っていったけど、結局今回もライチョウ&オコジョには出会えませんでした(;;)
それにしても大分前から眼下に白鳳峠らしき所は見えるのに、下っても下ってもなかなか着かない!
もしかしてあの鞍部の所が白鳳峠じゃなくて実はもう通り過ぎてしまったのか?と不安に思い始めた頃やっと白鳳峠に到着。予想は間違ってなかった(笑)
【11:30 白鳳峠】
が、感動する暇もなく白鳳峠を淡々と通過。
地図上のCTでは、ここから広河原のバス停までは2時間40分・・・バスの時間までもう2時間切ってるし!!
ここから先は一旦樹林帯を抜け、大きな岩がゴロゴロしてる石畳のような道。目印を見失わないように黙々とひたすら下る下る!!
でも時々後ろ髪を惹かれるように、今下りてきたばかりの早川尾根を振り返ってみたり(笑)そこから見上げた岩だらけの白い稜線と青空のコントラストがとても綺麗でした♪
と、そうこうしてるうちにいきなり岩道が途切れ、鬱蒼とした森林が突然出現!!ぱっくりと口を開ける様に現れた森林限界の中にいよいよ突入!!
今までずっと目の前に見えてた北岳の姿もここで見納め・・・あとは樹林帯の中をひたすら下っていきました。
ここからは山腹を巻くように下って行くのですが、それにしてもうんざりする程の長い道程。まだまだ油断は禁物!
途中土砂崩れしてる所を迂回し、大きな岩がせり出してる梯子場を下り、急斜面をロープを伝って下ること約1時間・・・やっと麓の野呂川のせせらぎの音が聞こえてきたのでここでようやくちょっこっとだけ休憩。麓はもうすぐだ!!
・・・しかし本当の地獄はこれからでした。(笑)
野呂川の音も大きくなり、川の水面がキラキラ光ってる様子もすぐそこに見えるのに、下っても下ってもなかなか辿り着かないっ!!
時間は無いし、いつ辿り着けるのか分からない不安と戦いながら、急登と呼ばれる斜面をかなり焦りつつ下る。
時計とにらめっこしながら「もう着いてもいい筈・・・なのに何故着かない!?」と思い始めた頃、いきなり視界がひらけて、あっけなく麓を走る林道に到着!?
どうやら樹林帯の中では遠近感がおかしくなってたみたいで、やっと到着した喜びよりも、「あれ?いつの間にか着いちゃった?」となんだか狐につままれた様な気分でした。
【13:15 広河原登山口到着】
しかしほっとする暇も無く、時間はもうバス発車時間の10分前!
南アルプス林道に辿り着くと、バス停めがけて一目散にダッシュ!・・・とは筋肉痛というか膝が笑って出来ず・・・(笑)
気持ちだけダッシュのつもりでひたすら早歩きでバス停を目指す。
それにしても下界もとてもいい天気♪可視光線バリバリの陽射しがちょっと眩しかったけど紅葉した山の景色がとても綺麗でいい気持ち!
そして歩く事5分・・・林道のゲートまで来た所で相乗りタクシーの客引きに遭遇。駐車場のある夜叉神まで1200円とのこと。当たり前だけどバスよりも高い!!
でもバスの時間まであと5分しかない・・・ダッシュでバス停まで行っても間に合うかどうか微妙な所だったので結局タクシーで夜叉神まで行く事にしました。
後で知った事だけど相乗りタクシーでは値段の交渉が出来るらしくて、交渉次第では1000円で乗れたらしい。
・・・嗚呼すっかりカモになってしまった・・・
【14:00 夜叉神登山道到着】
ま、色々あったものの、タクシーの中では昨夜の睡眠不足と疲れのせいかちょっとだけウトウト・・・Zzz
タクシーの中で相乗りになった人達は北岳から降りてきた人達だったみたいだったけど、やっぱり話のネタは今年一番になった寒さの事。
なんでも昨夜の北岳の小屋では、安全の為にテントで寝てる人達を小屋のスタッフが起こしてまわって急遽小屋の中へ入れるようにしたとか・・・そ、そこまで寒かったのかっ!?
と、そんなこんなしてるうちに夜叉神駐車場に到着!
というかいつもガスで真っ白&ジメジメ〜とした夜叉神しか見たことがなかったので、こんなに見晴らしのいい、カラリとした空気の夜叉神に凄く感動!!
そしてバス停前の売店で売ってた「懐かしのミルクセーキ」の味にも感動!懐かしい〜〜っ!!(笑)
帰りは芦安にある「金山沢温泉」で汗を流して帰りました。
紅葉を見ながらの露天風呂は気持ちよかったなぁ〜・・・。
そして帰り際、中央道のICへ向かう車中から見えた富士山もとても綺麗でした。
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