オートルート後半(神岡-北ノ俣岳-黒部五郎岳-三俣蓮華岳-新穂)
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- GPS
- 16:01
- 距離
- 41.7km
- 登り
- 3,169m
- 下り
- 3,017m
コースタイム
- 山行
- 14:03
- 休憩
- 1:56
- 合計
- 15:59
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
#山之村・和佐府から飛越トンネルまで6.3kmの林道は除雪なし、大きなデブリ三ヶ所あり当分車は入れない #稜線上の雪は豊富、ただし水場はなし #小池新道は至るところに大きなデブリ有り、ただデブリを避けて面ツル斜面を繋げることはできた #蒲田川左股林道はこれまで見たことないくらいの数多くのデブリランド、雪は新穂まで繋がっている |
その他周辺情報 | 荒神の湯 |
写真
感想
今日の水友も晴れる、Big dayになる。神岡から新穂へ抜けよう、行くしかない。
少しだけ仮眠して夜10時にコーエーと高速で待ち合わせしてジムニーを新穂にデポしてランクルで山之村へ移動、林道が地味に長い、和佐府集落をスタートできたのは深夜1時、星空だった。6.3kmの林道はデブリもあって長くて疲れた。飛越トンネルまで2時間かかった。雪は多くて右手の沢から稜線に乗り上げる。
今日は一方通行なのでルート工作は必要ない、アップダウンしながら神岡新道を進む。寺地山で白んできて北ノ俣岳ドン、雪は硬いので下りはシール滑走は避けスキーで滑る作戦
北ノ俣岳の大斜面も素晴らしいゲレンデだ。山頂手前で朝日が肩から射してきた。マンダムな朝を迎えた。北ノ俣岳山頂からは北アの山並みが手にとるように見える。夏は面倒な黒部五郎までの稜線もスキーならあっという間だった。
黒部五郎岳の登りも固くてアイゼンで進む、無事ピクッたが昨年崖から落ちて痛い目にあったので今年は慎重に、山頂からカチカチを肩まで滑りカールに飛び込んだ。マンダムなゲレンデだった。五郎の小屋まで大展望を楽しんであっという間だった。
五郎小屋から三俣蓮華岳の登りも雪は豊富だった。硬い斜面はクトーは使ったがもうアイゼンはいらない、氷は溶け始めていた。無事三俣蓮華に着いて丸山まで登り返せばもうゴールが見えてくる。槍を見ながら双六を巻いて一気に大ノマ出合まで
最後の大ノマ乗越の登りは気合が入った。乗越からは槍穂の大展望が、小池新道はデブリも多いが避けて面ツル大斜面を滑走した。林道まで快適な滑走だった。
蒲田川左股林道はデブリランドになっていたが雪は新穂まで繋がっていて良かった。無事到着して荒神の湯で汗を流して和佐府まで車の回収に行ったらもう暗くなっていて帰宅したのは夜10時、自宅を出てまるまる24時間後の長い一日だった。
ワンディでこのコースをやるのは本当に修行です。完全燃焼!
