飯豊連峰ぐるり日帰り山行!!〜ダイグラ尾根・丸森尾根〜
- GPS
- 13:00
- 距離
- 27.6km
- 登り
- 2,578m
- 下り
- 2,574m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ダイグラ尾根へ向かう途中の吊り橋は、壊れて渡れませんでした。それで、近くを徒渉しました。休場ノ峰から千本峰までは笹で覆われ、朝露で全身ずぶ濡れになりました。ここだけは、雨具を着た方が良いです。ダイグラ尾根は、水場が長坂清水しかありませんが、この時期枯れてます。早立ちして暑くなる前に本山に到着すれば、問題ありません。 稜線、丸森尾根は快適な登山道でした。 登山ポストは飯豊山荘にあります。 下山後は、飯豊山荘で入浴しました。気持ちよかったです。 |
写真
感想
夜中の0:30過ぎに家を出発、3:00前に飯豊山荘へ着いた。駐車場には数台車が止まっていた。身支度をし、空を見上げると雲一つない満天の星空。月明かりがとても綺麗で、辺りはヘッドライトがいらないほど明るい。温度計を見ると気温は12度。止まっている車の中には仮眠をとっている人もいるようなので熊鈴が鳴らないように温身平へと向かった。
しばらく歩くとフクロウの鳴き声が聞こえてきた。静まり返った薄暗い森中に響き渡っていた。どうやら二羽いるらしい。15分ほどで温身平に着いたが、休まずそのまま通過した。それから15分で吊り橋に着いた。登山情報通り吊り橋は壊れていたので渡渉ポイントを探す。秋だからなのか水量が少ないこともあって、橋よりも上流に行かずに済んだ。ストックで水深を測ってもせいぜい膝上くらいしかないところをすぐ下流で見つけた。靴を脱いで首にぶら下げ、靴下とズボンを脱ぎ、パンツ姿で冷たい水の中に足を入れ徒渉した。
濡れた足を拭いてズボン・靴下・靴を履き歩き出すと、岩場が出てきた。吊り橋から1時間ほどで長坂清水に到着し、水分とエネルギーを補充するため5分休憩した。休憩後、30分ほど歩くと休場ノ峰に着いた。夜が明けてきたのでヘッドランプを消した。段々と日が昇る様があまりにも綺麗だったので、しばらく佇んでしまった。ここまでは思っていたよりも急登ではなく、刈払もされており、とても気持ちよく歩くことができた。
休場ノ峰からしばらく歩くと登山道が笹で覆われてきた。それまでの道のりがとても快適だったので薮はすぐ終わるかと思った。しかし、甘かった。千本峰の先の岩場に着くまで、しばらく笹薮は続いた。雨具を着ていなかったせいもあり、夜露でパンツや靴下、靴がすっかりぐっしょりになってしまった。濡れているのが気持ち悪くなってきたので、宝珠山の手前で下半身に着ていたものを全て脱ぎ、恥ずかしい格好になった。葉っぱでも付けたい気分だ。パンツ、ズボン、靴下を絞ったあと、パンツだけを履いた。日はずいぶんと高くなり、気温は暖かくなっていた。誰にも見られてないと思い、脱いだものを石の上でしばらく干した。下半身裸の状況がおかしかったので、縦走しているメンバーに無線を入れてみたが返答はなかった。30分ほど待ったら少しだけしか乾かなかった。先を急いでいたので靴下・ズボン・靴を履き、宝珠山へと向かった。
進行方向の少し前方を見たところ、30mほど先にかなり大きなカモシカがジッとこちらを見ていた。今までの行動を見られていたような気がした。誰も居ないと思い、パンツ一枚で膝を抱えて座っていた自分がなんだか恥ずかしくなった(ゴルゴ13のようにパンツ姿が似合う男に憧れた)。こちらが歩くと距離を置いて向こうも歩く。寂しく一人で歩いていたので、少しホッとした。だがこのランデブーも20分ほどで終わってしまった。カモシカは谷底へ駆け下りていった。気がつくと御前坂に来ていた。無線を入れようと腰に手を当てたら、なんと無線機がない!パンツを脱いだところに落とした!!慌ててザックを下ろし、空身で走った。戻ってみると、「あった〜」。危うく35000円がパーになるところだった。再び登り返してザックを背負い、歩き始めた。40〜50分程ロスした。最後の登りで本山の方を見ると数名がこちらに手を振っている。「もうひと頑張りだ。」そう思って手を振り返すと足取りが軽くなった。本山に着いたのが8:40。空は快晴。山頂は気持ちの良い風が吹き、抜群のロケーションだった。
