記録ID: 5313048
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
芦別・夕張
夕張山地縦走(芦別岳-夕張マッターホルン-夕張岳)
2023年03月24日(金) ~
2023年03月28日(火)
- GPS
- 104:00
- 距離
- 60.5km
- 登り
- 3,007m
- 下り
- 3,034m
コースタイム
メンバー二人をM1とM2と表記した
⓪札幌-山部駅C0
当初はM0もメンバーで5人+運転手1人乗る車が必要だったが、どのレンタカー屋に聞いても車がなかった。そこで18きっぷを使ってC0することにした。北大の卒業式ムードの札幌を、ブーツ付きばかでかザックとスキーを持って、人目を気にしながら電車に乗り込んだ。岩見沢でM1がシール忘れに気づき、急遽携帯だけ持って下車したため、その後3人で4人分の大荷物を持って必死の乗り換えをし、山部駅に降りたつ。セコマで飯を買い、山部駅の終電を待ってから待合室で寝る。夜になると待合室の電気は消え、夜中に薄目を開いたとき、ホテルにいるかと思うくらい快適であった。sLはえらくこの駅が気に入ったようである。
C0―半面山C1(5h30m)
入山口までザックを肩に食い込ませながら1時間半くらい歩く。雪は締まっているが暑い。サクサク快調に半面山につく。スロープを滑る話もしていたが、すぐにガスってきたので早々にテンバ入り。M1のエッセンの具の少なさに心配になる一同。
C1―芦別peak―夕張マッターホルン手前コルC2(9h30m)
予報通りバチバチに晴れている。審議で心配されていたM2の荷分けをする。半面山は一か月前と違いカチカチ山になっていた。SEで登るがM2が滑落しそうで怖いのでEPに変えて登る。芦別の最後の登りは遠目から見ると壁だが、近づくとトレースもあるし斜度もあまりなく、怖くない。ポントナシベツはpeak付近に岩が多く出ている箇所があるが、ルートを選べば問題はない。これ以上雪解けが進むと怖いと思う。ポントナの南面はハイマツ帯になっていて、踏みつけながら進む。ここでスキーに変えて岩峰を大きく西巻きする。久々のザラメスキーはとても気持ちいい。鉢盛山はSEでガシガシ登った。Ε好蹇璽廚bushがかなり出ていた。鉢盛山の下りは、シールの付け替えが面倒なので、シールスキーで下った。スキーで下りたかったM1は拗ねていた。行動量が多くて疲れたので時間的には行けたが、・1262沼までは行かず、手前のコルでテンバ入りした。
C2ー夕張マッターホルンー・1303C3(7h)
・1262沼まで行くとイグルーがあった。マッターホルンに目を向けると2人の先行者がいた。At.装備に変えてマッターホルンを登る。トレースもついているし、登りやすい雪質。たまに木でセルフビレイを取りながら、ザイルは使わずに登った。peakでは気持ちの良い達成感を味わう。下りは二回懸垂して、あとはノーザイルで降ろす。EPをよく使う人だったら全てノーザイルで行けると思う。装備を回収して、スキーの機動力を活かして南下。・1304くらいまではいいタンネ林がある。視界も悪くなってきて、・1303に適地があったのでテンバ入り。直後に雪が降ってきた。風の強い夜だった。
C3=C4
低気圧の通過のため天気が悪い。この先にいいテンバがあるかわからないので停滞。朝から夜まで10時間以上ラジオをつけっぱなしで、思い思いに過ごす。sLはテント内でもサングラスを付けているし、M2は本を読むのが速すぎるし、M1は本が読めなすぎる。テント前は40cmくらい積もる。
C4―夕張peak―白金橋(9h30m)