今週の水友会はオートルート後半と決まった。昨年の記録を参考に、雪質や積雪量で変わるけど大まかにルートの確認をした。
新穂高にジムニーをデポして神岡から和佐府に向かう。一昨年の夏に飛越登山口まで来たことがあるが、集落まではこんなに遠かったっけと思うほど細くて折れ曲がった道をひたすら進む。トンネルを一つ越えると雪は一気に増え、和佐府で除雪最終となった。
思っているより随分手前のような気がするが支度を始める。現在地を確認するとやはり昨年のスタート地よりも3kmほど手前だったのでその分時間はかかった。
天気は安定していたので雪は固いだろうと予想して板は細板でナイロンシールを選択した。ナイロンだとグリップがいいので直登にも強い。
いつも暗闇スタートで暗闇登山だけど、今日は自宅を出発する時間が早かったので睡眠時間は少し取れたが早い時間帯となり、日が出るまでは眠気が酷かった。しかし丁度北ノ俣岳が見えてきた時に白んできてだんだんと頭もスッキリしてきた。
北ノ俣、黒部五郎岳の登りの斜面はガチガチでアイゼン歩行となった。いくら細板と言っても肩にズッシリ来るので脚も前に出なくなる。それでも周りの景色は雄大なので写真を撮ったり、眺めながら歩くと幾分気が紛れて山頂はすぐ目の前に来る。
滑りはカチカチなのでトラバースは板が良く走って早かった。あんなに登りで時間がかかったのに下りは一瞬だ。これこそスキーの機動力を活かした山行だ。何度もシールの脱着をしたがシールは濡れていないので粘着力は問題ない。天気もいいので休憩がてら景色を楽しむことも出来る。
三俣蓮華岳に登る頃には日も高くなってきて暑くなってきた。上着は脱いで直登でグングン標高を上げると稜線に合流。途端に風が強くなってきて斜度も緩くなるので寒くなってきた。ちょうど急斜面でいきなりカチカチになったので、クトーをつけるついでに上着を着た。
少しいやらしいところを過ぎると斜度も緩み、クトーは外して三俣蓮華岳までのヴィクトリーロードとなった。登りきると槍穂高の大展望が広がっていたので感動した。北の方には秋に海から自転車を使って登った赤牛、水晶も見えるので感慨深かった。
これであとは丸山までの登り返しと大ノマ乗越までの登り返しのみなので、幾分帰り時間のメドがついた。まだ標高の高いところはカチカチなので少しの下りだったけどシールは剥がす。登り返すと槍が更に近づいて感動。頑張ってよかったと思える瞬間だ。ここから双六小屋までトラバース。雪もほぼ繋がっていて固いので横にグングントラバース出来た。登り返すことなく小屋を見下ろしそのまま双六谷に向かう。
ここから300mほど落として谷筋から大ノマ乗越に登り返す。しばしザラメ滑降を楽しんで、沢床が荒れてきたところからトラバース気味に滑り登り返し地点に着いた。日が当たっているところは雪が緩んできたが、日陰はまだ雪が固い。最後の登りに向けて栄養補給をして上着は脱いで気合を入れる。
ここも直登でグングン標高を上げた。途中、斜めに登るところもあったが先生は直登で登っていた。面を選べば行けると教えられたが限界に近い斜度だ。ここまで来るともう気力で登っている感じだった(もちろん帰りの余力は残しているが)。
登りきるとさらに間近に見える槍から穂高の稜線が最高にカッコよかった。まだ飛騨沢も滑ったことがないので行きたくなった。ここで最後の滑走準備、もう登らなくていいんだと思うとテンションが上がってきた。壁のような雪庇からエントリー。カリカリでもなく緩んでいるでもなく、いい感じのザラメでスベスベ斜面にシュプールを描いた。
これまで移動的な滑りが多かったが、ここで一気に900m落とす。だだっ広い沢は最高に気持ちが良かった。秩父沢あたりからは上から落ちてくるデブリが酷かった。ここからトラバース気味に滑るが雪は結構緩んでスキーカットすると崩れていくので巻き込まれないように滑る。デブリを避ければ面ツル斜面なので始めは緩んだ雪に四苦八苦したが、だんだん慣れてきていい感じで滑ることが出来た。先生は遥か前方にいる。
林道に合流すると安堵できると思ったのも束の間、急斜面の谷から落ちてきた全層雪崩のデブリが想像以上に凄くて難儀した。雪のない時期にしか来ないと知ることもなかったことだ。いくつもデブリを乗り越えてやっと落ち着いてきた。最後のヘアピンをカットすると無事林道最終まで帰還出来た。
しかしまだ終わりではない。和佐府までランクルを回収に行かなければいけない。しかし明るいうちに下山出来たのでホッとした。途中、温泉に立ち寄り湯船につかると更にホッとした。
回収するころにはすっかり日が沈んでしまった。回収に向かう車中、国道に合流する車中は気が張っていたが、高速に入ると急に気が緩み、眠気が襲ってきた。さすがにまずいと思いPAで仮眠して無事帰宅出来た頃には日付が変わっていた。長い一日だったが終わってみると行ってよかったとしみじみ思う。
今回の行動の状況判断は先生が行っていたので順調に行動出来たが、一人ではもっと時間がかかっていたと思う。雪の状態でルート取りや装備を変えていかなければいけないが、失敗すると時間がかかるしリスクも高くなる。経験として蓄積して今後に活かせればいいなと思った。
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