宝剣岳 東壁中央ルンゼ群青ルート
- GPS
- 06:16
- 距離
- 2.5km
- 登り
- 462m
- 下り
- 455m
コースタイム
天候 | 晴れ→高曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
・菅の台バスセンターからしらび平駅まではバスで移動しました。 ・しらび平駅から千畳敷駅は駒ヶ岳ロープウェイで移動しました。 https://www.chuo-alps.com/fare/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
▶ルート状況(2022年3/28現在のものです。) ◆アプローチ ・千畳敷駅から一般登山道の八丁坂を登っていき途中から離脱して中央稜末端を目指して雪面を登っていきます。中央稜末端を左から回り込んで中央稜の岩壁を右手見て雪壁を登っていき短い氷瀑の手前で灌木を利用してビレイ支点を構築しました。 ・この日の雪の状態は良く(腐れ雪ではなくある程度締まった雪)て雪崩れそうな気配はありませんでした。(雪崩跡があり、雪崩れる雪はある程度は雪崩れた後と想像できたのでそこまで気にせずにさっさと登りました。) ◆宝剣岳東壁中央ルンゼ群青ルート(3級上 M8−)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは個人的な感想です。) 全体的に ・核心ピッチだけが突出して難易度が高いです。 ・上部草付ではアイスフックが使い勝手が良かったとOさんは言ってました。 1P目(短い氷瀑〜雪壁 30m)(フォロー) ・短い氷瀑は賞味期限切れ、まだ氷結がましなところを使ってそれを乗越しました。 ・ルンゼの雪は踏み抜くところもあり微妙な感じでした。 ・残置中間支点は無く中間支点はクラックにカムや灌木からスリングで構築しました。 ・ロープスケルは30〜35m。 ・終了点はルンゼ右手の岩壁の残置スリングのある残置支点を利用。 2P目(雪壁 30m)(リード) ・洞穴を目指してルンゼを登ります。 ・傾斜はありますが雪の状態は良く中間支点は取らずに洞穴まで登りました。 ・残置中間支点は無し。 ・ロープスケルは30m程度。 ・終了点は洞穴右壁の残置ハーケン1つとカム1つで構築。 3P目(洞穴右壁 25m M8−)(フォロー) ・洞穴内から薄被りの壁を登り洞穴を右に回り込むように抜け出ます。 ・出だしはスタンスがありフッキングもそれなりに決まりますが薄被りの壁でクイックドローやカムを回収するには体を引きつけてロックしなければならないのですぐにパンプしました。 ・右上するクラック部分は右に行けば行くほどスタンスがほぼ無くなりクラックが浅くフッキングも微妙に甘くなるので難しかったです。スタンスがしっかり決まってない状態で右手のアックスの甘いフッキング1つで体を引きつけながら左手のアックスを外すしクイックドローを回収しようとしましたが甘いフッキングが外れそうで体を引きつけることができずアックスを握り込んでしまい猛烈にパンプしたのでOさんにコールしてテンションしました。テンションしたらロープが伸びてぶら下がり状態になりそこから復帰しようにもスタンスは微妙だしフッキングできるところも無くて少し思案しましたが時間もないのでダブルロープ1本を利用してマイクロトラクションとホローブロックとダイニーマソウンスリング2本で登り返しのシステムを構築してさくさく登りました。無事に壁に復帰できましたが、まだそこそこ難しいところが続くので時間もないのでそのまま3P目終了点まで登り返しで登りました。(ぶら下がり状態で登り返すときにグローブでは7.1mmのダブルロープは滑って握れなかったのでグローブを外して素手で登りました。頑張りすぎて右手中指の皮がむけました・・・スタンスがあるところでは問題なく体を上げることができたので皮がむけた右手はグローブを付けました。) ・このピッチはOさんもテンションやA0しながらホールドを探りムーブを探り登ってました。(M8−は初見では難しいと思いました。) ・残置中間支点はそこそこありました。 ・ロープスケルは25m以上30m未満。(洞穴右壁の終了点らしき残置支点を飛ばして4P目も少し登ったため。) ・終了点は残置ハーケン2つバックアップにカム1つで構築。 4P目(凹状のミックス壁 50m +)(フォロー) ・洞穴右壁を抜けて4P目出だしの難しいめのところも登っていたので残りは凹状の草付を登ります。 ・草付は凍ってないところもありましたが問題なく登れました。 ・凹状を登り詰めると体ひとつが挟まる幅のワイドクラックがありザックを背負いながら抜けるのは難儀しました。そこを抜けると短い雪稜を登って山頂に到着しました。 ・残置中間支点は無く中間支点はクラックにカムや灌木からスリングで構築しました。 ・ロープスケルは50〜55m。 ・終了点は山頂にある岩にスリングを巻いて構築。 ◆下降 ルートの登攀終了点は宝剣岳の山頂なのでそこからは一般登山道を乗越浄土経由で下山しました。 |
写真
装備
個人装備 |
アイスアックス×2
アイゼン
アルパイン用クイックドロー×6
クイックドロー×3
ダイニーマソウンスリング×2
捨て縄
ハーケン×適宜
その他登攀装備1式
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共同装備 |
60mダブルロープ×2
カム♯0.2〜3.0×2セット
カム♯4.0×1
ナッツ小×適宜
アイススクリュー×2
アイスフック×2
ワートホッグ×4
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感想
3/26〜27はWCMで滝谷の予定でしたが悪天予報のため滝谷は中止になり土曜夜は松本市内で懇親会。3/27に個別の転進先として錫杖を予定しましたが天候回復が遅く状態が悪そうだったのでそれも中止にして懇親会では遅くまで飲みました。(3/27は日記にも書いた通り近くの岩場でドラツーでした。)
直前で滝谷が中止となったので同じくWCM参加したOさんから月曜に宝剣の群青ルートを登りましょうと誘われたのでOKして登りに行きました。
Climbing‼
ヾ響
・今回の条件下では核心ピッチだった3P目(トポ3P目の洞穴右壁〜トポ4P目の出だしの難しいめのところ)以外は特に問題なく登れました。
・3P目のM8−はOさんの荷物もザックに詰め込んでフォローで登りましたが出だしからパンプ。核心ムーブをこなす前のところでテンションしたらロープが伸びてぶら下がり状態になりそこから復帰できずに結局登り返しで登りました。壁に復帰後も時間がないので終了点まで登り返しました。
・M8−と言うグレードはまだ自分にとってはオーバーグレードなんだなと感じました。ゲレンデでのグレードと山でのグレードの違いも感じました。(攀船記3P目はM6+でフォローでテンションしましたが突破できました。鎌倉山のゲレンデではD6−はリードでRP、D7はリードでテンションしましたがトップアウト、D8はトップロープで核心で落ちて復帰できなかったのでトップアウトできませんでしたが、今回のような難しさを感じませんでした。)
・核心ピッチはフォローでも登り返しで登ったので惨敗感はありますが何が何でも上まで抜けるのもアルパインクライミング。今回は途中敗退せずに山頂まで登れて良かったです。
・宝剣岳の山頂から下山開始時刻が15時27分(Oさんは準備でき次第一足先に下山開始)でロープウェイ最終便は15時55分・・・頑張って下りてなんとか出発の3分前に千畳敷駅に着けて良かったです。(千畳敷駅への少しの登りがきつかったです。)
・冬壁をドラツーで登るのは楽しいのでトレーニングを積んでもっと登れるよう精進したいと思います。
反省
・特にありません。
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