暗いうちから準備し5時デッパ。稜線上のラッセルは大したことないが、稜線から外れると、ウィンドパックされた重い雪がたまっていてしんどい。c1350あたりの岩が出ているところは、少し降ろせばタンネ林がある快適テンバ。釣鐘岩と熊ヶ峰のふもとまでシールで登る。そこから個装EPに変えて夕張peakまで。途中夏道の杭がでていた。peakからは今まで歩いてきた稜線がくっきりと見え、感傷に浸る。夕張の西側に付けていたスロープはbushが生えていてそれどころじゃなかった。釣鐘岩と熊ヶ峰からの下りだけBSした。釣鐘岩に登ってみたが何もなかった。スキーに変えてガマ岩、男岩、前岳を見ながら滑る。前岳の北面は雪崩れた跡があった。トラバ―スしながら冷水沢コースを目指すが、ガリガリ雪と板を取られる重い雪が交互に出てくるとても滑りにくい雪質だった。M2がかなり苦戦しつつ、ピンクテをたどって夕張岳ヒュッテとの分岐へ。L以外はなぜかヒュッテに行きたくなさそうだったが、連れていく。ヒュッテは素晴らしい建物で、畳に寝っ転がったりしながら一同満足した。泊まりたい気持ちを抑え林道を下る。ウォークモードスキーにぴったりの雪質だったのでLとM1は全てスキーで下った。途中地面が見えている場所があり、何度か板を脱ぎながら合計4時間歩いて白金橋につく。今やシューパロ湖の下に沈んでいる町は、昔は栄えていて、OBはこの付近にあった明石町駅や、駅がなくなった後のバスで札幌に帰っていたと考えると、なんだか切ない。最終的には全員3年目で山行を貫徹したが、能力的にはEPをしっかり使える上級生が2人くらいいれば1年目がいても問題ないレベルだと思う。スロープはあまりないが、縦走の楽しさを知ることができるいい山域だろう。
(ここから蛇足)
送迎を頼んでいないので、白金橋から個人個人でヒッチやバスや電車でなんとか札幌まで下山するという取り決めをしていた。圧倒的に車の量が少なく、ヒッチは苦戦しそうなので、とりあえずバス停のある新夕張方面へ歩くことにした。だがM2は足にたくさんの靴ズレができており、体力的にも歩けそうにない。しかし、誰一人助けるものはいなかった。今まで持ってあげていたM2の荷物や灯油を、M2のそばに置き「テントとDF持ってるからそこらへんで泊まれるやろ」と言う始末である。人間は自分が当日に札幌に帰れる可能性があるなら、5日間苦楽を共にしてきた仲間にでさえ、こんなに残酷になれるのである。M2以外の3人もまとまって歩くわけではなく、バラバラに一人ずつ全装シートラして、我先にと歩く。パーティーシップとは...。「化けてでるからな!!」というM2の最後の声が耳に響きつつ、もくもくと歩く。歩いて1時間経ち、2.4kmのシューパロトンネルをやっとこさ抜けると、M2から「勝った」とLINEが来ていた。なんとM2がヒッチを成功させていたのである。真っ暗なトンネルで迫ってくる車に怯えて、壁に張り付いているときに、その車にM2は乗っていたのである。どうしようもない後悔の念、いらだち。だが後悔している暇はない。新夕張駅までのバスが出ているバス停の最終便まで、意外と時間がないのだ。このとき17:30。最終便は19:11発。残り約8kmだったがgooglemap先生によるとギリギリである。この1時間半が本当に地獄であった。車は通るが、合図をしても止まってくれる車はおらず、自分以外の二人がいつヒッチを成功させて馬鹿にしてくるかわからない。重いザックは肩にくいこみ、12時間以上歩いている足は悲鳴をあげている。暗闇の中、くじけそうになりながら、自分を信じて一人歩く。なんとかバス停に着いたのは6分前で、左膝と肩が砕け散っていた。バスに乗っていたら、他二人も別のバス停からしんどそうに乗り込んできた。ヒッチを成功させてなくて、うれしかった。倒れそうになりながら、バス運賃を払い、駅から歩いて、いつもの新夕張のセコマで飯を買い、慰めあい、M2を恨み、特急に乗って帰札するのであった。
⓪札幌-山部駅C0
