記録ID: 4034727
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積雪期ピークハント/縦走
芦別・夕張
芦別~夕張~シューパロ湖 縦走
2022年02月04日(金) ~
2022年02月10日(木)
- GPS
- 152:00
- 距離
- 46.5km
- 登り
- 2,885m
- 下り
- 2,852m
コースタイム
半年以上の乗船を終え、年末に帰国。更に二週間ガチガチの隔離生活を経て、1月中旬に北海道。待ちに待った休暇。久々のアイスやスキーを楽しみ、大金はたいてメガネ生活に別れを告げた。術後の眼が安定し、ようやく山欲を満たせる。歩いたことのない芦別~夕張に行くことに。誰かと行きたかったが、急で誰も捕まらず。長期の単独は初めてだし強い冬型もバッチリ決まっている。ここ最近でドッサリ雪も積もっていそう。体力も相当落ちている。何かと不安事項は多いが、いざ出発。
2月3日(Day0)
バスで富良野まで行く予定であったが、暴風雪のため運休。何とかJRでたどり着く。車窓からは吹雪。ちなみに電車は二回もシカにぶつかった。富良野在住の新婚夫婦の家に泊めてもらう。数日前に彼らの結婚式に出たところだ。恵方巻をご馳走になる。
2月4日(Day1) 曇り→ガス、雪
山部(8:10)半面山(14:20)雲峰=Ω1(16:50)
山部まで送ってもらう。林道の除雪はなし。適当に冬尾根に乗る。久々の重荷でペース遅い。半面山手前から膝下ラッセル。下で見た予報では、この先数日間では明日はまだマシそうだった。できれば明日芦別をのっこしたい。半面山付近で泊まる予定だったが、今日の時間のかかり方を考えて雲峰までがんばる。雲峰への登りは急で白く、視界もなく気持ち悪い。うっすら見えている木を繋いで登る。雲峰Peak付近で掘るが、あまりいい場所がなくハイマツ出てくる。雪洞とツェルトのハイブリッド。案外快適。久々に雑炊。うますぎる。ラジオはオミクロン拡大と北京五輪の開会式。天気はあまり良い事言わない。スパッツ忘れてプラ靴のインナーがビチョビチョ。これには毎日苦労させられた。
2月5日(Day2) ガス
Ω1(7:00)芦別岳(9:00-9:15)ポントナ手前付近=Ω2(11:00)
一人だからなのか生活技術が落ちたのか、朝の準備に時間がかかる。風は気にならない程度だが視界は50-100。たまに稜線が見える。EPで出発。芦別への登りは雲峰よりも急で白く雪も深い。気づけばBushもなくなり胸ラッセル。ちょっとヤバイかもと思う。ハンドテストでは弱層は大丈夫そうだが、雪深く視界もなく、南東尾根へのトラバースは怖いのでひたすら直上して主稜に出て真っ白なPeak。視界は更に無くなる。コンパス切ってポントナのっこしにかかるもホワイトアウトで地図読みが難しすぎる。現在地にも確信が持てなくなり、よくわからない斜面でΩ2。今日もハイマツが出てきた。ハイマツ近くの雪の層から、胡麻粒の半分くらいの黒い虫が大量発生。そいつらがなぜか食器に集合してきて不快調。
2月6日(Day3) 高曇り→ガス、雪
Ω2(7:00)ポントナ(8:00)鉢盛山(12:00)最低コルCo1100=Ω3(14:45)
今日もイグルーにウンをデポしてイグルー出るとうっすら太陽。視界も2,300。意気揚々と出発。現在地も把握。しかしすぐに視界100を切り、ポントナからの下り出しがまた難しい。30分程度天気待ちつつ悩んだのち、決心して下り出すが、ガスの晴れ間で間違っていたと気づく。ここで気づけて良かったが、情けない。ポントナの先の岩稜は小さく捲けるものと思いほぼ忠実に尾根上を歩いていたが、実際にはそんな代物ではなく、一度無茶なクライムダウンを強いられる。その後また一瞬の晴れ間で、初めからもっと大胆に西側を捲けば良かったと気づく。鉢盛山のっこしは視界500あって問題なし。しかし樹林内に入ってからはまた視界無くなり、ラッセルは深く微地形も多くて時間がかかる。最低コルで雪洞泊。明日こそ視界を。
2月7日(Day4) ガス→吹雪
Ω3(7:10)・1290南コル=Ω4(15:45)
今日もほとんど視界の無い一日。夕張マッターホルンも全く見えず。ほぼ樹林内なので行動に支障はないが、相変わらず微地形が多くて何かと地図読みが難しい。コンパス頼りに延々と脛~膝ラッセル。こういうのを求めていた訳ではあるが一人でしんどいし時間もかかる。午後からは気にならない風で吹雪。途中、真っ白なウサギ。目は赤い。・1290付近の吹き溜まりで雪洞。今回は雪が深すぎて、イグルーのブロック層にたどり着くまでに相当掘る必要があったため、雪洞泊が多くなった。明日は冬型が緩むらしい。
2月8日(Day5) 晴れ→吹雪
