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Yamareco

記録ID: 4124118
全員に公開
雪山ハイキング
甲信越

越後・青海川駅から谷根コース経由で米山

2000年04月09日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
13.4km
登り
1,186m
下り
1,034m

コースタイム

日帰り
山行
7:06
休憩
1:35
合計
8:41
7:50
39
青海川駅
8:29
14
谷根郵便局
8:43
9
新猿飛橋
8:52
9:02
25
休憩
9:27
39
ニセ『前山』標識
10:06
10:16
74
11:30
11:40
66
12:46
12:56
47
13:43
14:28
46
15:14
36
15:50
16:00
9
16:09
22
大平集落火の見やぐら
16:31
軽トラに便乗
天候 晴れ
アクセス
利用交通機関:
電車 自家用車
JR信越線の青梅川駅まで『青春18きっぷ』での乗り継ぎ。青梅川駅から登山口の谷根までは車道歩き。
帰りは親切なオジサンの軽トラにピックアップされ、米山駅まで便乗。米山駅からは『青春18きっぷ』での乗り継ぎで帰宅。
コース状況/
危険箇所等
想定以上に雪が多くて苦心した。
谷根集落へ向かう途中でみた看板
谷根集落へ向かう途中でみた看板
『眺湖台』から谷根ダムと米山湖。
『眺湖台』から谷根ダムと米山湖。
赤岩山頂上から見た米山
赤岩山頂上から見た米山
米山頂上
米山頂上から歩いて来た前山方向を望みます。背後に青梅川あたりの海岸がみえます。
米山頂上から歩いて来た前山方向を望みます。背後に青梅川あたりの海岸がみえます。
前山と赤岩山の間。
前山と赤岩山の間。
そのまた続きです。
そのまた続きです。
赤岩山方面
頂上から、聖ヶ鼻(米山崎)方面
頂上から、聖ヶ鼻(米山崎)方面
米山駅付近より、米山を望む。
米山駅付近より、米山を望む。

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ズボン 靴下 防寒着 雨具 ザック 行動食 非常食 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 調理器具 ライター 地図(地形図) ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット ロールペーパー 時計 タオル カメラ