当初はM0もメンバーで5人+運転手1人乗る車が必要だったが、どのレンタカー屋に聞いても車がなかった。そこで18きっぷを使ってC0することにした。北大の卒業式ムードの札幌を、ブーツ付きばかでかザックとスキーを持って、人目を気にしながら電車に乗り込んだ。岩見沢でM1がシール忘れに気づき、急遽携帯だけ持って下車したため、その後3人で4人分の大荷物を持って必死の乗り換えをし、山部駅に降りたつ。セコマで飯を買い、山部駅の終電を待ってから待合室で寝る。夜になると待合室の電気は消え、夜中に薄目を開いたとき、ホテルにいるかと思うくらい快適であった。sLはえらくこの駅が気に入ったようである。
C0―半面山C1(5h30m)
入山口までザックを肩に食い込ませながら1時間半くらい歩く。雪は締まっているが暑い。サクサク快調に半面山につく。スロープを滑る話もしていたが、すぐにガスってきたので早々にテンバ入り。M1のエッセンの具の少なさに心配になる一同。
C1―芦別peak―夕張マッターホルン手前コルC2(9h30m)
予報通りバチバチに晴れている。審議で心配されていたM2の荷分けをする。半面山は一か月前と違いカチカチ山になっていた。SEで登るがM2が滑落しそうで怖いのでEPに変えて登る。芦別の最後の登りは遠目から見ると壁だが、近づくとトレースもあるし斜度もあまりなく、怖くない。ポントナシベツはpeak付近に岩が多く出ている箇所があるが、ルートを選べば問題はない。これ以上雪解けが進むと怖いと思う。ポントナの南面はハイマツ帯になっていて、踏みつけながら進む。ここでスキーに変えて岩峰を大きく西巻きする。久々のザラメスキーはとても気持ちいい。鉢盛山はSEでガシガシ登った。Ε好蹇璽廚bushがかなり出ていた。鉢盛山の下りは、シールの付け替えが面倒なので、シールスキーで下った。スキーで下りたかったM1は拗ねていた。行動量が多くて疲れたので時間的には行けたが、・1262沼までは行かず、手前のコルでテンバ入りした。
C2ー夕張マッターホルンー・1303C3(7h)
・1262沼まで行くとイグルーがあった。マッターホルンに目を向けると2人の先行者がいた。At.装備に変えてマッターホルンを登る。トレースもついているし、登りやすい雪質。たまに木でセルフビレイを取りながら、ザイルは使わずに登った。peakでは気持ちの良い達成感を味わう。下りは二回懸垂して、あとはノーザイルで降ろす。EPをよく使う人だったら全てノーザイルで行けると思う。装備を回収して、スキーの機動力を活かして南下。・1304くらいまではいいタンネ林がある。視界も悪くなってきて、・1303に適地があったのでテンバ入り。直後に雪が降ってきた。風の強い夜だった。
C3=C4
低気圧の通過のため天気が悪い。この先にいいテンバがあるかわからないので停滞。朝から夜まで10時間以上ラジオをつけっぱなしで、思い思いに過ごす。sLはテント内でもサングラスを付けているし、M2は本を読むのが速すぎるし、M1は本が読めなすぎる。テント前は40cmくらい積もる。
C4―夕張peak―白金橋(9h30m)
暗いうちから準備し5時デッパ。稜線上のラッセルは大したことないが、稜線から外れると、ウィンドパックされた重い雪がたまっていてしんどい。c1350あたりの岩が出ているところは、少し降ろせばタンネ林がある快適テンバ。釣鐘岩と熊ヶ峰のふもとまでシールで登る。そこから個装EPに変えて夕張peakまで。途中夏道の杭がでていた。peakからは今まで歩いてきた稜線がくっきりと見え、感傷に浸る。夕張の西側に付けていたスロープはbushが生えていてそれどころじゃなかった。釣鐘岩と熊ヶ峰からの下りだけBSした。釣鐘岩に登ってみたが何もなかった。スキーに変えてガマ岩、男岩、前岳を見ながら滑る。前岳の北面は雪崩れた跡があった。