Ω4(7:00)夕張岳(11:00)・1602=Ω5(12:30)
そもそも寒いのか寒さに弱くなっているのか、毎晩寒くて何度も起きる。雪洞出ると晴れている。夕張まで見える。視界があるとこんなに楽なのかと感動しながら歩くも、次第に悪くなり結局昼前にはお馴染みの吹雪。視界も50-100。このあたりも微地形が多く地図読みも難しくなる。というか今更ながら、視界が無いときにこの山域で五万図の地図読みには少し難易度が高すぎる気がする。朝、近くに見えていた夕張が異様に遠い。夕張の登りからEP。Peakに着く頃には風も強くなる。計画では三角山まで歩くつもりだったので頂稜を進んでいくが、雪庇の判断もできないくらいのホワイトアウトになり結構シビア。おまけにバリズボ。慎重に歩く。・1602に着くも、下りの尾根がハッキリしないし、あまりに急で白い。雪も深く胸まで埋まる。下るのは危険と判断し、近くの雪庇に雪洞。残り日数とこれまでのペースから三角山まで延ばすのは厳しいと考え、夕張下山を決める。明日は高気圧の張り出しで強風らしい。疲労も溜まっているし、一日待てば圏内で晴れるはずなので明日は停滞とする。
2月9日(Day6)
Ω5=Ω6
何度も目覚めたが、二度寝三度寝と繰り返し12時間以上寝る。完全に入口が埋まり酸欠。一日中ラジオを聴き、ボリボリとネーベンを食い、無駄に雪洞内をリノベーションし、無くした目薬を1時間近くかけて探す。素晴らしい一日。停滞大好き。
2月10日(Day7) 快晴
Ω6(6:20)夕張岳(7:20)登山口(11:10)シューパロ湖(16:55)
苦労して雪洞を出る。約束された快晴。朝焼け。二度目の夕張岳。歩いてきた稜線を初めて見る。報われた。金山ルートはダルイという噂なので今回はシューパロ湖に下山することに。気持ちのいい雪原歩き。樹氷キラキラ。前岳からのトラバースは少し雪崩怖い。その先、夏道尾根に乗る所は視界無いと難しそう。下りのスキーは登り返しもなく概ね快調。途中から不気味なほどの数のピンクテープ。林道に出てからが長い。期待していたモービルトレースもなく、スキーはシールを外してもダンゴになる。これは裏にメンソレータムを塗ると少し改善。ラジオ聞きつつ15キロを6時間近くかけて歩き、白く凍ったシューパロ湖に下山。吉田に迎えに来てもらい、そのままカミホロへ。
2月3日(Day0)
バスで富良野まで行く予定であったが、暴風雪のため運休。何とかJRでたどり着く。車窓からは吹雪。ちなみに電車は二回もシカにぶつかった。富良野在住の新婚夫婦の家に泊めてもらう。数日前に彼らの結婚式に出たところだ。恵方巻をご馳走になる。
2月4日(Day1) 曇り→ガス、雪
山部(8:10)半面山(14:20)雲峰=Ω1(16:50)
山部まで送ってもらう。林道の除雪はなし。適当に冬尾根に乗る。久々の重荷でペース遅い。半面山手前から膝下ラッセル。下で見た予報では、この先数日間では明日はまだマシそうだった。できれば明日芦別をのっこしたい。半面山付近で泊まる予定だったが、今日の時間のかかり方を考えて雲峰までがんばる。雲峰への登りは急で白く、視界もなく気持ち悪い。うっすら見えている木を繋いで登る。雲峰Peak付近で掘るが、あまりいい場所がなくハイマツ出てくる。雪洞とツェルトのハイブリッド。案外快適。久々に雑炊。うますぎる。ラジオはオミクロン拡大と北京五輪の開会式。天気はあまり良い事言わない。スパッツ忘れてプラ靴のインナーがビチョビチョ。これには毎日苦労させられた。
2月5日(Day2) ガス
Ω1(7:00)芦別岳(9:00-9:15)ポントナ手前付近=Ω2(11:00)
一人だからなのか生活技術が落ちたのか、朝の準備に時間がかかる。風は気にならない程度だが視界は50-100。たまに稜線が見える。EPで出発。芦別への登りは雲峰よりも急で白く雪も深い。気づけばBushもなくなり胸ラッセル。ちょっとヤバイかもと思う。ハンドテストでは弱層は大丈夫そうだが、雪深く視界もなく、南東尾根へのトラバースは怖いのでひたすら直上して主稜に出て真っ白なPeak。視界は更に無くなる。コンパス切ってポントナのっこしにかかるもホワイトアウトで地図読みが難しすぎる。現在地にも確信が持てなくなり、よくわからない斜面でΩ2。今日もハイマツが出てきた。ハイマツ近くの雪の層から、胡麻粒の半分くらいの黒い虫が大量発生。そいつらがなぜか食器に集合してきて不快調。
2月6日(Day3) 高曇り→ガス、雪
Ω2(7:00)ポントナ(8:00)鉢盛山(12:00)最低コルCo1100=Ω3(14:45)