感想

 ポーラ・コール・バンドのライヴを観た後、『青春18きっぷ』で『ムーンライトえちご』に乗り込んだ私。『青春18きっぷ』の利用期間中にポーラ・コールが来日すると決まった時から、富山へ帰る途中、ついでにどこか山に登ることを考えていた。ホントは『ムーンライトながら』で大垣近郊の養老山登山を考えたんだけど、肝心の指定席券が取れなかった...。品川発大垣ゆきの臨時夜行の運転は4月8日には終わっているので、養老山登山は不可能(ま、熱海から『ムーンライトながら』に乗ってもいいんだけど、通路に座り込んで夜を明かす結果になるのがミエミエだし、『半徹夜』のそんなコンディションじゃあ登山にならない!!!)。そこで『ムーンライトえちご』を使って登れる山を捜した。が、この季節に沿線に雪がなさそうな山は無いわ、やっぱ...。越後白山とかも考えたんだけど、信越線沿いで標高1,000mほどで、(残雪量を考えて)出来るだけ南に位置する山をリスト・アップするとどうしてもこの山の名が浮かび上がってくる。米山だ。
 信仰の山として名高い『米山さん』も、懐深くまで林道が出来、無雪期にはあまり登り甲斐の無い山に堕している。出来ることなら林道など使わずもっとも人通りの少ないコースを歩こう...ということで選んだのが、谷根(たんね)コース。ただ、前週の敦賀・野坂岳登山(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4124528.html)でも残雪がメチャクチャ多かったし、その野坂岳と標高的には一緒で、ず〜っと北にある米山には当然、もっと雪があることが容易に想像出来た。案の定、当日、信越線の列車から眺める米山の姿は完全に雪で真っ白け...。よっぽど中止にしようと思ったんだが、天気も晴れだし「行けるとこまで行ってみよう」ってことで、7:50、青海川駅を出発。谷根川沿いの車道を行く。この車道沿いには『空缶ポイ捨て禁止』を呼びかける立て札がいくつか立っている。そのなかに『どうか私を捨てないで』という、恋人に別離を迫られている女性に空缶を見立てた看板があった。これくらいならどこにもありがちな感じの看板だが、その次現われた看板には、爆笑~!!! 『口びる許した仲なのに、用が済んだら捨てないで』...確かに空缶とは誰もが『口びる許した仲』になるが(笑)。
 この立て札に大いに笑わせてもらいながらなおも川沿いの車道を行くと谷根集落に着いた。谷根集落の奥にある新猿飛橋で川の対岸に渡ったところから登山道が始まる。新猿飛橋にたもとには車が1台駐まってた。登山道に入るといきなり急坂の階段状の登り。すぐに左手に作業小屋が現われる。急坂登りきったところで急に視界が開け、谷根ダムと米山湖が見える。ここには『眺湖台』という標識が立っていた。ここからは尾根に沿っての緩い登り。登山道が鋭角にカーヴを切るところに『前山608m』の標識が立っていたが、登山口からの標高差を考えると明らかに早く到達し過ぎで、高度計をみると400mくらいを指している。明らかにこの指標は間違い。この標識があった辺りから登山道に雪が現われ始め、やがて完全に残雪の下に埋ってしまった...。私はノー・アイゼン、ノー・ピッケル、ノー・ストックの無雪期スタイルだったが、ところが雪の上には先行者の足跡がしっかり残ってたので、この足跡をたよりに先を行くことにした。
 高校時代に習得したキックステップで山の斜面を歩く。やがて前山頂上(地形図上の607.5m三角点)に着く。ここには『前山の頭』という標識があったものの三角点は雪に埋って姿見えず。これから行くコースがよく見え、米山頂上まで思ったよりも先が長そう。前山から米山までは、極端なこというと『U字型』コースのうえ、間にピークをいくつも越えなきゃいけない。・602mピークを越えた辺りから、春の陽差しで、雪が緩み始め、キックステップを切る...というよりほとんど『ツボ足』になって思うように歩みが進まず、前回の山行で雪上を歩いた際に違和感を覚えた左ヒザに鈍い痛みを感じるようになってきたので、ますます行動ペースが落ちていく。
 赤岩山頂上(地形図上の・751m)に着いたのは11:30。現地に来るまでの当初のもくろみでは、米山頂上には12:00には着いて、米山駅発15:17の列車で帰ろう...と考えていたのだが、もはや実現は不可能。米山頂上に人影が居るのが見える。あちらから「あんなとこにひとが歩いてる〜!!!」と『見世物』になってるのでは...と思うと、余計トホホな感じ...。
 赤岩山頂上から次のピーク(野田コースと出会う“熊野権現”)までの間には、細かいピークがいくつもある。それもここらはヤセ尾根で、雪庇が崩れたところ、または崩れそうなところが延々と続く。尾根の東側・西側とも雪庇が落ち、登山道のあるとこだけ雪が残り、この上を綱渡りの感覚で渡る...といったところさえあった。富山県民にとっては、先の文部省登山研修所の大日岳雪庇崩落事故が記憶に生々しいだけに、雪庇の縁をヒヤヒヤしながら通ると熊野権現(地形図上のc. 880m)に着く。私が持って来たガイドブック(私の地元・富山のシーピーエーから出てる『とやま山歩き』)記事のコースタイム(勿論、無雪期)だと赤岩山から40分のところ、1時間以上もかけての到着。熊野権現といっても、『権現さま』は雪の下に埋ってるのか姿は見えず、野田コースの分岐なのにそれを示す標識も無い。ここから米山頂上までは無雪期だと20分。だけど...。熊野権現で休憩してると、頂上から駈け降りるように登山者がひとりこちらへ降りてくる。やがて、その登山者、熊野権現に到着。ここでこの高年登山者(60〜70代?)にコース状況を訊く。このオジサンは新猿飛橋に車を駐めてこの谷根コースを往復中だそうで、このオジサンの先にはトレース一切無かったらしい。私がここまで頼りに歩いて来たトレースはすべてこのオジサンのものだったことになる。オジサンの足跡があったからここまで来られたのは確かだが、もし足跡がなったからとっくに断念して帰っててこんなに辛い目に遭わずに済んだハズだから、オジサンの後に来たのは良かったのか?悪かったのか??? オジサンによるとこの先「怖いところがある」とのことだ。