トラバ―スしながら冷水沢コースを目指すが、ガリガリ雪と板を取られる重い雪が交互に出てくるとても滑りにくい雪質だった。M2がかなり苦戦しつつ、ピンクテをたどって夕張岳ヒュッテとの分岐へ。L以外はなぜかヒュッテに行きたくなさそうだったが、連れていく。ヒュッテは素晴らしい建物で、畳に寝っ転がったりしながら一同満足した。泊まりたい気持ちを抑え林道を下る。ウォークモードスキーにぴったりの雪質だったのでLとM1は全てスキーで下った。途中地面が見えている場所があり、何度か板を脱ぎながら合計4時間歩いて白金橋につく。今やシューパロ湖の下に沈んでいる町は、昔は栄えていて、OBはこの付近にあった明石町駅や、駅がなくなった後のバスで札幌に帰っていたと考えると、なんだか切ない。最終的には全員3年目で山行を貫徹したが、能力的にはEPをしっかり使える上級生が2人くらいいれば1年目がいても問題ないレベルだと思う。スロープはあまりないが、縦走の楽しさを知ることができるいい山域だろう。
(ここから蛇足)
送迎を頼んでいないので、白金橋から個人個人でヒッチやバスや電車でなんとか札幌まで下山するという取り決めをしていた。圧倒的に車の量が少なく、ヒッチは苦戦しそうなので、とりあえずバス停のある新夕張方面へ歩くことにした。だがM2は足にたくさんの靴ズレができており、体力的にも歩けそうにない。しかし、誰一人助けるものはいなかった。今まで持ってあげていたM2の荷物や灯油を、M2のそばに置き「テントとDF持ってるからそこらへんで泊まれるやろ」と言う始末である。人間は自分が当日に札幌に帰れる可能性があるなら、5日間苦楽を共にしてきた仲間にでさえ、こんなに残酷になれるのである。M2以外の3人もまとまって歩くわけではなく、バラバラに一人ずつ全装シートラして、我先にと歩く。パーティーシップとは...。「化けてでるからな!!」というM2の最後の声が耳に響きつつ、もくもくと歩く。歩いて1時間経ち、2.4kmのシューパロトンネルをやっとこさ抜けると、M2から「勝った」とLINEが来ていた。なんとM2がヒッチを成功させていたのである。真っ暗なトンネルで迫ってくる車に怯えて、壁に張り付いているときに、その車にM2は乗っていたのである。どうしようもない後悔の念、いらだち。だが後悔している暇はない。新夕張駅までのバスが出ているバス停の最終便まで、意外と時間がないのだ。このとき17:30。最終便は19:11発。残り約8kmだったがgooglemap先生によるとギリギリである。この1時間半が本当に地獄であった。車は通るが、合図をしても止まってくれる車はおらず、自分以外の二人がいつヒッチを成功させて馬鹿にしてくるかわからない。重いザックは肩にくいこみ、12時間以上歩いている足は悲鳴をあげている。暗闇の中、くじけそうになりながら、自分を信じて一人歩く。なんとかバス停に着いたのは6分前で、左膝と肩が砕け散っていた。バスに乗っていたら、他二人も別のバス停からしんどそうに乗り込んできた。ヒッチを成功させてなくて、うれしかった。倒れそうになりながら、バス運賃を払い、駅から歩いて、いつもの新夕張のセコマで飯を買い、慰めあい、M2を恨み、特急に乗って帰札するのであった。
天候 | 3/24晴れのちくもり、微風 3/25快晴、稜線上たまに風あり 3/26晴れのち雪、微風 3/27雪、風強い 3/28快晴、稜線上たまに風あり |
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過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:清水沢2丁目-新夕張駅-札幌駅 |
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