今日もイグルーにウンをデポしてイグルー出るとうっすら太陽。視界も2,300。意気揚々と出発。現在地も把握。しかしすぐに視界100を切り、ポントナからの下り出しがまた難しい。30分程度天気待ちつつ悩んだのち、決心して下り出すが、ガスの晴れ間で間違っていたと気づく。ここで気づけて良かったが、情けない。ポントナの先の岩稜は小さく捲けるものと思いほぼ忠実に尾根上を歩いていたが、実際にはそんな代物ではなく、一度無茶なクライムダウンを強いられる。その後また一瞬の晴れ間で、初めからもっと大胆に西側を捲けば良かったと気づく。鉢盛山のっこしは視界500あって問題なし。しかし樹林内に入ってからはまた視界無くなり、ラッセルは深く微地形も多くて時間がかかる。最低コルで雪洞泊。明日こそ視界を。
2月7日(Day4) ガス→吹雪
Ω3(7:10)・1290南コル=Ω4(15:45)
今日もほとんど視界の無い一日。夕張マッターホルンも全く見えず。ほぼ樹林内なので行動に支障はないが、相変わらず微地形が多くて何かと地図読みが難しい。コンパス頼りに延々と脛~膝ラッセル。こういうのを求めていた訳ではあるが一人でしんどいし時間もかかる。午後からは気にならない風で吹雪。途中、真っ白なウサギ。目は赤い。・1290付近の吹き溜まりで雪洞。今回は雪が深すぎて、イグルーのブロック層にたどり着くまでに相当掘る必要があったため、雪洞泊が多くなった。明日は冬型が緩むらしい。
2月8日(Day5) 晴れ→吹雪
Ω4(7:00)夕張岳(11:00)・1602=Ω5(12:30)
そもそも寒いのか寒さに弱くなっているのか、毎晩寒くて何度も起きる。雪洞出ると晴れている。夕張まで見える。視界があるとこんなに楽なのかと感動しながら歩くも、次第に悪くなり結局昼前にはお馴染みの吹雪。視界も50-100。このあたりも微地形が多く地図読みも難しくなる。というか今更ながら、視界が無いときにこの山域で五万図の地図読みには少し難易度が高すぎる気がする。朝、近くに見えていた夕張が異様に遠い。夕張の登りからEP。Peakに着く頃には風も強くなる。計画では三角山まで歩くつもりだったので頂稜を進んでいくが、雪庇の判断もできないくらいのホワイトアウトになり結構シビア。おまけにバリズボ。慎重に歩く。・1602に着くも、下りの尾根がハッキリしないし、あまりに急で白い。雪も深く胸まで埋まる。下るのは危険と判断し、近くの雪庇に雪洞。残り日数とこれまでのペースから三角山まで延ばすのは厳しいと考え、夕張下山を決める。明日は高気圧の張り出しで強風らしい。疲労も溜まっているし、一日待てば圏内で晴れるはずなので明日は停滞とする。
2月9日(Day6)
Ω5=Ω6
何度も目覚めたが、二度寝三度寝と繰り返し12時間以上寝る。完全に入口が埋まり酸欠。一日中ラジオを聴き、ボリボリとネーベンを食い、無駄に雪洞内をリノベーションし、無くした目薬を1時間近くかけて探す。素晴らしい一日。停滞大好き。
2月10日(Day7) 快晴
Ω6(6:20)夕張岳(7:20)登山口(11:10)シューパロ湖(16:55)
苦労して雪洞を出る。約束された快晴。朝焼け。二度目の夕張岳。歩いてきた稜線を初めて見る。報われた。金山ルートはダルイという噂なので今回はシューパロ湖に下山することに。気持ちのいい雪原歩き。樹氷キラキラ。前岳からのトラバースは少し雪崩怖い。その先、夏道尾根に乗る所は視界無いと難しそう。下りのスキーは登り返しもなく概ね快調。途中から不気味なほどの数のピンクテープ。林道に出てからが長い。期待していたモービルトレースもなく、スキーはシールを外してもダンゴになる。これは裏にメンソレータムを塗ると少し改善。ラジオ聞きつつ15キロを6時間近くかけて歩き、白く凍ったシューパロ湖に下山。吉田に迎えに来てもらい、そのままカミホロへ。
天候 | 詳細後述 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪多し。ラッセルは概ね足首~脛か、脛~膝。 |
写真
装備
個人装備 |
軽量化のためテントなし
|
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感想
天気図と福本山崎の記録を見てある程度覚悟はしていたものの、やはりそれなりに大変だった。体力やラッセルで時間がかかることは予想していたが、ここまで地図読みに苦労するのは想定外だった。卒部してからはバシュバシュした日高の稜線ばかり歩いていたので多少視界が無くても行けると思い込んでいたが、甘かった。現役の頃、札幌近郊の樹林内で彷徨っていた時の事を思い出し、まだまだだと思った。何はともあれ、思い出に残る山行になる気がする。楽しかった。
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