 オジサンと別れ、米山頂上へ最後の登り。ここらもヤセ尾根で、北面・南面両方とも雪庇が崩落し、辛うじて登山道上に残った雪の上を歩くという緊張状態が続く。極めつけは、無雪期ならロープがあるところ。ここはホントに細くて、よほどこの先進むのムリと判断し、引き返そうかと思ったが、「オジサンが往復しても崩落しなかったんだから、大丈夫」と先を進む。後ろ向きに考えると、「ひとひとりが往復したんだから、いつ落ちてもおかしくないくらい弱くなっている」ってことになるんだけど、そうは考えなかった(笑)。オジサンがつけたトレースをそのまんま歩くと雪庇の崩落を招きそうで、もっと安全なルートを『新規開拓』することが途中あったりしたので、無雪期なら20分で来れるところを40分以上もかけて、何とか米山の頂上に着いた。
 13:43、やっとの思いでたどり着いた米山頂上には20名くらいの登山者が休んでた。中年登山者夫婦に「どこから登ってきたの?」と訊かれ、青海川駅から5時間かけてようやくここにたどり着きました...と答えると、「こんな山に...こんな山って言っちゃ失礼だけど...5時間もかかるルートがあるんだねえ」と感心してた。
 頂上には御堂があるほか、近年完成した避難小屋があり、この中でインスタント・ラーメン作って遅い昼食を摂った。頂上で休んでた10人ほどのパーティーが下りにかかり去ると、遅い到着が幸いして、頂上には私だけになった。この日の天気は晴れだったが、気温の上がり過ぎが災いしてモヤがかかった状態で眺望はあまり良くない。佐渡島が見えるとされる米山だが、佐渡島どころか、近くの高山、妙高・火打すら見えない。見えるのは柏崎から柿崎にかけての海岸線と、目の前の聖ヶ鼻(米山崎)くらい。帰りは今来た谷根コースではなく、メインルートの大平コースを行く。下りにかかるとすぐに先の大パーティーのメンバーのひとりが足が痙攣した...ということで休んでた。こちらにはひとを気遣う余裕が全くないので、先を急ぐ。メンバーのひとりの足が痙攣した...といってもさほど深刻なハナシでもないらしく、私がキックステップ...といっても『ツボ足』だけど...切って下ってると、「こういうふうにストックを支えにして滑って降りたほうが楽だゼ〜」と『技術指導』してくれたこのパーティーのみなさん。みんなこのように雪上を滑り降りてるのか、登りの際付けられたステップは破壊されている。したがって他人の切ったステップをそのまま歩くことは出来ず、みんなステップを切り直さなきゃいけない。大平コースの下りなら楽だ...と思い、それを励みに辛い谷根コースを歩いて来たのに...(笑)。しかも一番楽な林道コースは肝心の林道がまだ雪に埋ってるので、トレースすら無し。どこが林道への降り口なのか全く気がつかないまま通り過ぎたほど。そのまま大平コースを行き、標高が下がってくると、ところどころ雪から登山道が顔を出してるが、雪解け水の通り道になっていてドロドロ。雪があろうが無かろうが歩きにくさに変わりナシ。無雪期なら巻道がある・711m峰も頂上をしっかり踏んでいかなきゃならない。やがて『大平まで20分』の標識がある通称『ロマンスヒル』(地形図上のc. 650m)に着く。あと20分で終わりだ!...と喜びも束の間、雪と泥のクチャクチャな登山道が続きヒイヒイ言うこととなった。それまでドロの上では尻餅などつかなかったが、不覚にもとうとう泥のうえでベチャッ!!! 前週とは違って着替えのズボンがあるからイイヤ...と思ったのだが...。
 15:50、雪だらけで車の通った形跡が一切無い大平林道に出る。ここで休憩。帰りの列車、当初の予定の米山駅発15:17の列車はもう出てしまった。それどころか、次の17:12の列車すら危ない! 18:21かあ...。大平集落に出て、オガチ川沿いの車道を行くと、1台の軽トラックがやって来て、中のオジサンが「乗っていくか?」と声をかけてくれた。ありがたい申し出だけど、スボンの尻の部分がドロドロなので逡巡したが、オジサンが奨めてくれるので御好意に甘えることにした。勿論、助手席に座る際、座席を汚さないようにタオルを敷いたことは言うまでもない。オジサンに「今年の米山は雪が多いでしょ?」と訊くとやはり多いとのハナシ。毎年山菜シーズンになると遭難騒ぎが多いので、これだけ雪があると心配だ...とオジサンは話してた。たった5分の乗車で米山駅に着く。オジサンに御礼を言って軽トラを降りると、タオルを敷いたところをハズして座ってたのか、助手席にしっかりドロが付いていた...。オジサン、ゴメンナサイ!!! 私が米山駅に着いて一番最初にやったことは...当然、このクソいまいましいドロだらけズボンから着替えることに決まってるだろ!!!
 生きて帰って来れたのが不思議なくらいのブザマな山行。いろいろ勉強になりました。2週続いた雪上登山で痛めた左ヒザ、翌々日に病院に言って診てもらったところ、『レントゲン写真でみるところ異常無し』。そのころには鈍い痛みも無くなりました。よかった、よかった...。

(当時の『Running Up That Hill』の記事をほぼ原文のまま編集)

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