手を振ってくれた人に写真を撮ってもらった。山形市から来た夫婦だった。今回の飯豊で初めて出会ったパーティーに感激した。昨晩は本山小屋で泊まったそうだ。しばらく休憩していると、次から次へと本山小屋から人が出てきた。私を見るたびに皆「シャッターを押してくれ」と言う。「イチたすイチは〜。」と何組の人たちに言ったのか覚えていないくらい頼まれた。まだ人が来そうだったので、頃合を見計らってその場を脱出した。
空は晴天。北へ向かっている人影は一人だけ。なだらかな稜線が続いている。贅沢な飯豊の一人歩きを楽しむことにした。9:15頃、駒形山を過ぎた辺りからまたグズグズの靴が気になりだした。そのまま歩き、先行していた人を追い越し、30分ほどで御西小屋に着いた。小屋には知り合いのKENROKUさんが番をしているということだったが、既に下山していた。ノートに何か書いていないか見たが、何も書かれていなかった。小屋の外に出るとガスがかかっていた。さっき抜いた人が追いついてきた。東京から来たというその人は、本山小屋に昨日泊まったそうだ。とても混雑していたとのことであった。今日は大日岳を往復して再び本山小屋に泊まり、明日下山すると言っていた。大日岳まで一緒にどうかと誘われたが、ガスがかかっていたことや、このあとに待つ暗い中の下山が嫌だったので断った。東京の人を見送ったあと、小屋の前で再びパンツ姿になった。この日ズボンを脱ぐのは、これで3回目だ。1日でこんなに脱ぐのはこれが最初で最後だろう。ズボンや靴下の水分を絞るだけ絞って着た後、小屋の中でラーメンを作って大休止した。
小屋から出るとガスは晴れていた。大日岳を見ると東京の人はまだ半分ほどしか登っていないようだった。すっきり見える大日岳を左手に見ながら進んだ。そこから先は30分間隔で御手洗ノ池、烏帽子岳、梅花皮岳に着き、大きな声で歌いながら稜線歩きを一人楽しんだ。梅花皮小屋には誰もいなかったのでそのまま通りすぎ、北股岳で休憩した。天気はまだ快晴、山頂から門内岳はすっきり見えていたが、杁差方面は少しガスがかかっていた。門内へ行く途中、男性一人とすれ違った。杁差から来て梅花皮で泊まるとのことだった。小屋で縦走組と一緒だったことを聞き、無線が届かなかったことに合点がいった。門内岳を通り過ぎ、門内小屋前でコーラをガブ飲みして休憩した。
門内小屋を出て30分ほどで地神北峰に着いた。ここからは丸森尾根。梶川尾根を右手にただただ下るだけだ。面白いように高度計の数値がどんどん減っていく。1時間ちょっとで夫婦清水に着き、ここで最後の休憩。休憩後、1時間で飯豊山荘に帰着した。
出発して13時間、剱岳の早月尾根を日帰りで行った時の倍の時間だ。達成感はあったが、少し物足りなさを感じた。ソロは自分のペースで歩くという点では良いけれど、時間を忘れさせてくれる「会話」がないせいからだろう。今回は、ただ「歩くこと」「風景を見て楽しむこと」に重きを置いたが、稜線歩きが醍醐味の飯豊には速く歩くことが向かないと思った。飯豊は、もっと「ゆっくり」「のんびり」と楽しみながら歩く山のような気がする。次は、2〜3泊で飯豊を満喫したいと思う。
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